これまでのお話
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+第1話:ついに来たおしるし!+
+第2話:子宮口1cmの帰宅+
+第3話:陣痛襲来①+
+第4話:陣痛襲来②+
+第5話:子宮口6cm開大!+
+第6話:LDRで心の準備!+
第7話:ダーリン陣痛室へようこそ+
+第8話:破水させられました!+
+第9話:押せ肛門、押すな時間+
+第10話:陣痛ジェットコースター+
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―16時20分

「はい、じゃあベッドの形変えるからね~。ここに足乗っけて!」
所定の場所に足を乗っけると、寝ているベッドがウィーンと起動し、ガシャガシャと変形し始めた。

「そこのレバーを引いて、いきむのよ!」
何だこれは。
スーパー出産ロボット大戦!?
レバーを引いたら、ミサイルでも発射されそうだ。

(※注 実際発射されるのは、赤子である。)
くだらないことを考えているそばから、いきみが来る。
「はい、いきんでー!」

「ぐう~~~うぅ。」
「声出さない!声出さない!」
この人たち、ドSか!?
「2回くらいいきめる?もう一度!!」

「・・・・・・・・・!!!!」
「そうそう!あ、ダメダメ!目をつぶらないで、下見て!」
声を出すなと言ったり、目を開けろと言ったり、この極限状態の私に何個注文しているのだ。

注文の多い料理店陣痛室だな、ここは!

「ぐぐ…。」
「そうそう、上手上手!」
上手と励まされているようだが、そういえば何の説明もなしに、ベッドがスーパーロボ状態になり、いつの間にかいきまされている。
一体、赤子はどんな状態なんだ!?
頭は見えているのか!?
しかし、もう質問する余裕などない。
意識が朦朧とする。
「会陰切開します。」
意識が戻ってきた。

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