この道はほんとうに東コレに続いているの？
コレクションどころか、目の前の社長一人を納得させられるデザインすらできず、ううん、パターン指示すら間違う始末。
誰か、あたしに教えてよ。
その道は間違ってるとか。
その道であってるよとか。
誰か、あたしを抱きしめて。
たまにじゃがんばってるねと言われたいよ。
具体的な男の顔も浮かばないのに
抱きしめられたいと。思った。
ふと・・・
久しぶりにケータイから前の会社のツイッターをのぞいた。
仙台の生産ラインもぼちぼち復活しそうと書かれていた。
被災地に物資を届けることが恒例になっていて
「色んなものを失ったけど、人生の新たなミッションが見つかった」
チーフはそうつぶやいていた。
生産ラインが完全に復活したら仙台でファッションショーをしたいとチーフは書いていた。
現地ボランティアはＩＴスキルがある若い人が活躍してるそうで、その中からモデルをスカウトするんだと張り切っていた。
もう、その輪を自分が入れるかもしれない場所としてうらやましいとは思わなかった。
だけど・・・
確かなものをつかんだ人がいて
あたしは相変わらずつかめてなくて
前から持っていたはずのものすら、指の間からこぼれおちてしまいそうで。
服への想いなんてものも今は空回りしかしてなくて。
世の中の復興ムードから、あたしは明らかに取り残されていた。
と、そのとき。
目に入ったものがあった。
春キャベツ。
ふたつで１００円と書かれていてあたしは何度も見直した。
コンビニなのに？
風評被害が深刻な被災地の野菜をこのコンビニのオーナーさんが独自に取り扱うことにしたらしい。
そのとき、思いだした光景があった。
（つづく）
あゆみです
「夢をかなえる」
明日も２２時にお届けしまっす！
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夢をかなえる『失業』
夢をかなえる『全滅』
夢をかなえる『希望』
夢をかなえる『満開』
夢をかなえる『決意』
夢をかなえる『暴力』
夢をかなえる『終電』
読んでくれてありがとう、またね