どうも、ハイレゾ音楽制作サークルBeagle KickのサウンドPをやっております橋爪です。
フュージョンやニューエイジを中心に生演奏特盛りでM3や配信サイトで頒布中です。
7/9に1stアルバムを発売しました。ぜひ試聴してみて下さい。

ハイレゾ版も配信中です!
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ときどきフリーで音声関係の音響エンジニアをやってます。
WEBラジオや公開録音・トークライブなどで活動させてもらっています。

オーディオライターとしても活動を始めました。

アコースティックデザインシステム主催のオーディオフォーラムの第22回にてレポート執筆。

OTOTOYにて『Suara / キミガタメ / 君のかわり DSD11.2MHz録り下ろし音源』のレビュー。

e-onkyo musicでアニメ「トリニティセブン」のハイレゾ音源紹介コメント。(全7枚)
1/2/3/4/サウンドトラック/リミックスアルバム/5



ポータブルオーディオプレイヤーってお持ちですか?
略称はDAP(デジタルオーディオプレイヤー)と呼ばれています。

私は、iPad-miniにUSBカメラアダプターとUSB-DAC内蔵ヘッドフォンアンプ(AT-HA30USB)を接続して聴いていましたが、単体専用プレイヤーは持っていませんでした。

ずいぶん前に購入したハイレゾ非対応のiAUDIO M3は外付けHDDになっています。
世間では、ポータブルオーディオが大盛況。ヘッドフォンもイヤフォンも大人気で、ポータブル系の展示イベントでは多くの若者が訪れます。
外で音楽を聴く習慣がない私もさすがに気になっていました。

そしてこの夏、私もついに購入!
Cowon Systems(コウォン)のPLENUE Mです。



ハイレゾ音楽制作ユニットBeagle Kickのメンバーとしては、リファレンスになり得るモデルを選びたいところです。
外出先で音楽を聴くときはもちろん、家でミックスやマスタリングチェックを行うときも、信頼できる音質のモデル

購入の決め手となったのは、その圧倒的なオーディオ性能です。
あの某最高級DAPと比べても数値上は、S/N比、ステレオクロストーク 、THD+N(全高調波歪み率+雑音)特性、これら全てにおいて優れた数値を記録しています。
クロックジッターも低く抑えられています。位相ジッターの値は1.0psだとか。ちなみに某最高級DAPはこれのさらに1/5という驚異的な数値です。
ただ、クロックについてはジッターの値も大事ですが、近傍位相ノイズの少なさも音楽のD/A変換においては重要だそうです。

PLENUE MはSYS-2722という業務用の音響測定機器で、ヘッドフォン端子からの出力を測定しています。
それはダイレクトにリスナーが聴く音に当たる訳ですから、信憑性は高いと思われます。
内部の回路的な特性だけ並べられても、製品の音が悪かったらどうにもなりませんから。
数値はあくまで参考に留め、実際の出音を聴くことはとても大切です。

デザインや操作性、音質に関するコメントは次回にお届けするとして、今DAPを選ぶなら何をチェックすればいいか、私なりにまとめてみました。
今後、購入を検討している人、買い換えを考えている人は一読してみて下さい。


今、ハイレゾ対応のDAPを選ぶ上で重要なチェックポイントはなんでしょうか。

・DSD対応
・32bit整数対応
・DXD対応
・USB-DAC機能
・ヘッドフォンのバランス接続対応


他にもありますが、とりあえずこんな所でしょうか。

上から順に見ていきましょう。

DSDは、多くのモデルで対応が広がっています。
フォーマットとして、2.8MHzまで再生できるもの、5.6MHzまでのもの、PCM変換再生のもの、ネイティブ再生できるもの……
今後は、DSD 11.2MHzの最上位フォーマットまでネイティブ再生が実現することを期待したいですね。

32bit整数対応は、DSDの次の段階の話だと思われます。
何しろ音源がまだ少ない。
音楽制作現場でもA/D機器において32bit整数に対応している機種は、存在しないと思われます。

