
両者ともに好きなので観に行った。周囲の異動で仕事が忙しい時期だったが、見逃すまいと。数年前に"リーガルリリー"✖️"うみのて"の2マンを生で見逃した経験が未だに尾を引いているのもある。
かまってちゃんとドレスコーズには共通する要素がある。アートが先行しているアーティストとは違い、即効性の快楽とディープな芸術性が両輪となって音楽を駆動するという点だ。僕はアートの要素がない音楽は聴かないし、キャッチーさの微塵もない音楽は聴かないので、こういったハイブリッドで屈託のある音楽が好きなのである。
その即効性の理由の一つが親しみやすい歌メロだ。の子も志磨遼平もメロディ・メイカーとして底知れない才能がある。そして、彼ら2人の強烈なカリスマ性は、音楽の届きやすさを倍速で加速させる。
この2組だからか、観客の服装もバンドTシャツのバンドファン(orバンギャル)風、ゴスロリ風、ヤンデレ風、ヤンキー風、ストリート風、ふつうの私服風など、老若男女様々の服装の方がいた。はっきり言って会社帰りであるスーツの僕(会社員風)は浮いていたが、そんなことは気にならない自由闊達なバイブスに満ちていた。
演奏前には、SEでめっちゃ陽気でニューウェーブな曲がかかっていたが、僕のShazam君は知らない音楽だった。(街中で知らない音楽がかかっていたら、無料アプリのシャザムで曲名/アーティスト名を簡単に知れますよ。)
★先攻 神聖かまってちゃん
(👆最近、ファーストテイクでロク鳴りを演奏して話題に。今日も演奏したよっ!)
「ぺんてる」でスタート。やがて閉店する「ぺんてる」(の子が子供の頃に通っていた文房具屋。4月12日に閉店予定)への哀傷に浸りながら、エモーショナルな演奏の展開に否が応でも観客のテンションが上がっていく!
の子はライブでは、いつも「精神解放しろ!」と叫ぶけれども、今日の演奏でも僕は精神解放できた。ライブ終盤には、スーツを脱いでYシャツ姿になってしまったし。
演者と観客のコールアンドレスポンスは真剣勝負。アジテーションするの子に観客の皆がのまれていく。観客の意思の熱度は、個体から液体へ、液体から気体へ。ステージ上ではスモークがたかれていたが、熱気による蒸気と見紛うほどだった。
他の楽器隊も"の子"の熱意に応える。他の3人はあまり目立ったパフォーマンスは無かったのだが、熱い(篤い)職人のように演奏を支え、形作っていた。僕はmono君、みさこさん、ゆうのすけ君の未来と幸運も祈っている。
「天文学的なその数から」も良かったな。今日出演の二組の曲の中でトップを争うポップなメロディの歌。CDの音源だと"ちばぎん"が歌っていたメロディを今日は"ゆうのすけ"が歌っていた。ああ、ベースメンバーは変わったんだなと、今まで頭では分かっていたものの、そのとき、遅まきながら臓腑に沁みた。
その後、「花ちゃんはリスかっ!」で終了。最初から最後まで才気煥発で一触即発のパフォーマンスが最強でした。腕振りすぎて明日以降筋肉痛になりそう笑
↓マス かき姉さん(@masukakiTV )のポストより(いつもお世話になっています!)
ドレスコーズ+神聖かまってちゃん 対バンライブ 恵比寿LIQUIDROOM
神聖かまってちゃん セトリ
1.ぺんてる
2.ズッ友
3.天文学的なその数から
4.きっと良くなるさ
5.あるてぃめっとレイザー!
6.ロックンロールは鳴り止まないっ
7.いかれたNEET
8.フロントメモリー
9.花ちゃんはリスかっ!
★後攻 ドレスコーズ(志磨遼平)
(👆今日も演奏。「やりすぎた天使」という曲名のとおり、今日のドレスコーズも神聖かまってちゃんもやりすぎなくらいの熱量だし、会場内はやりすぎなくらいの熱で充溢していた。)
先攻のかまってちゃんで客席が温まっていたからか、志磨さんが登場するとひときわ大きな拍手。
毛皮のマリーズを含めた今までのキャリアの曲を時期満遍なく演奏した。ひらがな多めで噛んで含めるような優しい(易しい)最近の曲も、ザ・初期衝動的な曲も、観客を鼓舞するような勇気の歌も歌っていた。
勢いだけではなく音楽の豊かさも感じるアクトだった。志磨さんのジェスチャーも豊かだった。見られ方を研究しているだろうし、一つ一つのジェスチャーから、彼の愛(真心)が伝わってきた。
2010年代に現れたandymori の小山田壮平さん、毛皮のマリーズ(現ドレスコーズ)の志磨遼平さん、神聖かまってちゃんの"の子"。彼らはスタイルだけではなく、意味性でもロック(既成文化へのカウンター&アンチテーゼ)していた、僕にとってのロックヒーローだ。かまってちゃんはメンバー(ベース)の脱退&加入があったが今も活動を継続、他の2人は元のバンドは無くなってしまったが、今も形を変えながら音楽活動を続けていて本当に嬉しい。
今日演奏していたかまってちゃんとドレスコーズはどちらも己が信じる"びゅーてぃふる"を演奏で貫いていた。その知性と美性に魂は宿る。
余談だが…。今日、ドレスコーズのサポートでベースを演奏していた有島コレスケさん。彼は「0.8秒と衝撃。」というバンドのサポートでドラムをやっていた。ハチゲキは一度も生で見たことはないが、音源が出るたびに買っていた。尖ったロックバンドとしてのハチゲキの姿勢が好きだったので、ハチゲキのフロントマンの塔山さんがよくツイートして話題にしていた(この時代は「ポスト」ではなく「ツイート」ですよ)、有島さんの姿を見られたのが嬉しかった。
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サカナクションに「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」という曲がある。大箱、小箱などキャパごとにそれぞれの良さがあるが、今回の2マンライブも中規模のリキッドルームでしか鳴らせない空気感にあふれていた。手を伸ばせば届きそうな、届かなさそうな、そんな絶妙の距離感。
両者のバンド演奏と歌唱にソウル・ミュージック(ジャンルとしてではなく、一般的な形容としてのソウル<魂>。e.g.ソウル・フード)を聴いた気がした。魂と魂が弾け合い、溶け合い、そのあわいに空間が生まれる。
対バン(胎盤)のあわいで生まれた(産まれた)熱は、観客(少なくとも僕)がこれから「今」を生き続ける上での糧になるだろう。ちょっと大げさだが、の子の言うように「人生最高の日」になった。人生最高を更新していく日々が我が人生です。

🐼オマケ🐼
#よーよーのラーメン道⑦
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つじ田@恵比寿
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僕が絶賛する『マンモス』のように濃厚なスープとコシのある麺がよく絡む逸品。スープ割りもイケてる!
ただ、チャーシューだけ残念。僕の舌は幼稚なので、脂っこくて甘みや旨みも分かりやすいチャーシューが好きなのだ🥩
7.8/10.0


