気づけば更新されてるかもしれない雑多な何か

気づけば更新されてるかもしれない雑多な何か

思ったことを気の向いた時に気ままに書いているブログです。更新は気まぐれですので。

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以下、筆者個人の考えです。

 

2018年11月30日に発行された、『小説 ティガ・ダイナ&ウルトラマンガイア 〜超時空のアドベンチャー〜』

1999年に上映された『ティガ・ダイナ&ウルトラマンガイア 〜超時空の大決戦〜』の脚本を担当された長谷川圭一氏が執筆された、正式な続編となります。

 

 

映画の出来事から20年の歳月が流れた世界が舞台で、新星勉少年とその関係者各位も立派に成長した姿で登場します。

 

 

本当に、素晴らしい作品でした。

映画に対する一種の答え合わせ、補完的な内容でありながら、20年経過して、大人になって”あの頃”を忘れかけてしまった大人に対する、解答でもありました。

 

 

※以下、ネタバレあり

 

 

映画冒頭のように、滅びゆく世界。しかしこれはビジョンではなく、現実の世界。そこに現れたのは、『ウルトラマンティガ』に登場した怪獣バイヤー、チャリジャ。滅びゆく世界にて怪獣を回収した彼が目にしたものとは……あの、あらゆる願いを叶える”赤い玉”(何故2個あるのか、本編を読もう)。これを追って、チャリジャは無数の平行世界を駆け巡ります。

 

同じ頃、勉は三十路も近くなり、仕事に精を出しています。交番の巡査となっていました。子供の頃から大好きで、あの時出会った”ウルトラマン”を目標に。

しかし、彼もその年令から、自分の思いと世界との軋轢に苦しみます。

「大人はもうウルトラマンを卒業するべき」

そういった考えを幾度もぶつけられます。

 

そんな中、この世界において吉岡毅志(『ウルトラマンガイア』にて高山我夢を演じられた俳優)と出会い、自身の”あの時”の体験、如何にウルトラマンを好きで目標にしたかを伝えます。

しかし彼からは相手にされず、逆に上記の発言をぶつけられてしまう始末。

 

思いを踏み躙られ、自身の思いに猜疑心を抱いてしまう勉。

紆余曲折あり出現した怪獣、カイザーギラレス13世の進撃を前に、赤い玉を持ちながらも「大人だからウルトラマンは呼べない、もうどうしようもない」と諦めを吐露してしまいます……。

 

この言葉が引き起こしたある悲劇に打ちひしがれる勉でしたが、旧友たちと協力し……次元を超えて、もう一度我夢に会いに行く決意をします。

そして……彼の行動がティガとダイナをも呼び寄せ――。

 

 

詳しい話は、是非とも小説を手に取り、呼んでみてください。

 

 

 

本作は、ウルトラファンは思わず唸るような事項が散りばめられています。

赤い玉を追うチャリジャは、様々な平行世界を訪れ、その先で怪獣を確保します。

月と太陽の力を持ち、怪獣保護も視野に入れるウルトラマン……ウルトラマンコスモス。

防衛隊に所属しない一般人が変身し、傷だらけで戦い、怪獣認定もされるウルトラマン……ウルトラマンネクサス。

根源的破滅招来体の侵略に晒され、互いの正義故にぶつかる赤と青のウルトラマン……ウルトラマンガイアとウルトラマンアグル。

そして……レイキュバスと戦うウルトラマンダイナ。カミーラと決着をつけんとするウルトラマンティガ。

世界を股にかけるチャリジャだからこそ回れる、TDG三部作以外の世界。

そして、回収されたガルラ、ネオジオモス、サイコメザード、カオスジラーク、ノスフェル(またお前か)。

豪華過ぎて言葉もありません。

(ネクサスに対して)「子供には人気が出なさそうだから、怪獣以外に苦戦しなければいいけど」、(ガイアに対して)「シンプルな正義の味方のウルトラマンが懐かしい」などのメタ発言も満載で、くすりとなる場面も多々あります。

 

そして、勉はかつて我夢がそうしたように時空を超え、ティガとダイナの世界を訪れて彼らと邂逅します。

二人の巨人も、ガイアという響きに思うところがあるようで……?

 

そして、とある事情から呼び出されたキングオブモンス。カイザーギラレス13世との死闘を演じます。

以前悪役だった怪獣が味方となって戦うシーン。熱いですね。大怪獣バトル勃発です。

 

劇中世界の吉岡毅志氏も、紆余曲折あって、忘れかけていた心の輝きを取り戻し、世界を救うべく力を欲します。そして、彼の前に現れたのは……勉と約束をした我夢、ウルトラマンガイア。20年前の撮影の時と同じように、我夢が量子加速実験中に地球の光と出会ったあの時のように。

アグルの襲撃を受けて、自分の守るべきもの(エリアルベースと仲間たち)を守るべく残った我夢の意識が時空を超え、吉岡毅志氏と同調。吉岡毅志氏は玩具のエスプレンダーに光を集め、遂にウルトラマンガイアへと変身。カイザーギラレス13世へと立ち向かいます。

カイザーギラレス13世を倒したガイアを襲う、五大怪獣。”ウルトラマンを呼び出さない”祈りを聞き届けた赤い玉によって、”あの時”のようにティガとガイアを呼ぶことができない。

しかし、TVシリーズを知っている勉たちは、ある方法を願います。

――直後、ワームホールから出現するアートデッセイ号とクラーコフNF-3000……GUTSとスーパーGUTSの揃い踏みです。

そこにいるのは、ウルトラマンの力を持つ、マドカ・ダイゴとアスカ・シン。

 

大人の事情で顔を出せない長野博氏……ですが、紙の世界にて、マドカ・ダイゴとして出ることはできるんです。

思わず目頭が熱くなりましたね。

 

両特捜チームは奇怪な状況に戸惑いながらも、即座に意気投合して華麗な連携プレーを披露します。そして、”超ファインプレー”を見せたアスカと、墜落癖のあるダイゴが被弾。二人は即座にダイナとティガに変身します。

 

再び並び立つ、3大ウルトラマン。

空飛ぶサイコメザード(丁度この記事を書いている時、円谷プロダクションの公式YouTubeチャンネルにて、サイコメザードが登場した『マリオネットの夜』が配信中でした。アグルのスタンスの表明といい、ここでも次元のリンクが起きていますね)に対し、スカイタイプで空中戦を挑み叩き落とすティガ。カオスジラークの攻撃を物ともせず突っ込み、強引に投げ飛ばすダイナ・ストロングタイプ。衝突した前者2体の怪獣にランバルト光弾とガルネイトボンバーを撃ち込み撃破する、『光の星の戦士たち』を彷彿とさせる抜群のコンビネーションを見せます。

ネオジオモスを倒したガイア。勝利した3大ウルトラマンの前に現れたチャリジャ。魔術を使って5体の怪獣の怨念とカイザーギラレス13世の死体を融合させ、デーモンギラレス14世として蘇らせます。

パワータイプのデラシウム光流も、ミラクルタイプのレボリウムウェーブも、スプリームバージョンのフォトンストリームも通用しない、悪魔のような敵に撃ち込まれるアートデッセイ号とクラーコフの主砲。畳み掛けるように放たれるゼペリオン光線、ソルジェント光線、フォトンストリーム、ガッツウイングとガッツイーグルの光線……特捜チームとウルトラマン、そして彼らの勝利を信じる人々の声援が組み合わさり、無限の力を発揮した瞬間でした。

 

”あの時”のように、夕陽に立つ3大ウルトラマン。そして、吉岡毅志氏、我夢、勉の相互意思疎通。ダイゴとアスカの邂逅……。本来なら決してありえない、過去と未来、次元を超越した邂逅劇が幕を下ろします――。

