劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン 愚痴 | 気づけば更新されてるかもしれない雑多な何か

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こんにちは。

今を去ること四ヶ月ほど前、『劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』が公開されました。宣伝ポスターを飾る八人のウルトラマンに惹かれて、僕は劇場に足を運びました。

初見は大満足でした。初見は。

ウルトラマンX本編にて、「未知との遭遇」を経て主人公は怪獣との共存という目標に対してどう向き合っていくのか。徹底してそのテーマを突き詰め続けたこの作品は、特撮もドラマも非常に良いレベルで描かれていたと思います。その他にも、平成ウルトラマンとの数多い客演も経て、Xの文字に恥じない「主人公・大空大地やウルトラマンエックスにとっての未知の巨人との遭遇、そして互いの思いの交錯」という面も描き出せていたのではないかな、と思います。

それの劇場版ということで、怪獣と共存した結果の共闘作戦、数多くのウルトラマンとの出会いを経た大地とエックスが敵を下すという、王道を地で行く素晴らしい出来だったと思います。



とは言え、納得出来ないことが一つ。

全体を通して、劇場版限定の登場人物の多くが馬鹿或いは屑に映ったなぁ……と。

初めて見た時には、およそ二十年経ってようやく銀幕デビューしたティガ・スカイタイプの活躍(今年2016年は、ウルトラマンティガ放送20周年! おめでとうございます!)に興奮して何も考えていなかったのですが、先週ディスクが販売されたので購入して見なおしてみたら……なんとまぁ我儘な奴らばっかりなんだ、と。

物語を要約すると、ある遺跡の要石を動かしたら古代の怪獣が蘇っちゃってこれを撃滅せよ、という話なのですが……事件の発端になった人間・カルロス黒崎がもうどうしようもないくらいの奴でして。

自身のテレビ番組のためだけに遺跡の壁を爆破して侵入、要石である碧石を「遺跡のある土地は買収したから、これは俺のもの」と捻くれたジャイアニズム(本来のジャイアニズムはもう少し違う意味合いです)を発揮して奪取、閻魔獣ザイゴーグを封印から開放させたにも関わらずその場をトンズラ。再封印を避けるためにザイゴーグが碧石を狙って東京に侵攻、避難指示が出されたにも関わらず「特捜隊Xioの実力は信頼してるから怪獣来たらやっつけて」とどこ吹く風。ビルが倒壊の危機になってもひたすら碧石を追いかける始末(この時、碧石を回収しようとした山瀬アスナ隊員を、カルロス黒崎の秘書が無意味に妨害していた)。
そのくせ、ザイゴーグを倒すべく戦うエックス、ティガ、初代ウルトラマンがピンチになると白々しく応援したり、「希望だけが絶望と戦う光」などのたまい……。
そして事件が終われば、何食わぬ顔で秘境に旅立ち……お咎め無し。


お前何様のつもりだ?



田口清隆監督曰く、「明るい作風を重視して、発端になったカルロス黒崎も憎めないキャラにした」とのこと。

監督の言いたいことは分かるんですけども……。
「憎めないような行動をとるキャラ」と「自分の利益を追求して強欲に振る舞う挙句日和って応援するようなキャラ」は全く別物だと思うんですよ……。

下手すれば世界が怪獣地獄になるかもしれない大惨事を引き起こしておきながら、お咎め無し。いやお前、それ現実じゃあり得ないから。虚構の世界だとしてもあり得ないことだから。
こういうのは絶対に痛い目を見なきゃいけないと思うんですよ。殺されても文句言えないと思います。(こいつザイゴーグの侵攻に巻き込まれて死ぬんじゃないかな)と思ってましたがそんなこともなく。最低でも警察に突き出しておくべきだったと思います。まぁそれをやると作風そのものが崩れちゃうから駄目だったんでしょうけども。

考古学者の息子、玉置ユウト少年も、気持ちは分かるけどなんか我儘、という感じがしました。ピンチの母を助けに独断でビルに乗り込み、危険だから帰れと母親に言われても「母さんは僕が助ける」の一点張り……。
ティガの登場がこの脚本通りでなかったら犬死してるところです。いやまぁ母を助けたい気持ちは分かるが。


特撮の出来は文句無しなのですが、人物の演出だけがちょっと残念だったかなぁ。そんな印象を受ける作品でした。細かいことを気にしないのであれば、素晴らしい作品だと思います。