ちなみにPLENUE Mは32bit-floatに対応しています。
実際に再生するときは24bit表示になりますが、ビットレートが明らかに大きいので32bit-floatはちゃんと認識されている模様。
Protoolsなどで書き出せる32bit-floatのオリジナルファイルを楽しみたい方は、32bit-float対応はチェックした方がいいかもです。
実際の音はきめ細かなダイナミクスが魅力ですが、そこまで大きく24bitと変わりません。(音の入れ物としては24bitなので)

DXD(352.8/384kHz)は、もうおまけと考えてもいいでしょう。
そもそも販売されているハイレゾ音源にDXD形式を採用しているケースがどれほどあるか…(実際には存在するようです)
あえて言えば、DSD非対応の機種でDSDを聴きたいとき、あらかじめPCでDXDに変換してから転送して聴くという手法も。

変換ソフト 『TASCAM Hi-Res Editor

USB-DAC機能は、PCオーディオを嗜む方にとっては強い味方です。
専用ドライバーが提供されていれば、96/24を超えるハイレゾファイルもネイティブで再生できます。
DSD信号にも対応しているなら、然るべき再生ソフトで設定をすれば高品質に楽しむことが出来るでしょう。

バランス接続は、ハイエンドユーザにとってはたまりません。
気になる方は調べて見てください。
ただし、プレイヤーだけでなく対応のイヤフォンやヘッドフォンが必要です。


ということで、次回はPLENUE Mを実際に開封して使ってみた感想をレポートします。

では、また!
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e-onkyo musicでアニメ「トリニティセブン」のハイレゾ音源紹介コメント。(全7枚)
1/2/3/4/サウンドトラック/リミックスアルバム/5


今回は、K2HDについて文字数を使いたいので、いきなり楽曲紹介!


【楽曲紹介】
アルバム名:FIRST*MODE
アーティスト:Rhodanthe*(西明日香、田中真奈美、種田梨沙、内山夕実、東山奈央)



販売:e-onkyo/mora/VICTOR STUDIO HD-Music.
フォーマット96kHz/24bit(WAV/FLAC)


《コメント》
TVアニメ「きんいろモザイク」内でメインキャラ5人を演じる声優によって構成されたユニットRhodanthe*。
ジャズやビックバンドの音楽性を取り入れ、バイオリンや管楽器も多数加えたゴージャスでキュートな楽曲が魅力だ。
アニメ第二期終了からしばらく、ついに待望のRhodanthe* 1stフルアルバムがリリース。
本作はCD版発売と同時に配信されたハイレゾ版となる。
e-onkyoのランキングでは総合1位を数日にわたって維持するなど圧倒的な支持を集め、年明けに開催される5000人規模のホールライブに向けて弾みを付けた格好だ。

ジャズやフュージョンが好きな筆者にとって一期の頃からハイレゾ化を待ち望んでいた。
管楽器がこんなに活躍するアニソンも珍しい。特にEDの“マジJAZZ 1000%”なノリには発狂を禁じ得ない。
今をときめく女性声優がセンスあふれる楽曲に華やかさを添え、
作品のファンならずとも楽しめる珠玉のフルアルバムがここに誕生した。

忍・アリス・カレン・綾・陽子、彼女たちの学園生活に少しでも近づけるような、
まるで日常を切り取ったようなそんなアルバムといえるだろう。
私も楽曲を聴き込んで、久世橋先生の指導を受けるダメ生徒の気分に浸りたいと思う。



Rhodanthe* 1stフルアルバム
「FIRST*MODE」


全体として、押し出しの強い音作りだ。
それぞれの楽器が激しく自己主張している。
賑やかで快活で、無秩序の一歩手前。しかし、作品の世界観を踏まえた調和は取れている。
登場キャラクターの性格を、そのまま音楽に反映させたような気さえする。

楽曲を個別に紹介していこう。
Your Voice」は、解像感が高く音像の立体感がCD版より大幅に向上している。
ボーカルの空気感はより出ていて、低域はクリアで引き締まっている。
立ち上がり立ち下がりはきめ細かく、抑揚が緻密にかつダイナミックに描写されている。

