こんにちわ。
「The first 90 days」:2003年に出版された本なのでもうだいぶ古い本ですが、今まで数えきれない程読んだ本のなかで、これほど本質的かつ実務的に書かれた本は見た事がありません。何冊か愛読書がありますが、この本がダントツでNo.1です。少なくともマネージャークラスで活躍しようとされている方は必ず読むべきでしょう。
ちなみに、USに来て、直属の上司と初めて「目標設定面談」をした際、「Let's discuss about your first 90 days」という前置きが上司から自然と出てきて、非常にうれしくなりました。
(USではmajorなマネジメント本の一冊です)

$Yassy's Bar   ~ホントに人事かよ?~-First 90 days

さて、この「first 90 days」は新しいポジションをスタートし、無事軌道に乗るために特に最初の90日が大事だということを説いており、そのために必要な項目が何点か書かれています。

全てが実務的ですが、特にマネージャーや社員に理解してもらいたいのが、「Negotiate Success」という章です。
この章では、新しいポジションで成功するために、「上司をマネジメントする」重要性が書かれています。同様のことを日々の仕事で感じてはいましたが、具体的に活字にされているのには感動しました。企業にいる以上、CEO以外は必ずマネージャー(boss)がいます。彼/彼女と、どう目標や期待をすり合わせるか、現状の課題やプライオリティについて同じ絵を見れるか、どうやってリソースを得るか...どうやって自分の成功について上司にサポートしてもらうか...これが成功を左右します。
上司もヒトです。彼らにもくせがあり、欠点があります。上司の欠点を不満に思い、(過度に)上司に改善を期待するのはナンセンス。基本的には自分が合わせるべきです。上司は何を好んで、何を嫌がるか。例えば・・・上司はメールでの報告を好むのか?メールではなく、直接face to faceで報告されるのを好むのか。電話は?... 全体像と要点を語って欲しいのか?細かく全てを報告する必要があるのか...上司の得意な分野は?苦手な分野は?最初の数回のコンタクトで見抜き、上司と快適で健全な関係を築いていきます。これは上司の仕事では無く、部下の仕事です!!!

現実は、結構この事実を理解せずに、上司(管理職)の悪口ばかり言う社員が多いんですよね...
「今の上司があわないので転職します」
「上司が好き嫌いで評価するので上司を変えて欲しい」
「上司の○○を改善して欲しい」
「上司の思い通りにならなかったので評価を下げられた...」

最初の2つは最悪ですね。10年人事をやっていますが、そこまでひどいマネージャーが長期間居座る例は極めてまれです。また、ひどいマネージャーに対し、きちんと「上司をマネジメントする」努力をしている社員を見ることもまれです。あきらめてしまうのか、この本のエッセンスを知らないだけなのか・・・大抵は天罰が下るものです。それまで、自分の出来る事を最大限努力する。これが大事だと思います。どこに転職しても自分とぴったり合う上司なんて居ませんよ...程度問題ですが。

3つ目は、繰り返しになりますが、改善なんて期待しないことです。そんなすぐに改善出来るならとっくに改善してますよ...但し、テクニックとして上司に自分が感じていることをフィードバックして、「透明な」コミュニケーションを図るのは大事な事です。大抵は「いやぁ、ありがとうフィードバックしてくれて」と自分に直訴してくれたことに感謝してくれるでしょう。ちょっと洒落っ気のあるひとは「いやぁ分かってるんだけどね」なんて返してくるかも。でも、ここまで。それ以上深入りすると、信頼関係が増すどころかしっぺ返しがきます。

外資系で働いていると、「Matrix Organization」の形態を取る事が多いので、上司が2人とか多いと3人とかになるのは結構日常的です。私も日本で働いていた時は、シンガポールのディレクターにもレポートしていました。上司が2人になると、完全に「応用」の世界です。上司2人の仲が悪かったり、方向性や利害が違う...ぞっとしますがこの本のTake awayを最大限活用して「上司をマネジメントする」最大の腕の見せどころ。直属の上司と時に利害が合わないことだって、実際には起こります。そんな中でも自分の成功を支援してもらうよう立ち回るのがビジネスパーソンとして必要な処世術です。


PresidentからManagerまで全ての階層に通用する汎用性のある内容ですので、まだ読んでいない方は是非ご一読をひらめき電球

Build a productive working relationship with a new boss!


Yassy