【帚木305-3】「こはごはし」とは
受験生のみなさんこんにちは☆あいです
「雨夜の品定め」の終盤ですが、
最後の左馬頭の話、長いって!(((( ;°Д°))))。
【今回の古文単語】
■【心地】…気持ち
■【さしも】…それほど~ない
■【ざら】…打消の助動詞「ず」の未然形
■【め】…推量の助動詞「む」の已然形
■【ど】…~けれど(逆接の接続助詞)
■【おのづから】…自然と
■【こはごはし】…堅苦しい、無骨である
■【~なす】…ことさら~する
■【れ】…受身の助動詞「る」の連用形
■【など】…~など(例示の副助詞)
■【つつ】…~ては(継続の接続助詞)
■【ことさらぶ】…わざとらしく見える
■【たり】…存続の助動詞「たり」の終止形
■【上臈】…上流階級の貴族(ここでは女性)
■【ぞかし】…~だよ(強意・呼びかけの終助詞)
今日は、「上臈」についてです☆
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「こはごはし」を辞書で引くと、
こんなふうに載っています。
「こはごはし(強強し・剛剛し)】
①かたい感じである、ごわごわしている
②滑らかでない、ごつごつしている
③きつい・強情である
※『全訳古語例解辞典 』(小学館)より
何が「こはごはし」いのか、主語をとらえると
「こはごはし」の意味の識別が文脈判断できます。
でも、「こはごはし」を含む一文だけでは、
主語を見抜けませんよね;;
(`・д´・ ;)
このように、古文では、主語(着眼点)を念頭に置いて話が進められていきますので、
今、何が話題になっているのか、必ず念頭に置きながら見ていく必要があります。
それが、古文目線というものです。
「さるままには、真名を走り書きて、さるまじきどちの女文に、なかば過ぎて書きすすめたる、あなうたて、この人のたをやかならましかばと見えたり。心地にはさしも思はざらめど、おのづからこはごはしき声に読みなされなどしつつ、ことさらびたり。上臈の中にも、多かることぞかし。…」
何が「こはごはし」いのか、
傍線部を含む一文だけでは判別がつかないけれども、
直前までの文脈を考慮に入れたら、
「真名(漢字)」が話題になっていることが分かります。
真名(漢字)こはごはし
なので、
「こはごはし(強強し・剛剛し)】
①かたい感じである、ごわごわしている
②滑らかでない、ごつごつしている
③きつい・強情である
…のうちの、②「滑らかでない、ごつごつしている」の意で、とらえられそうですね。
手紙を書いた本人にしてみれば、
漢字ばかりを使うことで、
堅苦しい感じを出そうと思ったわけではないんだろうけど、
その手紙をもらった本人が読み上げたら、
自然と、舌ざわりが滑らかでなくなって、
ごつごつした感じに思えてしまう…
だから、女性が漢字をことさらに使うことを、
男としては、不快に感じているのですね!
ご意見・ご指摘等があれば、コメントよろしくお願いします。
今日のブログも、お役に立てば幸いです♪
(o^-')b
● 本日の「源氏物語」まとめ
■帚木305(原文)
「心地にはさしも思はざらめど、おのづからこはごはしき声に読みなされなどしつつ、ことさらびたり。上臈の中にも、多かることぞかし。…」
自力での現代語訳が難しい場合は下のリンクも復習してね♪
● 本日の古語~過去記事リンク~
■なす
■下臈
■ぞ・ぞや
■かし
(●´エ`●)。
あいでした
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