片頭痛とミトコンドリア その16 姿勢 | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

姿勢の悪さとは・・


 私達の生活環境は活性酸素に満ち溢れており、ここ50年間の間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、生活習慣の問題により引き起こされた「脳内セロトニン低下」と相まって、姿勢の悪さを引き起こしやすい状況にあります。


 すなわち、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さ、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
  こういったことから、現代では、「姿勢の悪さ」が日常茶飯事にみられるようになってきました。


  私達は、日常生活を送る上で、私達は前屈みの姿勢をとる生活環境に置かれています。特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。
 さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。現代社会はスマホ全盛の時代で、歩きスマホをされるご時世です。

 
 こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。


  ここにさらに、イスに座るとつい脚を組んでしまう、ヒールの高いクツを長時間履いている、立っている時はたいていどちらかの足に体重を乗せている、横座りをする、立ち仕事や中腰の姿勢でいることが多い、いつもどちらかを下にして横向きに寝ている、または、うつ伏せになって寝ている、長時間座りっぱなしの仕事、イスやソファーに浅く座ってしまう、バックなどはいつも同じ方の肩にかける、重たいモノを持つ仕事をしている、赤ちゃんをダッコしていることが多い、などの無意識に”おかしな体の使い方”をしていますと、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎( 背骨)の歪みが生じてきます。仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、”脊柱の捻れ”を最終的に引き起こしてきます。

 
 人間の背骨(脊柱)はS状の湾曲を呈しています。人間は直立位を保っていますから、背骨が一直線ですと、全体重が下方の背骨全体にかかることにより、すぐに下部の背骨がダメになってしまいます。こうしたことにならないように脊柱はS状の湾曲を呈しています。S状の湾曲を示すことによって体重の掛かり方を分散させています。ということは頸椎は前に湾曲を示していることになります。ところが、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いて(捻れて)おれば、バランスがとれず後頸部の筋肉の片側だけに張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、この”こり”が上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。
  これが、日常的に感じる極く軽度の頭痛です。
  日常的に感じる極く軽度の頭痛は、このような姿勢の悪さによって引き起こされてきます。


  片頭痛では、生まれつきミトコンドリアの悪さが存在するため、ミトコンドリアの働きを悪くし、セロトニン神経を弱らせる要因の影響を、とくに受けやすいことになります。
 このため、片頭痛では、「姿勢の悪さ」を起こしやすくなっています。
  このため、平生から姿勢を正しくする生活習慣を心掛け、背筋を伸ばすことによって、ミトコンドリアを活性化させていなければ、最終的に「体の歪み(ストレートネック)」が形成されてくることになります。


  これまでの当医院の調査では、「体の歪み(ストレートネック)」の確認率は、男性で52%、女性では68%と圧倒的に多く、緊張型頭痛では84%、片頭痛では95%に、群発頭痛では全例に、「体の歪み(ストレートネック)」が確認されています。


「体の歪み(ストレートネック)」が形成されれば・・


「体の歪み(ストレートネック)」が持続すれば、頸部の筋肉が絶えず刺激を受けることになり、この刺激は三叉神経核に絶えず送られることによって、さらに「脳過敏」を増強させます。


 

「ストレートネック」→首や肩の筋肉からの侵害刺激情報
   ↓                ↓
    ↓        脊髄を介して三叉神経脊髄路核
   ↓                ↓
   ↓        中枢性痛覚過敏(central sensitization, CS)
   ↓                ↓
   ↓        
脳の過敏性、頭痛の慢性化
   ↓
   自律神経失調症状 → 交感神経機能低下→頸性神経筋症候群
                               
(慢性頭痛)
 

 
  尾側亜核で三叉神経と頸神経が収束する


 「体の歪み(ストレートネック)」のために、頭半棘筋に凝りが出ると、それが大後頭神経を刺激し、その刺激が三叉神経に伝わります。大後頭神経と三叉神経は脳の中で、三叉・頸神経複合体を形成していて、つながっていますので、大後頭神経の刺激は三叉神経核にも伝わります。
 
 このため、「体の歪み(ストレートネック)」が改善されないまま、放置されることにより、後頸部筋肉群にかかった刺激は常時、三叉神経核に送られ続けられることになります。 これが片頭痛を引き起こす準備状態を形成します。
 これがさらに、「脳の過敏性」、「頭痛の慢性化」へと繋がっていくことになります。また「体の歪み(ストレートネック)」は閃輝暗点を引き起こす要因にもなっています。
  このような後頸部筋肉群にかかる刺激(「体の歪み(ストレートネック)」)を取り除くことが、まず片頭痛を起こさないために重要になってきます。
  ここで注意すべきことは、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いて(捻れて)いることです。傾いて(捻れて)おれば、バランスがとれず後頸部の筋肉の片側だけに張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、この”こり”が上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。


  片頭痛も緊張型頭痛も共通して「頸部筋肉群の疲労」を基盤として発症してきます。これは、両方の頭痛に共通して「体の歪み(ストレートネック)」が認められるためです。ストレートネックをなくせば、発作は激減することになります。
  片頭痛の遺伝素因(ミトコンドリアの活性低下)のない場合は、首の筋肉のこりは、大後頭神経に痛みのみが起きることによって、純然たる「緊張型頭痛」を発症します。


  片頭痛の遺伝素因(ミトコンドリアの活性低下)があれば、片頭痛の場合は、「セロトニン神経」が働きが悪くなって「痛みの感じやすさ」が存在するところに、首の筋肉のこりの刺激が、大後頭神経から三叉神経に絶えず刺激が送られ続けます。このため、「痛みの感じやすさ」がさらに増強され、常時、脳の過敏性が高まった状態が継続していきます。

 

 これまで、姿勢、体の歪み(ストレートネック)の重要性については、再三再四述べてきたことですので、ここでは繰り返しません。以下の記事をご覧下さい。


  姿勢と健康
   
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12283002762.html


  健康を維持するためには・・ その9
    
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12280726683.html


  その12 姿勢の役割
    
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12258882875.html


  体の歪み(ストレートネック)」
     
http://ameblo.jp/yoyamono/themeentrylist-10086045339.html