通貨スワップ待望論が囁かれ始める時
2019/12/10
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一般に韓国のように
「外貨建てで巨額の資金を借りている国」において経済破綻が発生するとしたら、
いちばんわかりやすいのは外貨建債務のロールオーバー(借換)に失敗し、
資金繰りに窮して破綻するというパターンでしょう。
こうしたなか、よりにもよって「経済副首相」という地位にある人物が、
「金融市場安定対策を近く発表するだろう」などと発言したようです。
要職にある人物が不用意な発言をすること自体、
国際的な市場関係者に対するメッセージにもなり得るということを、
果たして彼らは理解しているのでしょうか?
経済副首相自身がそれを発言するか…
本稿は先ほどの『「株安」と「資本逃避」は必ずしもイコールと限らない』
の「続き」のようなものですが、必ずしもリンクするとは限りません。
先ほどの記事と本稿については連続して読んでいただいても構いませんし、
本稿のみを単独で読んでいただいてもきちんと意味が通じるようにしています。
さて、昨日の
『ChosunReportsSwapWithUS-JapanWhileKRWisSold1
では、韓国メディアに掲載された、
「米国日本と通貨スワップを結ぶべきだ」
とする(まことにふざけた)主張を紹介したのです
が、そのついでに、ロイターに速報された、次の記事を紹介しました。
「SouthKoreaAnouncesMeasuresAddresDollarShortage
(2020年3月17日15:02付 ロイターより)
これは、韓国政府が18日、
韓国国内におけるドル資金不足を和らげるための措置を発表する予定であると、
「事情に詳しい政府関係者2人」が明らかにした、という情報です。
その後、韓国メディア
『中央日報(JoongAng Ilbo)』(日本語版)に続報が出てきました。
洪楠基(Hong Nam-gi,홍남기,ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は
17日、「先物為替限度など金融市場安定対策を近く発表するだろう」
と話した<<…続きを読む>>
―――2020.03.1719:12付 中央日報(JoongAng Ilbo)日本語版より
なんと、驚いたことに、
「経済副首相」である洪楠基(Hong Nam-gi,홍남기)氏自身が、
「先物為替限度などの金融市場安定策を近く発表するだろう」
と述べた、というのです。
経済副首相自身が、
自国韓国の米国ドル資金供給が逼迫していることをを認めるかのような発言を
行うこと自体、なかなか凄いセンスです。
この発言には、もしかすると外為市場における韓国ウォンの急落を
牽制する狙いが込められているのか、という気もしたのです
が、ただ、金融市場が相手であるならばなおのこと、
発言には気を付けなければならないはずですし、
そんな「案」があるのならさっさと発表してしまえば良いのに、と思います。
そして、中央日報(JoongAng Ilbo)によれば、
この洪楠基(Hong Nam-gi,홍남기)氏の発言と関連し、
韓国政府は今週中にも「外貨資金市場安定化案」を出す計画だそうです
が、これには
「韓国の金融機関のドル調達費用を低くする案」が含まれているのだとか。
いったいどうやって「韓国の金融機関のドル調達費用を低くする」
つもりなのかは存じ上げませんが、もしかしてご自慢の
「4000億ドルを超える外貨準備高」
から国内金融機関に資金供給をするのでしょうか。
日本米国との通貨スワップ待望論、
韓国経済新聞社説にも!
一方で、『韓国経済新聞』には、
日本米国との通貨スワップ待望論が掲載されたようです。
[社説]「0VisibilityCanForeignExchangeHoldingsBeRelieved?
'시계 제로' 세계 경제… 외환 보유액 마음 놓을 수 있나
(※原文韓国語)
武漢肺炎ウイルス(コロナ19)による経済的な影響は、
金融と産業多方面に広がっている。
各国が超低金利で「金融緩和戦争」に乗り出した
が、株価は暴落し、国際原油価格も急落している<<…続きを読む>>
―――2020.03.1718:17付 韓国経済新聞より
韓国経済新聞はこの社説の中で、
「わが国韓国の外貨準備高はすぐ心配する状況ではないが、中長期的な視点からは、
最大限に活用するのは難しい。
2008年の金融危機のときも通貨防御のためにドルを放出した結果、
半年で約600億ドルが流出した。
当時、外貨準備高は20%以上減少し、
突然『外国為替危機論』まで出てきた経験を忘れてはいけない。」
としたうえで、
「保有外貨が急減する場合、ソブリン格付の下落につながる可能性もある。
米国・日本と通貨スワップを再締結すれば、
外貨準備を増やすのに劣らない効果が生じるだろう。
韓国政府はここに力を発揮してほしい。」
と注文を付けているのです
(なお、引用文は基本的に翻訳エンジンなどを参考にしつつ意訳したものです)。
外貨準備の水準は大丈夫だというの
ならば、なぜわざわざ日本米国と通貨スワップ協定を結ぶ必要があるのでしょうか。
このあたりの苦しいロジック展開、こじつけの強引さは、
いかにも韓国メディアらしいな、と思ってしまいました。
じつはノープランなのか?