 

 

 

私も、一般的には大人と言われる年齢です。劇中の彼らのようにテレビを、映画を見てウルトラマンを応援し、ソフビを買って彼らに思いを馳せることが今でも続いています。

ですが同時に、”作り物”、”存在しないもの”であることもわかってしまっています。親友と話す時も、”ウルトラマンという存在”ではなく、”作品としてのウルトラマン”を語ってしまいます。

この作品は、忘れかけた子供の頃の思い出、記憶に再び潤いを与え、それがいつまでも好きでも構わないということを教えてくれました。

 

子供の頃と同じ感情を持つことは難しいです。ですが、あの時の、”ウルトラマン”を信じた純粋な心を思い出して、この先も生きていきたいと思います。

お久しぶりです。別に待ってない? 左様ですか。

 

 

自分は最近、ゴシックは魔法乙女(略称・ゴ魔乙)というスマートフォンアプリゲームをプレイしています。久しくやっていないシューティングゲーム、それも初めてのスマホアプリということで、末永くプレイさせてもらっています。(色々と不満などもあるのですがそれは今回の話とは関係ないので割愛)

 

このゲーム、度々スコアアタックなどを開催していて、その順位に応じて色々と報酬がもらえたりします。

しかしこのゲーム、ハイスコアを出すには腕に加えて、”ほぼ特定の強ショットや強スキル”でないと上位層に食い込めないという風潮があります。好きなキャラを育てて上位入賞、という話はあまり聞きません。

 

となると、やはり強ショットや強スキル、欲しいですよね。そりゃ強いんですから。自分も欲しいです。

 

ですが……強いモノだけを求めると、途端に苦しく、辛くなるなぁと最近思いました。

 

好きなキャラを育てて、そのキャラで戦う楽しみもあったのですが、最上位、強さ、効率を考えすぎてしまって、純粋な楽しみを失ってしまった気がするのです。

勿論、様々な準備を整えて最上位に食い込もうとするのも”楽しみ方”の一つですし、自分が知らないだけで好きなキャラで戦う人もいるでしょう。

 

 

強いキャラだけでなく、気になったキャラも育てる、使ってみる。

 

ただ、強さだけでなく、キャラへの好意というのもとても大事なものなんだなぁと思いました。好きなキャラでどこまで行けるのか、そんな楽しみ方もあるんだと再認識した今日この頃。

※この記事は作者の私見のみで構成されています。必ずしも正確な情報ではありませんのでご注意ください。

こんにちは。こんばんはかな? それはさておき。


僕はウルトラマンティガが大好きです。
三色の巨人、シャープな造形、格好良さとともに際立つ美しさ。
まぁ、格好良いという話はどこでもなされていると思うので、今回は別の話をしましょう。


ティガは平成ウルトラマンのトップ、ということで、この先々の媒体展開でも結構な頻度で出演しています。そして出れば、比較的重要な立ち位置を持っていく、造形や立場などに恵まれたキャラクターだと思っています。

本編最終回をご覧になった方ならばご存知かと思いますが、本編の時系列ではオリジナルのティガが出てくることはもうあり得ません。そして後々の他媒体展開でも、変身者も不詳であったり、変わったりする。


実は……当時小さかった僕はこれが嫌いでした。
頭のどこかで「ティガに変身するのはマドカ・ダイゴ唯一人以外にはあり得ない」、「ティガは、自分が人間であるか光であるかを葛藤し続けたダイゴが変身するからこそティガ足りえるのだ」、と子供心に考えていました。


しかし、幾らか歳をとって改めて考えると、本編とその他のティガを全て含めて、どこまでも「ティガという巨人らしさ」があるなぁ、と思い直しました。

ティガに変身した人間の数は実に多いです。本編のマドカ・ダイゴ、OVA『外伝 古代に蘇る巨人』ではツバサとアムイ、プラネタリウムの青年、『ウルトラマンギンガ』ではヒカル、健太、千草の三人、『超ウルトラ8兄弟』の世界のマドカ・ダイゴ(これはノーカンでも良いかもしれませんが)、『劇場版ウルトラマンX』の玉城ユウト少年……。

結論に入る前に、『ティガ』最終回でマドカ・ダイゴの台詞を考えてみたいと思います。
「人間は皆自分自身の力で光になれるんだ」
これ自体がティガの象徴であり『ティガ』の作品テーマであると思うんですよね。
これとは別にこの世界のウルトラマンは、あくまで人間が力を手にしただけの存在である、という旨の解説もあります。

ティガはM78星雲光の国出身の宇宙人である初代ウルトラマン達や、地球の意思の具現であるガイア、異星人のコスモスなどとは違い、明確な意識を持ちません。その本質である魂=光は3000万年前に肉体を捨てて宇宙へと帰ってしまった。本編のティガに残されたのは肉体のみであり、魂の存在しない抜け殻。これに宿る人間の意思=魂=光こそがティガを形作る性質であり、巨人の動向を決める本質であるのです。(劇中では実際に、元々光の巨人であった(とされる)イーヴィルティガの石像に宿ったマサキ・ケイゴは、その邪悪な意志で以て、巨人の本質を光から闇へと変換してしまった)
つまりティガは、その肉体に、正しい光の心を持つ者が宿れば、誰が宿ってもティガ足りえるのだ、と思い直しました。ここで前述の「人間は皆自分自身の力で光になれるんだ」という台詞が生きてくるんだと思います。
ツバサやアムイは、村に迫る危機を撃退するために、守るために力を使った。ヒカルや健太、千草も仲間を守るためにティガのスパークドールズを使って戦った。玉城ユウト少年も、母を守りたい一心でティガの石像と一体化した。皆誰かを守るためにその力を使おうとして……使って戦うことが出来た。

何世代にも渡り、ティガはあくまで「力」としてのみ、例えれば強力な威力を持つ「拳銃」のようにして存在している。その力を使う「本質」、例えれば拳銃の引き金を引く「人間の指」こそが、ティガを光の巨人として完成させている。どの作品に出ても、誰が変身者であってもティガがティガ足りえるのは、この「力」と「本質」が正しい光の心を有しているからなんだなぁ、と思いました。

そしてティガの在り方そのものが、ウルトラマン普遍のテーマである、「人間の未来を決めるのはあくまで人間であり、ウルトラマンはあくまで加勢し、見守るだけ」というモノを貫いていて、嬉しくなりました。
※このブログは筆者の思考100%で構成されています。意見の偏重や誤解、錯誤など多々あります。ご了承ください。

こんにちは。

今を去ること四ヶ月ほど前、『劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』が公開されました。宣伝ポスターを飾る八人のウルトラマンに惹かれて、僕は劇場に足を運びました。

初見は大満足でした。初見は。

ウルトラマンX本編にて、「未知との遭遇」を経て主人公は怪獣との共存という目標に対してどう向き合っていくのか。徹底してそのテーマを突き詰め続けたこの作品は、特撮もドラマも非常に良いレベルで描かれていたと思います。その他にも、平成ウルトラマンとの数多い客演も経て、Xの文字に恥じない「主人公・大空大地やウルトラマンエックスにとっての未知の巨人との遭遇、そして互いの思いの交錯」という面も描き出せていたのではないかな、と思います。

それの劇場版ということで、怪獣と共存した結果の共闘作戦、数多くのウルトラマンとの出会いを経た大地とエックスが敵を下すという、王道を地で行く素晴らしい出来だったと思います。



とは言え、納得出来ないことが一つ。

全体を通して、劇場版限定の登場人物の多くが馬鹿或いは屑に映ったなぁ……と。

初めて見た時には、およそ二十年経ってようやく銀幕デビューしたティガ・スカイタイプの活躍(今年2016年は、ウルトラマンティガ放送20周年! おめでとうございます!)に興奮して何も考えていなかったのですが、先週ディスクが販売されたので購入して見なおしてみたら……なんとまぁ我儘な奴らばっかりなんだ、と。