Jumping!!」を聴くと、いかにCD版がオリジナルからスポイルされているかを思い知る。
低域の重心がグッと下がって上品に、かつ自然な量感を魅せてくれる。
音が太い。ギターやブラスの楽器で顕著だ。
全楽曲に言えることだが、コーラスがとにかく緻密でリアル。

シロツメクサの約束」はユニゾンがとても緻密できれいだ。
きらめきいろサマーレインボー」はリズムトラックのキレがよく、ノリもよい。24bitの効果であろう。
さくらいろチェリッシュ」はボーカルが多重コーラスも含め分厚くなっており音場の密度が高いが、潰れることなく描ききる。
ぎんいろスノウドロップ」は、ボーカリストとマイクとの距離が近くなったことによる空気感と存在感を96kネイティブの情報量で余裕を持って表現。

生楽器のゴージャスな共演が、ちゃんとゴージャスに聴こえる「My Best Friends」。
96/24だからこそ描くことの出来る、“ゴージャスな雰囲気”ではない本物の躍動感と迫力を味わえる。
ピアノと弦楽器の音色が味わいを添えていて深みがある。

ほしいろサザンクロス」で一瞬ボーカルだけになるフレーズが何カ所か存在する。
そのときのリアルさは、声優ファンなら一度は味わって欲しい。
役者の込めた細かなニュアンスや情感をより忠実に受け取れるはずだ。

全体的に前後感や分離が甘く、平面的な音作りに感じた。
音数の多いシーンでは音場が混濁して少々ゴチャゴチャしていた。
適正音量はCD版よりも2dB程度ボリュームを上げた辺りにあった。
比較的、音圧はハイレゾ向きに整えられているが、2dB以上上げていくとうるさくなってしまった。
それぞれの楽器がより粒立ち、音数が多いのにスッキリして見通しのいい楽曲は存在する。
個人的には楽曲が魅力的だけに惜しいと思った。


K2HDの3曲は、明らかに44.1/16がマスターだと分かる。
楽曲ごとに独自に割り当てられたアルゴリズムで倍音を生成し付加することで、音の粒子感や空気感には貢献している。
単純にビット拡張しただけでは音量を上げたようになってしまうが、独自の変数を加えることで自然な滑らかさを実現しているそうだ。確かにその躍動感は感じられた。
ただ、倍音付加や24bit化に若干の無理矢理な印象は受けた。
倍音は音源全体に対して適用されるのか楽器(トラック)によっては不自然に感じる。
ビット拡張はCD音源よりは十分に楽しめるが、ネイテイブ96/24と比較すると歴然の差である。
(同じアルバムに両者が同居するため、比較するのも酷な話だが)

私にとっては初めてのK2HD体験だ。
ジャズやクラシック、音数の少ないポップスではまた違った評価になるかもしれない。
あくまで参考程度に留めておいていただきたい。



【K2HDについて】
本アルバムは、Tr.5,10,11においてビクタースタジオ FLAIRが有するオリジナル技術『K2HDプロセッシング』を用いハイレゾ化している。
これには、Twitter上でも様々な意見を見かけた。

私なりに考察を書いてみたい。

最も気になるのは、なぜ一部の楽曲で16bit/44.1kHzのマスター音源が使われたのか。
映像音楽である以上、この現代において16bit/44.1kHzセッション(楽曲ファイルのこと)が採用されることは考えにくい。
テレビ放送やBDのサンプリング周波数は48kHzだからだ。
24bit/48kHzか32bit-float/48kHzのオリジナルセッションが存在すると推察できる。

ならば、そのどちらかのソースをそのままマスタリングしてリリースするか、
96kに変換してからマスタリングするなどの方法もあったと思われる。
事実、より音楽性を高めるため48/32fのセッションを96k環境でマスタリングしてリリースしているレーベルも存在する。
本Blogの過去の記事に感想を載せているので気になる方は検索してみて欲しい。

