吐き気を東洋医学でみると その2 | 春月の『ちょこっと健康術』

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昨日の「吐き気を東洋医学でみると その1」 からの続きです。簡単におさらいすると、「吐き気」は胃気上逆。下降するのが本来の胃気が上がってしまう状態でしたね。


胃気に限らず、気がうまく流れない状態は、なかなか温まらないファンヒーターみたいなもの。給油不足でパワーが出ないか、給油システムのどこかに詰まりが生じてるか。


つまり、(1)気虚 …気の不足があって、気の流れそのものに力がないか、(2)気滞 …気の停滞があって、気が流れにくくなってるかってことです。気虚や気滞の原因は、東洋医学講座No.33 にもありますが、あらためてまとめると、↓次のようになります。


(1)気虚(気の不足)が生じるのは、

① 先天的に不足している場合。いわゆる生まれつきの虚弱体質。

② 食が細い、食事の時間が空き過ぎる、食欲がないなど、食事の摂取量が少ない。

③ 大病をした後、出産後、慢性的な病がある、働き過ぎ、運動し過ぎなどで、気を消耗している。

というようなとき。


(2)気滞(気の停滞)が生じるのは、

① 感情の起伏が激しい、ストレスが大きいなど、精神的なゆとりがない。

② 食事量が多過ぎる、特にあぶらっこい物・甘い物・味の濃い物の食べ過ぎで、食べた物が痞えている。

③ 寒さ、生もの・冷たい物の摂り過ぎ、寒涼性薬剤の長期服用、運動不足などで冷えがある。

④ お血痰飲 、外傷などがある。

というようなとき。


これらの原因をまとめちゃえば、飲食バランス、ストレスコントロール、適度な運動、冷えの予防などが大切だってこと、見えてきますね。↑上には含めてませんけど、呼吸が浅ければ、やっぱり気の不足や停滞に結びつくので、呼吸も大切。


気虚や気滞が胃気に起こって、胃気の働きが悪くなると、吐き気が生じるってことになります。そうそう、昨日は書き忘れましたけど、しゃっくりも胃気上逆の症状です。「しゃっくりを東洋医学でみると」 に書いてました。


となると、吐き気をおこす病態は、しゃっくりと同じ?しゃっくりも食後に出たりすると、吐き気を催しちゃうことありますもんね。しゃっくりは瞬間的な気の上逆。吐き気の場合は、今にも上がりそうな状態。それが強くなると、嘔吐になるって感じかな。


中医学のテキストには、しゃっくりを起こす病証 は、「しゃっくりを東洋医学でみると」 にリストされているように、胃寒胃熱肝火上炎脾陽虚胃陰虚 とされています。


吐き気は、悪心嘔吐としてまとめられていて、食滞胃かん脾気虚・脾陽虚 による痰飲 の停滞、肝鬱気滞 の影響による胃の不調、 風・暑・湿 の邪が胃に入った外感がリストされています。


悪心嘔吐で、酸っぱいものがこみあげる場合、いわゆる「黄水が上がる」状態、これを呑酸(どんさん)と言いますが、これは食滞か肝鬱のどちらか。痰飲では、水分過多なので、吐いた物に水が多く混じります。


外邪によるものは胃寒・胃熱・胃陰虚に通じるし、脾気虚と脾陽虚は冷え症状の強さの違いだし、肝火上炎は肝鬱気滞が悪化すれば起こるし…ということで、表現のしかたは違っても、基本的には同じでしょ?


じゃ、つわり(妊娠悪阻)の場合は?これについては、明日お届けします。

一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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