吉田裕子BLOG「国語で人生に輝きと潤いを!」 国語講師、古典講座、日本語本

国語を学ぶことで感受性と対話力を磨いたら、人生はもっと楽しいと思う。国語の先生を始めて14年目。(予備校講師、高校教師、カルチャースクール講師(大人向け古典入門講座)、著述家) 東大教養学部・慶應通信(文学部第1類・教職)卒。放送大大学院在学中。

国語講師・著述家の吉田裕子(よしだゆうこ)の最新活動情報をお届けします。著書・講座などのまとまったご案内は、吉田裕子 公式ウェブサイトにございます。

   

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本日は、吉祥寺 古典を読む会の5月定例会でした。

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今回取り上げたのは、源義経を「悲劇のヒーロー」化した作品の一つ、『義経記(ぎけいき)』です。

義経記 新編日本古典文学全集 (62)/小学館


室町時代に成立したとみられる、この作品は、鎌倉時代の中ごろに成立した『平家物語』とは違う形で、義経を描き出します。『平家物語』では、「鵯越の逆落とし」「弓流し」など、武勇の英雄としての姿を描かれる義経ですが、『義経記』で描かれるのは、むしろ、子どものころの逸話、そして、兄 頼朝との不和以降の悲劇の日々です。今日の定例会では、静との別れ、静の身を襲う悲劇、義経の自害など、悲しいシーンを中心に読みました。

歴史的事実として、確実に分かっていることは少ない義経だけに、後世の人々は、想像力をたくましくして義経を描き出します。

義経伝説 歴史の虚実 (中公新書)/中央公論新社
 

こちらの本で「(『義経記』は)歴史への願いからその伝記を物語ろうとするもの」という言葉がありましたが、『義経記』は時に史実を離れ、王朝物語の貴公子のような、繊細で、情緒的な義経を描くのです。

ちなみに、ルックスも変貌を遂げます。

『平家物語』では(平家方の野次としてですが)、「九郎は色白うせいちいさきが、むかばのことにさしいでてしるかんなるぞ(義経は、色白で背が小さく、出っ歯が飛び出ているので、すぐにこれが義経だと分かるようだよ)」と言われているのですが、『義経記』では、

「きはめて、色白く鉄漿黒に、薄化粧して眉細くつくりて、衣引きかづき給ひたりければ、姿松浦佐用姫が領巾振る山に年を経て、寝乱れ髪の隙より、乱れて見ゆる黛、鶯の羽風にも乱れぬべくも見え給ふ。玄宗皇帝の時ならば、楊貴妃とも言ひつべし。漢の武帝の世なりせば、李夫人かとも疑はる。」

となってしまうのです! なんと!


こうした義経像の変遷は興味深く受け止めていただけたようです。皆様からのご感想の一部を紹介しますね。


「伝説にあふれた義経ですが、そのときどきの日本人の心にフィットするように、時代を経て展開しているのだと感じました」

「義経の最期は悲しいですね」

「『義経記』の歴史的な位置づけのようなものが、分かって良かった。短い時間で、『義経記』の全貌を知ることができた」

「兼房が、つらい役回り過ぎる。『義経記』の描写が生々しくて、強く印象に残りました」


こうした古典入門講座をお聞きになりたいという方は、次月の「吉祥寺 古典を読む会」の定例会(6/19(日)14時『源氏物語』玉鬘十帖)、あるいは、千葉県市川市のカルチャースクール NHK学園の講座にお越しくださいませ。

吉祥寺古典を読む会のご案内

NHK学園市川オープンスクール
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NHK学園 市川オープンスクールでの講座も、この春、2年目に入りました!

昨年度から継続参加の方もいらっしゃるため、和気藹々とした空気の中、お話ししております。

この講座は、回ごとに違う作品を取り上げるスタイル。ぜひお気に入りの古典作品を見付けていただき、読書の楽しみを広げていただければ、と考えております。

この講座の準備をしながら、わたくし自身、色々な古典作品を味わいなおしておりますが、皆さまにお伝えしようと思って読み直すと、気付くことがたくさんあるんですよね! 『山家集』『徒然草』『新古今和歌集』は、昨年度の講座を通じて、更に好きになった作品です。

そんな、「もういちど、古典文学~今だから味わえる~」の7月期講座が、間もなく(5/31(火)10:00~)受付開始です。

金曜日午後1:15-3:15開講、全5回(7/8、8/26、9/2・9・23)の講座。

この3ヶ月のテーマは、「古典に見る《恋》」です。『源氏物語』をはじめ、様々な作品を通じ、恋の始まりから終わりまで、読んでいきます。

①伊勢物語・源氏物語に見る幼馴染みの恋
②熱心な求婚にほだされるまで。蜻蛉日記
③とはずがたり 奇妙な三角関係
④倦怠期? うちの夫と来たら…… 更級日記
⑤愛の極みで時間を止めて 曾根崎心中

ぜひ奮ってご参加くださいませ!




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ゴールデンウィーク終盤、5月7日(土)の夜に、
「粋でいなせに~江戸の文学と音楽にふれる夜~」
というイベントに登壇しました。

会場は、いつもお世話になっているお店「はっとりセカンド」。

若手の長唄三味線演奏家 杵屋栄之丞(きねやえいのじょう)先生とのコラボイベントだったこともあり、お酒・料理込みで約3,000円というお得な価格設定だったこともあり、お店に入りきらないほどの大盛況!

まず、30分弱、私の江戸文化・文学の講座。

その後は今回の目玉企画。栄之丞先生 & 唄方の薫子先生と取り組んだ長唄「時雨西行(しぐれさいぎょう)」の講座!!

本来は30分ほどある長唄「時雨西行」を数分ずつに区切りまして、私が歌詞を解説していきます。解説後に、お二人が、一梃一枚で演奏を披露してくださるという、贅沢な流れ。

お一人で唄うのは大変かと思うのですが、歌詞の言葉ひとつひとつが、力強くはっきり聞こえました。間近で、迫力と情感にあふれる歌声をお聞きしたことで、長唄の魅力をしみじみ感じることのできる時間でした。

お二方、本当にありがとうございました。

>> 杵屋栄之丞ホームページ
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後半は、はっとりセカンドのお料理をいただきながらの、栄之丞先生ライブ。

あしたばの天ぷらや島寿司などの八丈島料理を含めた豪勢なお料理、お酒の飲み放題をご用意くださったはっとりセカンドの皆様に感謝! 

>> はっとりセカンド 食べログ


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