16bit/44.1kHzのCDになる直前のデータを使用することで得られるメリットはなんだろうか。
既に48/24のハイレゾアニソンは高い評価を受けており、ハイレゾ専用のマスタリングと24bitの効果によって十分なハイレゾ感を味わえることは本Blogでも繰り返し伝えてきたとおりだ。
にも関わらず、あえてK2HDの処理を採用した理由とは……
これ以上は、推測に推測を重ねた妄想にしかならないため、気になる方の考察に委ねたいと思う。

なお、K2HDについてきちんと知ることは大事だ。
ニセレゾ、クソレゾと叩く前によく以下の記事を読むことを勧めたい。
そして必ず音源を聴いた上で自分の意見を発信してほしい。
健全な業界の発展のために。

高橋敦のオーディオ絶対領域
【第73回】「ニセレゾ」疑惑の真相とは - K2HDのハイレゾは本当にハイレゾか?

http://www.phileweb.com/interview/article/201401/24/218.html



以上です。

いかがでしたか?


これは私の主観的な感想ですので、全ての人に「このように感じられるはずだ」というモノではありません。
じっくりと聞き込み、確かに感じたことのみを記事にしています。
日々精進中の身ですので、一つの参考意見として捉えてもらえたらと思います。

ともあれ、ハイレゾ音楽の面白さが伝われば嬉しいです。

ハイレゾ再生は、対応ポータブルプレイヤーからはじまり、
ネットワーク対応のミニコンポ、専用ポータブルプレイヤー、対応AVアンプなどドンドン広がっています。
スマホに対応機器をくっつけることでそのクオリティーを手軽に楽しめるようにもなりました。対応スマホも続々発表されています。

パソコンにUSB-DACを付けてヘッドフォンやスピーカーで聴くという簡単な方法から、やはりオーディオはオーディオとして独立させたいという願いにも答えることができます。

ぜひ、高音質音源の再生にチャレンジしてみてください!
音楽生活がもっと豊かに楽しくなることでしょう。


現在までのアニメ系ハイレゾ感想記事はこちら……

のうりん挿入歌「コードレス☆照れ☆PHONE
ガルパンED Enter Enter MISSION!と1PLDK
「すぱそにっ♥(はぁと)」
「そにアニ オリジナルサウンドトラック」
「ハローグッバイ」歌:榊原ゆい
『「星刻の竜騎士」OP「聖剣なんていらない」/(榊原ゆい)』
『Anison Strings~弦楽四重奏で聴くランティスの歴史』
『僕らは今のなかで』『きっと青春が聞こえる』ラブライブ!
『「英雄伝説 閃の軌跡」サウンドトラック・オリジナルマスター』 前編後編
『閃光の行方 「英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ」オープニングテーマ』
『軌跡 jdk アクースティックス』前編後編
『Beyond the Sky (日本語版)』
『「英雄伝説 閃の軌跡II」サウンドトラック・オリジナルマスター』
深窓音楽演奏会其ノ壱
ソナタとインターリュード
UP↑ with Yuji Ohno & Lupintic Five
Aurora Days
いつかの、いくつかのきみとのせかい
『Blu-ray Audio版『Star!!』』
『『Wake Up, Best!』をワグナーと聴いてみた』
Hey World,恋は混沌の隷也,Go Fight!
DREAM SOLISTER,CANDY MAGIC
「英雄伝説空の軌跡FCEvolutionOST」「SAXES STREET」
Blu-ray Audio版『Shine!!
「Seize the day」「朝焼けのスターマイン」

どうも、ハイレゾ音楽制作サークルBeagle KickのサウンドPをやっております橋爪です。
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ときどきフリーで音声関係の音響エンジニアをやってます。
WEBラジオや公開録音・トークライブなどで活動させてもらっています。

オーディオライターとしても活動を始めました。
最近は、OTOTOYにて『Suara / キミガタメ / 君のかわり DSD11.2MHz録り下ろし音源』のレビューを執筆しました。

また、e-onkyo musicでアニメ「トリニティセブン」のハイレゾ音源紹介コメントを執筆しました。(全7枚)
1/2/3/4/サウンドトラック/リミックスアルバム/5


