最近の症例から・・体の歪み(ストレートネック)の関与は??? | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 これまで、片頭痛は”未病”の領域にあり、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”を基にして、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛を起点(出発点)として、「健康的な生活」を送ることを阻害する、生活環境および生活習慣の問題点・・生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活などの生活習慣・インシュリン過剰分泌を来すような早食い・ドカ喰い等の食事摂取方法の問題等々によって、ミトコンドリアの機能が低下することによって、最終的に「酸化ストレス・炎症体質」が形成されることによって、片頭痛へと進展していくものと述べました。


 そして、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛を起こす要因として、以下のものを挙げていました。


   1.自律神経の乱れ・・セロトニン神経の衰え
     2.必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取のアンバランス
     3.腸内環境の乱れ
     4.姿勢の悪さ
    5.運動不足
    6.食事の摂取のアンバランス


 このような要因から、日常的に感じる極く軽度の頭痛が引き起こされると述べてきました。
 ということは、この段階では、片頭痛の遺伝素因であるミトコンドリアの機能の悪さは、余り関与しておらず、このような素因なしで、日常的に感じる極く軽度の頭痛が引き起こされるということです。


 ここに「健康的な生活」を送ることを阻害する、生活環境および生活習慣の問題点・・生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活などの生活習慣・インシュリン過剰分泌を来すような早食い・ドカ喰い等の食事摂取方法の問題等々が加わることによって、ミトコンドリアの機能が低下することにになります。
 ミトコンドリアの機能低下が存在すれば、当然、セロトニン神経系の機能の低下が起きてきます。
 ここに、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。


 さらに、日常的に感じる極く軽度の頭痛に対して、市販の鎮痛薬を頻繁に服用すれば、こうした鎮痛薬は、人体にとっては害(有害なもの)になり、これらを解毒する際に、活性酸素が発生し、このためにミトコンドリアの働きを悪くさせることになります。
 さらに、これら薬剤はいずれも”化学的ストレス”となって、脳内セロトニンを低下させることになります。


 このように、慢性頭痛発症・増悪過程には、「ミトコンドリア」、「脳内セロトニン」、「体の歪み(ストレートネック)」の3つが関与しています。問題は、これらが独立して関与しているのか、どうかです。


 片頭痛の患者さんでは、緊張型頭痛の場合と異なって、"遺伝素因"としてミトコンドリアの活性低下が存在することから、ミトコンドリアの働きを悪くし、セロトニン神経を弱らせる要因の影響を、とくに受けやすいことになります。
 このように、この段階で初めて、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”が関与してくることになります。
 ところが片頭痛のように遺伝素因としてミトコンドリアの活性低下が存在しなくても、生活習慣の問題によってミトコンドリアの働きが極端に悪くなり、さらに「脳内セロトニンが枯渇」してくれば、片頭痛と同様の難治性の頭痛を引き起こしてくることになります。

 
 これが、日常的に感じる極く軽度の頭痛から片頭痛へと移行する際の極めて一般的な経過、パターンです。


 これまでも述べていますように専門家は、”脳のなかに異常のない”「慢性頭痛(一次性頭痛)」は、東洋医学でいう”未病”の段階にあり、すなわち健康と病気の中間に位置しており、この”未病”は本来、生活習慣の問題点から引き起こされ、ここから”病気”としての難治性の頭痛へと進展するものであり、このような意味合いから、”未病”の段階にある、慢性頭痛とは「健康的な生活」を送ることを阻害する”生活習慣”に根本的な原因があるとはまったく考えていませんし、考えようともされません。
 さらに、専門家は日常診療において「国際頭痛分類第3版」を巧妙に組み込んだ問診方法や「問診表」を使われ、受診時の最も困っている頭痛しか問題にされないことから、慢性頭痛発症の起点ともなるはずの「日常的に感じる極く軽度の頭痛」・緊張型頭痛をまったく無視されることになっています。
 すなわち、こうした日常生活にまったく支障を来すことのない”日常的に感じる極く軽度の頭痛”の段階では、医療機関を受診されることは、まず、ありえないことから、こうした”日常的に感じる極く軽度の頭痛”の存在そのものが認識されることはありません。 このため、原因は全く不明とされることから、私達は、安易に市販の鎮痛薬を服用せざるを得なくなります。
  ということは、日常的に感じる極く軽度の頭痛から緊張型頭痛へ、さらに片頭痛へと移行していくことは、詳細に綿密に病歴聴取すれば明らかでありながら、専門家には、日常的に感じる極く軽度の頭痛といった概念そのものが欠如することから、緊張型頭痛を重要視されることはありません。
 このため、片頭痛がいきなり突如として発症するものとしか考えられなくなっています。
  ここに、専門家と一般の医師との見解の相違が存在することになり、この溝は極めて深く、お互いが相容れない点にもなっています。

