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さて、去る 一昨年 の10月7日(火)の「ボランティア・地域医療」のブログ、去る 昨年の1月25日(日)の「ボランティア・地域医療・その2」のブログ 、去る 昨年の1月29日(木)の「ボランティア・地域医療・その3」のブログ そして 去る8月8日(土)の「ボランティア・地域医療・その4」のブログ などに、
「(前略) 先輩から委託されて学部生であった頃から関わっております、母校の医学部と某・看護の大学が主催しています地域医療研究会(後略)」と記させて頂きました 地域医療研究会の新入生歓迎会に呼ばれまして、話すことを依頼されると、申していることの話の 触 りを記させて頂きます。(^-^)
以前、この地域医療研究会の学部生の主将の前で 「ルカによる福音書(英語:the Gospel according to Luke)」の第10章に書かれてあります 「 善 きサマリア人の 譬 え(英語: Parable of the Good Samaritan)」を話しましたら この話をして下さいと言われましたので、毎年 話して参りました内容で 御座 います。
まず、話す時間のことがありますので、簡単に この「 善 きサマリア人の 譬 え」を説明致します。 因 みに、学部生から 話す時間のことを言われます。
この話は、ある律法学者が イエス・キリストを 試 みようとして 「自分を愛するように、あなたの 隣 り 人 を愛せよ」という律法の「私の 隣 り 人 とは、誰のことですか」との この律法学者の問いに イエス・キリストが答えた 譬 え話であります。(なお、去る11月16日(月)の「七五三に思うこと」のブログの中段やや上、去る10月23日(金)の「レクイエム」のブログ の上段、去る 昨年の2月14日(土)の「絵本の影響」のブログ の中段やや上、そして、去る 一昨年 の12月13日(土)の「 土 ・1」のブログ の上段やや下に記させて頂きましたように、以前、親戚のクリスチャン(英語:Christian)の 方 に確認致しましたら、キリスト(ギリシャ語)(メシア[ヘブライ語]・ヘブライ語では、キリストに対応する言葉としてメシアと呼ばれる、という意味です)という称号が尊称となっているとのことで同意されましたので、イエス・キリスト と記させて頂きました)
ある人が、エルサレム(英語:Jerusalem)から エリコ(英語:Jericho)に行く途中で 襲 われます。そして、 偶々 宗教的権威のある司祭が 道を下って来ましたが、この人を見ると 向こう側を通って行ってしまいます。同様に、レビ人(英語:Levite)も この場所に さし 掛 かって来ましたが、彼を見ると 向こう側を通って行ってしまいます。ところが、あるサマリア人が 旅をして この人のところを通り 掛 かり、この人を見て 気の毒に思い、近寄って来て その 傷 に オリーブ油(英語:olive oil) と 葡萄酒 を注いで 包帯をしてやり、自分の家畜に乗せ、宿屋に連れて行って 介抱 しました。翌日、デナリ(お金の単位) 二つ を取り出して、宿屋の主人に手渡します。
そして、「この 三人 の中で 誰が一番 この人の 隣 り 人 となったと思うか。」 と イエス・キリストは尋ねます。すると、その律法学者は、「その人に慈悲深い行いをした人です。」と言います。そこで、イエス・キリストは、「あなたも行って 同じようにしなさい。」と言います。
この話を読んで オリーブ油 と 葡萄酒 を注いで 包帯をして と 云 いますと、前近代的な医療と思われるかもしれませんけれども、地域医療研究会は 医療を通して 隣 り 人 になることが出来るのではないか と思います。どうぞ、 善 いことをしているのでありますから、いろいろあると思いますが、仲良く やって下さい。(前述のように 先輩から委託されて 学部生の主将を拝命して、ずっと見て来ております)
仲良く と言いますと 単純なことのように思われるかもしれませんが、聖徳太子により制定されたとされる 十七条憲法の第一条に「 和 を以て 貴 しと 為 し、 忤 らふこと無きを 宗 と 為 よ。」とあります。これは、簡単に言ってしまえば、仲良くして下さいということである とされています。(なお、聖徳太子のことは、去る4月3日(日)の「姉の旅」のブログ、去る12月14日(月)の「赤穂義士」のブログ、前述の 去る 昨年の2月14日(土)の「絵本の影響」のブログ などのそれぞれ上段にも記させて頂きました)
古来、日本では、「愛」のことを 「 産巣日 」と言いました。御承知のように、 基督 教では 「アガペー(英語:agape)」、仏教では 「慈悲」、そして、儒教では 「 惻隠 の心 すなわち 仁 もしくは 仁愛」という言葉があります。神道では、「 産巣日 」と云います。なお、去る2月9日(火)の「母親の観劇・続報」のブログ そして 去る10月26日(月)の「姪の挙式」のブログなどのそれぞれ上段に、
