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最近お風呂上がりのボディケア等に
「ベビーオイル」
を使用する女性が増えていると聞きます。
ベビーオイルとは元々乾燥肌の赤ちゃんの保湿用に作られたアイテムのため「ベビー」オイルという名前になっているのですが、
最近は赤ちゃん子ども大人問わず使用するようになってきました。
何と言っても「赤ちゃんのお肌にも使える」という安心感がその人気の秘訣でしょう。
しかしそもそも「ベビーオイル」が一体何で出来ているのか?とか、
そういう点に注目する人は少ない様子。
今日はベビーオイルの基本的な特性などについて、
成分面からその特徴とデメリットについてお話していきます。
◎ベビーオイルの主成分は?
さて、ベビーオイルというと最も有名なのはコチラの商品ですね。
ジョンソン ベビーオイル 無香料 300mL
691円
Amazon |
ジョンソンベビーさんのベビーオイル。
300mLで691円と大変お求めやすいですね。
これだけプチプラだととても手を伸ばしやすいです。
ただこれだけお安いっていうことは、原料だって相応にお安いものだという風に思ったほうがやっぱり良いと思います(^_^;)
ちなみに本商品の原材料は
「ミネラルオイル、酢酸トコフェロール」
のみです。
なんと全成分たったの2成分のみ!
これはとってもシンプルな構成ですね…!
実際には「酢酸トコフェロール」という成分はただの酸化安定剤なので配合量自体は微量です。
よって実質的にはほぼ『ミネラルオイル』という成分がそのすべてを占めているとお考え頂いて結構です。
つまり ベビーオイル=ミネラルオイル ということです。
※場合よっては違うケースもあります。 ▶みるふわベビーオイルなど
ちなみにベビーオイルというとジョンソンさん以外にも多数商品がありますが、
基本の構成はどこも似たようなものです。
ミネラルオイルが主成分で、少量の酸化安定剤が配合されているとい感じ。
◎「ミネラルオイル」は悪い成分なのか?
さてこの「ミネラルオイル」という成分。
少しご年配の方はよく聞いたことがあると思います。
そう、少し昔には『鉱物油』と呼ばれて嫌われていた成分なんです。
原料が石油から作られているという理由で、ちょっと昔はかなり嫌われ者だったみたいなんですよね~。
ただ僕的にはこの理由は凄く理不尽だと思います。
実際には「ミネラルオイル」という成分は、
化粧品成分において最も安全性の高い部類の成分です。
この成分は専門的には「炭化水素油」と言って、
「炭素」と「水素」という原子のみで構成された非常に安定性の高いオイルなのです。
このような構造のオイルは「他の物質と反応しない」という特性があり、
反応性を持たない=肌に刺激にならない
ということから、肌に対してとても安全なオイルということになります。
そもそも特に敏感のはずの赤ちゃんのお肌用に採用されているオイルです。
その安全性は十分担保されていなければならないのは当然のことでしょう。
ちなみにミネラルオイルの仲間には以下のようなものもあります。
有名なのは「ワセリン」や「スクワラン」ですね。
安全性の高い保護油として医療機関でも利用されているものです。
◎「ミネラルオイルを塗って日に当たるとシミができる」…はウソ!
それで、ウェブ上で良く言われているデメリット情報として
「ミネラルオイルを塗って日光に当たると、シミの原因になる」
みたいなものがとても多いのですが、
実はこれは間違いです。
ミネラルオイルはそもそも安定性が非常に高くて紫外線を受けても変質しない油分です。
肌にシミができるのは安定性の低いオイルが皮膚上で酸化したり刺激を与えたりすることが原因ですので、
全く変質する恐れの無いミネラルオイルの場合そのような反応は起こりえません。
つまり理論上ミネラルオイル(ベビーオイル)を塗って日に当たっても全く問題は無いということになります。
しかし元々「ミネラルオイルでシミができる」というのは、
大昔のミネラルオイルは精製(オイルの純度を上げる操作)が不十分であり
酸化安定性の低い不純物が混ざっていたことがあったのです。
これが原因となってシミなどを作ることが実際にあったらしいので…、
万が一のことを考えると、
オイルを塗った状態で日に当たるのは出来るだけ避けたほうが良いのかもしれません。
実際本来は酸化するはずのないミネラルオイルなのに酸化安定剤が入っていることを思うと、
このタイプのベビーオイルは微量に不純物が混ざっている可能性があるのかもしれませんね…(苦笑)
まぁ色の透明度的には多分大丈夫のはずです(;^_^A
(それでもお肌に合わない場合はすぐに使用を控えましょう。)
◎ミネラルオイルの真のデメリット
しかしこの油分、確かに安全性は高いし刺激もないし、酸化安定も非常に高い。
(しかも値段も安い!笑)
はっきり言ってこれだけ聞くと凄い優秀な最強のオイルとしか思えませんよね。
でもかずのすけがこの油分を肌の保湿剤に使うか?と言われると、、
スイマセンが僕はお断りします(._.;)
これで保湿はしません。
なぜなら「実質的には保湿になっていないから」です。
◎ミネラルオイルでは「本当の保湿」は出来ない!?
