小川充オフィシャルブログ -2ページ目

Routine Jazz Presents 「Nouvelle Vague」

随分と久しぶりの更新です。

色々と忙しかったということもありますが

ブログを書くのに今ひとつ気分が向かわなかったり

ついつい面倒臭くなっていたりといったことが重なり

少し放置しとこうかなといったまま

ずるずると1ヶ月以上が過ぎてしまったというのが真相です。


知り合いから全然更新してないんですけどと言われたり

自分でもいい加減アップしないといけないかなということで

取りあえずイヴェントの告知になりますが

更新してみました。


で、いきなり明日ですが

3/2(日)に西麻布Yellowで

Routine Jazz Presents 「Nouvelle Vague」

and 「Routine Jazz Quintet」リリース・パーティーが開催されます。


小林径さんが主宰するRoutine Jazzですが

昨年末にリリースされた日本発クラブ・ジャズ・バンドのコンピ

「Nouvelle Vague」は自分もライナーを書いており

またその後、径さんのプロデュースする

Routine Jazz Quintetも1stアルバムをリリースし

今回はその発表記念パーティーというわけです。


出演バンドはコンピにも参加した

Sleep Walker

Jabberloop

The Fascinations

そしてRoutine Jazz Quintet


DJは

小林径 with B-Bandj (Dark Shadow)

小松正人(Slowly)

社長(Soil & "PIMP" Sessions)、他

僕もDJで参加します。


時間は17:30-23:30なので

来場の際は間違えないようにして下さい。


やっと春らしくなってきたので

これからはボチボチとですが

ブログも書いていこうかなと思ってます。

Dirty Jazz

先週末、DJ KAWASAKIの『You Can Make It』の

リリースパーティーに行ってきました。

キーボードとパーカッションを入れたPA LIVEもあって

ロンドンからTasita D'Mourも来て歌ったりと

大いに盛り上がったのでした。


リリースに合わせて

各音楽雑誌の表紙はKAWASAKI君一色。

さしずめ「DJ KAWASAKI祭り」といったところですが

でも本人はそうした人気に天狗になることなく

今まで通りのマイペース。


よくDMRにもレコードを買いに来てくれて

僕からこんなことを言うのもおこがましいのですが

いつ会っても非常に礼儀正しい好青年なのです。

こうした業界には珍しい人かも知れません。

だからというわけではありませんが

応援したくなるアーティストです。


さて、その日の行き帰りは

zero dBのNeil Comstockと一緒でした。

(彼は日本在住で実はご近所さんなのです)

