ご訪問ありがとうございます。
昨日のお話の続き番号が間違っていたのを、今気が付きました。
修正しました、すみませんでした。
Kierkegaard
(絵コンテに色塗り、手抜きである、あ、ぶ、ブライアンを描き忘れている)

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終わりの、別れの時はすごそこまで・・・

蓮は言い知れない焦燥に駆られていた、キョーコと繋いだ手に力を込めた。

「い、いたい」

「あ、ごめん痛かった?そうだ」

キョーコの体を引き寄せ、腰に手をまわした。

「れ、れ、蓮!」

「二人三脚って知らないでしょう?ということで」

和気藹々の一行である、そして、キョーコの母が眠る場所に到着した。

そこは静寂と静謐が支配する緑の王国、大気が揺れる、風もないのに木々の葉が揺れる。

「古老!」

『来たか、いいのか?』

「・・・俺たちがこの島を離れるときに、決められたことだ。受け入れるさ」

『その娘は・・・』

「キョーコは知らない、だが、俺たちがこの惑星(ほし)に留まらざるえないなら、受け入れるさ」

「お兄ちゃん、お母さんはどこ?」

『お前の母は、わしの中にいる・・・』

「どういうこと、お兄ちゃん?」

「キョーコ、俺たちはここでは、異物なんだ。だから狩人に常に狙われ、狩られる」

「今までだってそうだったじゃない」

「あいつに見つかって、お前は力を放出しすぎて、この島以外では生きられない」

『母に逢いたいか・・・』

「逢いたい」

『わしに触れなさい・・・』

キョーコが手を伸ばし、長老に触れた、その刹那、彼女は消えた。

「キョーコ!尚さん、どういう・・・」

蓮が尚と 奏江を振り向き見やると、彼らもまたその存在を消した。

そしてあたりは静寂と静謐の緑の世界がただ広がるだけだった。

「キョーコー!」

蓮の悲痛な叫びがその静寂を切り裂くが、古木は何も答えない。

蓮が茫然自失でその場に佇んでいる、ガサガサと茂みから、教授たちが顔を出した。

「つ、敦賀君、彼らはどこに」

「・・・」

教授が蓮の肩に手をやり、揺らすが彼の瞳は虚ろで何も映していなかった。

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