これは理論的には非常に難しい話なので凄く掻い摘んでお話をしますが、
そもそもミネラルオイルという油分は人の肌には全く存在していないオイルです。
人肌に全く存在しないオイルが肌にちゃんと馴染んでくれるか?というとそれはありえません。
メイクの主成分であるシリコーンオイルが皮膚の表面の保護膜にしかならないのと同じことです。
ミネラルオイルも「保湿剤」ではなくて「保護膜」として表面を覆ってくれるだけです。
(もちろんこれはこれで悪いことではなく、水分の蒸発を防いだり、ダメージに敏感な部分を守ってくれる働きがあります。)
そもそもミネラルオイルとシリコーンオイルは性質的には非常に似てます。
これはクレンジングオイルの記事で載っけた図ですが、
ミネラルオイルはとにかく「油」としての性質が強いオイルです。
ここでもう一つ問題になるのが、お肌の「インナードライ」という現象です。
◎お肌の「インナードライ」化
こういった実質的に保湿にならない「保護油」での保湿を続けていると、
肌の内側の油分が失われて内部が乾燥した状態=インナードライ肌になってしまう懸念があります。
角質内部には肌の本来の油分が天然の保湿剤として存在していますが、
皮膚の表面にミネラルオイルなどの「油性の強い油」が塗られると、
肌内部の油分にとっては相反する「水分」と同居している角質層内部よりも油性の強いオイルの中に溶け込んだ方が安定できるため
肌の内部の保湿剤として働いていた油分がミネラルオイル側に移動してしまうのです。
その結果、一見油分が蓄えられて見えるのに、
皮脂膜や肌内部の油分が失われているため実際の肌は乾燥している…
という「インナードライ」状態になってしまう可能性が高いということです。
実際こういったベビーオイルを使用していても根本的な肌の乾燥状態を抜け出せないのはそのせいであって、
ミネラルオイルというのはあくまでワセリンなどと同じく『皮膚の保護油』でしかないため、
肝心の『保湿』をこれに頼り切るのは適切な使用法とは言えません。
(肌の「保湿」を考えるならば、皮脂と同質の「油脂類」を塗布するほうが適切です。)
◎「毛穴詰まり」などを誘発する懸念も…?
またミネラルオイルは蒸発しにくく角質に浸透しないオイルのため、
毛穴などに詰まりやすく毛穴詰まりからの汗疱(かんぽう)や汗疹(あせも)などの原因になることもあります。
顔に塗る場合はニキビの原因になることもありますので、要注意です。
特に汗のかきやすい肘裏や膝裏などは避けて塗布するのがベストです。
◎「ベビーオイル」のまとめ
▶ベビーオイルの主成分は「ミネラルオイル」という成分である
▶ミネラルオイルはとても安全性が高く、水分の保持や肌の保護油として非常に優秀
▶ただし肌の油分とは全く別物のため実質的な保湿効果はない
▶日常的に継続使用すると肌の内部の油分を奪ってインナードライを進行させる可能性がある
▶皮膜性が高く毛穴詰まりを引き起こしてしまう可能性がある
以上、
ベビーオイルはとても安価で安全性も高く使いやすいアイテムですが、
オイルの性質を知らないと知らず知らずのうちにインナードライや慢性乾燥肌になってしまう可能性もあります。
性質を理解して正しく利用するように注意しましょう。
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