「(前略)このブログの巻頭に書かせて頂いていますように、古来、日本では、『愛』と 云 う字を使わないで、『 産巣日 』と言いました。『愛』と 云 う語は、中国の言葉です。最近では、おむすび、そして、大相撲の千秋楽・むすびの一番などという言葉になっています。『 産巣日 』と 云 う語は、『愛』と 云 う語よりも非常に深遠な意味を含んでいるのです。(後略)」と記させて頂きました。
診療では、「治療同盟」というのを結びます。すなわち、簡潔に言ってしまえば「一緒にやって行きましょう」ということです。本来、人には 自然治癒力 そして 恒常性(ホメオスターシス[英語:homeostasis])が備わっていますから、特に 心のことは 「 産巣日 」が成就したとき、「 産巣日 」の 力 が働いたとき 発現したとき、誠に有り難いことに、クライエント(英語:client)(来談者。以下、Cl.と示させて頂きます)が よくなり 回復致します。 更 に、心理療法併用内科には 成長モデル(英語:model)というのがあり、「治療から成長へ」 すなわち 治療者が Cl.と共に成長していると実感することが 御座 います。
地域医療研究会も同様に、主将の 下 で お互いに 仲良く交流されて 協力されて 「 産巣日 」の 力 が働いて 個人の 力 以上の 力 が発揮されて 共に成長することが出来る場でもあるのではないか と思っています。 因 みに、去る 昨年の6月20日(土)の「不登校」のブログの中段に、
「(前略)この新しい物語を 創 るように 目指 すことは、身近な所でも応用出来ます。 例 えば、家庭でも、会議でも、すなわち、様々な集団で仲良く交流されて、話し合って、(古来、日本では、『愛』のことを『 産巣日 』と 云 ったのですが、)むすびの 力 が働いて、その集団の新しい物語を 創 り上げていくのと同様で 御座 います。
この新しい物語が、その後の個人、もしくは、集団の将来に影響を与えて参ります。 勿論 、その後の行動、そして、進路にも関わって来ると思われます。(後略)」と記させて頂きました。
この 後 の話で 新入生 そして 新入部員の 方々 に 本を一冊 紹介させて頂くのですが、この話は、前述の 去る 一昨年 の10月7日(火)の「ボランティア・地域医療」のブログの上段に記させて頂きました。
ときに、去る 一昨年 の12月14日(日)の「聖フランシスコ」のブログのコメントの回答、すなわち、コメント4の中段に、上記の「ルカによる福音書」の第10章に書かれてあります「 善 きサマリア人の 譬 え」に関しまして、
「(前略)『物乞いのラザロ』は、『ルカによる福音書』に記されたイエス・キリスト(尊称)の 譬 え話の中に出てくる人物ですね。同じ『ルカによる福音書』には、第10章に 『 善 きサマリア人の 譬 え』という、イエス・キリストが 語られた 譬 え話がありますね。『ルカによる福音書』は、聖ルカ だけにある重要な 譬 え話が集められているとされていますね。(後略)」と記させて頂きました。
また、前述の「サマリア人」のことにつきまして 補足させて頂きます。「サマリア人」とは、イエス・キリストの在世当時 サマリア地方に住んでいた人々のことであります。紀元前722年 アッシリア(英語:Assyria)によって 北部の北イスラエル王国が滅ぼされると、アッシリア人は この地に やって来て 混血しました。サマリア人は、自分たちこそ モーゼ(英語:Moses)の教えを守り 律法に忠実な民族であると思っていました。 因 みに、モーゼは 前述のレビ人です。
しかし 乍 ら、ユダヤ人(英語:Hebe)は、彼らを嫌いました。そして、何世代にも渡って 両者の間では争いが絶えず、 遂 に 紀元前109年頃 ユダヤの王によって サマリアの寺院が破壊されるに至りました。このような関係が 長く続いていた 為 、ユダヤ教の教師の中には、ユダヤ人が サマリア人に助けられることは ユダヤの国の回復を 遅 らせる と教える者も 沢山 居 ました。イエス・キリストの この 喩 え話は、このような「敵」とも呼べる異民族であっても、神の前では 平等であり 「 隣 り 人 」として 愛すべきことを教えています。また、愛の行為を行わない人々は たとえ 律法学者 や 司祭のような 宗教的権威のある人でも、この「 善 きサマリア人」に劣ることを 有力に示している とされています。
ところで、この地域医療研究会の追いコン(送別会)に呼ばれまして、話すことを依頼されると、申していることの話の 触 りにつきましては、前述の 去る 昨年の1月25日(日)の「ボランティア・地域医療・その2」のブログに記させて頂きました。一般的に 卒業する学部生の送別会で話す スピーチ(英語:speech)は難しいと言われますが、誠に有り難いことに、行わせて頂いて参りました。
本日も、最後 迄 お読み頂き、誠にありがとうございました。唯々感謝。(^-^)