以上、当ウェブサイトで確認した限り、先週のWSJによる
「中国、台湾、香港、韓国、豪州との為替(foreign-exchange)スワップ締結を」
とする社説
(『WSJ-FRB-ForeignCentralBankForeignExchangeSwap1
WSJ "FRB는 외국 중앙 은행과 통화 스왑 연장을"
等参照)
以来、韓国経済新聞、朝鮮日報、中央日報(JoongAng Ilbo)
など、韓国の主要メディアがそろってスワップ待望論を唱えた格好です。
ここで冒頭の中央日報(JoongAng Ilbo)の記事に戻りましょう。
洪楠基(Hong Nam-gi,홍남기)氏
がどんなプランを出して来るのかについては興味津々です
が、それにしてもなぜ、洪楠基(Hong Nam-gi,홍남기)氏は
「近日中に金融安定化策を発表する」などと述べたのでしょうか。
自然に考えて、経済副首相でもある洪楠基(Hong Nam-gi,홍남기)氏が
「金融安定化策を発表する」と述べた瞬間、
韓国の政府当局者自身が「わが国韓国は米国ドルの調達に苦しんでいます」
と認めたことになりかねませんし、
そうなれば外国金融機関のなかには短期資金の
ロール(更新)を拒絶するケースも出てきかねません。
洪楠基(Hong Nam-gi,홍남기)氏はこの発言で
「わが国韓国の政府にも準備があるんだぞ」
と国際的な資本市場にアピールしたかったのかもしれません。
しかし、どうせ発表するなら、その具体的な対策を含めて一気に発表しなければ、
逆効果になるリスクも高いのです。
あるいは、かなりうがった見方です
が、洪楠基(Hong Nam-gi,홍남기)氏はもしかすると
現在、米国や日本との間で水面下(below the surface)で
通貨スワップや為替(foreign-exchange)スワップの
再開要請をしていて、「見切り発車」的に「近日中に対策を発表する」
などと述べてしまったのではないでしょうか。
すなわち、「ノープラン」仮説ですね。
日本韓国通貨スワップ
再開のハードルはエベレストより高い?
いずれにせよ、
米国が韓国との間で為替(foreign-exchange)スワップを締結するのかどうかは、
米国FRBの判断であり、米国の負担で韓国を助けるというのならば、
私たち日本人にとっては関係のない話です。
しかし、日本が韓国との間で円建て為替(foreign-exchange)スワップや
ドル建て通貨スワップを締結するというのならば、
少なくとも韓国側が作り出した日本韓国間のさまざまな懸案については、
すべて韓国側の責任と努力において、綺麗に解決してもらわなければなりません。
韓国が日本に対して仕掛けてきたさまざまな不法行為や、
その他日本韓国関係を悪化させている要因は非常に多く、
文在寅(Moon Jae-in,문재인)政権下で
発生したものだけに限定して列挙しても、次のようなものがあります。
①旭日旗(Rising Sun flag)騒動
(2018年9月頃~)
②『朝鮮半島出身応募労働者(Applicantworkers from the Korean Peninsula)』
判決問題
(2018年10月30日、11月29日)
③レーダー照射事件
(2018年12月20日)
④天皇陛下(His Majesty the Emperor)侮辱事件
(昨年2月頃)
⑤日本による韓国向けの輸出管理適正化措置
(昨年7月1日発表)
⑥慰安婦 (Comfortwoman = Sex Slaves = Prostitute )
財団解散問題
(昨年7月頃)
⑦日本韓国請求権協定
(Japan‐Republic of Korea Basic Relations Treaty) 無視
(昨年7月19日)
⑧日本韓国GSOMIA破棄通告
(昨年8月22日)
⑨対日本WTO提訴
(昨年9月11日)
⑩日本人に対するビザ免除措置の停止
(今年3月9日以降)
また、
朴槿恵(ParkGeun-hye, 박근혜)政権下、
李明博(Lee Myung-bak,이명박)政権下
で発生した不法行為にしても、
さまざまなものが未解決のままで山積みにされて残っています。
それらを片づけることなしに、
私たち日本国民の負担において
韓国を救済する通貨(foreign-exchange)スワップを
供与するのはいかがなものでしょうか。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
もっとも、とっ散らかすだけとっ散らかして片づけられないのが韓国という国です。
これらについて「韓国の全面的な責任において、完全に解決せよ」
と要求したとしても、
素人が真冬のエベレストに登るようなものなのかもしれませんね。
ま、私たち日本人にとっては知ったことではありませんが。
※本文は以上です(That's it for the text)。