「謝るつもりはない」郁文館理事長コメントと学園の姿 | 非常勤講師はつらいよ―私学非正規教員の本音と生活向上作戦

「謝るつもりはない」郁文館理事長コメントと学園の姿

嫌いなことば ブログネタ:嫌いなことば 参加中

 今日から3月、暦の上ではもうですねビックリマーク
現在、期末成績処理中ですが、気になる記事を発見したので紹介します。
しかも、ここ2,3日のアクセス解析において、検索フレーズ上位が「ワタミ 学校」はじめ、あの学校関連なので・・・

 先月末、ワタミ社長でお馴染の郁文館中学・高等学校にて、実力英語検定試験英検)の問題を事前に教えていた事実が発覚しました。
この件に英語教諭の一人として関わっていた校長が辞任、そして、あの渡邉理事長が新校長に就任したとの事。
この漏えいは、渡邉社長が就任前の出来事だそうで、保護者会にて「社会に謝るつもりはない」と言ったそうですが、これには正直、腑に落ちない気持ちです。

確かに、渡邉社長個人は悪くないでしょう。しかし現在、彼はこの学園のトップであり、学校買収してその地位に就くというのは、そうした過去の負の面も引き受けるという事ではないでしょうか?
組織や人の上に立つ人は、部下の不祥事をも責任を取るくらいの覚悟が必要なはずです。日本の首相が大臣の任命責任を問われるのと同様、この理事長も校長任命責任を問われてもおかしくないでしょう。まして、人(特に子供)を育てる組織のトップなら尚更。
それを、校長を切るのみで更に多くのポストに就くというのも疑問です。

また、なぜ今頃になって発覚したのか?理事長就任してもう5,6年は経つのだし、あれだけ教員達を見張り業績を気にしている理事長ですから、もっと早くに見付ける事も可能であったでしょうに・・・
そう考えると「郁文館理事長」としては「全く責任がない」とは言えないのではないでしょうか?
なのに「自分は悪くない」って、逃げとしか思えません。しかも「自分が不正を出した張本人」と主張していると!
こういう「自分さえ良ければ」と責任逃れしたり他人に厳しく自分に甘い人が、「教育者」としてふさわしいと思えないし、まして学校経営なんてしてもらいたくない!プンプン

 郁文館夢学園(わざわざ学校法人名に「夢」を入れて安っぽくなってしまったなあ)に関しては、過去にも記事(私の採用試験体験など) にしましたが、その後ここの勤務実態を少し聞く機会がありました。
某勤務経験校にて、私と入れ違いに退職したある講師が当時、郁文館と掛け持ちしており「ひでー学校だよ」と言っておられたそうです。
各教師は、生徒達の評価はじめ様々な点において点数化され、それが給与に直結するとの事。まさに居酒屋経営!先生方、精神的にも追い詰められそうですね。。
そして、びっくりしたのが、定期試験で生徒の成績が悪いと、すべて授業担当教員の責任になるので、教師達は易し過ぎる程のテスト問題を作るそうです!これじゃあ、生徒達の到達度を正しく測れないではないですか!?

試験というものは、その期間に習った単元の理解度確認や応用力を試すもので、その学校の生徒のレベルも併せ学習範囲をうまくカバー出来るように作ります。受験で必要な生徒がいる場合はそれにも対応出来そうな問題も入れて。だいたい、学年・クラス平均点が6~7割くらいが適当と、ある先輩教諭から聞いた事があり、私も自ら作成する場合は、その範囲に収まっています。その中で、高得点を取る優秀者もいれば、点数の低い生徒もいるのは仕方がない事で、成績不振者へは担任はじめ他の先生方とも連携してフォローをしていくのも、また教員の任務であります。
それを「すべて担当教師が悪い」とすべて責任を押し付けたり、その結果、簡単なテストしか作らないでは、きちんとした学習・教育が出来ないではないですか!先生方も複雑な思いでしょう。
失礼ながら「こりゃダメだ」と思ってしまいました(苦笑)

 ちなみに、来年あたりから男女共学になるらしいですね(現在は男子校)。
「生徒が集まらない」あるいは「偏差値が上がらない」からと言って、経営不振の学校がやりがちな安易な人気集め(共学化)を行い、かえって特徴のない安っぽい学校になってしまいそうな気がしてなりません。
すべての学校の共学化を反対するつもりはないが、ここの場合「居酒屋学校」のイメージがマイナスになっていますから、まずは渡邉理事長に撤退して頂いた方がよろしいように思うのですが・・・この理事長を信じている保護者や生徒も結構おられるようですが、教育に真面目に携わる人間は、彼にきな臭ささを感じています。
伝統ある学校なだけに、こういう経営者のビジネスに利用され掻き回されてしまい、何とももったいないです・・・学校

過去の関連エントリー


英検:教員が試験前に解答指南 東京の郁文館中高校

 東京都文京区の私立郁文館中学・高校で、英語教員3人が02年まで十数回、同校を会場にして行われた「実用英語技能検定」(英検)の問題を事前に見て、試験前に解答を生徒に指南していたことが分かった。3人の一人だった堀切一徳校長はこの件で26日付で辞任し、外食チェーン「ワタミ」社長で同校を経営する学校法人「郁文館夢学園」の渡辺美樹理事長が27日付で新校長に就任した。

 同校によると、堀切前校長らは試験2日前に届いた問題を事前に見て、解答の単語などを含めたプリントを作って、試験前に受験する生徒に覚えさせていたという。会場になった95年ごろ以降、十数回行われたとみられるが、04年からは会場になっていない。

 英検を運営する「日本英語検定協会」(東京都新宿区)によると、実施要領では、事前に学校に届けられた問題や解答用紙は、教員が数だけをチェックした後は封印して当日まで厳重に保管することになっている。英検2~5級は受験する生徒が10人以上いる場合は学校を試験会場にできるようになっている。

 堀切前校長は「英検に合格することで生徒に達成感を得させたかった」と話しているという。堀切前校長らは協会から支払われる運営費も、学校の会計に入れるという校内規定に反して、担当教員で分配していた。

 同校は今後、堀切前校長の処分を決める方針で、27日に全校生徒に説明し、28日には保護者説明会を開く。渡辺校長は「私が理事長になった03年3月以降は不正は一切ないが、不名誉なことだと思っている」と話している。【三木陽介】

毎日新聞 2009年2月27日 19時41分(最終更新 2月27日 20時13分)


2009/02/28 21:47更新

 東京都文京区の私立郁文館中学・高校で発覚した「実用英語技能検定」(英検)をめぐる不正問題で、解答を示唆された生徒は多いときで50~60人に上ったことが28日、分かった。同校を経営する「郁文館夢学園」理事長で居酒屋チェーン「ワタミ 」社長の渡辺美樹 氏が緊急保護者会で明らかにした。
 渡辺氏によると、事前に試験問題を開封する不正は平成7年ごろから14年まで、ほぼ毎回の検定で行われた。

 政府の教育再生会議委員も務めた渡辺氏は、約550人の保護者らに「心配を掛け、お騒がせして申し訳ない」と謝罪。その上で、不正は自分の理事長就任前に起きたなどとして「社会に対して謝るつもりはありません」と話した。

 高校1年の男子生徒の母親(49)は「息子の今後のことを考えると迷惑している」と憤っていた。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090228-00000303-sph-soci