※この記事は作者の私見のみで構成されています。必ずしも正確な情報ではありませんのでご注意ください。
こんにちは。こんばんはかな? それはさておき。
僕はウルトラマンティガが大好きです。
三色の巨人、シャープな造形、格好良さとともに際立つ美しさ。
まぁ、格好良いという話はどこでもなされていると思うので、今回は別の話をしましょう。
ティガは平成ウルトラマンのトップ、ということで、この先々の媒体展開でも結構な頻度で出演しています。そして出れば、比較的重要な立ち位置を持っていく、造形や立場などに恵まれたキャラクターだと思っています。
本編最終回をご覧になった方ならばご存知かと思いますが、本編の時系列ではオリジナルのティガが出てくることはもうあり得ません。そして後々の他媒体展開でも、変身者も不詳であったり、変わったりする。
実は……当時小さかった僕はこれが嫌いでした。
頭のどこかで「ティガに変身するのはマドカ・ダイゴ唯一人以外にはあり得ない」、「ティガは、自分が人間であるか光であるかを葛藤し続けたダイゴが変身するからこそティガ足りえるのだ」、と子供心に考えていました。
しかし、幾らか歳をとって改めて考えると、本編とその他のティガを全て含めて、どこまでも「ティガという巨人らしさ」があるなぁ、と思い直しました。
ティガに変身した人間の数は実に多いです。本編のマドカ・ダイゴ、OVA『外伝 古代に蘇る巨人』ではツバサとアムイ、プラネタリウムの青年、『ウルトラマンギンガ』ではヒカル、健太、千草の三人、『超ウルトラ8兄弟』の世界のマドカ・ダイゴ(これはノーカンでも良いかもしれませんが)、『劇場版ウルトラマンX』の玉城ユウト少年……。
結論に入る前に、『ティガ』最終回でマドカ・ダイゴの台詞を考えてみたいと思います。
「人間は皆自分自身の力で光になれるんだ」
これ自体がティガの象徴であり『ティガ』の作品テーマであると思うんですよね。
これとは別にこの世界のウルトラマンは、あくまで人間が力を手にしただけの存在である、という旨の解説もあります。
ティガはM78星雲光の国出身の宇宙人である初代ウルトラマン達や、地球の意思の具現であるガイア、異星人のコスモスなどとは違い、明確な意識を持ちません。その本質である魂=光は3000万年前に肉体を捨てて宇宙へと帰ってしまった。本編のティガに残されたのは肉体のみであり、魂の存在しない抜け殻。これに宿る人間の意思=魂=光こそがティガを形作る性質であり、巨人の動向を決める本質であるのです。(劇中では実際に、元々光の巨人であった(とされる)イーヴィルティガの石像に宿ったマサキ・ケイゴは、その邪悪な意志で以て、巨人の本質を光から闇へと変換してしまった)
つまりティガは、その肉体に、正しい光の心を持つ者が宿れば、誰が宿ってもティガ足りえるのだ、と思い直しました。ここで前述の「人間は皆自分自身の力で光になれるんだ」という台詞が生きてくるんだと思います。
ツバサやアムイは、村に迫る危機を撃退するために、守るために力を使った。ヒカルや健太、千草も仲間を守るためにティガのスパークドールズを使って戦った。玉城ユウト少年も、母を守りたい一心でティガの石像と一体化した。皆誰かを守るためにその力を使おうとして……使って戦うことが出来た。
何世代にも渡り、ティガはあくまで「力」としてのみ、例えれば強力な威力を持つ「拳銃」のようにして存在している。その力を使う「本質」、例えれば拳銃の引き金を引く「人間の指」こそが、ティガを光の巨人として完成させている。どの作品に出ても、誰が変身者であってもティガがティガ足りえるのは、この「力」と「本質」が正しい光の心を有しているからなんだなぁ、と思いました。
そしてティガの在り方そのものが、ウルトラマン普遍のテーマである、「人間の未来を決めるのはあくまで人間であり、ウルトラマンはあくまで加勢し、見守るだけ」というモノを貫いていて、嬉しくなりました。