 

 

 このようなことは、さて置きまして、前座にすぎませんが・・


 最近では、このような定型的な、日常生活に感じる極く軽度の頭痛を時々感じていた段階から、一足飛びに、ムチウチや首の外傷(打撲程度のものを含めて)を契機に、それもこれらを受傷後、かなり経過して、このような外傷を受けたことすら忘れた時点で、片頭痛を発症したり、さらに片頭痛まで移行した段階でも、発作頻度もほとんど年に数回しかなかた方々が、このような外傷の後になって急激に、発作の頻度が増え、さらに発作そのものの程度が以前とは比べものにならない程、増強してくる場合が多くみられることに驚かされます。
 このような例は、ムチウチの場合は、すでに常識的なことになっていますが、ムチウチでなく、偶然、頭をぶつけたり、スキーをして転倒して、頭は打たなくても、首をひねったりするとか、野球でスライデイングをした拍子に首をひねったりすることも含まれています。

 本人は、こうしたことを殆ど問題にされないため、既往歴を聞く際に、具体的な例を挙げながら確認しませんと聞き出すことが困難な場合も多いようです。
 そして、このような外傷を契機に片頭痛が出現したり、増悪する方々には、片頭痛の遺伝素因のある方は当然のこととしてありますが、このような片頭痛の遺伝素因が見られない場合が多いのも特徴のような印象を持っています。
 このような方々は、男性に多いのですが(スポーツ外傷が、男性に多いのは当然のことですが)こうした片頭痛が出現したり、増悪する時期が30歳を超えているのも特徴のように思われます。

 男性では、一般的な片頭痛の発症年齢は20歳前後とされていることからすれば、遅い時期に発症してきていると思わなくてはなりません。
 こうした頸部外傷さらにムチウチ受傷後に片頭痛が出現したり、増悪する方々に共通していることは、全員に「体の歪み(ストレートネック)」を認めることです。
 そして、閃輝暗点を前兆として伴っている方が多いようです。


 このことに関しては、東京脳神経センターの松井 孝嘉先生は以下のように指摘されています。


 「体の歪み(ストレートネック)」、は、過去に「ムチウチなどの外傷」を負った経験があり、首の筋肉組織を痛めたことによってさまざまな不調が起こる場合があります。
 皆さんも、子供の頃から現在に至るまでの自分の過去を振り返ってみれば、頭を強く打ったり首を痛めたりした経験は何度かあるのではないでしょうか。
 いちばん多いのは、車の追突事故をはじめとした交通事故で首を痛める場合です。
 そのほかにも、子供の頃、鉄棒やジャングルジムなどから落ちたりしたことがあったかも知れませんし、自転車やオートバイで転んで頭部を打ったことがあったかもしれません。 また、学生時代、ラグビーやサッカー、格闘技などの激しいスポーツをしていて、頭や首を痛める場合も多いのではないでしょうか。
 実は、そういうふうに強い衝撃を受けた際に生じた「首の筋肉の損傷」は時間が経ってもなかなか治らないことが多いのです。なかには、子供の頃に首を痛めて以来、何十年も不調を引きずっているような場合もありますし、何年も前に首を痛めた影響が今頃になって出てくるような場合もあります。首の筋肉は常に働いて頭を支えていかなくてはなりませんから、他の筋肉と違って損傷が治りにくく、小さなトラブルが尾を引きやすいのです。 また、頭部外傷でも首の筋肉を痛めて、ムチウチと同じ症状が現れることがあります。 頭部に外傷を受けて脳神経外科を受診しますと、頭の検査だけをして「異常ありません」と帰される場合がほとんどです。けれど、外傷を受けたあとしばらくして、ムチウチと同じ症状が出て困っている人は非常にたくさんいます。
 ちなみに、このような患者さんの首のレントゲン撮影をしてみますと、たいていの場合、7個並んだ頸椎がまっすぐになってしまっています。本来は下のほうへ向かうにつれ、頸椎がゆるやかにカーブしているはずなのですが、そのカーブが失われてしまっているのです。これは「体の歪み(ストレートネック)」といって、首の筋肉が本来の働きを果たせなくなることで起こる現象です。首の筋肉が硬くなり、伸びなくなっているために、そのしわ寄せが頸椎に及び、並びがだんだんまっすぐになっていってしまうのです。
 これは、首疲労から不定愁訴を起こしている患者さんには、ほとんどの場合、このストレートネックが見られます。


