こんにちわ。

本業がバタバタでしばらくブログを休んでしまいましたが、久しぶりに更新しますにひひ

こちらはすっかり春らしい天候で、ワシントンの桜は例年より一足先に満開。日本もこの週末は絶好の花見日和のようですね。


さて、今日はリーダーシップについて書きます。

リーダーシップは、その内容が漠然としていて一言では語り切れないため、実に様々な切り口で定義されます。

例えば、リーダーシップとマネジメントの比較・・・リーダーシップを先天的⇔後天的な切り口で定義する考え方、「Situational Leadership」に代表されるような部下指導・コーチングの観点で捉える考え方。。。


どれもその通りで、何が正しくて何が間違いというわけでは無く、定義の切り口と議論されるシーンが違うだけです。


今日は、ある企業内でそれなりのCareer Ambitionを持った方が、企業内でSenior leadership positionを狙うために必須なリーダーシップの要素について、上司やキーステークホルダーとどう向き合うか という観点で私見を書いてみたいと思います。 昔何かの本でも読みましたが、良い悪いは別として重要なデシジョンを下すのは他人ですからね。。。どう上司やキーステークホルダーと向き合うか、というのはとても大事なセルフマネジメントのポイントの一つです。


ポイントは2つあります。

①複数の上司との関係を良好に保つ:リーダーシップとは、キーステークホルダーと良好な関係を保つことに他なりません。複数の上司の利害は時に食い違います。これをどうマネージするかでシニアなポジションへの道が開けるか、開けないかが違ってきます。


②精神的なMaturity(成熟度)を高める。いつまでも「彼(彼女)はHigh-mentenanceで手がかかる(注:ハイメンテナンス:チヤホヤと同義)」と思われていてはまずシニアなポジションはやってきません。私の今所属している外資系企業での観察ですが若くして抜擢を受けた社員のかなりの人材が、このTransitionに実際苦しんでいます。

企業内で評価されて抜擢を受けると、多かれ少なかれ人はその瞬間「チヤホヤ感」を味わいます。実際に抜擢されて成果も出すのですが、上司はこの瞬間、「彼は成果も出したし、リーダーシップも鍛えたしもう放っておいても一人で引き続き頑張ってくれるだろう。一仕事終わったので他の人材を鍛えよう」と思考が変わります。本人からすると、今までことあることに重宝されてきたのに、急に「相手にされなくなった感」「他のひとを評価・重宝しだした感」を感じます。急に会社や上司に対し信頼感が低下し、不満分子になってしまうことがあります。

これは、本当によくある話しなんですよ・・・あんなに優秀な人がなんで?って話がごろごろしています。恐らく優秀なひとほど逆に針が振れる可能性が高いのかもしれません。

大事なのは抜擢された後。自分に謙虚に、今までの自分と変わらず同じペースで貢献していけるか。上司やトップマネジメントは、この点を重視して後継者育成の議論をしていたりします。


2点ともキーワードは「Mature(成熟度)」。企業内でシニアなポジションを取るには、高い成果を出すのは当たり前。リーダーシップを発揮して周囲を導くのも当たり前。仕事人生(私生活も然り)の岐路は、「Mature(成熟度)」にアリ



チャオひらめき電球



















こんにちわ。

いよいよ今年もSuccession Planning & Talent Reviewの季節がやってきました。今年は、US本社で担当するグローバルR&D全体のプロセスをリードすることになりました。とても楽しみです。


さて、このサクセッションプランニング(Succession Planning)。

評価制度(英語では一般的にPDM:Performance & Development ManagementとかP&Dとかいいます)が年間のプロセスを通じて社員全体の育成を図るのとは別に、企業の一部の「キータレント」についてポテンシャルをアセスメントし、育成計画を立て、実行に移すためのプロセスです。

私が前職の日系企業で働いていた6年前頃は、近い概念はあったもののせいぜい「キータレント」を特定して、特別な研修を受けさせる程度が関の山。形骸化していました。最近ではようやく変わってきたようですが、まだまだ運用には課題が関の山のようです。。

外資企業では、このプロセスにかなり前から相当力を入れて魂のこもった運用をしています。株主が企業に安定的な成長、高配当を期待するのであれば、安定的な成長を実現する「Strategic plan」に相応して人材パイプライン(後継者候補群)を構築するのは当然どの企業にとっても最重要プライオリティの一つとなる訳です。




目的は企業によって濃淡はありますが以下4つ。

・中長期のビジネス戦略を実現するために必要なTalent Needsを明確化する

・そのためのキータレントを特定し、育成する

・特にクリティカルなポジションに対し、タレントのパイプラインを構築する

・企業内で、キータレントを最適活用する


この目的を達成するために、マネージャーは各社員のキャリア志向、過去の業績、能力(学習能力、より難易度の高いポジションに適応する能力)などを勘案し、キータレントを特定。彼らの3年後、5年後に目指す具体的なポジション名(複数も可)と、そのReadinessを明確にし、育成計画を立て、育成に必要なリソースを集中投資します。


社長及び各企業内の部門長は、自部門におけるクリティカルポジションに対し、どの程度キータレントのパイプラインが構築されているかアセスメントします。複数名が名を連ね競争が起こるのは幸運の証。実際はそんなことはめったに起こりません。穴だらけなんてこともあります。外部からの採用を併せて検討し、アクションに移します。


このサクセッションプランニング、上述したように「後継者を育てる」という意味合いがあります。自分の後継者を育てるのは上長では無く自分の責任。後継者を育てることが評価され、自分が次のポジションへ移ることを後押ししてくれる。

何故日系企業でサクセッションプランニング導入が遅れ、今もなかなか機能していないのか・・・多分この視点が根付いていないからだと思います。後継者を育てていつか「その日」が来たときに自分のポジションを譲るということは、リタイアする時以外は、自分が、次のポジションに移る準備が整い、自身のキャリアプランに沿った別のチャレンジをする時です。(まさか進んでステップダウンしたいひとなんてめったにいませんから)