物語を要約すると、ある遺跡の要石を動かしたら古代の怪獣が蘇っちゃってこれを撃滅せよ、という話なのですが……事件の発端になった人間・カルロス黒崎がもうどうしようもないくらいの奴でして。

自身のテレビ番組のためだけに遺跡の壁を爆破して侵入、要石である碧石を「遺跡のある土地は買収したから、これは俺のもの」と捻くれたジャイアニズム(本来のジャイアニズムはもう少し違う意味合いです)を発揮して奪取、閻魔獣ザイゴーグを封印から開放させたにも関わらずその場をトンズラ。再封印を避けるためにザイゴーグが碧石を狙って東京に侵攻、避難指示が出されたにも関わらず「特捜隊Xioの実力は信頼してるから怪獣来たらやっつけて」とどこ吹く風。ビルが倒壊の危機になってもひたすら碧石を追いかける始末(この時、碧石を回収しようとした山瀬アスナ隊員を、カルロス黒崎の秘書が無意味に妨害していた)。
そのくせ、ザイゴーグを倒すべく戦うエックス、ティガ、初代ウルトラマンがピンチになると白々しく応援したり、「希望だけが絶望と戦う光」などのたまい……。
そして事件が終われば、何食わぬ顔で秘境に旅立ち……お咎め無し。


お前何様のつもりだ?



田口清隆監督曰く、「明るい作風を重視して、発端になったカルロス黒崎も憎めないキャラにした」とのこと。

監督の言いたいことは分かるんですけども……。
「憎めないような行動をとるキャラ」と「自分の利益を追求して強欲に振る舞う挙句日和って応援するようなキャラ」は全く別物だと思うんですよ……。

下手すれば世界が怪獣地獄になるかもしれない大惨事を引き起こしておきながら、お咎め無し。いやお前、それ現実じゃあり得ないから。虚構の世界だとしてもあり得ないことだから。
こういうのは絶対に痛い目を見なきゃいけないと思うんですよ。殺されても文句言えないと思います。(こいつザイゴーグの侵攻に巻き込まれて死ぬんじゃないかな)と思ってましたがそんなこともなく。最低でも警察に突き出しておくべきだったと思います。まぁそれをやると作風そのものが崩れちゃうから駄目だったんでしょうけども。

考古学者の息子、玉置ユウト少年も、気持ちは分かるけどなんか我儘、という感じがしました。ピンチの母を助けに独断でビルに乗り込み、危険だから帰れと母親に言われても「母さんは僕が助ける」の一点張り……。
ティガの登場がこの脚本通りでなかったら犬死してるところです。いやまぁ母を助けたい気持ちは分かるが。


特撮の出来は文句無しなのですが、人物の演出だけがちょっと残念だったかなぁ。そんな印象を受ける作品でした。細かいことを気にしないのであれば、素晴らしい作品だと思います。
※このブログは、筆者の私見のみで構成されています。間違いなども多々あるかもしれませんが、ご了承ください。
※極力ネタバレを防ぐように書いていますが、そのせいで情報不足になっている場合があるかもしれません、ご了承ください。
※キャラクターを変に貶めるつもりはありませんが、そのように読み取られた方がいた場合、この場で謝罪申し上げます。

最近、仮面ライダーキバを見返しています。
平成仮面ライダーシリーズ九作目、音楽と愛の物語……。

この作品、悪い評判のほうが多く聞きます。
実際私も、諸手を上げて良作かと言われると、答はNOです。
出すだけ出して回収されなかった裏設定、尺を無駄にとるグダグダな展開、強烈すぎる昼ドラ展開……。子供受けは悪かっただろうなぁと思います。

ですが、私はこの作品が好きです。
内気で気弱な主人公に共感を覚えますし、ライダーのデザインが秀逸で、まさに芸術品のような精巧なデザイン……。
人を選ぶとは思いますが、私にとっては好きの部分が強すぎて悪い面を覆い隠し、半ば色眼鏡状態です。


さて、前置きが長くなりました。
今回書きたかったのは、仮面ライダーキバの登場人物、キングについて。

キバの世界における怪人、ファンガイア。それを取り仕切る四天王、チェックメイトフォーの一角にして頂点。
劇中では圧倒的な強さで主人公たちを苦しめました。

では、彼が一体どうしたのかというと……。


凄い理不尽な最期を遂げてるんです。

キングの妻、クィーンは人間に寝取られ、王の鎧である闇のキバの鎧は、その所有権を持つ部下のコウモリ・キバットバットⅡ世が離反することで失われ、絶対的な権力の象徴・ザンバットソードと王の居城・キャッスルドランは間男の子供に継承されました。そして自分は……間男とその子供に致命傷を与えられ、無理心中を迫った挙句実の息子にとどめを刺される。

持つもの全て奪われ、死んでいった過去キング。その気持ちは如何ほどの物だったのやら。

そして、『キバ』を見返して気づいたことが一つ。


これ、過去キングは何も悪い事してなくないか?


確かに、彼がしたこと自体は非道です。
クィーンの浮気相手である人間、紅音也に少しずつプレッシャーを掛け、最後には「寝取り」&「同胞を殺した罪」(チェックメイトフォーには各々の役割があり、キングはファンガイアに敵対するものを滅ぼす、或いは人類の進化を妨害する役割がある。)を裁くために「命を吸い取る刑罰」を設けます。
音也を助けに来たクィーンを蹂躙したうえでファンガイアの力を抜き取り、人間としての生を与える代わりに、同胞から狙われるよう仕向ける。
挙句、赤子だった我が子を人質にとって音也と別れる事を強要。
更には、未来から来た音也の息子、紅渡をも抹殺しようと図ります。

やっている事自体は極悪で、許されないことも多いとは思います。


しかし、人間側の視点だけでなく、ファンガイア側からの視点も含めてみたらどうでしょう。

15世紀頃、ファンガイアは世界征服のために種族間闘争(キバの世界には様々な種族の怪物が生息していた)に明け暮れていましたが、レジェンドルガという一族に劣勢を強いられ、一族存亡の危機に立たされます。
この時、危機を救ったのが……過去キングでした。完成間もない闇のキバの鎧(ダークキバ)を纏って、レジェンドルガとの戦役を集結させました。
この時、禁忌の技であるウェイクアップスリー・キングスワールドエンドを発動して、同胞を巻き込みながらレジェンドルガを一掃しています。仲間を巻き添えにしたとはいえ、レジェンドルガを滅ぼしたのは、一族の未来を守ったことになります。レジェンドルガとは他の魔族からも恐れられる集団であり、これを滅ぼし一族を守ったことは、ファンガイアから見れば大変に素晴らしいことです。
また、完成間もない闇のキバの鎧は、後々製作者であるファンガイアからもその強すぎる力を懸念されて、性能を落とさざるを得なかった代物です。そして、王のための鎧とは言え、鎧の力が強すぎて暴発する恐れも孕んでいる、まさに「歩く爆弾」です。それを纏ったこと自体が、最早英雄的行為です。

そして舞台は劇中へ。ファンガイアの脅威となるウルフェン、マーマン、フランケンと言った一族を次々に滅ぼし、同胞を殺したイクサ=音也を殺害しようとする。人間から見たら頭を捻りますが、ファンガイアから見ればキングとしての職務を全うしているだけです。何も悪いことはしていません。


