朝日出版社から刊行となった『完本 仏像のひみつ』を読んでみました。
山本勉 著、川口澄子 イラスト『完本 仏像のひみつ』(2021)朝日出版社
現代の日本は仏像ブームだといわれています。
しかし、それは新しい時代に始まったものではなく、日本に仏像が伝わった古代から今まで続いているのかもしれません。
日本の仏像は、本家のインドや直接のお手本だった中国・韓国よりも、複雑で細やかに伝えられています。
では、そもそも仏像とは何なのでしょうか。
毘沙門天や不動明王はよく聞きますが、何なのでしょうか。
本書では、如来や菩薩といった仏像の組織から始まり、仏像の時代ごとの特徴も分かるように平易に書かれています。
時代によって異なる、仏像の材料や作り方まで分かりやすく、語り口調で教えてくれます。
いつの間にか、基本から仏像の世界の奥深いところまで一通り理解できてしまいます。
目次
はじめに
ひみつ その① 仏像たちにもソシキがある!
ひみつ その② 仏像にもやわらかいのとカタイのがいる!
ひみつ その③ 仏像もやせたり太ったりする!
ひみつ その④ 仏像の中には何かがある!
ひみつ その⑤ 仏像のソシキのまわりにも誰かがいる!
ひみつ その⑥ 仏像の着物にはソデがない!
ひみつ その⑦ 仏像の眼は光る!
ひみつ その⑧ 仏像の色はイロイロ!
ひみつ その⑨ 仏像は国際派!
ひみつ その⑩ 仏像をつくるブッシのひみつ!
おしまいに
作品解説
仏像のひみつ最終顛末
通常、仏像は寺に祀られていますが、美術作品として博物館や美術館に展示されている場合も多いです。
普通は彫刻ですが、もちろん絵に描かれることもあります。
本書を読了すれば、仏像との出会いがより楽しくなります。
視野を広げてみませんか。
筆者プロフィール
山本 勉(やまもと つとむ)
1953年、神奈川県生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。同大学院博士後期課程中退。日本彫刻史専攻。2021年4月より鎌倉国宝館長。清泉女子大学名誉教授。東京国立博物館名誉館員。主な著書に『日本彫刻史基礎資料集成』鎌倉時代造像銘記篇(共編者、中央公論美術出版)、『運慶・快慶と中世寺院』(編者、小学館)、『日本仏像史講義』(平凡社新書)、『運慶大全』(監修、小学館)、『新版 仏像 日本仏像史講義』(平凡社)、『塩船観音寺』(塩船観音寺)がある。