ということは、部下や後継者候補以上に、自分も自分自身を高め続けなくてはならない。 部長職や役員職についたから「アガリ」というマインドでは、後継者を育てる=自分が損をする という構図にすらなりかねません。



サクセッションプランニングは上述した4つの目的で運用されます。

が、実は企業内のHigh Hierarchyが自ら進んで自分を高め続け、自分の次のキャリアが「Ready」となるように努力し続ける。結果としてこの率先垂範が、ひとを育て、High-performanceを実現するカルチャーを企業内に根付かせる・・・このプロセスにはそんな副次効果もあるなぁをふと感じました。



Yassy














こんにちわ。

タイムマネジメント・・・セルフマネジメントの中でも特に必須のビジネスリテラシーですね。でもこれが出来ずに、次々と仕事に追われて皿回し状態・・・あげくの果てに皿が落ちて割れまくっちゃう。。こんなださい状態にならずに、スマートに、どうせ働くなら気持ちよく働きたいものですよね。


ハゥツー本が山ほどあふれていますが、私はタイムマネジメントの肝は以下の2つだと思っています。


①自分の感情の中に「やりたい仕事」と「やりたくない仕事」があることを理解し、やりたくない仕事の優先度をあげる 

→やりたくない仕事とは、なんかこの仕事難しいんだよなぁ、とか○○にコンタクトするのめんどくさいなぁ、とか、苦手だなぁ、、今じゃなくてもいっか といって後回しにしてしまうが、とても重要な仕事のことです。

②自分でコントロール出来る時間とコントロール出来ない時間があることを理解して立ち回る

→上司のスケジュール、顧客のスケジュール・・・山ほどありますよね。


特に②が大事ですね。折角引いたタイムラインが上司のスケジュールで二転三転。。。こんなこと当たり前に起こります。別に上司が悪いわけではありません。そういうことが起こると想定しておくこと、起こった際に柔軟に立ち回ることが肝要です。

自分でコントロール出来る時間をどう使うか、ここでホワイトカラー(死語ですが)の生産性が決まります。

与えられたリソースをどう使うか(自分がやる必要がない仕事は自分でやらず思い切って部下やチームに任せる。早く指示を出してリードタイムを取る)、自分で考える時間、整理する時間をどうとるか。これが出来ずに仕事が走り出してしまい、後から修正や火消しに無駄に時間がとられた・・・なんてことはやめましょう。

忙しくないひとなんていません。忙しい中で、どれだけ実務を離れてあるべき姿の検討に時間を使えるか、業務の全体像を俯瞰し、課題を解決する最も有効な打ち手を検討出来るか・・・目的は?タイムラインは?誰をどう巻き込む?ボトルネックになりそうなポイントは?どうやって上司を使う? などなど。仕事が走り出す前のプランニングで仕事の成否の80%が決まります。もちろん、重要だからといって、スピード感を無視してはダメ。「質の高い仕事を、タイムリーに」出来て初めて感謝されます。


当たり前ですが、上司やクライアントに何度もフォローアップされるようでは、「ジ・エンド」です。私はフォローされるのが大嫌いな人間。。如何にフォローされずに前向きに気持ち良く働くかばかり考えて日々働いています(笑)それでも全くフォローされないなんてことは現実には出来っこない。。でもフォローは1回まで。2回フォローされたら、×(バツ)がついたと思いましょう。



最後に余談ですが、上司に仕事を頼まれた際の立ち回り。

良く言われることですが、上司は上司の時間軸で働いています。「ちょっと○○さん」と呼ばれて頼まれた際、納期を言われなかったら「これ、いつまでに必要ですか?」とか常識として納期は必ず確認しますよね。

上司は任せた仕事が気になるものです。しかもどの仕事も「スピード」を重視したい。「これ、いつまでに必要ですか?」なんて言われたら「出来るだけ早く。逆にいつまでに出来るの?」としか言いようがないでしょう。下手をすると「こいつセンスがないなぁ」なんてことになりかねません。


例えば、明日の午後のミーティングの資料作成を依頼されたとします。その時点で上司に「いつまでに提出すればいいですか?」とは聞きません。

私はこういう時、「これ、どれ位クリティカル(重要)ですか?」と聞きます。重要なこと、上司が一刻も早く欲しいことは部下として理解していることが暗に伝わります。その中で、上司が抱えているアジェンダにおける位置付け(プライオリティ)を問います。若しくは、「これは重要そうな案件ですね。事前に2回位レビューが必要そうですね・・・」とジャブを入れます。

「うーん。。。今抱えている案件の中で一番重要なミーティングなんだよなぁ。そうだね、事前にやったほうがいいね」なんて答えが帰ってきます。そこで、「では本日夕方に一度ミーティングを入れさせてもらって、再修正して明日朝のミーティングで最終化ということでどうでしょう?」と提案します。すると上司もプライオリティを再確認して色々算段を始めます。大抵はVPクラスなんて予定がぎっしり。でも彼らも自分でタイムマネジメントをしています。「そうだね、5時~のミーティングはリスケ出来そうだなぁ」と上司。こちらも予定を確認します。ただ、こっちも暇じゃないので予定がぎっしり・・・当然上司を優先し、自分の予定をやりくりします。リスケ出来るか・・・他に対応出来るひとはいるか・・・HRで明らかに気をつけるべきなのは「採用面談」と「肩たたき系面談」位です。外部顧客と訴訟リスクには気をつけます。。後は上司からの資料の重要度と難易度次第。場合により、夜資料をメール入れとくんで見てくれますか?なんて最後の手段も有り得ますね・・・