そして何より……キングはクィーン・真夜を愛していました。
彼は大分家を開けており、真夜が音也に浮気したことを聞いて帰ってきます。その後も「持っていたら殺してしまいそうで、愛していたことの証明になってしまう」としてザンバットソードを破棄してしまいます。愛情を隠してらっしゃる。
そして、音也を攻撃した時、それを庇って泣きながら音也に縋りつく真夜。その姿を見て、歯を食い縛り身を震わせます。そりゃ、自分の妻が下等だと見なしていた人間にほだされ、泣きながら庇ったら過去キングじゃなくても怒りますわね。
そして最期の時には「お前は俺の物だ」と執着心と嫉妬心が入り混じった愛情をぶつけます。報われませんでしたが。


これに対して、音也が取った行動は、真夜と恋に落ちたこと。実は彼には同棲している彼女がいるにも関わらず「魂が共鳴した」という理由で真夜に惹かれ、愛し合います。そして、彼女を過去キングから守るために戦います。
守るため、と書きましたが、守るというよりはお前自分の欲望のために戦ってるだけやんけ、という感じです。実際に見てもらえば、かなり熱いことを言っていますが、浮気です。過去キングが真夜に対してDV気味な事をしていたとしても……浮気は浮気です。

この辺は、同じ脚本:井上敏樹先生の『仮面ライダー龍騎』に通じるところがあります。「戦いに正義はなく、純粋な願いがあるだけである」……。
音也の「魂が共鳴した、愛した相手を守りたい」
キングの「妻を自分の下に戻したい」
二人の純粋な願いは、結局音也の方が強かったのかもしれません。

キングの愛の形は、確かに見え辛いものでした。所謂ツンデレです。しかし、長いこと放ったらかしにした上でいきなりツンデレを発揮されたら、少なくとも私は嫌になります。真夜もそうだったのかも……。
しかし、キングは、分かり辛かっただけで、真夜を愛していたんだと思います。もし、”真夜”ではなく”クィーン”が大事なら、力を抜き取るなり殺害するなりして、次代のクィーンを娶れば良かったんです。(既に子を成しているので、娶るという表現は不適切かもしれませんが)ですが、何としてでも音也から引き離し、自分のもとに帰ってきて欲しかった。

……なんともいじらしい王様です。
過去キングは、やり方は非道だったけど、ただの悪役ではなかったんです。
愛を否定しつつも、妻への情を捨てられず、愛に散っていった……。
下手な人間よりも、人間臭いファンガイアだったと思います。
※この記事は作者の見解100%で書かれています。そして、読者様に意見を強制するものではありません。
※長々と読めねぇよという方は、過程はすっ飛ばして、最期の結論だけお読みください。

どうも。

「買わずの後悔より買っての後悔」
買わずに後悔より(以下略)かもしれませんけどね。

急になんじゃいと思われるかもしれませんが、ここ一、二年間で、やたらとウルトラマンのソフビやらULTRA-ACTやS.H.Figuartsやらの可動フィギュアに手を出すようになりまして……所謂、「多々買い」「多々買わなければ生き残れない!」というやつですね。その状態に陥ってしまい、散財と歓喜、そして後悔の毎日です。

自分は、かなり衝動買いをしてしまうタイプです。おまけに影響を受けやすい人間です。今集めている可動フィギュアだって最初は全く興味がなかったのに、Twitterで親しい人に教えてもらった途端、自分も欲しくなってホビーショップを巡り、通販を駆使して、当時の自分では考えられないほど多々買いをしました。(それでも比較的少ない方でしょうが。)

多々買いの性質上、買いたいものは山程あります。自分の好きなキャラクター、知らないけどパッと見で格好いいと思ったキャラクター、日本人が弱い”限定”の二文字――。有名なタイトルが商品展開される場合には、フィギュアだけで終わるかどうかすら怪しいです。キーホルダー、ストラップ、缶バッジ、ぬいぐるみ、抱き枕カバー――。

自分が多々買いをしている時間は、他人様と比べると短いほうだと思います。それでも多々買いの沼に脚が嵌ったことは確かです。

欲しい商品は山程ある。しかし、収入、設置スペースなど物理的な限界もあります。全てのものを手に入れようとするのは、恐らくは不可能でしょう(そこに限りなく近づくことができる人はいるでしょう、多分)。
ですから、自分のように一定の数しか多々買いが出来ないものは、買うものを選ぶことが重要になります。


そこで、それで前述の「買わずの後悔より買っての後悔」という言葉に戻ります。この言葉も、自分に可動フィギュアを教えてくれた人から教えてもらった言葉です。(誰が初出かは知りませんが)
多々買いを始めてしまい、止まることのできなくなった自分。ある意味この言葉も原因であります。

経験則で恐縮ですが、人間、何かをしない後悔よりも何かをした後悔の方が軽いものです。おまけに、ウェブ限定で買い逃した商品は後々プレミア価格という化物を伴ってやってきます。
買わないよりも、買ったほうが確かに気が楽でしょう。


これは、正しいです。

ですが、見切りをつけることも大事です。


先ほど書いたとおり、全部を手に入れることはほぼ不可能です。ですから、多々買いに見切りをつけることも重要です。全部手に入れようとすると色々と辛くなります。
またしても経験則ですが、欲しいものというのは、多々買いを続けていると直感的に分かるようになってきたりします。それが目の前にある。そういう時は迷わず買えば良いと思います。
では、もし当初は欲しくなかったけど、後々欲しくなったらどうすれば良いのと言われたら――プレミア価格を恐れずに諦めてその手のアレから購入しましょう。或いは中古屋を巡ってみましょう。意外なものが意外な値段で手に入ったりするかもしれません。


「結局何が言いたいんだお前は」と言われそうな文章ですみません。言いたいことは、
「”買わずの後悔より買っての後悔”は個人的にはした方が良いとは思うが、多々買いを増長する可能性があるので、自分が本当に欲しくなったものを取捨選択する能力を身につけた方が、後々の買い物は色々な意味で楽しめるようになるのではないか?」ということです。
※このブログは筆者の思考100%で構成されています。


どもです。例によってウルトラな話ばっかりですが……。

少し気になったことがあったので、書いておきたいような……。


自分はTwitterでウルトラマンたちについて語る時には、文字数制限の都合で略称を使います。ウルトラマンなら「初代」や「マン」、ウルトラセブンなら「セブン」、帰ってきたウルトラマンならば「新マン」、「ジャック」と呼びます。

これは平成ウルトラマンでも同じです。しかし、ここで気になることがあったのです。

「タイプチェンジしたウルトラマンはなんて呼べばええねん」

わざわざ「ウルトラマンコスモス・エクリプスモード」と書くのは、長ったらしいうえに、文字数制限を圧迫してしまいます。
ここで自分は、更に疑問にぶち当たりました。

「略称使うとして、タイプ名は前か後か」

語呂というのをかなり気にする人間なので、言い方にも拘ってしまいました。
語呂の良さを上げるには、なんか法則とかあるんじゃないかと思って、ちょっと考えてみたいです。


例えば、ウルトラマンティガの場合。パワータイプとスカイタイプがありますが、これはどう略せばいいのやら……。
個人的には、「パワーティガ」「スカイティガ」と略します。
ティガは名前の発音が二文字なので、タイプ名を後に持ってきても語呂が悪くない気はします。(ティガパワー、ティガスカイ)

次はダイナ。ストロングタイプとミラクルタイプの二つがあります。
個人的には、「ダイナストロング」、「ダイナミラクル」と呼びます。ストロングは「ストロングダイナ」でも語呂は悪く無いですね。ただ、「ミラクルダイナ」だとなんか魔法少女みたいな呼び方になっちゃう気がして、個人的には好きません。

ガイアはV1、V2という呼び分けが出来ますね。問題はスプリーム・バージョン。ガイアを知ってる人に対して、スプリームに関して言及する場合は、「投げの鬼」と一言言えば基本的に通じます。あえて呼ぶ場合はどうすればいいのやら。
「ガイアスプリーム」、「スプリームガイア」……どちらでも特に変ではないですね。決着つかず。