 過去に頭や首を痛めた経験のある人、また、整形外科などで、「ストレートネック」を指摘されている人は、首の筋肉のどこかに通常の働きができなくなっている部分がある可能性が大きいのです。その分、首疲労に陥る危険が高いことになりますので注意が必要です。 ムチウチに対する治療で、事故後、よく患部をカラーで固めたり、牽引治療を行ったりする人もいますが、私はこうした治療は逆効果だと考えております。カラー固めるのは首の筋肉のこりを固まらせて治癒を遅らせますし、牽引で無理に首を引っ張ると、傷ついた患部組織にさらに新しい外傷を加えることになり、いつまでも症状を長引かせる原因になります。これまで、このような治療が行われてきたため、ムチウチの方々を長年苦しませる結果となっていました。


 このように述べておられます。


 このように「体の歪み(ストレートネック)」が形成された途端に、片頭痛が出現したり、片頭痛が増悪し、一見、ミトコンドリアの関与が主でなく、「体の歪み(ストレートネック)」そのものが、片頭痛の発症要因になったり、片頭痛の増悪因子になっているように思わせる症例を最近では、多く経験されます。


 このような頭部・頸部外傷とは別に、同様の症例として、皆さんも恐らくは、ご覧になられたことのあるブログ「イミグラン錠・副作用なしで偏頭痛を治しちゃえ」の開設者の小橋雄太さんの場合です。私の片頭痛の臨床研究の原点にもなっている症例です。
  小橋 雄太さんはブログ「イミグラン錠副作用なしで片頭痛を治しちゃえ」で自らの体験を述べておられ、10年以上、閃輝暗点を伴う片頭痛に悩まされ、「体の歪み」に片頭痛発作の引き金があることに気付いて、当初は整体師さんの指導を受け、この指導を毎日忠実に守り・実行することによって片頭痛・閃輝暗点を改善されました。
 ここでは、小橋さんの片頭痛の遺伝素因については、明らかにされていませんが、一時、私もコメントさせて戴いたことがありますが、小橋さんの申されるには、ミトコンドリアおよびセロトニンの関与を思わせる要因は一切ないとされています。
  さらに、「ストレートネック」の関与はなく、ただ「体の歪み」だけが、片頭痛の要因であり、これを改善させることによって、片頭痛・閃輝暗点がすべて消失したとされます。
  このように、小橋さん自身は、「体の歪み」だけであり、「体の歪み(ストレートネック)」はないと主張されますが、「体の歪み」があれば、当然のこととして、「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こすことになります。そして、「体の歪み(ストレートネック)」を起こさなければ、片頭痛は理論的に起こり得ないものです。
 問題は、小橋さんを診察された先生が、頸椎X線検査を行っても、「体の歪み(ストレートネック)」の診断が下せなかっただけのことであり、これは日本の頭痛専門医すべてに共通して言えることだからです。


 この「体の歪み(ストレートネック)」に関しては、先日、「専門医の論理的な矛盾・・片頭痛医療の”七不思議”」 http://ameblo.jp/yoyamono  で以下のように述べました。


 (前略)こういったことから、頭痛専門医は、「国際頭痛分類第3β版」を使うことになります。この基準での最大の問題点は、頭痛と「首」との関連についての考え方が極めて曖昧な点で、頭痛と「首」との関連をほとんど考慮されない考え方が生まれて、重大な論点を見失いました。
 

 とくに、「ムチウチ」に関する”取り決め”です。
  
 ここでは、「ムチウチ」受傷7日以内に、頭痛その他の症状が出現した場合だけが、「ムチウチと関連」したものとされています。

 
 しかし、皆さんの経験から、ムチウチを受けてから7日以内でなく、さらにもっと後になってから、頭痛をはじめとするいろいろな「体の不調」が出現してくることを思い出されると思います。
 こういった、国際基準では、頭痛と「首(頸椎)」との取り決めが極めて曖昧模糊として いることを認識することなく、「頭痛と”体の歪み(ストレートネック)」を、エビデンス を確立させることなく、闇雲に頭からエビデンスなしと、拒否反応を示されます。


