吉田裕子BLOG「国語で人生に輝きと潤いを!」 国語講師、古典講座、日本語本

国語を学ぶことで感受性と対話力を磨いたら、人生はもっと楽しいと思う。国語の先生を始めて12年目。(予備校講師、高校教師、カルチャースクール講師(大人向け古典入門講座)、ライター) 東大教養学部・慶應通信(文学部第1類・教職)卒。

予備校講師・カルチャースクール講師(二子玉川市川新百合ヶ丘 )・ライターとして、楽しい「国語」「古典」をお届けします。このブログには、日々の気づき・学びを記録!
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6月28日(日)は、吉祥寺 古典を読む会の定例会でした。今回は「『蜻蛉日記』に吐露される妻の嘆き」。

23回目にして、初めて取り上げた『蜻蛉日記』。実は、個人的に1番好きな作品なのです 語りにもいつも以上に熱が入っていたのではないかと思います。

好きなシーンはたくさんあるのですが、何回読んでもニヤニヤしてしまうのが「石木(いわき)のごとく」。ちょっと、引用しますね

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【中巻】
筆者(藤原道綱母)のもとに、夫・兼家はなかなか訪れない。ある日、兼家から、無沙汰を詫びる手紙が届く。つむじを曲げた筆者は「具合が悪い」とだけ返すが、そのようなことを、ものともせず、兼家は筆者宅にやってきた。

(原文)あさましと思ふに、うらもなくたはぶるれば、いとねたさに、ここらの月ごろ、念じつることを言ふに、いかなるものとだえて、いらへもなくて、寝たるさましたり。聞き聞きて寝たるがうちおどろくさまにて、「いづら、はや寝たまへる」といひ笑ひて、人わろげなるまでもあれど、石木(いはき)のごとして明かしつれば、つとめて物もいはで、かへりぬ。

(現代語訳)(具合が悪いと言ったのに図々しく来るなんて)あきれた」と思っていると、兼家は、悪気もなくふざけているので、とても嫌な気分になって、数ヶ月の長きにわたってこらえてきた不満をぶつけると、兼家はぱたりと黙り込んで、返事もしなくなって、寝たふりをしていた。

そして、話を聞きながら寝入っていた人がふと目覚めたかのような様子で、「おやおや、もう寝てしまっているの」などと笑って、見苦しいほどまで戯れかかってくるものの、私は岩や木のように身を固くして過ごしたところ、兼家は翌朝、何も言わずに帰った。


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イチャイチャしてごまかそうとする兼家と、意固地になって拒む筆者。文面を読む限り、確かに筆者は怒っているのですが、「もう! あの人ったら!」という感じの、憎み切れない気持ちを感じてしまうのは私だけでしょうか。


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さて。

次回、7/12(日)『万葉集』の回をもって、会も2周年。1周年の際に「吉祥寺 古典を読む会」の1年目の活動を収めた年報「彩」を制作しましたが、今年も作ります!

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◆参加資格:吉祥寺古典を読む会 定例会に1度以上参加した経験があること
        もしくは 年報「彩」を通販などで購入したこと
◆エッセイテーマ:私の好きな古典の人物(登場人物でも筆者・作者でも構いません)
◆字数:自由(400字~3000字程度だとありがたいです)
◆〆切:7月12日(日)の定例会まで
◆提出方法:メール(yukoyoshida.infinity[アットマーク]gmail.com)の本文もしくは添付ファイル、定例会での手渡し

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こちら、完成は8月下旬~9月上旬を予定しています。参加者には、定例会で配布もしくは郵送いたします(無料)。ふるってご応募くださいませ


★お問い合わせやご依頼はホームページまで。6/17(水)、新刊『品よく美しく伝わる「大和言葉」たしなみ帖』(永岡書店)が発売です。

★これまでの著書…『美しい女性(ひと)をつくる 言葉のお作法』(かんき出版)、『頭をよくする整理のしかた』、『人生が変わる読書術』、『正しい日本語の使い方』、『大人の文章術』、『源氏物語を知りたい』、『東大生の超勉強法』(枻出版社)など。産業能率大学総合研究所の通信講座『文章力を磨く』のテキストも執筆いたしました。

都内の大学受験塾に勤務する他、NHK学園 市川オープンスクール産経学園 新百合ヶ丘校で古典入門講座を担当しています。また、月1回開催の古典サークル「吉祥寺 古典を読む会」も主宰しております。

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『新解さんの謎』(赤瀬川原平、文藝春秋)以来、クセのある解説がクセになってしまう『新明解国語辞典』(三省堂)を愛用している私ですが、今、私の「新解さん」は、付箋だらけになっております。

というのも、新刊『品よく美しく伝わる「大和言葉」たしなみ帖』書く際に、この辞書や古語辞典、ことわざ辞典などを通読して、本で紹介したい大和言葉を探したからです。


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………………………

第1章:相手を気づかう大和言葉
「あいさつする」、「お願いする」、「詫びる」、「頑張る」、「褒める」

第2章:恋・愛情にまつわる大和言葉
「愛する」、「美しい」、「出会いと別れ」

第3章:心情を表す大和言葉
「喜ぶ・楽しむ」、「哀しむ」、「怒る」

第4章:相手をたしなめる大和言葉
「叱る」、「同情する」、「支える」

第5章:暮らしを彩り、豊かにする大和言葉
「仕事で使える大和言葉の言い換え表現」、「日常会話を彩る大和言葉の言い換え表現」、「情緒的に伝わる大和言葉の言い回し」、「手紙で使える季節別・時候のあいさつ例」

第6章:春夏秋冬を愉しむ季節の言葉
「春の言葉」、「夏の言葉」、「秋の言葉」、「冬の言葉」


………………………

辞書通読の成果は、主に、第1章から第4章の見出し語に発揮されております!