更に、「confidentiality(親展度)」を確認します。「この資料作成について、誰にシェアしてもよいですか?特に気をつけることはありますか?」と聞きます。そうすると「これはあなただけでやって」とか、「任せる」とかきます。

経験上、よほどの案件でない限り「任せる」が来ます。上司は、たまたま私に任せましたが、その過程は問うてない。彼らに重要なのはあくまでアウトプット。誰をどう使おうがそれは部下の裁量です。「任せる」が来た瞬間、仕事の役割分担を考え始めます。


このちょっとした言い回しの違いで、「自分でコントロール出来る時間」を少しでも確保出来ます。また、前回のブログでも書いた通り、全ての上司が目的・納期・留意点など完璧な指示を部下に出せる訳ではないでしょう。自分から納期を上司とすり合わせることで、些細なことではありますが、上司から「こいつは使えるやつだ」と高評価にもつながります。


ご参考までひらめき電球



Yassy


















こんにちわ。
「The first 90 days」:2003年に出版された本なのでもうだいぶ古い本ですが、今まで数えきれない程読んだ本のなかで、これほど本質的かつ実務的に書かれた本は見た事がありません。何冊か愛読書がありますが、この本がダントツでNo.1です。少なくともマネージャークラスで活躍しようとされている方は必ず読むべきでしょう。
ちなみに、USに来て、直属の上司と初めて「目標設定面談」をした際、「Let's discuss about your first 90 days」という前置きが上司から自然と出てきて、非常にうれしくなりました。
(USではmajorなマネジメント本の一冊です)

$Yassy's Bar   ~ホントに人事かよ?~-First 90 days

さて、この「first 90 days」は新しいポジションをスタートし、無事軌道に乗るために特に最初の90日が大事だということを説いており、そのために必要な項目が何点か書かれています。

全てが実務的ですが、特にマネージャーや社員に理解してもらいたいのが、「Negotiate Success」という章です。
この章では、新しいポジションで成功するために、「上司をマネジメントする」重要性が書かれています。同様のことを日々の仕事で感じてはいましたが、具体的に活字にされているのには感動しました。企業にいる以上、CEO以外は必ずマネージャー(boss)がいます。彼/彼女と、どう目標や期待をすり合わせるか、現状の課題やプライオリティについて同じ絵を見れるか、どうやってリソースを得るか...どうやって自分の成功について上司にサポートしてもらうか...これが成功を左右します。
上司もヒトです。彼らにもくせがあり、欠点があります。上司の欠点を不満に思い、(過度に)上司に改善を期待するのはナンセンス。基本的には自分が合わせるべきです。上司は何を好んで、何を嫌がるか。例えば・・・上司はメールでの報告を好むのか?メールではなく、直接face to faceで報告されるのを好むのか。電話は?... 全体像と要点を語って欲しいのか?細かく全てを報告する必要があるのか...上司の得意な分野は?苦手な分野は?最初の数回のコンタクトで見抜き、上司と快適で健全な関係を築いていきます。これは上司の仕事では無く、部下の仕事です!!!

現実は、結構この事実を理解せずに、上司(管理職)の悪口ばかり言う社員が多いんですよね...
「今の上司があわないので転職します」
「上司が好き嫌いで評価するので上司を変えて欲しい」
「上司の○○を改善して欲しい」
「上司の思い通りにならなかったので評価を下げられた...」

最初の2つは最悪ですね。10年人事をやっていますが、そこまでひどいマネージャーが長期間居座る例は極めてまれです。また、ひどいマネージャーに対し、きちんと「上司をマネジメントする」努力をしている社員を見ることもまれです。あきらめてしまうのか、この本のエッセンスを知らないだけなのか・・・大抵は天罰が下るものです。それまで、自分の出来る事を最大限努力する。これが大事だと思います。どこに転職しても自分とぴったり合う上司なんて居ませんよ...程度問題ですが。

3つ目は、繰り返しになりますが、改善なんて期待しないことです。そんなすぐに改善出来るならとっくに改善してますよ...但し、テクニックとして上司に自分が感じていることをフィードバックして、「透明な」コミュニケーションを図るのは大事な事です。大抵は「いやぁ、ありがとうフィードバックしてくれて」と自分に直訴してくれたことに感謝してくれるでしょう。ちょっと洒落っ気のあるひとは「いやぁ分かってるんだけどね」なんて返してくるかも。でも、ここまで。それ以上深入りすると、信頼関係が増すどころかしっぺ返しがきます。

外資系で働いていると、「Matrix Organization」の形態を取る事が多いので、上司が2人とか多いと3人とかになるのは結構日常的です。私も日本で働いていた時は、シンガポールのディレクターにもレポートしていました。上司が2人になると、完全に「応用」の世界です。上司2人の仲が悪かったり、方向性や利害が違う...ぞっとしますがこの本のTake awayを最大限活用して「上司をマネジメントする」最大の腕の見せどころ。直属の上司と時に利害が合わないことだって、実際には起こります。そんな中でも自分の成功を支援してもらうよう立ち回るのがビジネスパーソンとして必要な処世術です。


PresidentからManagerまで全ての階層に通用する汎用性のある内容ですので、まだ読んでいない方は是非ご一読をひらめき電球

Build a productive working relationship with a new boss!