 片頭痛には、”実験モデル”が存在しないと、専門家の方々は申されます。
 果たして、そうなのでしょうか? これは、「頭痛と”体の歪み(ストレートネック)」を、エビデンスを確立させることなく闇雲に頭からエビデンスなしと、拒否反応を示されることに原因があります。
 私は、ムチウチに伴う頭痛こそ、「慢性頭痛、とくに片頭痛」の”実験モデル”と思っています。
 このような、日常茶飯事に起きてくるムチウチによる頭痛を、無視する考えの根底には、 「頭痛と”体の歪み(ストレートネック)」がエビデンスなしとすることにあります。
 ムチウチによって引き起こされる頭痛のタイプは、緊張型頭痛が多いのですが、片頭痛であったり群発頭痛のようなタイプも当然存在します。
 ということは、「慢性頭痛」のどのタイプの頭痛も起きる可能性があること意味しています。ここに、慢性頭痛、緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛の発生機序を探る鍵が隠されているということです。

 先述のように、東京脳神経センターの松井孝嘉先生が、永年「ムチウチ」の臨床研究を積み重ねられ、ムチウチ受傷後ストレートネックを形成してくることを明らかにされて来られました。
  ムチウチの方々の最も苦痛とされることは、天気の変わり目、低気圧が近づくと、体の不調を著明に訴える点です。この点は、片頭痛の方々も全く同様です。そして片頭痛の方々・ムチウチの方々には、共通して、高率にストレートネックを認めるという事実です。
 こうした事実が存在するにも関わらず、「国際頭痛分類第3β版」では、ムチウチ受傷 後7日以内のものしか、ムチウチとの関連性を認めないように定めています。
 しかし、現実には、ムチウチの症状は、ムチウチ受傷後7日以降のかなり時間が経過して出現してくることは日常茶飯事のことであるはずです。しかし、こうした方々はムチウチと関係ないとされるために、このような事実そのものが覆い隠されてしまっています。
 そして「慢性頭痛」の”実験モデル”を自ら放棄して、”実験モデル”が存在しないと嘆いているありさまです。自分で自分のくびを締めている状況が全く認識できていないようです。
 こうしたことは、頭を打って医療機関を受診された場合を思い出して下さい。こうした場合、殆どの医療機関では、頭部CTの画像検査のみを行い、そのまま異常がなければ放置されます。こうした方々が、後々、ムチウチと全く同様の症状で苦しまれる方々が極めて多いのです。
 ということは、首に全く関心がなく、頭を打撲すれば、当然のこととして頸部の筋肉群にもダメージが及んでいるはずです。こうした方々は、「体の歪み(ストレートネック)」を後に形成してきます。
 こういったことが全く念頭にないがために、片頭痛の慢性化の要因として医療介入困難なものとして”頭部外傷、頸椎外傷”を挙げていることからも、容易に想像がつくはずです。
 このように、いろいろな点がありますが、頭痛専門医が、絶対的に信じて疑わない「国際頭痛分類第3β版」です。
 これに反するものは、どのような真実があろうとも否定されることです。
 私は、この点が、片頭痛医療の進展を阻む根源と思っておりますが、この点に何ら、何一つ疑問を持たれないことです。ここが永遠の謎としか思えない点です。


 本来、患者さんがあって、ここに頭痛診療があるべきなのに、まず、診断基準が先にあって、これに合わない・そぐわないものはことごとく否定するあり方は「臨床医としての資格・資質」が問われて然るべきなはずです。
 

 このようにして、専門家は、「体の歪み(ストレートネック)」の存在そのものを否定されることになっています。 
  その結果、片頭痛の慢性化の要因として医療介入困難なものとして”頭部外傷、頸椎外傷”を挙げていることになっています。
 このことは、専門家は「体の歪み(ストレートネック)」に対する対処の仕方がまったくなされない、対処法そのものがないことになります。このためでしかありません。
 こうしたことから、ムチウチによって片頭痛が増悪された方々は、巷を彷徨った挙げ句、カイロプラクター・整体師・鍼灸師の施術を求めざるを得ないことになります。


