まさかの、旅先での財布紛失。
バッグをひっくりかえしていよいよ財布がないことを認めざるを得なくなり、まず最初にカード類を止めた。
そうだ、警察。警察に行かなくては。
クレジットカード類は、悪用される前に警察に紛失届を出せば支払い義務がなくなるとか
そんな話を聞いたことを思い出し、まずは駅前にあるであろう交番を探すことにした。
この時点で正常な判断能力を失っていた。(電話でカードを止めた後なのに)
ここで襲い来る刺客。
「ねえねえお姉さんなにしてるの?ひま?一緒に飲まない?」
と声をかけてつきまとってくる男子の襲来。
これがかなり若い年下のイケメン。京都のホストは私服なのだろうか。
今それどころじゃないんだよ…と交番の場所を聞くと、意外にも親切に教えてくれた。
駅前の交番に向かったものの、残念ながら私の財布は届いていないとのことだった。
所持金、約1800円。
とにかく、東京に帰るにも、どこかに泊まるにしても、お金がない。
小銭入れの方に保険証を入れていたので、
(ホテルからちょっとコンビニに向かった時に交通事故に遭う可能性もあるので)
保険証でなんとかお金を貸してくれる機関がないか聞いてみるも、笑ってあしらわれた。
旅先でお財布をなくした時に警察が貸してくれるというのは都市伝説だった。
ここで、
「JRならそんな人のために、全国のJRの駅の窓口で、乗車料金を誰かが払ってくれれば電車に乗ることができる。
親にJRの駅で電車料金を払ってもらうよう頼んでみて。」
と、今まで知らなかったシステムの情報を得た。
しかしながら、残念なことに子供の頃から両親はおらず、頼りにできる親族もいない。
それを話したところ、まるで信じていないような顔で苦笑され追い出された。
なるほど、警察というのは、親がいて当たり前の、幸せな環境で育った人間が就く職業なんだな。
ちなみに、
「お財布を落としてしまったときは駅員さんが電車賃を貸してくれる」
というのも都市伝説。
あったとしても、短距離の運賃を、駅員がポケットマネーから出しているのだろう。
PASMOには多めにチャージするようにしているので、それなりの金額が入っていたものの、
小銭入れの現金とあわせても12000円ほど。
京都-東京間の新幹線は、乗車料金と特急料金をあわせて13,080円。
新幹線に乗るには、足りない。
時刻は21時20分過ぎ。
正常な判断力を失っていることを自覚し、ツイッターに現状とヘルプ要請を投稿。
鉄道アカウントとは全く別ジャンルの本垢には
女の子ばかり4桁のフォロワーさんがいるので、誰か京都駅付近にいないかと一縷の望みを込めて。
翌日に在来線で帰るにしても、所持金が少ないため誰か一晩泊めてくれないかと。
たすけて!ツイッタランドの仲間たち!!オラに力を!!!
ありがたいことに、たすけてツイートに気づいたフォロワーさんから続々とリプやDMが。
「交番で貸してもらえますよ!」←都市伝説
「駅の改札で事情を話したらなんとかなりませんか?」←都市伝説
「親に友達泊めていいか聞いてみる」
「京都駅付近のネカフェURL送ります」
「JRの他の駅でかわりに電車料金払うシステムあるよね?もうちょっと早く言ってよ!!」
「30分くらい待ってもらえたら迎えに行けます」
「駅でお金貸してもらえない…?」←都市伝説
「泊まれるホテル見つけたらURL送って。とりあえずクレカ決済するから」
「PASMOにチャージ入ってるんですよね?夜行バスにまだ空きがあるみたいです」
夜行バス!その発想はなかった!!!
目から鱗ぽろっぽろ!!!
さっそくバスターミナルへ。
先程とは別の男の子に「おねーさん暇?」と声をかけられたのでバスの待合所を聞いたところ、
男の子の仲間と思しき別の男の子も寄って来て、バスの待合所の場所を教えてくれた。
良い子たちだった。出勤前のホストか何かだろうか。
すまない。本当に手持ちがないの…。
JRバスの待合所…案内所?で夜行バスの空きを確認したところ、
2階建ての高速バスの2階席、しかも窓側があいているとのことだった。
乗車料金は9100円。
おそらく相場より高めなのだろうけれど、土曜の夜ならこんなものなのかな。
PASMOで無事に乗車券を購入。
ひとまずツイッターに、帰京手段を確保したことを報告。
普段から多めにチャージを入れる癖があってよかった…本当によかった……。
ちなみにPASMOのチャージは、首都圏の私鉄駅でしか払い戻しができない。
ということもこの日初めて知った。
あちこちウロウロと歩き疲れて赤疲労。
バスの時間までにちょっと時間があったため、フォロワーさんに教えてもらった京都駅近くの銭湯に向かった。
京都駅八条口から徒歩5,6分のところにある大正湯。
長居はできなかったものの、不安と緊張でがちがちに強張った体と心を癒すには、お風呂というのは最高だった。
駅前に戻り、バス乗り場に向かう途中でまた「ねえちょっと」と声をかけられた。
ちょうどいい。高速バスの乗り場を聞こうと振り返ったら、
そこにいたのは顔の良い男の子ではなく、顔の悪い中年男性だった。
「ひとり?これからどこ行くの?2万でどう?」
「しね」
顔の悪い中年男性は舌打ちをして去っていった。
交番に行く前だったら、おまわりさんに特徴を伝えたのに。残念。腐ってもげろ。できるだけ苦しんで逝去しろ。
迷子になりながら高速バス乗り場に向かうと、乗車予定のJRハイウェイバスが既に到着していた。
夜行バスなんて、学生の頃ぶり。
2階建てのバスなんてはじめて。
狭い階段を上り、予約した座席のある2階へ。
座席は2列+1列の3列。座席と座席の間にカーテンがあり、自分だけの空間を確保できるようになっていた。
最近の夜行バスってこんな風になっているのね。すごい。
途中で寄ったサービスエリア。
お土産屋さんにフードコートに、品揃えの充実したセブンイレブンも入っていた。
00:35、土山サービスエリアを出発。
無事に戻ってこれてよかった。本当によかった。
友達に「お祓い行け」と言われ、旅先でのトラブルがあまりに多いことを自覚。
台風に好かれ、雷に好かれ、変質者に好かれ、旅先では人身事故や運休に巻き込まれ、大切なフィギュアを落とし、今回はお財布を落とし…。
ちょっとこれは流石に危ないのでは。
と、この2週間後に某神社に向かうことにした。
そのお話しはまたそのうち。
それにしても、夜の京都駅前は尼崎より治安が悪かった。
キャッチや買春おじさんが野放し。
明らかに警察の人員が不足していそうだった。
近年の京都は、観光地によっては日本人より外国人の方が多いので、日本国内だと思って油断していると危ない、とのこと。
特に男性。ズボンのポケットに財布やスマホを入れておいたら無くなっていた、ということが多いらしい。
ちなみに私の財布はまだ、見つかっていない。
ぽちっとな( ˘ω˘)
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