次はコスモス。コスモスを呼ぶ場合、「ルナコスモス」、「コロナコスモス」「フューチャーコスモス」「ファントムコスモス」などと呼びます。モード名は前の方がいい気がします。
問題はエクリプスモード。エクリプス自体が5文字なので、「エクリプスコスモス」にしろ「コスモスエクリプス」にしろ、ちょっと語呂が悪い気が……。
また、ジャスティスに関しては、クラッシャージャスティスと呼びますかね……。(スタンダードモードはクラッシャーと呼ぶだけで差別化できるので割愛)

ネクサスは、「ジュネッス」、「ジュネブル」……。ウルトラ関連の話をしているときは、もうこの呼び方だけでネクサスと分かるので、これはこれでいい気がします。

メビウスは、タイプ名がそもそも長いので、それ自体を略して後に付けます(メビウスナイトブレイブ→メビウスナイブレ、メビウスバーニングブレイブ→メビウスバニブレ、メビウスフェニックスブレイブ→メビウスフェニブレ)

ゼロは、ウルティメイトゼロはそのまま呼びます。これ以上縮められない気が……。ストロングコロナはストコロゼロ、ルナミラクルはルナミラゼロ……。シャイニングゼロはシャイゼロ、ゼロダークネスはゼロダー。

ギンガは、ギンガストリウムを呼ぶ場合は、もうやはりギンストでいいのでは、と個人的に思ったり。
ビクトリーナイトはビクナイでしょうか……?


なんだかんだ考えてきましたが(途中若干関係がないような感じになった気がしますが……)、
個体名(ティガ)の長さと形態(パワー)の長さが関係していることは間違いなさそうですね。

発音が二文字なら、後に長い言葉を持ってきたほうが良さそうです。(ルナコスモス)
発音が三文字以上なら、これはどちらでも良さそうです。形態名で判断したほうが良さそうです。(ダイナストロング、スプリームガイア)
発音が四文字以上なら、これは後に持ってきたほうが良さそうです。ですが、形態名も長いとどっちがいいのか分かりかねます。(クラッシャージャスティス)


勿論、ストコロゼロなどのように例外もあります。
書いてるうちに本人も何が言いたくなってきたのか分からなくなってきたので、この辺で失礼しますね。気が向いたらそのうち書き直したりするかもしれません。
ウルトラマンの新作情報がどうやら割れたようです。

その名も。

ウルトラマンX

ソースはこちら。
https://twitter.com/VinzChing/status/588714704668758017/photo/1


率直に言うと。

デザインは滅茶苦茶好みです。このメカニカルなデザイン。X字の武骨なカラータイマー。頭部の形状なんかは、ティガやノアを混ぜ合わせたような感じですね。

しかし、凄く残念なのは……。

何故ウルトラマンでこのデザインなのか?
ということです。

あくまで個人的な意見ですが、ウルトラマンは、神秘性の強い存在だったと思うんです。昭和シリーズでは、ウルトラマンは宇宙人。ティガは超古代の守り人、ガイアやアグルは地球の意思、コスモスはお伽噺のような伝説の存在。ネクサスは宇宙を巡る光……。ウルトラマンは、正体がかなり人間離れしていて、陣地を超越している印象を受けます。
ですが、このウルトラマンXは……言ってしまえば、強化装甲服のようなイメージを受けました。一気に人工物らしさが出てしまい、神秘性が薄まったように思われます。デザインが好みなだけに、ちょっと悲しい。


さて、以降は、写真を見て気づいたことと、個人的な推測を書いていきたいと思います。

正面にいるウルトラマンが主人公なのは良いとして。後ろにいるウルトラマン。青いですね。恐らくはサブトラマンにあたるキャラクターだと思います。既に二人のウルトラマンが出るのが確定らしい、というのは嬉しいです。

そして、周りに浮かぶカード。よく見たらティガ?やビクトリー、ウルティメイトゼロの姿が確認できます。(あくまで完全に推測ですが、)このカードを使って、他のウルトラマンの力を使役することができたり、そのウルトラマンに変身して戦うことができるのかも知れません。仮面ライダーディケイド?

さらに、このカードの一枚に目を付けました。どうやらエレキングのようですが、書いてある文字は……「cyber ereking」。
サイバー。つまり、戦闘の舞台は電子空間ということでしょうか? グリッドマン?
https://twitter.com/omega_tiga/status/588725267868200960

なんにせよ、このウルトラマンが今から楽しみで仕方ありません。
ではでは。
*ネタバレしかありません。ネタバレが嫌な人は引き返すか、本編を見た後で御覧ください。もう見た、或いはネタバレOKという人はそのままどうぞ。


 本日は、ウルトラマンギンガS 決戦! ウルトラ10勇士!! の公開初日でございました。というわけで、僕も行きました。


こ れ だ

 平成ウルトラマン10人が一堂に会するこの映画。ストーリーもアクションも文句なしの大作でした! 行ける人は映画館にGO! と推せるくらいの出来です。


 さて、興奮が冷めないうちに、書いちゃおうと思います。


 冒頭、突然のウルトラマンコスモス・コロナモードの掛け声から始まります。緑溢れる遊星ジュランにて対決するコスモスと、金色の魔神・エタルガー。仮面や布をつけていますが、中々オシャレです。

 エタルガーはコスモスの攻撃を物ともせず、逆に追い込んでいきます。
「慈愛の戦士、ウルトラマンコスモス。貴様のぬるい攻撃で、俺を倒すことなど出来ぬ!」
 指を振りながら悠然と言い放つエタルガー。なんだコイツ、格好いいぞ。
 コスモスは立ち上がり、ネイバスター光線を発射します。十数年の時を経て更に進化したCG技術によるネイバスター光線。滅茶苦茶格好いいし、強そう!
 ……と思った矢先、エタルガーは光線を受けながら突進し、すれ違い様にコスモスを攻撃、ルナモードに戻してしまいます……なんて野郎だ!
 コスモスが倒れ伏すと同時に、噴き上がる爆炎、それをバックに決めポーズをとるエタルガー。だからなんで一々格好いいんだ、お前は。
 すると、エタルガーの左手に女戦士・アレーナが出現。魔鏡をかざして、コスモスを自らの根城である浮遊要塞城・時空城の鏡の間に封印してしまいます。
 コスモスはすんでのところで春野ムサシと分離、彼を封印から救います。
 天井を見上げるムサシの視線の先には……鏡が7つ。カラータイマーが点滅する、ティガ、ダイナ、ガイア、ネクサス、マックス、メビウス、そしてコスモスが封印されていました。
 一方外では、突如時空を越えてウルトラマンゼロが飛来。「見つけたぞ! エタルガー!」エタルガーと斬り結ぶウルティメイトゼロ。しかし、エタルガーは「お前との戦いはメインディッシュ、最後のお楽しみだ」と言って逃げてしまいます。
 ……待てよ、この時点でエタルガーはギンガやビクトリーよりもゼロを強敵視している……時空を越えるゼロを先に潰しておいたほうが追い回されずに済みそうだが……まぁ良いか。
 そして、時空城はギンガの世界へ――。