 話を戻すことにしましょう。


 ムチウチや首の外傷(打撲程度のものを含めて)を契機に、片頭痛を発症させたり、片頭痛が増悪してきた方々の「体の歪み(ストレートネック)」は、既に完成された状態にあるため、この改善・是正させるには、そう簡単ではありません。このため、最低限度行うべきことは、日常生活を送る際に、前屈みの姿勢を長時間にわたってとらないこと、もし、このような状況に置かれた場合は、30分に1回は、首反らしの姿勢を30秒間とることを原則として、背骨伸ばしのストレッチを毎日、3分間徹底して行い、さらに「仙腸関節のストレッチ」を丹念に行うことを日課にしてもらいます。


 もし可能であれば、さらに、「あご引きエクササイズ」、「簡易版・首の関節包内矯正」、「簡易版・腰の関節包内矯正」を併用して頂くこともあります。
 これを、丹念に行って頂くことによって、平均3カ月後くらいで、ほぼ片頭痛・閃輝暗点は消失しています。
 このように、「体の歪み(ストレートネック)」をまず、片頭痛治療の目標とするように指導している間に、これまでの「生活習慣改善のポイント」で記載しているような各項目すべてを是正することなく、片頭痛が改善されてしまうといった症例が多く経験しています。
 このように、「体の歪み(ストレートネック)」の改善・是正だけで、片頭痛が改善される症例が存在するようで、これは、小橋雄太さんに共通するものと思われました。
 ということは、「体の歪み(ストレートネック)」そのものが、片頭痛の発症要因、増悪要因になっていて、余りミトコンドリアの関与は少ないのではないかと思わせます。


 しかし、専門家はこのような「体の歪み(ストレートネック)」そのものを認めないことから、いつまでも、片頭痛は原因不明の”不思議で・神秘的な遺伝的疾患”とされたままとなっているということです。


改めて、「体の歪み(ストレートネック)」の重要性


 「体の歪み(ストレートネック)」は慢性頭痛の基本骨格ともなるものです。
 そして、片頭痛に移行すれば、「脳過敏」、「慢性化」の要因になります。
 「体の歪み(ストレートネック)」は殆どの場合前屈みの姿勢を強要される生活環境に起因したものですが、これが最初に「日常的に感じる極く軽度の頭痛」の原因にもなっていますが、この段階で、すでに「体の歪み(ストレートネック)」を認めることもありますが、これを意識することなく配慮されずに放置されれば、必然的に「体の歪み(ストレートネック)」が形成されてくることになります。


 「体の歪み(ストレートネック)」が持続すれば、頸部の筋肉が絶えず刺激を受けることになり、この刺激は三叉神経核に絶えず送られることによって、さらに「脳過敏」を増強させます。


 「ストレートネック」→首や肩の筋肉からの侵害刺激情報
   ↓           ↓
   ↓    脊髄を介して三叉神経脊髄路核
   ↓           ↓
   ↓     中枢性痛覚過敏(central sensitization, CS)
   ↓           ↓
   ↓     
脳の過敏性、頭痛の慢性化
  

 自律神経失調症状 → 交感神経機能低下→頸性神経筋症候群
                                          
   (慢性頭痛)

 
尾側亜核で三叉神経と頸神経が収束する


 ストレートネックのために、頭半棘筋に凝りが出ると、それが大後頭神経を刺激し、その刺激が三叉神経に伝わります。大後頭神経と三叉神経は脳の中で、三叉・頸神経複合体を形成していて、つながっていますので、大後頭神経の刺激は三叉神経核にも伝わります。


 このため、「体の歪み(ストレートネック)」が改善されないまま、放置されることにより、後頸部筋肉群にかかった刺激は常時、三叉神経核に送られ続けられることになります。これが片頭痛を引き起こす準備状態を形成します。


 これがさらに、「脳の過敏性」、「頭痛の慢性化」へと繋がっていくことになります。また「体の歪み(ストレートネック)」は閃輝暗点を引き起こす要因にもなっています。


 このような後頸部筋肉群にかかる刺激(「体の歪み(ストレートネック)」)を取り除くことが、まず片頭痛を起こさないために重要になってきます。
 体の歪み(ストレートネック)は、ミトコンドリア、セロトニン、前屈みの姿勢の3つが関与していることを忘れてはなりません。