彼はプロデューサーであると同時にエンジニアでもあり

『You Can Make It』でも何曲かミックスをやっています。

zero dBの作品あのバーストしたベース・ラインは

彼のミキシングの賜物なのです。


帰りのタクシーの中で音楽の話になったのですが

その時彼は

「日本のジャズはクリーン過ぎる」

「俺はもっとダーティーなジャズを作りたいんだ」

「日本のピアノはシンセサイズド(=合成)されてるのが多い」

というようなことを言っていました。


酒が入っていたこともあり

また車の騒音で会話が聞き取り辛かったこともあり

また僕のヒアリング能力のつたなさもあり

断片的な言葉の数々です。


彼は日本のジャズの批判をしていたわけではありません。

演奏能力とか作曲能力

それらのことを言っていたのではありません。

あくまでエンジニアとしての視点から

日本のジャズのレコードやCDの録音状態について述べていたわけです。

そして多分それはジャズに限らず

他の音楽についても同じ印象ではないかと思います。


確かに日本人はクリーンな音を好みます。

多分それは国民性によるものかもしれません。

不純物を取り除き

調整を加え

耳にすんなり入るようにミックスされる

それが製品としての音楽なのです。


確かに音楽を製品として見ると

クリーンな音にした方が売りやすいと思います。

誰もこもったような音で

ノイズ混じりの欠陥商品を欲しいとは思わないでしょう。


しかし、それは音群が発生した時点のものとは

時に大きくかけ離れる危険性もあります。

皆がそのアーティストの音楽として聴いているものは

実は色々と調整を加えられたもの

実際の出音とは違ったものである可能性が高いのです。


ただ、Neilの言う「Dirty Jazz」というフレーズが

実際はどんなものをイメージしているのか

それはわかりませんでした。


zero dBの作品には

確かに彼の考える「Dirty Jazz」はあります。

調律されていないようなピアノ

歪んだベース

全体バランスを無視したデカいドラム音

アナーキックなヴォイス・サンプル

デンジャラスなパーカッション乱れ打ち・・・


しかし、それはzero dBだから成立する類の個性であって

他のアーティストにも通用するものではありません。

それにzero dBの作品は逆にダーティーさを誇張しているわけで

それも一種のシンセサイズドな要素だと思うわけです。


Neilが言う「Dirty Jazz」とは

もっと違う何かを指しているんじゃないかな・・・

ここ数日来、僕の頭の中に

「Dirty Jazz」という言葉が引っかかっています。

1月のDJスケジュール

正月休みが明けたと思ったら

今週末は3連休です。

で、僕はこの間

幾つかDJがあります。


まず1/14(月・祝)の成人の日

舞浜のCLUB IKSPIARIで

quasimodeのライヴがあるのですが

そこでDJをします。




quasimodeは3/5にライヴ・アルバムを出しますが

ライヴをやるごとに着実に成長しているバンドです。

思えば彼らがデビューする前の05年の12月

彼らが六本木でやっていたイベントに呼ばれ

そこでDJをしたことがあります。

その時は初対面でしたが

彼らの演奏は随所に光るものを見せるものの

まだまだ一本調子で

硬さの見られるものでした。

でも、それから2年ほどの間に急成長。

その時のことが遥か昔のことのように思い出されるのですが

まだ2年くらいなのですね・・・と感慨もひとしお。


この日は他に

M-SWIFTこと松下昇平君のライヴもあります。

M-SWIFTは和製Reel Peopleとでも形容すべきユニットで

彼のソウルフルなセンス

生と打ち込みの融合バランスは

日本人離れしたものを感じさせます。

でも、それ以外に新たにジャズ・バンドでの活動も開始したそう。

そして、今回がそのお披露目的公演になるそうです。

かなり本格的なジャズを目指しているとのことで

僕も聴くのが楽しみです。


僕はM-SWIFTとquasimodeの合間

20:00頃から回す予定です。

なお、着物の方は年齢にかかわらず入場料無料とか

ライヴ終了後には記念撮影があるとのことで

普段、クラブに行かないような人でも楽しめるイベントになってます。

でも、記念撮影って一体どんなのでしょう?


明けて1/15(火)はTHE ROOMで

『音ノ源』というイベントに出演します。

これはかつてDMRで働いていた

吉田洋介君に誘われて出ることになりましたが

平日のROOMで回すのも久しぶりです。


昔、かれこれ5年ほど前

JAZZTRONIKの野崎君たちと

平日の木曜にイベントをやってたことがあるのですが

それは今の『JAZZTRONICA !!』のあの混みようが嘘のように

ゆる~いものでした。

きちんとプロモーションをしてなかった

というのもあるのですが

まあ、お客さんがいようが、いまいが

自分たちの好きな曲をかけて楽しむ

というようなノリだったわけです。


でも、ゆっくりと踊ったり

お酒を飲んだりできる平日のROOMもまたいいものです。

ということで、この日は1:00過ぎから回します。


それから1/26(土)はVeloursで

『M.D. - Midnight Dreamer』の第3回目です。

こちらは回りのDJはハウスをかける人が多いので

僕もハウスや打ち込み系の音が多くなるでしょう。

時間は23:00-4:00です。


この3つのイベントはそれぞれかける曲や

持っていくレコードも違うものになると思います。

と言うか、基本的に僕は毎回DJセットは変えていきます。

だから、それなりに仕込みの時間も要するし

レコード・バッグはその都度入れ替えをするわけです。

でも、そうした仕込みの時からDJの仕事は始まっているので

こうした前ふりがあって

気持ちやアイデアも切り替えて臨めるわけなのです。


時々、いつも同じレコードを持ってきてたり

あれ、この繋ぎ、前も聴いたなというDJがいますが

正直言って僕は感心しません。

第一、同じ選曲や組み立てをいつもやってたら

自分自身が楽しくないと思います。

僕自身、DJをやってて何が楽しいかというと

前のパターンとは違う曲や流れで繋いで

それがハマった時

あ、こんな組み合わせもあるんだと

新鮮な驚きや感動があったりする瞬間なのです。


さて、今回はそんな新たなパターンに出会えるでしょうか?