アニソンハイレゾ界で早くも話題になっている32bit整数音源。
つい先日リリースされたラブライブ!の音源は、その制作過程も気になるところです。

解説を読んでみると、ハイレゾ音楽制作サークルBeagle Kickのプロデューサーとして咀嚼してみたくなりました。
ある程度専門用語が混じりますが、気になる方は調べて見てください。

最初は、ProTools|HDにて48kHz/32bit-floatのセッション(録音・編集中の楽曲をProToolsでは「セッション」と言います)を作ります。
これは録音と編集(ミックス)の一連の工程をデジタルのハイレゾで作っているという意味。
これがCD版制作時のオリジナルですね。

この48kHz/32bit-floatのデータを96kHz/32bit-floatにデジタル変換します。
一度アナログにしてから、デジタルにする際96kで取込むという手法は取っていません。
つまり、すべてPC上で行っています。おそらくProTools|HDXの最高品質変換だと思います。

96kHz/32bit-floatに変換されたセッションは、ミックスからやり直されます。
96kセッションならではの、空間表現力の向上、解像度の向上などを生かしたミックスが可能となります。
エフェクトの掛かり方も変わってきます。EQ一つ取っても同じプラグイン同じパラメーターでも48kとは結果が違うそうです。
Beagle Kickの活動ではミックスの和田がその点を言及していました。新たなノウハウが必要になると。

ミックスが終わればトラックダウンして2mixのデータを作ります。
この時点では96kHz/32bit-float。
本データをマスタリングする際、96kHz/32bit整数でレンダリング(書き出し)したということです。
解説によると、マスタリングエフェクト、例えばコンプやEQなどは書き出し時に32bit整数の精度で掛かっているようです。
32bit-floatはダイナミックレンジの音の入れ物的には24bitなので、マスタリング中のリアルタイムモニターは32bit-floatで行っていた可能性はあります。
マスタリングのソフトを使うときにオーディオインターフェースとして家庭用のオーディオ機器を使うことは考えにくいため(おそらく動作推奨機器外)、32bit-float対応機(24bit対応機)の業務用I/Oを使っていると思われます。
しかし、書き出し後のチェック機は代表的な32bit整数対応機を使って行っていますから、そこで納得いかなければまたマスタリングに戻って修正しているでしょう。
今後、32bit整数対応のオーディオインターフェース、つまりI/Oが登場するのを期待したいところです。

さて、総合しますと今回注目のポイントは二つあります。

・96kHz/32bit-floatセッションに変換してミックスをやり直していること
・マスタリングの書き出し時に32bit整数で処理していること

前者はとても分かり易い変化だと思われます。何せミックスですから。
後者は音の立ち上がりや立ち下がりがなめらかになって、
躍動感や抑揚、わずかなニュアンスの違いも丁寧に描写できるようになっている可能性があります。
今回は音数の多いアニソンですが、今後アコースティックな楽曲にも広がっていくのでしょうか。

24bitでも人間の聴覚限界を超えているので、いわゆる可聴帯域外の周波数は身体で感じているという理論と同じように32bit整数も人間の優れた聴覚が何かを感じるのかもしれませんね。
人間の聴覚は測定結果では測れない微妙な音質の変化も聴き取ることができるように、まだまだ解明されてないことも多い訳です。

まことに残念ながら私が32bit整数に対応するDACを持っていません。
今のところ、UD-503が機能面・将来の拡張性なども含めて興味をそそられます。


さて、記事題名の内容に戻りましょう。



今回は2曲です!

