「片頭痛の正しい知識」 あとがき その3
これまで、「片頭痛の正しい知識」を身につけて頂くことを目的として、以下のようなシリーズを企画し、掲載してきました。
「片頭痛の正しい知識」とは
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12294609138.html
慢性頭痛の発症様式の概略は以下のようなものです
すべての始まりは、うつむき姿勢(前屈みの姿勢)にあります。
これを起点として、体のおかしな使い方の習慣が原因となり、脊柱の捻れを引き起こし、これが「体の歪み(ストレートネック)」を形成してきます。
慢性頭痛の基本骨格となる「体の歪み(ストレートネック)」
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12289574446.html
ここに、「ホメオスターシス(自然治癒力)の歪み」が加わってきます。
”慢性頭痛治療”はまず「自然治癒力を高める」ことです
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12292552571.html
ホメオスターシスからみた慢性頭痛
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12290059027.html
ストレスは、「ホメオスターシス(自然治癒力)の歪み」をもたらします。
さらに、慢性的なストレスが加われば、自律神経のなかの交感神経の緊張状態が持続し、血管を収縮させ、低酸素、低体温、高血糖をきたし、エネルギー産生系は解糖系へと傾くことになり、ミトココンドリア系の働きが悪くなってきます。
さらに、マグネシウム不足がもたらされ、活性酸素が過剰に産生され、これもミトコンドリア系の働きが悪くなってきます。
そして、慢性的なストレスが加われば、脳内セロトニンを低下させます。
このようにして、日常的に感じる極く軽度の頭痛(緊張型頭痛)が引き起こされてきます。
これに対して、テレビでコマーシャルされるように市販の鎮痛薬を安易に服用していますと、市販の鎮痛薬を繰り返して服用することによって、ミトコンドリアの機能を低下させ、さらに脳内セロトニンを低下させることによって薬剤乱用頭痛を併発させてくることになります。市販の鎮痛薬という”薬剤”が原因となった「後天性ミトコンドリア病」を作る典型例を示していることになります。
頭痛薬が頭痛の原因??
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12293409311.html
ここに、「ミトコンドリアの機能を悪化させる要因」が加わってきます。
ミトコンドリアの機能を悪化させる要因
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12293423922.html
このようにして、ミトコンドリアの働きが悪化してくることによって、「酸化ストレス・炎症体質」が形成されてきます。
「酸化ストレス・炎症体質」その1
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12289764453.html
「酸化ストレス・炎症体質」その2
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12289765984.html
このような「酸化ストレス・炎症体質」を基盤として、以下のような「脳過敏」を来す3つの要因が追加されてくることになります。
すなわち、”脳過敏”を引き起こす要因として
1.ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足
2.脳内セロトニンの低下
3.体の歪み(ストレートネック)の長期間の持続
「脳過敏」を如何にして防ぐか
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12293973404.html
このなかで、脳内セロトニンの低下は以下の要因で起きてきます。
「脳内セロトニンの低下」の原因は???
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12291290189.html
このようにして、日常的に感じる極く軽度の頭痛から難治性の慢性頭痛へと移行してくることになります。
ここに、生まれつきミトコンドリアの活性低下という遺伝素因をもっておれば、片頭痛へと移行してくることになります。
緊張型頭痛と片頭痛の基本的な相違点は、このような「ミトコンドリアの活性低下という遺伝素因」の有無でしかありません。
片頭痛は”遺伝的疾患”
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12287979779.html
以上が、日常的に感じる極く軽度の頭痛から片頭痛へと移行する概略です。
慢性頭痛の発症過程
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12289601731.html
「体の歪み(ストレートネック)」が慢性頭痛の基本骨格
以上のように慢性頭痛発症の起点(ストレートネック)はうつむき姿勢(前屈みの姿勢)にあります。ここから「体の歪み(ストレートネック)」へと進展してきます。
そして、「体の歪み(ストレートネック)」が慢性頭痛の基本骨格になっています。
私達の生活環境は活性酸素に満ち溢れており、ここ50年間の間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、生活習慣の問題により引き起こされた「脳内セロトニン低下」と相まって、姿勢の悪さを引き起こしやすい状況にあります。
すなわち、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さ、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
こういったことから、現代では、「姿勢の悪さ」が日常茶飯事にみられるようになってきました。
私達は、日常生活を送る上で、私達は前屈みの姿勢をとる生活環境に置かれています。 特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。
さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。現代社会はスマホ全盛の時代で、歩きスマホをされるご時世です。
こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。
ここにさらに、イスに座るとつい脚を組んでしまう、ヒールの高いクツを長時間履いている、立っている時はたいていどちらかの足に体重を乗せている、横座りをする、立ち仕事や中腰の姿勢でいることが多い、いつもどちらかを下にして横向きに寝ている、または、うつ伏せになって寝ている、長時間座りっぱなしの仕事、イスやソファーに浅く座ってしまう、バックなどはいつも同じ方の肩にかける、重たいモノを持つ仕事をしている、赤ちゃんをダッコしていることが多い、などの無意識に”おかしな体の使い方”をしていますと、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎( 背骨)の歪みが生じてきます。仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、”脊柱の捻れ”を最終的に引き起こしてきます。