Yassy



こんにちわ。
今日は企業におけるキャリア開発について書きます。

日本は戦後、終身雇用・年功序列・企業内組合 の日本的経営の3種の神器を駆使し、急発展をとげました。戦後当時は人材不足な上に若年層が圧倒的に多かったんですね。。各企業は学校卒業したての人材を丸抱えし、企業内で育成し、家族のように社員を遇することで、「リテンション」を図っていました。その当時は、人材戦略的にも合致していたんですね。ただ、これは良く言われる通り、高度成長期の話です。その後、景気の悪化...成果主義の浸透...複線的人事制度の導入...個人の価値観の多様化...終身雇用神話の終焉...と移り変わります。個人が会社の雇用にあぐらをかき、会社がひいたレールをただ歩いていればよい時代は終わりました。個人が自律し、自分で自分のキャリアを考える「キャリア開発」という概念が日本にも入ってきました。また、会社が「成果主義」を導入するのであれば、自分の得意な(好きな)仕事について、良い評価を受けたいという社員の欲求も高まります。「社内公募制」を導入する企業も増えました。

.....さて、企業におけるキャリア開発。
統計的な数字は分かりませんが、「キャリア開発プログラム」と銘打って主要人事施策として力を入れる企業が増えてきたようです。濃淡はありますが、「組織と個人の活性化」を目的に、一般的には以下の施策で構成されます。

・上司と部下がキャリアについて話し合う「キャリア面談」
 →会社は部下の育成や配置の参考とし、本人は自分の育成計画について上司のサポートを得る、
  またはアドバイスをもらう
・上司と個人がキャリア開発について考えるためのサポートツール
 →キャリアパスモデル(例)の開示
 →キャリアについて考えるワークショップの実施(本人向け)
 →コーチング研修(上司向け)
 →選択制or会社指名制 研修プログラム
 →高齢者向けライフプランニング研修の実施 など
・関連人事制度
 →自己申告制度(異動希望)
 →社内公募制度
 →FA制度 など
・キャリアカウンセラーなどの相談機関の設置

キャリア開発という切り口で考えた場合、この施策の中心は何と言っても「キャリア面談」となります。上司と部下がどれだけ「効果的な」面談を出来るかが肝。特に上司であるマネージャー教育が肝になります。マネージャー(もちろん社員にも)にきちんとキャリア開発施策について理解してもらう必要があります。

実務上、マネージャーの「成熟度」と社員の「自律性」によって、キャリア施策の濃淡が大きく変わります。

例えば一番多く議論になるのが社内公募。
リソースマネジメントは現場のマネージャーにとっては死活問題ですから・・・
マネージャーが成熟していて、部下とのコミュニケーションが円滑であれば、企業風土などにもよりますが、理論上、社内公募の応募率・成立率は減るはずです。匿名で応募せずに、社員が上司に相談する、若しくは上司が部下の思いをきちんと引き出すからです。キャリア開発という施策で考えたときに、私は「社内公募」の活用度が減るのはとても良い事だと思っています

社内公募制は企業内で人材を流動化し最適化するドライブ機能はありますが、実際に各現場を日々切り盛りするマネージャーにとっては突然人材が抜けるのは頭の痛い問題であるのもまた事実。突然人材が抜けても「しょうがない」と割り切って人材を補充するまで現体制でやりくりするだけの「高いマネジメントの成熟度」と「社内人材流動化を支える社員の自律性」を持つ企業は少数派だと思います。
そうすると、マネージャーにとっては、部下の異動希望を把握出来て、部下の異動希望をきちんとサポートし、同時に自部署のリソースについてもやりくり出来るのがベストということになります。例えば、上司側から「今すぐは異動させられないが、今年一杯何とか頑張ってもらって、来年異動を検討出来るよう上司と相談したい」といった話し合いを部下とすることも可能です。部下が一定以上優秀であれば、きちんといまの仕事をやり遂げることに理解を示す例も非常に多いです(きちんと異動出来るよう調整してあげることが前提!)。中には、「本当は今すぐ異動したかったのに上司に無理矢理説得させられた」と言ってくる中堅社員もいます。本当に無理矢理であれば問題ですが、これは社員の自律性の問題。キャリア面談では社員は上司からアドバイスをもらいます。その結果説得させられたのであれば、それは本人が自ら「キャリアプランを修正した」ということです。そうでないのであれば、とことん自分の意見を面談で言うべき。結果として合意出来ないのであればそれもありです。
このキャリア面談を突き詰めると、社内公募を活用する例は、「よほど上司のことが実は嫌いで今すぐ離れたい」か「今すぐ異動しないとどうしようもないかなり差し迫った理由があるか」極めて限定的になります。

こんな事を書くと、社内公募の目的と矛盾する という意見も出そうです。但し、現実は人材不足、マネージャーの成熟度がまだまだ課題、がんがん人材を流動化したら足下から崩れそう、だけど何とか切り盛りしている...なんて企業は山ほどあるはずです。当社(日本)もそうです。その中で、企業の業績と社員のキャリア開発を両立するのはかなり難解な課題。

ちなみに当社(日本のみ、日本以外の各国の運用は当然違います)では、社内公募制を導入していますが、必ず応募前に「上司に応募したい旨を告げる」透明な制度にしています。人事内外から応募を妨げるという反対意見もありましたが、真に自律した社員にとって問題にはなりません。この制度で提案し、導入しました。仮に上司が応募を邪魔して嫌がらせする というのであればその上司をアウトプレースメントすれば良いだけです。結果的に、社員の自律性をボトムアップすることにも繋がります。 現在の当社では非常に機能していますパー

私個人、そもそも「匿名でこっそり応募して異動するなんてHealthyでは無い」と信じている一人です。
企業で働く以上上司にきちんと相談してサポートをもらうべき。何のために上司がいるのか分かりません。気持ちよく異動したいので、公募に応募するとしてもせめて上司には事前にシェアすべきだと思う。よほど上司が無能で無い限り、それでサポートがもらえないんであれば、そもそも異動しても企業内で成功なんてしないんじゃないか 位に考えています。
社内公募制は矛盾を抱えていてOK。企業がキャリア施策を推進するのであれば、むしろこの制度は「形骸化」「名目化(会社がきちんと空きポジションを開示していますよ という事実化)」する位がちょうどいいと思っています。上司と部下の関係が悪いなど、例外的な「受け皿制度」として存在していればいい。


最後に、マネージャーから一番多く寄せられる質問。

「部下の5年後、10年後のキャリアプランにまで上司は責任を負わなくていいんですよね?そんなの正直責任持ちきれませんよ」

良い質問です。解答は「その通り」となります。いくら上司に「People Management」の責任があるとはいえ、そんな先の事無理に決まってますよ。自分がどうなるかすら分からないのに。
但し、マネージャーには、5年後、10年後のキャリアプランを踏まえた、今年1年間(長くても2、3年程度)の育成には100%責任を持ってもらいます。また、責任はモテませんが、5年後、10年後の部下のキャリアを上司として親身になって考えてあげる事位は必要でしょうね...じゃないと多分部下から信頼は得られませんから...


