おはようございます
「冷え」を考えるシリーズで、冷え症になりやすい体質タイプとして、陽虚タイプ 、気血両虚タイプ 、気滞血おタイプ をご紹介しました。
記事中に引用した別記事、東洋医学講座あるいはそれに関連する記事ですが、それらを開いたときに、「あれ?」と思われることはありませんでしたか?
たとえば、気滞の症状 と気滞体質の出やすい不調 をみると、同じことが書いてあります。前者は、病証 (病的な状態)ですでに症状として出てるもの。後者は、未病 で症状というほどではないけれど、体質的にちょっとした不養生でそうした不調が出やすいってこと。
そんなふうに定義したとしても、いったいどこで、病気と未病を線引きするの? 書いておきながら言うのも何ですが、私にもはっきりとはわからないのぉ。
西洋医学でも、食中毒やインフルエンザのような感染症であれば、ふだんの状態とは一気に変わりますから、「病気だ!」ってすぐわかりますね。でも、高脂血症とか糖尿病みたいに、血液検査して数値が出ない限り、実感としてはどこからが病気だったかなんてわかりませんよね?
ひとつだけ言えるとすれば、症状として「自覚したかどうか」がポイントかしら。自分が「つらい」と感じたら、それはもう体質の域じゃなくて、病証の一症状になるんじゃないかなぁ。
「冷えてつらいんですぅ」という状態は、「冷え性(冷え症)を東洋医学でみると」 にも書いたように、東洋医学では「冷え症」として、治療対象になりますからね。
で、いわば「冷え性」は「冷え症になりやすい体質」ということもできるワケですが、東洋医学で、なんでそんなに体質にこだわるか?というと、体質によって↓以下のような違いが生じるからなんです。
病因に対する感受性が異なる
たとえば、同じカゼ(風寒邪 )に感染したとしても、実証タイプ なら熱をドーンと出しても1晩で治っちゃう、気虚タイプや血虚タイプ なら症状は強くなくてもグズグズ長引く、陽虚タイプ なら熱も高くないのに悪寒がひどい、陰虚タイプ なら熱がひどい、痰湿タイプ なら痰や鼻水が多い、血おタイプ なら痛みが強い、気滞タイプ なら咳がひどい …という具合です。
漢方鍼灸治療に対する感受性が異なる
体力のある実証タイプ なら、強い薬や刺激を使うことができるので、早く治すことができる。体力のない虚証タイプ には、弱い薬と刺激とで徐々に治していくほかはない…ってこと。『養生訓』でも、「補薬について」 や「身体の大きさと薬量」、「鍼の効用」 などで、体質が違えば治療も異なると、益軒先生もおっしゃってます。
病因と治療に対する感受性が異なれば、同じ病でも異なる治療法がとられるし、異なる病でも同じ治療法がとられます。これが、東洋医学の治療原則 のひとつである「同病異治・異病同治」につながるんです。また、体質に合わせた治療ということで、「随機制宜」にもなるんです。
一天一笑、今日もいい1日にしましょう。
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