人間の背骨(脊柱)はS状の湾曲を呈しています。人間は直立位を保っていますから、背骨が一直線ですと、全体重が下方の背骨全体にかかることにより、すぐに下部の背骨がダメになってしまいます。こうしたことにならないように脊柱はS状の湾曲を呈しています。S状の湾曲を示すことによって体重の掛かり方を分散させています。ということは頸椎は前に湾曲を示していることになります。ところが、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いて(捻れて)おれば、バランスがとれず後頸部の筋肉の片側だけに張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、この”こり”が上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。
これが、日常的に感じる極く軽度の頭痛です。
日常的に感じる極く軽度の頭痛は、このような姿勢の悪さによって引き起こされてきます。
片頭痛では、生まれつきミトコンドリアの悪さが存在するため、ミトコンドリアの働きを悪くし、セロトニン神経を弱らせる要因の影響を、とくに受けやすいことになります。
このため、片頭痛では、「姿勢の悪さ」を起こしやすくなっています。
このため、平生から姿勢を正しくする生活習慣を心掛け、背筋を伸ばすことによって、ミトコンドリアを活性化させていなければ、最終的に「体の歪み(ストレートネック)」が形成されてくることになります。
これまでの当医院の調査では、「体の歪み(ストレートネック)」の確認率は、男性で52%、女性では68%と圧倒的に多く、緊張型頭痛では84%、片頭痛では95%に、群発頭痛では全例に、「体の歪み(ストレートネック)」が確認されています。
片頭痛とミトコンドリア その16 姿勢
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12285891189.html
「体の歪み(ストレートネック)」は、脳過敏の1つの要因になり、片頭痛を発症させる要因ともなり、片頭痛を慢性化させる最大の要因になっています。
こういったことから、私達が日常的に感じる極く軽度の頭痛を経験した場合には、このことを念頭に置いて、長時間にわたるうつむき(前屈み)の姿勢を強制されるような生活環境さらに作業環境に置かれていないかどうかを振り返ってみる必要があります。
女性はなで肩で、首が細く、女性は男性に比べて筋肉の量が少ないので、筋力も強くありません。しかし、頭部は約6キログラムもあり、男女ともほとんど同じ重量です。
そして、女性の場合、掃除・洗濯・炊事と日常的に前屈みを強いられる生活環境にあり、事務系の仕事が多いことから、常に頸部筋肉群に負担がかかり、肩こりを訴えやすく、長期間にわたる肩こりは「脳内セロトニンを低下」させます。こうしたことから容易に慢性頭痛を引き起こすことになります。
このため、「体の歪み(ストレートネック)」を予防し、すでに「体の歪み(ストレートネック)」に移行しておれば、徹底して改善・是正しておく必要があります。
体の歪み(ストレートネック)の予防・改善
http://taku1902.jp/sub409.pdf
このようにして、「体の歪み(ストレートネック)」は改善・予防していかなくてはなりません。絶対に、市販の鎮痛薬を服用するだけでお茶を濁していてはなりません。
このようなことをされれば、いつの間にか片頭痛に移行させてしまいかねません。
「体の歪み(ストレートネック)」は、緊張型頭痛でも片頭痛でも共通してみられるものです。これは、緊張型頭痛も片頭痛も一連の連続したものであることから当然のことです。
このことは極めて、片頭痛治療を行っていく上で重要なことです。
どのようなことかと具体的なことを申し上げれば、以下のようなことです。
私達は片頭痛発作時にトリプタン製剤を服用します。トリプタン製剤が片頭痛の特効薬と専門家が誇大宣伝するために、私達は、頭痛が”完全に”消失することまで期待する人も多くみられます。
多くの片頭痛では、緊張型頭痛に重なった形にあるため、トリプタン製剤では、上層にある片頭痛は改善されても、下層にある緊張型頭痛の軽い頭痛までは完全に無くすことはできません。このため、ひたすら”完全に”痛みをとろうと考えることから、服用回数が増えてくることになります。このため薬剤乱用頭痛を作ることになります。
このため、就業などに支障がない程度まで改善されれば、それで、「よし」、とすべきでありながら、このような指導もなく、服用を勧めれば、必ずといってよい位に、トリプタン製剤による薬剤乱用頭痛を作ってくることになります。このように完璧には頭痛を消失させる程の効果はないと心得なくてはなりません。
さらに、片頭痛の根治方法とされる分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の提唱される「3つの約束」を完璧に行っても、なかには軽い頭痛である緊張型頭痛が残る場合があります。これは、片頭痛だけが改善されていても、その最下層にある緊張型頭痛・・「体の歪み(ストレートネック)」が残存しているために、完璧に頭痛そのものが消失しないこともあり得るということです。
また、純然たる「体の歪み(ストレートネック)」が片頭痛の発症の主要因となっている場合は、トリプタン製剤がまったく効かないことも当然のこととしてあります。
このような場合、片頭痛発作時に酷く苦しまれるのを見るに見かねて、イミグランの注射を行う際に、まったく効果がなく、逆に、めまい、などの不快な症状を誘発させることもあり注意が必要です。
こうした場合は、ムチウチを契機として発症した片頭痛の場合に、よく経験されることです。恐らく、皆さんもご経験がおありかと思います。
最近の症例から・・体の歪み(ストレートネック)の関与は???
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12267590747.html
このように、「体の歪み(ストレートネック)」の重要性が理解されたことと思いますが、全世界の頭痛研究者はこのような「体の歪み(ストレートネック)」の存在意義すら認めようとはされません。この理由は、慢性頭痛そのものが、ミトコンドリアとの関連から生じてくると考えないことに原因があります。これを日本の専門家が、何ら検証することもなく、こうした考え方に追随しているにすぎないからです。
「体の歪み(ストレートネック)」の重要性については、以下をご覧下さい。
「体の歪み(ストレートネック)」
http://taku1902.jp/sub441.pdf
このように、頭痛発作を完璧になくしてしまおうと考える場合、「体の歪み(ストレートネック)」を無視してはなりません。
皆さんのなかには、いつまでも片頭痛が完璧になくならない人も少なからずおられることと思いますが、このような場合は、このことを思い出して下さい。