Yassy

こんにちわひらめき電球
前回のブログで書いた通り、オフサイトミーティングに参加してきました。木・金・土AMの2泊三日、会場はNYセントラルパーク近くの有名ホテル。昼も夜も濃厚なオフサイトでしたニコニコ

私はいまUS本社で、R&DのHRを担当しています。今回は当社のグローバルR&D Head/CTO(上級バイスプレジデント)を始め、North Am, Latin Am, Europa, Middle East, Africa, Asia Pacificを統括するVPなど総勢約30名が集結し、2012年のビジネスプランや今後の研究開発ビジョンが議論されました。

この2泊三日、本当にとても良い勉強になったのですが、強く感じたのは、階層が上になればなるほど価値の発揮の仕方が別の意味で変わってくるなぁ ということです。具体的には階層があがればあがる程、マイクロマネージメントをせず、「People Management」に徹する=部下のサポートに徹する ということです。そして、真にbusiness criticalな案件についてはものすごいリーダーシップを発揮します。日本では部下がプレゼンしてそれを上司は聞いている側に回るということがありますが、オーナーシップが違います。自分で自分の言葉で話します。

クライアントが変われば、当然HRの価値発揮の仕方が変わってくるなぁと思いました。

私が日本でHRをやっていたころ、クライアントは日本国内のVPで、彼はある営業・マーケティング部門を統括していました。その彼は日本法人社長にレポートし、その社長はAsia pacificのトップにレポートする。ちなみにAsia pacificのトップはグローバルの事業部門トップにレポートし、ようやくその次の次位にCEOにたどり着きます。HRとしての視点も基本は担当する営業・マーケティング部門で社員もせいぜい300人程度、高い視点で全体最適を考えるといっても日本国内位の話でした。以前書いた通りPriorityが大事だとはいっても当然相当現場に近い立ち位置で仕事をします。まあ、これが醍醐味でもあります。
今はそうも行きません。本社HRとしての価値提供の仕方や醍醐味を見つけないといけない。
何しろ担当するクライアントが世界各国に散らばるVPを統括している立場です。当然このVPのキープライオリティ3つはグローバルレベルでの最重要課題になります。何だかすごく一般論を語っているような、大括りなプライオリティ(ビジョンのような)になります。例えば、「R&Dグローバル全体でイノベーションを加速する」「R&Dグローバル全体で、強固な人材パイプラインを構築する」とか、これだけ見ると何だかその通りなんだけど具体的に何すんの?って感じのスローガンに見えてしまいます。

これをどういう角度で切り取って、具体的にアクションに落とし込むか。ここに本社HRスタッフとして一つ目の価値発揮ポイントがありそうです。
本社HRスタッフのクライアントは、経営陣に限りなく近い立場。彼らは経営全体を見てプライオリティを語りますので当たり前ですが上記のような一般的なスローガンになります。例えば、人材パイプラインであれば、「具体的に○○が課題なので、部長以上を強化する」とか「アジアが戦略エリアなので、アジアの人材を強化する」とか何でもいいのですが、経営者のビジョンを「Actionable」なプライオリティに翻訳する。ただ翻訳するだけでなく、ビジネスプライオリティ全体を理解し、その中の人事・組織面の位置付けを踏まえ、HRのstrategicなサポートを提供するって感じでしょうか。

次に、初めて本格的に本社HRスタッフをやってみて分かったのですが、各現場(私の場合は、北米、南米、ヨーロッパ、アジアなどの各地域や各国)では当然各国、各地域のHRがフルサポートしています。そうなると本社は全体の方針を出したり、各地域からroll upして集計してまとめ、必要なチャレンジ・サポートをする という仕事になります。本社として、色々な部門の状況を横並びで見て、各地域・現場のHRにストラテジックなアドバイスが出来る必要があります。ここにも以前書いた「Influence without authority(権限無くして影響力を発揮する)」 がフル活用出来そうです。ただ各地域や各国の状況を吸い上げて、「まだ研修の枠が一つ余ってます」とか、「何人多いので削ってください」なんてオペレーションをやっていたら即刻クビだなぁと気を引き締めました。各地域・各国のHRに本社スタッフとして、権限は無いが影響力を与える、彼らが必要なサポートをし、彼らの各地域・各国でのHR業務の成功を支援する。ストラテジックなインプットをし、要所要所ポイントを抑え、方向をすり合わせる。 これが大事だなと再認識した3日間でした。

私もプランニングチームに加えていただいたのですが、オフサイト自体は大成功。こっちはジーンズ必須だったり、最終日は3時間みっちりチームビルディングでみんなで何だかよく分からない大きな絵を作り上げたり・・・と、会場の雰囲気作りや進行もとても勉強になりました。


Yassy

こんにちわニコニコ


「人事のキャリアを極めるのに、人事以外の職種の経験は必須か」


この手の議論を実にアチコチで耳にします。飲み会でもオフィシャルな場面でも・・・カゼ

実に不毛です。不毛すぎます。要はある企業で、その時の経営環境の中で人事のポジションに求められる価値提供が出来るかどうか。過去の様々な経験を今現在のJobに活かせるか。これが全てであって、必要か否かを議論することに自体に全く意味はありません。