 ここで注意すべきことは、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いて(捻れて)いることです。傾いて(捻れて)おれば、バランスがとれず後頸部の筋肉の片側だけに張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、この”こり”が上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。


 片頭痛も緊張型頭痛も共通して「頸部筋肉群の疲労」を基盤として発症してきます。
 これは、両方の頭痛に共通してストレートネックが認められるためです。ストレートネックをなくせば、発作は激減することになります。
 片頭痛の遺伝素因(ミトコンドリアの活性低下)のない場合は、首の筋肉のこりは、大後頭神経に痛みのみが起きることによって、純然たる「緊張型頭痛」を発症します。
 片頭痛の遺伝素因(ミトコンドリアの活性低下)があれば、片頭痛の場合は、「セロトニン神経」が働きが悪くなって「痛みの感じやすさ」が存在するところに、首の筋肉のこりの刺激が、大後頭神経から三叉神経に絶えず刺激が送られ続けます。このため、「痛みの感じやすさ」がさらに増強され、常時、脳の過敏性が高まった状態が継続していきます。


それでは、前兆の「閃輝暗点」はどのように起きるのでしようか?


マグネシウム欠乏の観点から

 

 マグネシウム欠乏は、『皮質拡延性抑制』を発生させ、三叉神経刺激へと繋がり、片頭痛を発生させると謂われています。
 米国の研究では、400mgのマグネシウムを毎日補充すれば3~4週間後に片頭痛の頻度が減るという報告もあります。
 マグネシウム欠乏は、細胞の興奮性を増します。その結果、神経の過興奮・不安定が生じ、拡延性抑制を発生させます。片頭痛トリガーが発動します。
 現在、この『皮質拡延性抑制』を抑える治療薬は開発されていませんが、片頭痛患者に非常に効果があり、皮質拡延性抑制を抑制する物質として期待されているのが『マグネシウム』です。


体の歪み(ストレートネック)の観点から


 先述のように、小橋 雄太さんはブログ「イミグラン錠副作用なしで片頭痛を治しちゃえ」82)で自らの体験を述べておられ、10年以上、閃輝暗点を伴う片頭痛に悩まされ、「体の歪み」に片頭痛発作の引き金があることに気付いて、当初は整体師さんの指導を受け、この指導を毎日忠実に守り・実行することによって片頭痛・閃輝暗点を改善されました。
 このようにカイロプラクター・整体師・鍼灸師の方々は「体の歪み(ストレートネック)」に対して施術され、閃輝暗点を改善されておられます。
 こうしたことから、カイロプラクター・整体師・鍼灸師の方々からは、トリプタン製剤やミグシス・テラナスなどの薬物では治るはずはないと唾棄される現実があるようです。


 私は「閃輝暗点」を伴う方々で、頸椎X線検査でストレートネックを呈する方々に対して、ストレートネックを改善させることによって、閃輝暗点がどのようになるのかを検討してきました。
  60歳以上の方で、若い頃、片頭痛の既往のない方で「閃輝暗点」を訴えて来院された方々を15例経験していますが、これらの方々全例にストレートネックを認め、同様に「ストレートネックの改善」のみで、「閃輝暗点」は消失しています。
 これとは別に、若い世代の「閃輝暗点」を伴う片頭痛の場合も、当然「ストレートネック」を伴っておられる方々に「ストレートネックの改善」を行わせますと、前兆である「閃輝暗点」がまず消失してから片頭痛が改善されていくという経過をとっています。

 このような成績をみますと、頭痛専門医は、閃輝暗点出現時の血流低下の状態をSPECTもしくはMRIで確認されますが、これは”閃輝暗点出現時”の”結末”を観察しているに過ぎないと考えるべきもので、あくまでもその引き金となるものは、頸部の異常な筋緊張”「体の歪み(ストレートネック)」”にあるものと考えるのが妥当のようです。
 しかし、専門家は、このような「体の歪み(ストレートネック)」の存在意義そのものを否定されるため、このような考え方に至ることはありません。