ちなみに、見出し語の選定基準は、「古式ゆかしい美しい大和言葉」でありながらも、「全く廃れてしまったわけではない言葉」でした。誰も使わない、化石のような言葉を紹介しても、実用性は薄いですからね。

「今はまだ分不相応に感じられるけれど、いつかは使いこなしてみたい」、そんな上品な大和言葉との出会いがあれば、と思います。

解説では、言葉の由来や古い出典などもご紹介していますので、既に使いこなしている言葉にも、新たな発見があるのではないでしょうか^ ^


★お問い合わせやご依頼はホームページまで。6/17(水)、新刊『品よく美しく伝わる「大和言葉」たしなみ帖』(永岡書店)が発売です。

★これまでの著書…『美しい女性(ひと)をつくる 言葉のお作法』(かんき出版)、『頭をよくする整理のしかた』、『人生が変わる読書術』、『正しい日本語の使い方』、『大人の文章術』、『源氏物語を知りたい』、『東大生の超勉強法』(枻出版社)など。産業能率大学総合研究所の通信講座『文章力を磨く』のテキストも執筆いたしました。

都内の大学受験塾に勤務する他、NHK学園 市川オープンスクール産経学園 新百合ヶ丘校で古典入門講座を担当しています。また、月1回開催の古典サークル「吉祥寺 古典を読む会」も主宰しております。

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NHK学園 市川オープンスクールで、「もう一度 古典文学」という古典入門講座を担当しております

今日の講座では、鎌倉時代の文学を扱いました。講義の際に使用した、平安時代から鎌倉時代にかけての簡単な年表があります。

……………

1008 このころには『源氏物語』が貴族社会で知られるようになった。
1016 藤原道長が摂政となる。(翌1017年に頼通が摂政となる。)
1086 白河上皇による院政の開始。
1156 保元の乱 敗北した崇徳上皇が流罪。武士の力が拡大。
1159 平治の乱 源義朝に平清盛が勝利する。
1167 平清盛が武士で最初の太政大臣になる。
1185 平氏が北九州にのがれ、壇ノ浦で滅びる。源頼朝が全国に守護・地頭をおく。
1189 頼朝、奥州で義経を討つ。
1192 頼朝、征夷大将軍となり鎌倉幕府を開く。
1199 頼朝が亡くなり、実権が北条氏に移る。
1205 藤原定家らが「新古今和歌集」を編纂。(増補改訂が続く。)
1212 鴨長明『方丈記』がこのころ書かれる。
1219 実朝が暗殺され、源氏が3代で絶える。
1221 承久の乱 敗北した後鳥羽上皇は隠岐島、順徳上皇は佐渡島に配流される。
1235 このころ『平家物語』「小倉百人一首」などが成立するか。
1274 元寇①文永の役。
1281 元寇②弘安の役。
1331 このころ兼好法師『徒然草』が書かれたと見られる。
1333 鎌倉幕府が滅びる。

……………

『枕草子』や『源氏物語』が書かれた平安時代中期とは違い、武家の力が増していく激動の時代の中で作品が生まれたことを実感できる表です。

その中でも、五大災厄の描写をはじめ、実感のある「無常観」をものした『方丈記』と、戦乱の時代とは距離を取って美の世界を構築した『新古今和歌集』のあり方とは対照的です。

また、『方丈記』と同じ「無常観」でくくられることの多い『平家物語』は、源平合戦から少し時が経って書かれました。そのこともあってか、写実的な描写ではなく、勧善懲悪的な色付けや悲劇のエピソードのドラマ化が目立ちます(私はそこに、江戸時代の歌舞伎に通じる通俗性の面白さを感じます)。

さらに時が下って誕生した兼好法師には、悲壮感はほとんど感じられません。「無常」の世の中で、どのように心のどかに、のびやかに生きていくか。そうした等身大の人生を模索するようなマイペースさが感じられます。

作家の個性はさることながら、生まれた時代のもたらす影響を感じられる作品群。そうした面白さを語りながら、実際の作品の本文に触れていただきました。



こちらの講座、再来週は江戸時代の文学を読む予定で、7月からの3ヶ月には、平安時代の日記や物語文学を読みます。ご興味のおありの方は、
NHK学園 市川オープンスクール(047-325-8211)までお問い合わせくださいませ。


なお、産経学園 新百合ヶ丘校でも古典入門講座を担当しており、こちらでは『源氏物語』を扱っています。そちらも7月に向けて、参加者を募集しております!


★お問い合わせやご依頼はホームページまで。6/17(水)、新刊『品よく美しく伝わる 「大和言葉」たしなみ帖』(永岡書店)が発売です。

★これまでの著書…『美しい女性(ひと)をつくる 言葉のお作法』(かんき出版)、『頭をよくする整理のしかた』、『人生が変わる読書術』、『正しい日本語の使い方』、『大人の文章術』、『源氏物語を知りたい』、『東大生の超勉強法』(枻出版社)など。産業能率大学総合研究所の通信講座『文章力を磨く』のテキストも執筆いたしました。

都内の大学受験塾に勤務する他、NHK学園 市川オープンスクール産経学園 新百合ヶ丘校で古典入門講座を担当しています。また、月1回開催の古典サークル「吉祥寺 古典を読む会」も主宰しております。
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