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Kierkegaard
(うにょうにょな線だなあ、どうやったらまっすぐで繋がった線が書けるのだろう)

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屋久島空港に到着した4名を待ち受けるのは、私服刑事が一人と制服をきた警官だった。

本土からの連絡を受け、メールで受信した画像をもとに乗降客一人一人を目で追う。

若い男性と女性、とくに男性は190cmを越える背の高さなら見間違うはずはあるまい。

「えーと、いませんね?」

「だなあ、ちょっと聞いてみるか」

「すみません、ちょっとお尋ねしますが、こういった乗客を見ませんでしたか?」

刑事は、到着ゲート出口で、手荷物札をチェックしている係員に尋ねる。

「さあ?見かけませんでしたが」

「どういうことだ、すみません、あの出口はここしかないですよね」

「もちろんです、手荷物のない乗客もここを通らないと外には出られません」

その頃、キョーコ達一行は、待合室でパイロットを待っていた。

「お兄ちゃん、ここからまた飛行機なの?」

「ああ、母さんが休眠している場所は、この島からもっと南の方向なんだ。船にしようかと思ったが、ヘリの方が、お前が疲れないだろう」

「なんだかこの島についてから、大分元気になった気がする」

「そうだろう、この島には屋久杉があるからな、その力がお前の体の中に入ってきているんだろう」

「逢いたいな、屋久杉に」

「逢えるさ、俺たちが向かう島にも、古い大きな神木と呼ばれる木がある。そこに行けば、この島にある屋久杉とも交信できるはずだ」

とかなんとか会話してのんびりとヘリの操縦者を待っていた。

「待たせたな、俺はパイロットのローリーと副操縦士の社だ」

「すみません、よろしくお願いします」

「君たちが向かう島は、無人島で帰りはどうするんだ?行きしか予約していないようだが」

「無線を持ってきてますから、あとで連絡します」

「連絡をまっているよ、飛行計画書は提出し、了承を得られた、すぐに出発しよう」

ヘリに乗り込み、目指すはあの島へ飛び立とうとしたとき、管制から待機の連絡が入る。

「どういうことですか?」

「そのヘリの乗客に、任意で事情を聴取をしたいと連絡があったんだ。乗客をおろして、こちらに向かわせてくれないか?」

「了解、すまないが、君たち・・・」

奏江の髪が伸び、機長と副操縦士の首に巻き付いた。

「ヘリを今すぐだして、さもないと」

「君たちは、何者だ」

「狩人に追われている、哀れな獲物よ。お願い、私たちをあの島へ」

「・・・社、動かすぞ」

「機長!どうして!」

「これは、ハイジャックだろう、不可抗力だ、飛ぶぞ!」

エンジンが始動し、ヘリが轟音を轟かせ飛び立つ、管制から何やら連絡があるが、

「引き返せ!」

「非常事態だ」

ヘリが飛び立って間もなく、本土から教授一行が到着した、飛行計画書から彼らが向かう場所が判明する。

「この島は、」

「教授、どうしたんですか?」

「なるほど、博士は、あの島で彼らを見つけたというのか?」

「わしを、今すぐあの島へ連れていけ」

緑の美しい妖精の女王が眠る場所が明らかになった。
秘密の場所なのに、・・・

緑色、緑色、私の大好きな緑色・・・

続く その14