「大佛次郎記念館」大佛次郎を歩く其の5
「大佛次郎記念館」大佛次郎を歩く其の5「港の見える丘公園」は「山下公園」と並んで横浜を代表する公園で横浜港を見渡す高台に位置する。1948年にヒットした流行歌『港が見える丘』にちなんで命名された公園は1962年に開園した。この曲を御存じの方も少なくなりつつある。♪°あなたと二人で来た丘は/港が見える丘/色あせた桜唯一つ/淋しく咲いていた、、、とあるように静かな場所だったらしい。僕が、何十年か前に訪れた時も、これ程整備されていなかった。公園の一角に「大佛次郎の記念館」が在る。横浜に生まれた大佛次郎(1897-1973)の没後、遺族から蔵書や遺品の寄贈を受けて、1978年(昭和53)に大佛次郎記念館が開館した。 大正時代から昭和にかけて、絶大な人気を誇った大佛次郎の業績と生涯を紹介する記念館には、約7万点の所蔵品。内訳は、図書約36,000冊・雑誌約58,000冊特別資料(自筆原稿・自筆資料・書簡等)美術、台本や地図等の関連資料、遺品等 約17,000点。《ロマン・ロラン生誕150周年記念「大佛次郎のフランス」展》が開催されていた。ロマン・ロラン(1866-1944)の生誕150年を記念し、大佛次郎とロマン・ロラン、さらにはフランスとの関わりをたどる展覧会。大佛次郎は「思想的に傾倒し影響を受けた」と後に記すほど、ロマン・ロラン作品の熱心な読者だった。高等学校時代にフランス語を選択したことでフランス文学や歴史への関心が大きく広がり、やがて大佛文学を支えるバックボーンの一つとなった。『鞍馬天狗』のシリーズなどの歴史小説が多い大の猫好きとして知られている。『パリ燃ゆ』1871年3月26日、民衆の蜂起によって誕生した〈パリ・コミューン〉を題材とした傑作ノンフィクション。再現された書斎。出版された書籍の数々。水戸黄門や幕末の水戸に関する著書も多い。ライフワーク『天皇の世紀』に至る軌跡が紹介されてある。『天皇の世紀』は絶筆となった未完の」大作。この本を精読すれば大佛作品が理解できるように思う。今日、明治維新を振り返ることは大きな意義があるように思える。●『天皇の世紀』はテレビドラマとしても放送された。1972年10月1日から1973年3月25日まではテレビドキュメンタリーとして朝日放送制作(当時TBS系列)で放送されたシリーズ全26話が「YouTube」にアップされている。ドキュメンタリーという体裁であるが、一部は再現ドラマ的演出を加え、ロケーションでは現代の町中に、物語が描かれた当時の雰囲気を再現したユニークな演出。(音楽:冨田勲、タイトル画:中川一政、レポーター:伊丹十三。)『私は「天皇の世紀」のテレビ映画をなるべくドキュメンタリーの方向に持って行っていただきたいとお願いしました。』との大佛のコメントを肉声と字幕にて第1話冒頭に表示されており、本を読むのとは異なった趣で、面白かった。