人事以外の経験があろうがなかろうが、活躍しているひとは山ほどいます。他の職種同様、「こうあるべき」というキャリアパスなんてありません。


まず、「人事はHRの職種を極めたその道のスペシャリストが基本的には職に就くべきで、他職種から人事に転職するのは亜流だ」という意見。 結構こういうひと実在します。


思い上がりです。人事は特別な仕事だというプライドがこの手の勘違いを生みます。この世の中で、自分にしか出来ない仕事なんて限られています。たいていは他の誰かで代替がきく。自分の仕事へのプライドが行き過ぎると、バランスを逸してしまいます。


繰り返しになりますが、こういうひと、かなりいます汗


次に、「人事しか知らないなんてホントのビジネスパーソンでは無い。人事は営業や他職種の職種も経験した人材が担当すべきだ」という意見。


これは一見正しい意見に見えますが、逆に実際に営業や別の職種を自分が経験しないとそのビジネスを理解出来ないようでは人事をはじめとした経営スタッフ失格。「出来る」ビジネスパーソンは、実際にその仕事を直に経験しなくても「キーサクセスファクター」を理解して、疑似経験します。


そもそも、HRのチームの中に、ダイバーシティがあるのがあるべき姿です。営業を経験した人事もいれば、人事一筋の人材もいて、色々な業界を経験した人材がチームに結集する。これで初めてInnovativeな価値提供が出来ます。


今日はオチはありませんが、これ位で・・・パー

今週は木-土でグローバルの幹部が集結するオフサイトミーティングがあるため、しばらくこのブログはお休みとなります。皆さん、良い週末をビックリマーク



Yassy






こんにちわ。
私は今の会社は2社目ですが、前職でも人事をしていましたので、転職といっても職種を変えた訳ではありません。転社 ですね。会社によって風土や仕事のやり方が違いますし、一から人間関係を作らなくてはなりませんのでその意味ではもちろんリスクはありますが、そうはいっても同じ職種。仕事の本質は変わりません。次の日からは当たり前のように仕事をしていましたかお

会社によっては、社内ローテーションで職種を超えて社員を異動させ育成していく会社もあれば、各ジョブ(job)をスペシャリスト化して職種を超えた異動は殆ど存在しない会社もあります。私は今は外資企業に勤めていますが、外資は殆どが後者ですね。

当社は社員の6.5割が営業部隊で構成されています。当然営業社員のキャリア開発は大きな経営課題の一つです。現場の営業社員から毎日のように「我が社も社内ローテーションで色々な職種を経験出来るようにすべきだ!」という意見や陳情が寄せられます。

但し、現実は「転職」は簡単じゃない。そんなときは決まって「ドラゴンクエスト」の話をしますべーっだ!確か「Ⅲ」だったかなぁ。

必死にレベルをためて、レベル20。パーティは「ローマ神殿」にたどり着きます。するとそこで他の職種に「転職」が出来る。但し、レベルは1に戻ります。それまでに覚えた特技や呪文は使えるものの、あまり役に立たなかったりする。。いきなり戦いに繰り出します。敵は結構強いので、あっさり一撃で死んでしまったりします。残念ながら、「仲間を守る」「仲間の陰に隠れる」というオプションがありません(確か)。

数十回試しましたが、意外に(飲み会での?)受けはよかった・・・叫び

企業でも一緒です。運良く本人の希望がかない営業以外の職種(ほとんどが本社スタッフですか)に異動が出来ても、多くの場合レベル1からのスタート。しかし誰も待ってくれません。当たり前のように成果を期待します。百歩譲って、成果は期待しませんが寝ないで勉強して死ぬ気で追いついてもらいます。

実際には、このマインドに会社側と社員側で大きなギャップがあります。社員側の7、8割(真のトップ層を除く)は、「会社がローテーション制度を作るべきだ」とセットで「ローテーションして、新しい異動先で会社が社員をもっと重点的に育成すべきだ」というニーズを持っているケースが殆どです。
外資系企業では中途採用が当たり前(日系も増えて来ました)ですので、外部マーケットの優秀なタレントとのポジション獲得争いになります。甘えたマインドを持つこれらの7、8割の社員が社内で異動を獲得出来る確率は殆ど無いと言っていい位低い・・・。
そうなると、彼らが不満分子になり、悪い雰囲気がボディーブローのように蔓延するリスクがあります。これは良くない。

この、7、8割の中堅社員のモチベーションマネジメントはトップ人材のマネジメント同様非常に重要です。トップ人材だけでは企業は成り立ちません。
では実務上どう対応するか。
「キャリア開発」施策を上手く活用して彼らをボトプアップするのがbetter solutionです。
彼らには、「キャリア開発上次にどういうポジションを取るか(what)」というテーマを全面には押し出しません。「どうすれば、自分で自分自身をパワーアップさせるか。キャリア目標を叶えるために自分自身で何をコミットして取り組むか(how)」に着目するよう促します。
例えば、英語を日常的に使うある本社のポジションを狙うのであれば、当然英語の勉強を始めているのは当たり前。それすらやっていないということは本当に異動したいと思っていないということです。

みんなが気持ちよく自分の目標に向かって努力する。結果では無く、過程に着目して自分自身をパワーアップする。結果は会社に属している以上自分の一存ではどうにもなりませんから・・・
会社を支える社員一人ひとりがこのマインドで歯車を前に前にまわしたら、その会社はかなり強いと思います。


Yassy
























ダイバーシティ:Diversity&Inclusionひらめき電球
ひとによって言葉は多少違うでしょうが、企業においては、「多様な人材を活用・登用(Diversity)し、多様化を受け入れる(Inclusion)風土を作る。結果として多様な市場ニーズに答え、イノベーションを加速させる」取り組みやマネジメントのことを指します。

