本気で怒って病気が治る? その2 | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

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体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます 

昨日、「本気で怒って病気が治る?」で、春秋時代の名医、文摯(ぶんし)の治療例をご紹介しました。木克土の五行の相克関係(→東洋医学講座No.7 )を応用したものでしたね。この「怒り」を薬にする治療例、『三国志』ファンの皆様にはおなじみの華佗(かだ)にもあるんですよ。

ある群の太守が重病になり、華佗が診察をします。華佗は、高額な治療費を受け取りながら、治療も行わず、黙って立ち去ってしまいます。しかも、あろうことか太守に対する悪口雑言を並べた手紙まで残して。

当然のことながら、太守は激怒します。直ちに部下に華佗を追わせますが、捕まりません。そうと知って、さらに怒りまくって激高した太守が、ドパッと血を吐きます。すると、あ~ら不思議、太守の病はすっかり治ってしまいましたとさ。

血を吐いて治ったとなると、お血でも溜まってたんでしょうかねぇ…。弁証の内容までは書かれていないのでわかりませんが。

華佗は神医とも言われた人ですから、もちろん治療費を取って逃げたのも、悪口を書いたのも、わざと治療のためにやったことでしょう。そして、太守の家族や部下も、もしかしたら華佗とグルだったのかもしれませんね。そうじゃなければ、捕まっちゃったでしょうから。

華佗は、ゲームの三国志にも登場しますし、映画『レッドクリフ』にもちょっとだけ出てますが、魏(ぎ)の曹操(そうそう)の主治医でもありました。曹操は頭痛持ちだったので、華佗の名声を聞きつけて呼び寄せた。

ところが、曹操のもとで働くうちに、思うように出世もできず、望郷の念にかられた華佗は、治療のための医書を取ってくるとウソをついて、国に帰ってしまいます。曹操は何度も手紙を送って、華佗に戻ってくるように言いますが、華佗は、妻の病気が重いからと、これまたウソを重ねて戻りません。

結局、そのウソがばれて、華佗は曹操に捕らえられ、拷問の末に殺されてしまいます。あ~ぁ、いくら名医でも、時の権力者にウソついちゃいけないよね。しかも、曹操は患者でもあったんだもの。

貝原益軒先生も、『養生訓』の巻二3「動くことが養生の道」の中で、華佗の言葉を引用されていますが、これは華佗が養生法・運動療法としての五禽戯(ごきんぎ)をつくったことに関連しています。

中国古代には、個性あふれる名医たちがたくさんいます。残っている逸話もなかなかのもの。もっとも、逸話と言っても、かなり脚色されている節もあり、鵜呑みにはできない部分もあるんですけどね。追々、ご紹介していきたいと思います。

一天一笑、今日も笑顔でいい1日にしましょう。

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黄水仙
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