頭痛専門医の見解


 しかし、現在、頭痛専門医は、この「体の歪み(ストレートネック)と頭痛」の関係については、全くエビデンスなし、とされ、即ち「関係なし」とされております。
 それを”あからさま”示すものは、専門医が遵守される「慢性頭痛診療ガイドライン」です。ここでは、「体の歪み(ストレートネック)」に着目して施術を行われるカイロプラクター・整体師・鍼灸師の方々の治療に対する評価が推奨ランクCとされ、まったく評価されていない現実があります。
 しかし、こうした方々の施術により片頭痛の多くの方々が改善されてこられた事実があります。
 現在、頭痛専門医が、この「体の歪み(ストレートネック)と頭痛」をエビデンスなし、とされる根拠は、2点です。
 その1点は、「体の歪み(ストレートネック)」は、現代では、”日常茶飯事にみられる所見”であり、特別取り立てて論ずることでない、とされます。
 もう1点は、2004年の「国際頭痛分類 第2版」にあります。この改訂以来、それまで頭痛と頸椎の関与を考慮されておられた、寺本純、竹島多賀夫先生以下大半の先生方は、”右へ習え”で、口を揃えてエビデンスなし、とされるようになりました。
 それを証明するものは、第38回の日本頭痛学会総会における、東京脳神経センターの松井孝嘉先生の御指摘を、まったく無視され現在に至っております。


「体の歪み(ストレートネック)」は、現代では、”日常茶飯事にみられる所見”は果たして、真実でしょうか?
 

 私達の生活環境は活性酸素に満ち溢れており、ここ50年間の間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、生活習慣の問題により引き起こされた「脳内セロトニン低下」と相まって、体の歪み(ストレートネック)を引き起こしやすい状況にあります。
 すなわち、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
 こういったことから、現代では、ストレートネックが日常茶飯事にみられるようになってきました。

 このように、専門家は、現代の生活環境が昔と比べ、どのように変化しているのかが、まったく念頭にありません。仙人のような考えをされます。 


 私達は、日常生活を送る上で、私達は前屈みの姿勢をとる生活環境に置かれています。特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。
 さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。現代社会はスマホ全盛の時代で、歩きスマホをされるご時世です。

 
 こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。


 ここにさらに、イスに座るとつい脚を組んでしまう、ヒールの高いクツを長時間履いている、立っている時はたいていどちらかの足に体重を乗せている、横座りをする、立ち仕事や中腰の姿勢でいることが多い、いつもどちらかを下にして横向きに寝ている、または、うつ伏せになって寝ている、長時間座りっぱなしの仕事、イスやソファーに浅く座ってしまう、バックなどはいつも同じ方の肩にかける、重たいモノを持つ仕事をしている、赤ちゃんをダッコしていることが多い、などの無意識に”おかしな体の使い方”をしていますと、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎( 背骨)の歪みが生じてきます。仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、”脊柱の捻れ”を最終的に引き起こしてきます。

 
 人間の背骨(脊柱)はS状の湾曲を呈しています。人間は直立位を保っていますから、背骨が一直線ですと、全体重が下方の背骨全体にかかることにより、すぐに下部の背骨がダメになってしまいます。こうしたことにならないように脊柱はS状の湾曲を呈しています。S状の湾曲を示すことによって体重の掛かり方を分散させています。ということは頸椎は前に湾曲を示していることになります。ところが、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いて(捻れて)おれば、バランスがとれず後頸部の筋肉の片側だけに張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、この”こり”が上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。
  これが、日常的に感じる極く軽度の頭痛です。
  日常的に感じる極く軽度の頭痛は、「体の歪み(ストレートネック)」が形成される以前の段階において出現してきています。
 

 このようにして、日常的に感じる極く軽度の頭痛が引き起こされてきます。


2004年の「国際頭痛分類 第2版」を論拠とする専門家・・

 
 この「国際頭痛分類 第2版」は、片頭痛治療の世界にトリプタン製剤が導入された時点で、専門家が「慢性頭痛診療のガイドライン」を作成される際に無条件に踏襲されたものです。
 以来、専門家はトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の作成した「国際頭痛分類第3版」を頭痛診療および頭痛研究の教義・教典としてきました。
 このため、全世界の頭痛研究者がこれに従われるために、日本の研究者も右へならえで従っているだけのことでしかありません。
 このため、何ら検証もすることなく、従っているだけのことです。
 「国際頭痛分類 第2版」への改訂以来、それまで頭痛と頸椎の関与を考慮されておられた、寺本純、竹島多賀夫先生以下大半の先生方は、”右へ習え”で、口を揃えてエビデンスなし、とされるようになりました。
 それを証明するものは、第38回の日本頭痛学会総会における、東京脳神経センターの松井孝嘉先生の発表を、まったく無視され現在に至っております。