 UPG基地で、突然のクラッカー。ヒカルが祝福されてます。どうやら海外研修から帰って来たようです。そんな彼にジュースを手渡すサクヤ……あれ? ヒカルも驚いています。そんな彼に、陣野隊長は、「人間とビクトリアンで手を取り合って地球を守るため」と教えます。ギンガS最終回『明日を懸けた戦い』で見つけたテーマがちゃんと受け継がれています。そして……何食わぬ顔で歩み出てきた、アンドロイド・マナ。彼女も最終回で、自身の全てのデータをバックアップしていたことが判明していましたが、無事復活できたようです。おめでとう☆
 しかし、そんな明るい雰囲気をぶち壊す緊急警報。UPGが出動した先に待ち構えていたのは……あの女戦士・アレーナでした。ウルトラマンギンガを差し出せと凄む彼女。「ウルトラマンは平和を乱してきた」……なんだって? そんな馬鹿な! ウルトラマンが平和を乱すはずがない!(ベリアル陛下とかいるけどさ)
 魔鏡から光弾を出し、格闘戦においてもゴウキやアリサ、ヒカルやサクヤを追い詰めます。何気に、波動を使えるサクヤが一番活躍してた……。ヒカルに拘束されるが、鏡の力で、なんと車のフロントガラス下飛び出してきました! 鏡の騎士・ミラーナイトも顔負けの能力です。
 ヒカルに近づくアレーナの前に、颯爽と駆けつけたムサシ。熱いぜ。
 すると、エタルガーが出現。五人を襲いますが……。そこにビクトリーが出現。無数の光弾を分裂したビクトリースラッシュで撃ち落とし、戦闘に突入します……が。
 強い。エタルガーは強かった。ヒカルもギンガとなって加勢しますが……依然劣勢のまま……。ギンガファイヤーボールはシェパードンセイバーフラッシュ(最終回同様、Vの字とシェパードンの像が重なり飛んで行くステキ仕様)でも、傷一つつかないエタルガー。なんて強固な鎧なんだ……。
 逆に二人を吊るし上げるエタルガー。二人は間一髪、変身を解除して封印を免れます。
 ヒカルとショウ(ビクトリー)をアレーナから護るため、サクヤはペンダントを放り捨てます。すると、超音波のような波動がアレーナを包み込みました。苦しみだすアレーナ。その背後にあるガラスに映った者があった。ヒカルが見たのは……笑顔のアレーナ。
 エタルガーは彼女を回収し、時空城へと撤退します。


 UPG基地で、ムサシの話を聞く一同。エタルガーは様々な時空を渡り歩き、ウルトラマンと戦い、封印してきた強敵であり、自分もコスモスとして戦ったが敗北したこと。そして、アレーナは元々平和な惑星の王女であったこと……。陣野隊長は、ムサシに協力することを誓います。すると……今度はアレーナ直々に基地に侵入してきました。その脳裏に浮かぶのは平和な星を火炎に包み込んだウルトラマンギンガと、彼女に手を差し伸べるエタルガー――。なんてことだ。
 今度は、マナが救援に駆けつけます。その隙にショウがペンダントによる超音波でアレーナに正気を取り戻させます。
 そう、正気。話によるとどうやらエタルガーによってニセの記憶を植え付けられているようです。すると、あのビジョンは立場が逆になるのかな? 記憶により、ヒカルの怯えるアレーナ。そして基地を襲う地震。その隙に逃げ出した彼女を追った一同が外で見たのは……防衛システムを物ともしないエタルガー。その右手から紫色の波動が放出され、アレーナを襲います。
 次の瞬間、時空の裂け目から飛来してきたゼロのウルトラゼロキックが命中。遂にゼロもギンガの宇宙にやってきました!
「久しぶりだな、ムサシ」タイガから教わったフィニッシュのポーズで挨拶するゼロ。うぅん、ゼロらしい。
 今度はエタルガーも逃げずにゼロと戦います。しかし、ゼロは強かった。互角以上に戦います。
 エタルガーの光弾を、ウルティメイトイージスで塞ぐゼロ。おぉ、やって盾らしい活躍したな、その鎧。 そしてそのままファイナルウルティメイトゼロを放ちます。この時、技名を思い切り叫ぶゼロ。珍しいな。格好良いけど。
 しかし、ゼロの究極技を以てしても、エタルガーは倒れません。仮面と羽衣が焼き尽くされ、そこから出てきたのは……悪鬼のような凶悪な顔。うわ恐ろしい。声も先ほどまでのイケボとは違い、低く険のあるものとなっています。上手いぞ、鈴木達央さん。
 先の攻撃で偽の人格が出現したアレーナを回収し、エタルガーは撤退します。


 アレーナの幻影が、「ギンガは日没までに一人で時空上に来ること。さもなくば封印されたウルトラマンを処刑する」と伝言を残してきました。
 作戦を練るUPGを他所にアレーナを助けようとするヒカルを諌めたのは、ムサシ。彼は、ヒカルとショウには、UPGの作戦とは他にやることがある、と言います。それは……。
「タロウから聞いてるぜ。お前らがギンガとビクトリーか」
 ゼロの前に連れ出された二人。ゼロは呆れたようにこう言いました。
「ちっとはアテになるかと思ったが……今のお前たちじゃ二万年早いぜ」出ました、二万年早いぜ。けどめっちゃ偉そうやん。
 当然ショウは反発しますが、ゼロは事実を突きつけて一蹴します。
「いいか? エタルガーは強い! 俺でさえ苦戦したんだ……。お前たちが心を合わせなければ、奴に勝つことは出来ない」……仲間の大切さを学んだ、ゼロならではの言葉。凄く説得力が有ります。
 そして、気づいたら二人の手首に嵌められた手錠。ゼロは、一心同体になるための訓練、と言ってしごき始めます。
 腕立て伏せ、腹筋、格闘訓練、ランニング……地道やな。しかし、感動すべきは、教えられることが多かったゼロが、誰かを教えるようになったということです。成長したな……。
 これにも反発するショウに対してゼロは溜息を付きながら……崖の一部を崩しました。え……。それに巻き込まれ、逃げるヒカルとショウ……。「二人で心を合わせて逃げないと、ヤベェぞ~?」かつて、父親であるセブンが、ゼロの師であるレオに対して、ジープで追い回したことを知ったんでしょうか……なんて鬼教官。さらに「お前らの星は誰が護るんだ?」と叱咤します。
 一方、時空城に乗り込んだムサシとゴウキ、アリサとサクヤ。しかし、アレーナの魔境によって、ムサシ以外は幻覚を見てしまいます……。
 アリサが目を覚ますと、そこは中国風な何処か。自分の服装はノースリーブのシャツにショートパンツ。二の腕と太ももが眩しいです。(監督の趣味かな?)そんな彼女に近寄る、三体のキョンシー。お化けが嫌いだと叫び、逃げてしまいます……年頃の女性だな。
 一方、ゴウキは巨大なトマトに追いかけられる。トマトが嫌いだと叫ぶ。こら、好き嫌いするな。
 サクヤの前に現れたのは、巨大なカブトムシ。サクヤじゃなくても、あのサイズが目の前に現れたら逃げ出すと思う……。
 ムサシは独りでアレーナに立ち向かいます。アクションは必見です、どちらも激しくキレのある動きです。
 そして……ヒカルとショウは最後の試練、崖登りをクリアします。途中ショウが落ちかけたところをヒカルが助けたり、落石を二人一緒に飛び越えたり、粉砕したり……。
 崖の上に登ると、ゼロが拍手で出迎えます。
「キングの爺さんから授かったもんだ。受け取れ」
 ヒカルの腕に、フュージョンブレスが! キング、アンタ本当に有能やな。
「ウルトラマンキング。俺たちの星で伝説の巨人と言われる奴だ」キングを知らない二人に、教えるゼロ。レオやアストラも一緒に階層に出てきます。
 ヒカルは通信機で、隊員三人に話しかけます。
「誰でも、向き合いたくないものがある。でも逃げちゃいけない」いい言葉だ。
 三人は奮起し、幻影を破ります。札を貼って、動けなくなったキョンシーを蹴り倒すアリサ、籠いっぱいのトマトに喰らいつくゴウキ、巨大化(?! スカートから覗く太ももがry)してカブトムシを摘み上げ、可愛いとのたまうサクヤ。
 サクヤはシェパードンSDの力でアレーナの動きを封じ、ウルトラ戦士を閉じ込めた鏡を砕きます。復活! 囚われのウルトラマン! 悠々と時空城から脱出していきます。
 それを見たエタルガーは、雫が丘の住民から恐怖のエネルギーを吸い取り、ある者を実体化させました。それは、ダークルギエル……デカい。無印ギンガ最終回に出てきた巨大ルギエルよりも、デカい。
 ヒカルとショウは、フュージョンブレスとビクトリーランサーをぶつけ合い、叫びます。「ウルトラタッチ!」なんと! エースの言葉!
 そして現れる、ギンガビクトリー。ギンガをベースに、ところどころにビクトリーの意匠が見受けられ、一目で強そうに感じます。
 ダークルギエルの光線を物ともせず、進撃するギンガビクトリー。そして……高速突撃戦法だけで、ダークルギエルを撃破! なんじゃこりゃ、強いぞ!
 ギンガビクトリーに合流する八人のウルトラマン。横一列に並んでゆっくりと歩んでいく様が実に雄々しく、まさに人を超越した格好良さが有ります。
「貴様らが戦うのは俺ではない。貴様らが最も恐れるものだ!」エタルガーは言い放ち、10勇士の前にファイブキングを出現させます。エタルガーの能力。それは、相手の最も恐れるものを実体化させることでした。自分の恐怖=ウルトラマンを倒すために本性を表し、戦いを挑んできます。
 進み出るティガ、ダイナ、ガイア。因縁の怪獣との邂逅です。三人を残し、他のウルトラマンは時空城へと攻め込みます。