プロフィールにも書いてある通り、今年の個人的な「深堀テーマ」です。今年は縁あって社内のダイバーシティ関連のグローバルリーダーシッププログラムにも参加させてもらう予定です。究極のテーマは「ダイバーシティの取り組みを企業のボトムライン(P/L)にヒットさせるために」ですが、詳しくはこのプログラム参加後に、(後編)で紹介出来ればいいなと思います。
今日は第1弾ということで、本日時点感じている問題意識や解決の糸口などを書き連ねたいと思います。

ダイバーシティを語る際は一般的に様々な切り口があります。
性別、民族、出身、身体障害、セクシャルオリエンテーション、年齢... まだまだ。軍隊経験、宗教、社会的地位、ワークスタイル、役職、コミュニケーションスタイル...地理的な位置、就労経験、家族構成、教育、母国語...。
実に様々ですね。

但し日本は単一民族国家な上に女性の相対的地位がかつては低かった歴史がある国です。多くの場合、ダイバーシティ=女性活用促進 という切り口でダイバーシティが語られます。本当はちょっとおかしいんですけどね。
本来は性別、民族などの「目に見える多様性」だけでは無くて、「就労経験(バックグラウンド)、教育、価値観」などの「目に見えない多様性」にも焦点をあてて各マネージャーは「チームの多様性」を考えるべきだと思います。
ただ現実はそこまでたどり着いていない。目に見えるダイバーシティへの対応でも精一杯 というところなのでしょう。日本の場合は、「女性活用」が格好の(企業によっては深刻な)課題なわけです。それもうなずけます。
ちなみに、先日本社のダイバーシティ担当ディレクター(CEO直属)に、この「目に見えない多様性」について質問する機会がありました。あまり明確な答えは帰ってきませんでしたので、やはりUSでも同じことに苦しんでるようです。
余談ですがご存知の通りUSは過去に差別問題があった過去から、法(EEOといいます。他にもあります)でこの手のダイバーシティは徹底的に管理されています。組織内での民族の割合、男女比率などはかなりセンシティブ。当然、採用面談時の履歴書に写真はNG。

話を戻して女性活用。実際企業でこのダイバーシティに取り組む場合、必ず「ニワトリが先か卵が先か」という議論に遭遇します。

①まずは「女性管理職○○%、女性役員を○年以内に○%」といった目標を作成・達成することで結果として後からダイバーシティの風土醸成がついてくる
②数値目標ありきでは無く、「なぜダイバーシティがクリティカルなのか」草の根で活動し、それぞれのチームで多様化を実現することこそが本質だ。数値目標は作るべきではない。

という意見が真っ向から対立します。
どちらも正論ですね。私は個人的には②主張派です。但し、経営上、実際は①の作戦を取らざるを得ないことが殆どです。まあそれは納得できます。

どうやったら日本で女性活用を促進出来ますかね。
男性の意識(家事分担も含め!)。女性自身の意識。制度面でのサポート。色々出来ることはありそうです。
実際は古臭い価値観が蔓延していたりしますので、特に「女性の意識」は議論を呼びます。「そうはいっても働く女性自身も結婚して子供が出来たからって甘えちゃあいけない。両立するってのは覚悟が必要なんだ」「女性が入社後、結婚・出産のライフイベントを経て辞めてしまうのは本人の意識(Career Ambition)の向上も課題だ」「専業主婦の家庭で育った背景が価値観に大きく影響しているんじゃないか?」なんて話しが当たり前のように横行します。いくらInclusion(包容)が大事だとはいえ、これはちょっと。。

実は私も正直に話すと、少し前まで、40%位はそう思っていました。(反省)
実際、女性に意識の低いひとはたくさんいます。でもそれは男女同じ。女性活用の本質的な問題ではありません。

USで働いてみて分かったこと。
まず、会社に保育所が併設されています。たまにカフェテリアで子供にご飯をあげてたりします。男性社員がご飯をあげていることもあります。日本にいたらその男性社員は「お前働けよ」か「カミさんに逃げられたな?」って目で見られるんでしょうね・・・でもこっちでは当たり前です。働き方も違います。まず大前提が「Output Driven」。時間で成果を測りません。そのため用も無いのにオフィスにいない。徹底しています。コミュニケーションも「Face to face」の重要性は理解するが拘らない。よほどクリティカルな要件でなければ、電話会議、家からPCで仕事、なんて日常茶飯事です。電話会議をしてたらうしろから子供の泣き声がギャァーギャァー・・・(さすがに声が聞こえない場合は対処してもらいます笑)
日本のように、「なんか会社にいないと仕事していないような気がする」「部下の顔を見ないと労務管理出来ない」「だらしなく見える」なんて発想はとっくに卒業しています。

日本の場合、保育所が入園待機だったりしますので、まずは子供を持つ社員は保育所探しに一苦労。更に育児制度があったとはいえ女性の多くは週の大半は「出社」が要求されるのが実情です。男性の家事協力も大きな課題。そのため、「近所に両親(義理含む)がいる」場合は大きなアドバンテージになるのが実情だと思います。逆に言うとこのアドバンテージが無くて、バリバリやるのは想像出来ない位大変なんだと思います。

「アドバンテージが無くて、でも仕事もバリバリ忙しい。結果として家庭を優先して辞めざるを得ない」なんて例はチラホラありますが、「そんなのしょうがないじゃん」と心のどこかで思っていたのかも・・・。
但し、今誰かからそんな声を聞いたら「明確に」否定します。