 
  このように、「体の歪み(ストレートネック)」が頭痛と関係なしとされることは、まったく科学的な根拠があるものではありません。全世界の頭痛研究者に歩調をあわせているにすぎないものです。
 


 このように、現在の頭痛専門医は、「体の歪み(ストレートネック)と頭痛」をエビデンスなし、とされています。ところが、頭痛専門医の「片頭痛のセルフケア」のなかの指導項目として「姿勢を正しくしましょう」という事項が歴然としてあります。
 これは、「体の歪み(ストレートネック)」に関連した指導項目のはずです。 こうした矛盾を矛盾として認識されません。そして、頸椎X線検査上みられるストレートネックの診断基準がありません。
 頭痛と関連のあるストレートネックが、どのようなものかが理解されておらず、すべて”一緒くた”に、混同して考えていることに問題があります。
 そして、「頭痛と関連のあるストレートネック」に対する治療手技がまったくありません。こうしたことから、慢性頭痛の方々の多くが、医療機関を敬遠され、カイロプラクター・整体師・鍼灸師の方々の施術を求めて、受診される現実があります。


 最も大切な点は、慢性頭痛の起点(スタート)は、


 1.前屈みの姿勢や俯きの姿勢などを長時間続けるような生活習慣
 2.「ムチウチなどの外傷」により、首の筋肉組織を痛めたりする


 にあり、これから「体の歪み(ストレートネック)」を来すことにあります。
 当然のこととして、これに「ミトコンドリアの働きの悪さ」と「脳内セロトニンの低下」 が関与してくることは言うまでもありません。
 こうしたことから、「体の歪み(ストレートネック)」をエビデンスなし、とされることによって、慢性頭痛の起点(スタート)を見失うことになり、挙げ句の果ては、「慢性頭痛すべて」が原因不明とされ、何時までも頭痛研究が進展しない理由となっています。


 以上、とくに注意すべきことは、追突事故に遭遇された場合、必ず、体の歪み(ストレートネック)を増悪させることによって、片頭痛を悪化させることがあるため注意が必要で、ムチウチに遭遇した場合は、事故直後に何も症状がなくても、3日間ばかり安静臥床が勧められます。
 いずれにしても、現在、専門家は、「体の歪み(ストレートネック)」の意義自体を考えることなく、片頭痛発作がなぜ天気・低気圧に左右されたり、めまい・腰痛はまったく別ものとされ、閃輝暗点との関与が示唆されながら、「体の歪み(ストレートネック)」を否定されるが故に、いつまでも片頭痛が”不思議な、神秘的な頭痛”とされている理由にもなっています。
 片頭痛の場合、「体の歪み(ストレートネック)」の改善は極めて重要です。


 以上のように、「体の歪み(ストレートネック)」は慢性頭痛とくに片頭痛治療上、極めて重要になっています。
 いつまでも片頭痛が改善されない方々が見受けられます。このような場合は、「体の歪み(ストレートネック)」がいつまでも、残存しているためです。
 こうしたことから、必ず、医療機関を受診され、頸椎X線検査を受けて、6方向の撮影をして戴き、「体の歪み(ストレートネック)」の程度を確認の上、自分で是正可能なものなのか、あるいはカイロプラクターもしくは整体師によって矯正して戴く必要があるのかどうかの診断を下してもらう必要があります。
 ただ、問題は、現在の頭痛外来を担当される頭痛専門医はこのようなことはまったく無視されておられることです。このような状況にあることを認識した上で対処しなくてはなりません。


 いずれにしても、「体の歪み(ストレートネック)」の診断基準が医学会に存在しないことが最も問題にされなくてはなりません。


 「体の歪み(ストレートネック)」を悪化させる要因


  1.”前かがみ””うつむき”が元凶
  2.車の追突事故をはじめとした交通事故・・ムチウチ
  3.歯の噛み合わせの悪さ
  4.外反母趾、指上げ足(浮足)、扁平足など足裏の異常
  5.ミトコンドリアの働きの悪さ
  6.脳内セロトニンの低下
 

   
    があることを常に、念頭におく必要があります。
 
 このように、「体の歪み(ストレートネック)」という概念なくして、慢性頭痛さらに片頭痛は論じられないことになります。

 

 

  参考までに・・・
 
   「体の歪み(ストレートネック)」
        
http://taku1902.jp/sub441.pdf