 ダイナ「俺たちがかつて戦った敵が合体してんのか……本当の戦いはここからだぜ!」
 ガイア「ヒカル、ショウ。君たちの地球は、君たちで護るんだ。この世界は滅んだりしない」
 ティガ「行けっ!」
 ダイナ「俺たちも行くぜ!」
 ダイナとガイアの声を演じたのは、それぞれの変身体を演じた、つるの剛士さんと吉岡毅さん。ティガの声はオリジナルではありませんが、あの渋い声が中々似合ってます。 
 ティガがファイブキングの頭(ゴルザとメルバ)、ダイナが右腕(レイキュバス)、ガイアが左腕(ガンQ)を集中的に攻撃するところに、スタッフの気配りを感じます。そしてそして、三人のメイン戦闘BGMのメドレーが流れます! 冒頭のコスモスVSエタルガーの時にもコスモスのピンチBGMが流れてました……スタッフ最高!(他の戦士たちも同様)
 更に三人はパワータイプ、ミラクルタイプ、スプリーム・バージョンへとタイプチェンジし、猛攻を仕掛けます。そして、トドメのデラシウム光流、レボリウムウェーブ、フォトンストリームの同時発射でファイブキングを仕留めたのでした。

 そして、時空城の一階層。そこで待ち受けていたのは……ダークメフィスト。ネクサスが進み出ます。「光は絆だ。誰かに受け継がれ、再び輝く」本編では姫矢准が言った台詞です。そして、ネクサスを残して飛び去る五人の戦士。
 十年の時を経て、アクションに磨きがかかったネクサス。(全てのウルトラマンに言えることですが)宿敵メフィストとの攻防は手に汗握ります。そして……飛び蹴りをしながらジュネッスへとチェンジするネクサス。吹っ飛んだメフィストに対して、オーバーレイ・シュトロームを放ちます。光線を喰らい、分子分解を起こしたメフィスト。消滅の仕方まで拘ってますね……! 何気に、ネクサスの技名が叫ばれたのって、今回が初じゃなイカ?

 続く二階層。スラン星人が待ち受けていました。他と比べて見劣りするとか言うな、都合があるんだから……。歩み出るマックス。「人間の未来は、人間自身が掴み取るものだ!」中井さんの声に慣れたから、この少し高い声に違和感が……。仕方ない。
 格闘に押されたスラン星人が、分身してマックスを幻惑。しかし、マックスはマクシウムソードを分裂発射し、本物を炙り出します。そして、右腕にマックスギャラクシーをはめ、ギャラクシーソードで切り裂きます。……これも技名叫んだの初じゃなイカ?

 そして、三階層。突破しようとした四人のうち、メビウスが何者かの光線を喰らい、取り残されます。そこにいたのは……エンペラ星人((((;゚Д゚)))) ダミーのくせして、圧倒的な威圧感が画面越しに伝わります。メビュームブレードで斬りかかるメビウス。しかし、エンペラ星人に押されてしまいます……がっ。「何度倒れても立ち上がる……それが僕たち、ウルトラマンだ!」福山潤さんの声、中々似合ってます(^^)
 バーニングブレイブへと変身し、バーニングメビュームダイナマイトで爆破するメビウス。本編ではヒカリと一体化したフェニックスブレイブとなって立ち向かいましたが……メビウスも成長している……ということでしょうね。

 四階層。現れたのは、黒いウルトラマン、ベリアル。ゼロが鼻で笑いながら、残ります。「ヒカル、ショウ! この星の未来、お前らに託したぜ!」
 笑い声を上げるベリアルと、間近で睨み合うゼロ。三度も激突した相手との邂逅は、やはり思うところがあるんでしょう。ベリアルはゼロのアンチテーゼですし。
 エメリウムスラッシュで怯ませ、向かってきたところをウルトラゼロキックで迎撃。初陣を思い出します。更に、ストロングコロナに変身し、ウルトラハリケーン→ガルネイトバスターのコンボを披露。しかしそれでは終わらず、ルナミラクルとなりミラクルゼロスラッガーで追撃、更に更に、シャイニングウルトラマンゼロに変身して、シャイニングエメリウムスラッシュを照射します。ベリアルは床をぶち抜きながら時空城最下層まで落とされ、消滅しました。完全にオーバーキル。
 ……かつて、ゼロはシャイニングウルトラマンゼロの力に迷いを覚えていましたが、それを完全にものにしたようです。成長したな、本当に……。


 時空城最上階。待ち受けるエタルガー。ギンガビクトリーとコスモスが戦いを挑みます。隙を突いてコロナへ、更にエクリプスに変身するコスモス(この流れが凄く綺麗&スムーズ)。二人を封印しようとしたアレーナに対してコズミューム光線を放ちます。……この光線は悪しきもの”のみ”を祓う、と理解はできてるんですが、いざ人間に対して光線を撃つと、びっくりしてしまいます……。
 アレーナの精神世界に入り込み、彼女を説得するヒカル。「君には笑顔が一番よく似合う」これこれ、口説いてどうする。
 そんなギンガビクトリーに向けて光弾を発射するエタルガー。コスモスが体を張って守ります。ここからがギンガビクトリーの反撃開始!
 エタルガーを壁に押し付けて連続パンチ。ウルトランスで、シェパードンセイバーの斬撃とハイパーゼットンシザースの火球で怯ませ、メビュームシュートとワイドゼロショットで宇宙へ追放。
 そして、ヒカルはエタルガーに対して言い放ちました。「お前の最も恐れる物を教えてやる。それは、人間とウルトラマンとの絆だ!」
 そして、エタルガーに対して究極技・ウルトラフュージョンシュートを放ちます。為す術もなく爆散するエタルガー……ウルトラマンを封印するに至る経緯が知りたかった……。