USでも女性のリーダーシップはダイバーシティの大きなテーマの一つ。これだけソフト面もハード面も充実していても、まだまだ組織の重要課題にあがってきます。(そのことに最近少しビックリしました)
日米で比べてみて、日本はこの点で間違いなく10週位遅れていると思います。
そんな日本でフォーカスすべきこと...
次に日本でダイバーシティを推進する機会があったら、賛否はあると思いますが、社長に「女性活用推進室」の新設を提案する位なら、「働き方の抜本改革」「保育所の設置」を提案すると思います。
その方が、本質的かつ早道な気がする。 これ位のサポートも無くて、男性の家事協力も課題山積。なんて完全に孤立無援じゃん。女性の意識云々を語るのはフェアじゃない。

日本はこれから本格的な少子高齢化に突入します。その観点からも、ダイバーシティは喫緊の課題。企業も政治も本気で取り組むべきだと思います。私は私で出来ることをやっていきたいと思いますグー

P.S この手の女性活用の議論すると「女性ばっかり活用するのは逆差別だ!」とかいう男性管理職、現場にいません? センスが無さすぎて困っちゃいます。


Yassy















































企業には業績目標を達成するための様々なプログラムがありますね。人事関連でいうと、パフォーマンスボーナスプログラム(業績賞与)、社宅、カフェテリア方式ベネフィット、退職金、評価制度、表彰(アワード)... その企業のビジョンやプライオリティによってプログラムの濃淡や特徴は異なりますが、どの企業にも必ずある制度、それは「評価制度」だと思います。ベンチャーはさておき、一定規模以上の会社で「評価制度がない」なんて話しは未だかつて聞いたことがありません。


この評価、担当事業部の実務責任者として初めて実務を一手に取りしきったのは入社3年目の時でした。当時の上司にも恵まれました。それまでは「評価」って何のためにするのか?「評価制度」って何だ?なんてこと考えたこともありませんでした。考えなくても実務は出来ちゃいますからね・・・ 初めて当時この禅問答のような問いに向き合いました。「タレントマネジメント・・・採用・異動・報酬・評価・育成を連動しトータルで人材をマネジメントする」という概念を知ったのもこの時でした。


今思うと、当時整理した内容と本質はほぼ変わっていません。今日は、当時(25才。。若ぃカゼ)を懐かしみながら、評価制度って何だ?について徒然と書きます。



評価制度は何のためにあるのか?


「企業の業績を測るため?」Noですね。株主配当、売上高、製品シェア、カスタマーからの評価・・・評価制度が無くたって測れます。人事がわざわざ制度をこしらえるなんて余計なお世話。企業を構成する部門はどうか?これも測れますかね。では各部門の構成員個人はどうか?うーん・・・突き詰めると測れますね。「評価」は出来ると思います。マネージャーがよっぽど無能じゃない限り、部下の業績が「期待を上回ったか」「期待通りか」「期待に満たなかったか」位評価出来るでしょう。

※評価制度が悪いから評価が効果的に出来ないと言ってくるマネージャーは無能な証拠です汗

「個人の業績を報酬につなげるため?」っていうのはどうでしょう。

これは人事実務的には「Yes」ですね。①社員を格付け(等級制度)、②格付けに基づいて評価し、③評価に基づいて報酬を決める。一般的な企業内におけるHRのコアプロセスです。

最近は、殆どの会社が「Pay for performance理念」のもと業績評価と報酬をリンクさせています。でもこれは「頑張った人に報いる」という報酬理念の目的を達成するためにあるのであって、企業にとっての評価制度の存在意義とは違うと思います。


前置きが長くなりました。

評価制度は、ずばり「社員を育成(Development)する」ためにあります。この一言に尽きます。でも人材育成って響きはいいけど何か分かりづらい。。

人材育成とは何か? 要は、「業績達成のために会社が社員に求める行動を社員に取らせた結果、アウトプット(価値創造=業績)が以前より向上すること」だと私は定義しています。さすがにその必要性はこれ以上「なぜなぜ?」はしません。


では、何故「社員を育成する」ために、「人事部」が、わざわざ全社統一の「人事制度」を作る積極的な意義があるのか?


公正な評価が大前提で、そのために人事部の関与が必要だから? No。

人事部が社員の「人材育成」に責任を負っているから?もっとNo。

人事部は手助けはしますが、公正な評価を実現するのも社員を納得させるのも、社員を育成するのも全てマネージャーの仕事です。


この問いに答えるために、人材育成という定義をもう少し具体化します。


会社にとっての人材育成:

「社内で優秀な人材を特定し、投資を集中し、更に育てること」

社員にとっての人材育成:

「社内、業界内、同一職種内で市場価値が上がること」


最大の意義。それは、上記↑2点を実現するために、「全社共通・統一の評価基準を策定・提供すること」にあります。これこそHRの専門家である人事部が、Professional Expertiseを駆使してやるべき仕事。さすがに各現場のマネージャーが作るべきではありません。

この「評価基準」があるからこそ、社員は「相対的に」自分の社内での市場価値を認識することが出来ます。直属の上司の「評価」を聞いただけでは客観的な社内市場価値の把握は困難です。この市場価値の認識こそが育成・キャリア開発の第一歩になります。直属の上司は部下のコーチングに一つの指標として活用します。会社にとっても、Enterprise-wideに優秀な人材を特定するための共通の指標を持つことが出来ます。



まあ、色々と能書きを垂れましたが、この「評価制度」の運用をマネージャーが効果的に運用出来るようサポートするのが「HRの重要な役割」であることには変わりありません。

評価は、時に厳しい話と紙一重です。相対的に低い評価の社員に業績を自己認識させ、PIP(Performance Improvement Pllan)に導き、最悪の場合別のOpporunityを考えてもらう。「評価制度」が個人の業績を評価するためにあるのもまた事実。ただ、根本にあるのは「育成(Development)」。これを忘れずに日々実務に取り組むよう心がけていますニコニコ



Yassy







































会社の切り口と社員の切り口でもう少し具体化します。