【楽曲紹介】
シングル名:朝焼けのスターマイン
アーティスト:今井麻美
曲名:朝焼けのスターマイン



販売:e-onkyo/mora/OTOTOY
フォーマット96kHz/24bit(WAV/FLAC)


《コメント》
アニメ『プラスティック・メモリーズ』のED主題歌。
オンエアで流れるタイミング、その演出は神がかっていた。
本編の切ない展開が加速するにつれて、歌詞が身に染みるようで涙を誘った。


【楽曲紹介】
シングル名:Seize the day (東亰ザナドゥ主題歌)
アーティスト:SPiKA/Falcom Sound Team jdk



販売:e-onkyo/mora/OTOTOY 他
フォーマット96kHz/24bit(WAV/FLAC)


《コメント》
ゲームソフト「東亰ザナドゥ」の挿入歌。
ファルコム初の現代劇の楽曲は、ファルコムサウンドとしても新境地!?
楽曲の雰囲気から、歌唱しているグループまで新鮮であり異色。
特に本作きっかけで発足した“リアル女子高生グループ「リアル☆SPiKA」”はファンの間でも驚きを持って迎えられた。
動揺した諸君も多いことだろう。「ファルコムはどうなってしまうんだ!」「何がやりたいのか分からない!」など。
しかし、まずは楽曲を聴いて、10/17のライブを見て、ゲームをやってからでも遅くないのではないか。
異質の物を出されて拒絶反応を起こす気持ちは分かるが、評価はキチンと味わって、かつ理解しようと努力してからにしたい。
一ファンとして私はそう思う。
ちなみに、リアル☆SPiKAの実力のほどは、「必要十分」だと私は感じた。
声がヨレヨレで発声も舌っ足らずなパッと思いつく不安とはまったく別次元の歌唱力で魅せてくれたと思う。


では、それぞれの音質は?
感想をぜひ読んでみてくれ!

朝焼けのスターマイン / 今井麻美

一聴して分離感の良さに驚く。とてもスッキリとした音場だ。
各楽器の音がピュアで素直である。何というか、素朴なのだ。
最新の技術を使いつつ、丁寧に大切に作り上げている印象を受けた。
なお、若干ではあるが高域が煌びやかである。
これはボーカルやドラムのシンバルやハイハットなど全体に見られる特徴のためマスタリングによるものかもしれない。

ボーカルの息づかいがリアルで生々しい。
2番以降音程が何度も変化するあたり情感に熱が籠もってくる。
細かなニュアンスの違いなど、時々こちらが鳥肌が立つほどのリアルさはハイレゾならではだ。

彼女の声の特徴を余すことなく収録したスタジオマスターのクオリティーをファンにはぜひ味わって欲しい。


Seize the day (東亰ザナドゥ主題歌) / SPiKA

打ち込み主体のミニアルバムだが、とても音はいい。
過剰な加工をせず、かつ音楽作品としてのカッコよさも妥協していない。

ファルコムのハイレゾ作品は空の軌跡FC Evolutionから急激にクオリティーが上がった印象が強い。
本作もその流れを受け継いでいる。
音が太く存在感があり、かといって野暮ったくなくスピード感もある。驚異の高音質だ。
声の輪郭が緻密であり、多人数歌唱においても音場は混濁せずキレイなユニゾンを楽しめる。

オーディオ的に最も聴き応えがあるのがWish☆Wing。
映画のEDのようなちょっと壮大なバラード。いったいどんな感動のシーンで挿入されるのだろうか、今から気になって仕方ない。
アコギの音は弦の形が見えるように生々しいが、特定の帯域への不自然な誇張はない。
ベースは厚みのある音でスケール感の大きさを助けている。
音数を絞ったことで一つ一つの音像がじっくり聴ける。
打ち込みのリズムトラックもきれいだ。(というか、ファルコム音源の打ち込み音はとても質が高い)

現代劇のアイドルソングとあって、アコーステイック楽器を多様することはなく、
ミックスも無理に立体感を出さず解像度を高め、楽曲のスタイルを重視した印象であった。
音圧は打ち込みメインにしては控えめで、ボーカルやギターの抑揚だったり質感を楽しめる仕上がりになっている。
まったく新しいファルコムミュージック、ファンならその全てをハイレゾ版で楽しんで欲しい。


以上です。

いかがでしたか?


これは私の主観的な感想ですので、全ての人に「このように感じられるはずだ」というモノではありません。
じっくりと聞き込み、確かに感じたことのみを記事にしています。
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ぜひ、高音質音源の再生にチャレンジしてみてください!
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