 
 そして最後に、ギンガビクトリー以外の八勇士が金色に輝き、それぞれの光線技を以って時空上の破砕にかかります(クロスオーバーフォーメーションというらしい)。出番がないと思ってたメジャーな光線はここで出てきました! それぞれゼペリオン光線、ソルジェント光線、クァンタムストリーム、ブレージングウェーブ(ちゃんとコロナに戻ってる)、オーバーレイ・シュトローム、マクシウムカノン、メビュームシュート、ワイドゼロショット……光線によって切り刻まれていく時空城……エタルガーの野望は完全に打ち砕かれました。

 夕日をバックに町に降り立つウルトラマン……。壮観!
 そして、皆元の世界へと帰っていきます。一人ずつ飛び立つシーンを載せてくれてるのが嬉しいところ。


 アクションは勿論、ドラマパートも短すぎず長すぎず、子供でも分かるような内容(特に”怖いもの”)で、無理がなかったと思います。ミニチュアも様々なアングルで写していて、臨場感が出ているように思われます。
 
 非の打ち所はありません。皆さん、この期に映画館に行きましょう!
 土日にはウルトラマンが握手してくれますよ!(ちなみに私はダイナ(^^))
 *このブログの内容は、筆者の偏見及び個人的見解100%で構成されています。違った解釈が多分に含まれている可能性があるかも知れません。ご留意の上、読み進めてください。

 ども、お久しぶりです。ぶっちゃけ定期更新とか面倒くさいので、しばらく放置してました。久々に書く気になったので、書こうかと思った次第でございます。

 その内容とは何かと言うと……まぁ、ウルトラマンです。
 既に最終階からひと月近く経っているのですが、当時放送されていた新シリーズ、”ウルトラマンギンガS”(以降ギンガS)について個人的な意見を記したいなと思います。

 かつて、”ウルトラマンギンガ”(以降無印ギンガ)が放送された時に、こんな記事を書いてました。それとも照らし合わせていきたいと思います。 

 さて、無印ギンガと同じく前後編合わせて16話構成で放送されたギンガS。無印ギンガから沢山の革新がなされてきました。

 まず、サブウルトラマンであるウルトラマンビクトリー・ショウの登場。それに付随する形で地底人・ビクトリアンの存在などが新たに追加されました。さらには、新しい敵としてチブル星人エクセラーと、その配下としてアンドロイド・ワンゼロ、ガッツ星人ボルストなどが出てきました。

 そして、ギンガの強化形態(平成恒例?)であるギンガストリウムが登場しました。

 それぞれ言いたいことはあるのですが、まずは個人的に良いと感じたところから。

・CG、演出の強化
 まず視覚的に、CGがド迫力になり、インパクトが非常に強くなりました。無印はなんだったのか、というくらいの差です。また、ウルトラマンや怪獣の巨大さをアピールするために、ローアングルからの撮影が非常に多く、ウルトラシリーズが持つ”巨大感”の印象付けに成功したと思えます。また、ナパームを使っての爆炎の多さも一見の価値有りです。スーツアクターのアクションもかなり動きがつくようになり、数年前のウルトラマンゼロを彷彿とさせられて、暑くなりました。

・舞台の一新
 無印はずっと降星町、降星小学校が舞台でした。無印のテーマとしては正解だったのですが、個人的にはつまらないというのが率直な感想でした。
 しかし、今作では、ヒカルが旅をしているという設定で、まずメキシコ・ユカタン半島から始まり、雫が丘へと移動します。以降、彼はここに居を構える特捜隊・UPGの一員として活動するようになります。しかし、彼が調査に向かう場所、ギンガへと変身して戦う場所は毎回違うので、見ていて飽きることはありませんでした。
 また、地底に住む聖獣として、シェパードンという怪獣が登場しました。待ちに待った新規造形怪獣は、ビクトリーのために戦う健気な怪獣で、ある種の人気を博していました。


 さて、良い所を挙げてきましたが、個人的に不満なところも挙げていこうと思います。

・登場人物の数と、それに関してのストーリー構成
 全16話と、従来のウルトラシリーズと比較してかなり話数の少ないギンガS。ストーリーと比較して、少し登場人物が多すぎたのでは、また、設定が少し細かったのではと個人的に思いました。
 一番気になったのは、第五話「仲間と悪魔」、第六話「忘れ去られた過去」です。
 五話で、ウルトラシリーズお馴染みの悪役、ヤプールが登場します。ウルトラマンAで非道の限りを尽くした悪質さを覚えている方も多いのではないでしょうか。この回では、町を守り切ることが出来なった一人の隊員が、ヤプールに乗っ取られて悪事に手を染めかけます(基地の破壊、隊員への暴力)。ともに戦ってきた仲間の豹変に、主人公一同は戸惑うばかりです。
 六話では、地球外追放へと追い込まれたビクトリアンの一族の生き残り・ヒヨリが現れます。過去の内紛から、ショウに敵意を向ける彼女ですが、シェパードンやヒカルの説得もあって、無事に和解します。

 何が言いたいかというと。

 この重いテーマが一日で片付くか? と思ったんです。
 
 ”仲間の大切さ”や”同族間の内紛”は、現実世界においてもかなり重いテーマであり、答えの出ない社会問題に発展している例もあります。過去のウルトラマンにおいては、シリーズすべてを通して、或いは数話分の尺で考えさせるような展開が有りました。

 個人的には、五話か六話のどちらかを削って、残った方を前後編にしたら良かったのではないか、と思いました(個人的には五話を残しておいて欲しいです)。

・ウルトラマンギンガストリウム?
 ギンガの強化形態、ギンガストリウム。ウルトラ六兄弟の力をその身に宿しています。ウルトラマンティガのタイプチェンジではなく、ウルトラマンメビウスのバーニングブレイブに近い感じの強化です。
 個人的には、ギンガストリウムの戦い方が好かなかったので、そのことを書いていきたいと思います。

 ①必殺技が豊富すぎる
 使用した六兄弟の上げると、スペシウム光線、エメリウム光線、ワイドショット、ウルトラショット、ウルトラバーリア、メタリウム光線、ストリウム光線、M87光線、Z光線……。劇中未使用技も含めると、12の技があります。元々のギンガの技を含めると、12+8で20(厳密に数えたらこれよりも少し多い?)。
 これらの必殺技を全て使い切るのは、16話では当然不可能であり、使わずじまいだったものもあります。また、ギンガ固有の技よりも、六兄弟の技を優先して使う傾向があり、露骨に六兄弟をリスペクトしている、と感じてしまいました。また、一回の戦闘で何度も必殺技を使うので、どれも印象に残りにくくなってしまいました。

 ②小技がない
 元々ギンガは、必殺技を7つ持っていますが、ティガのハンドスラッシュのような技を持ちません。格闘でゴリ押しして必殺技を決める、という戦闘スタイルをとっています。単純明快ですが、バリエーションに欠ける戦い方だな、と思ってしまいました。
 話は逸れますが、この点に関しては、ビクトリーに軍配が上がると思います。牽制技のビクトリウムスラッシュ(脚部クリスタルから放つV字型光弾)、繋ぎやここぞという場面で使うビクトリウムバーン(頭部クリスタルから放つ熱戦)、決め技のビクトリウムシュート、そして、己を強化するウルトランス(怪獣の能力を右腕部に宿す能力。アグルのアグルブレードに近い役回り)と、戦闘バリエーションが多いので、飽きが回らないという点で、評価できます。


 とまぁ、感じたことを述べてみましたが、ストーリーは王道的な展開でしたし、地上人とビクトリアンの和解の展開も、無理なく進められていましたし、無印では不明だった、ラスボス・ダークルギエルの正体も分かりました。全体としては、高評価を下したい作品です。


 放映まであと二週間近くに迫った、”劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦! ウルトラ10勇士!!”。本編とは逆に、平成ウルトラマンが一挙に集うらしいです。どんな映画なのか、想像するだけで心躍る日々でございます。