御年83歳(!)、言わずと知れたビートルズの元メンバー"ポール・マッカートニー"の新譜『The Boys of Dungeon Lane』(邦題:ダンジョン・レインの少年たち)をレビューします。
【収録曲】 1. As You Lie There(アズ・ユー・ライ・ゼア) 2. Lost Horizon(ロスト・ホライズン) 3. Days We Left Behind(デイズ・ウィ・レフト・ビハインド) 4. Ripples in a Pond(リップルズ・イン・ア・ポンド) 5. Mountain Top(マウンテン・トップ) 6. Down South(ダウン・サウス) 7. We Two(ウィ・トゥー) 8. Come Inside(カム・インサイド) 9. Never Know(ネヴァー・ノウ) 10. Home To Us(ホーム・トゥ・アス) 11. Life Can Be Hard(ライフ・キャン・ビー・ハード) 12. First Star of the Night(ファースト・スター・オブ・ザ・ナイト) 13. Salesman Saint(セールスマン・セイント) 14. Momma Gets By(ママ・ゲッツ・バイ)
ビートルズのポール曲マイベスト10🍎 1.イエスタデイ 2.Let It Be 3.マジカル・ミステリー・ツアー 4.ヘイ・ジュード 5.ブラックバード 6.ハロー・グッドバイ 7.Here, There and Everywhere 8.ペニーレイン 9.Eleanor Rigby 10.ヘルタースケルター
1973年発表の「007 死ぬのは奴らだ (Live and Let Die)」は、言わずと知れた同名映画の主題歌。ほかのポール作品には馴染みがなくとも、この曲だけは知っているという人は多いだろう。後年、スティーヴィー・ワンダーとの共演で生まれた「Ebony and Ivory」と並び、ポールの代表曲として広く浸透している一曲ではないだろうか。同年の暮れに傑作とされるアルバム『バンド・オン・ザ・ラン』をリリース。1977年にはシングル「夢の旅人」が大ヒット。ビートルズ「シー・ラブズ・ユー」による国内売上記録を塗り替える。このあたりが、ウイングスの全盛期だろう。
僕はというと、ビートルズ後のポールについては熱心なリスナーではなかった。「Jet」「Band On The Run」「My Love」など、胸のすく名曲や沁みる名歌もあるが、ビートルズほど夢中になれなかった。
そんな僕だが、この新作の感想を以下に書いていこう。
リード曲の#3「Days We Left Behind」。イントロのアコギの優しく深い響きと、そこからの年輪を重ねた歌声。侘びた風情もあるが、音楽は枯れていない。そして、創作への意欲も枯れていない。深呼吸を促すような、彼の中で熟成されて完成された穏やかなまどろみの音楽にいつまでも浸っていたい。
同じくリード曲の#10「Home To Us」。リンゴ・スターがドラムとボーカルを担当。この歌心のあるスネアの響きや、衰えを見せない渋い美声のボーカルは、ビートルズを普段から聴いている僕にとっても心のふるさと(ホーム)だなという感傷に浸らせる。(4月下旬にリンゴもカントリー音楽の新譜『ロング・ロング・ロード』をリリースしているので、気になる方は聴いてほしい。)
事前にこの2曲を聴き、良盤になる予感がしていた。その予感は当たっていた。
開幕の#1「As You Lie There」からしてパンチが効いている。冒頭の語りと歌を聴いて穏やかな歌ものなのかなと思っていると、その後ギターが暴れだし、シャウトし始めてギアを上げるサプライズ。クイーンの曲のようなプログレ的な展開が面白い、アイデアと滋味に富んだ楽曲だ。
アフロの新たな相方であるヒグチアイさんのことは存じ上げていた。ミーハー丸出しで申し訳ないが、TVアニメ『進撃の巨人』The Final Season Part 2のエンディングテーマに彼女の曲「悪魔の子」('22)が起用されていたからだ。『進撃の巨人』シリーズの主題歌には、僕がファンの神聖かまってちゃんも起用されていたから展開を追っていた。