★【書きおろしストーリー】夢をかなえる『熱意』~ひとりでがんばるあなたへ | 藤沢あゆみオフィシャルブログ Powered by Ameba

藤沢あゆみオフィシャルブログ Powered by Ameba

作家。著書29冊。相談30000件超。ananによる信頼できるカウンセラー20人の1人。NHKEテレハートネットTV出演。2023年4月「バズる!ハマる!売れる!集まる!WEB文章術 プロの仕掛け66」発売9日で増刷、7月18日枚方蔦屋書店で101人講演会開催

たった一着の服のデザインが決まったのは、終電間近になった時だった。

「君のアイディアのおかげで最高のデザインが決まったね!終電間に合わなくなるから、あとは片づけとくからはよ帰り」

社長から初めて仕事でほめられた。

ウルッときそうになったあたしにダメ押しのひと言。

「いつも根性あるなと思ってる、だから期待しすぎてしまう。活かしきれんかってごめんな。マルキューに入れる話し、覚えてるで、ここからはボクがんばるから」


その商品は、あたしがこの会社に入ってはじめて飛ばしたヒットとなった。そしてそれは過去のヒットアイテムの記録を塗り替えたのだった。

あたしは初めて、この会社の一員になれた気がした。


あたしには夢があるんだもの。

その言葉を久しぶりに口に出していってみた。

ほんの1mmかもしれないけど、あたしはそこに近付けた気がした。


あの夜、運命は変わった。

あたしのデザインした商品が、マルキューのなかにあるセレクトショップに置かれたのだ。

一気にショップを持つのは難しいけど、とにもかくにもマルキューに自分の商品が置かれるという夢を、あたしはかなえた。

お客さんのふりをしてそのショップにいった。

「ねえねえ知ってる?あなたが手に取ったその服ね、あたしがデザインしたんだよ」

もしも今そう言ったらどうなるだろうか。

残念ながらレジに出されるところは目撃出来なかったけど、自分のデザインした服がそこにある、そして手に取られる、それだけでしあわせだった。


社長の営業のたまものだった。

「おめでとう!」

「社長のおかげです、それにこれはみんなで決めたデザインです、あたしだけのチカラじゃ・・・」

「いやいや・・・君の熱意がみんなに伝わったんだよ。君じゃなかったらボクもここまでやれなかった」


社長は改めて打ち上げを開いてくれた。


その帰り道、あたしはパターンナー君に呼びとめられる。

「ちょっと時間ある?」

(つづく)


あゆみですドキドキ

「夢をかなえる」

明日は22時にお届けしたいと思います。

最初から読みたい人はこちらを見てね。


夢をかなえる『プロローグ』

夢をかなえる『失業』

夢をかなえる『全滅』

夢をかなえる『希望』

夢をかなえる『満開』


夢をかなえる『決意』

夢をかなえる『暴力』

夢をかなえる『終電』

夢をかなえる『復興』

夢をかなえる『過去』

夢をかなえる『動揺』

夢をかなえる『沈黙』

夢をかなえる『変化』


読んでくれてありがとう、またねドキドキ