2 Banks Of 4とIG Culture

遅まきながら

明けましておめでとうございます。

今日から仕事始めという人が多かったのではと思いますが

DMRは既に1月3日から営業してますし

いろいろと原稿にも取り掛かってます。

元旦と2日は実家でのんびり過ごしたものの

あっという間の休日という感じでした。


年末から年始にかけて

Jose Jamesと2 Banks Of Fourのインタヴューをやりました。

これは自分では言うのも何ですが

とても興味深い内容で

今までいろいろとやったインタヴューの中でも本当に面白く

アーティストの内面に迫ることができたんじゃないかなと思います。

1月末発売のremixに掲載されますので

是非、読んでみてください。


2 Banks Of 4に関しては

新作『Junkyard Gods』のライナーも書きましたが

これが何とも凄い内容です。

前作『Three Street Worlds』は21世紀のスピリチュアル・ジャズの傑作

という高い評価を得ました。

ただ、彼らは単純にスピリチュアル・ジャズ

というレッテルを貼ってしまうべきアーティストではありません。

それはこの『Junkyard Gods』を聴けば明らかだと思います。


Rob Gallagherは

今回の自分たちの音楽は

『ニュー・ゴスペル・コズミック・ジャズ』と言ってますが

まあ彼一流のジョークでしょう。

でもそんなSun Raまがいの言葉がピッタリくるアルバムです。

実際に宇宙からの使者Sun Raと

黒魔術時代のWayne Shorterのナンバーをカヴァーしてます。


宇宙的で

哲学的で

文学的で

形而上的で

時間の観念を超越しています。


言っておきますが

物凄くディープで

ダークで

クレイジーです。

そして、その暗さと狂気がとても美しい。

半端なリスナーじゃついていけない内容です。

でも逆にこれを聴ける人こそが

本当の意味でのスピリチュアルな音楽を理解できる

そんな資格を持っているのではないかと思います。


P-Vineから2月2日にリリースされますが

歌詞の対訳もついてきます。

2 Banks Of 4に関して

どうしてもサウンドに目がいき

それほど歌詞は注目されてきませんでしたが

僕はRobの書く歌詞の世界もとても重要な要素だと思います。

是非、歌詞も読んでください。


と、実は今この文章は

Freedom Schoolから出る

IG Cultureの新しいアルバムを聴きながら書いていたのですが

これがまた凄い。

ここのところのIGからして

J Dilla的なヒップホップかなと思ってたのですが

僕の予想をはるかに超越してます。

クロスオーヴァーだとか

ブロークンビーツだとか

そうした言葉がちょっと軽々しくて

彼のアルバムには使えません。


これらのアルバムは

そうした我々のマーケット的なネーミングを

軽く凌駕してしまう

そうしたオリジナリティを持つものです。

そもそも彼らは

制作するにおいてマーケティングなどはしていないでしょう。

レコード会社から予算をもらい

レコード会社の意向に沿って売れるものを作る

そうした人たちとは対極に位置する人たちなのです。


そもそもアーティストは

マーケッターではなかったはずです。

それが、いつの間にかマーケッターになっている今。

売れるか売れないか

そんなことを考える必要は無いのじゃないでしょうか?

そんなことえを考える暇があったら

努力して、自分を追い込んで

オリジナリティをあるものを作ればいいと思います。

アーティストが作ったものに対して

レコード会社の人だったり

事務所の人だったり

レコード/CDショップの人だったり

他の人が考えて売れるように努力すればいい話です。


2 Banks Of 4とIG Cultureの話から脱線気味ですが

この2組はそうしたアーティスト本来のあるべき姿を

改めて僕に教えてくれました。

よいお年を

2007年も残すところあと僅か。

今日は色々と大掃除などをやったりしてたのですが

これから恵比寿ガーデンホールの年越しイベントに行ってきます。

そして元旦は久々に実家に帰ってのんびり過ごす予定です。


今年は随分忙しかったなと

振り返ってみて改めて思います。

おかげさまで3冊目の本も出せたし

ライナーも自分で何本書いたのか

把握できないくらいやりました。


新しい出会いもあり

旧交を温めたり

そうした人たちの支えがあって

今、無事に31日を迎えることができるのだなと実感しています。

この場を借りて

お世話になった皆さんに

お礼を申し上げます。


年の瀬には身の回りでも

いろいろと暗いニュースも飛び込んできて

2008年は一体どうなるのやらと

これからどんどん激動の時代に入る予感がしています。


でも、これは自分にとっても

また世の中にとっても

新しいチャンスが生まれる時だとも思います。

そんな2008年の門出を

恵比寿で迎えたいと思います。

Alex from Jazzanova

たった今

The Roomから帰ってきました。

今日はJazzanovaのAlexが

DJだったのです。


DJの前にAlex

そして沖野さん兄弟とディナー。

Alexは2年ぶりの日本で

昨日は大阪でDJ。

あまり寝てないみたいで

やや疲れてたのでしょう。

でも、そうしたそぶりは見せず

逆に僕に色々と気を使ってくれたり

ジョークで場を和ませたり。


音楽ビジネスの今後とか

新しい本の企画にこんなアイデアはどうかとか

色々なことを話しました。

もちろん

最近ゲットしたお気に入りのレコードの話も。

Paul MacCartneyのUKオンリーの12"のこととか

マイアミで入手したレゲエ・ブギー(?)なる

ニュー・ディスカヴァリーとか。


そしてDJの一発目には

Jazzanovaの新曲を。

あの「Fedime's Flight」のニュー・ヴァージョンで

何とAzymuthと一緒にやってるそう。

その時のセッションの写真も見せてくれました。


その他にも

Jazzanovaの新曲の数々をプレイしてくれたのですが

来年には遂にニュー・アルバムが発表される模様です。

まだちらっと聴いた段階なので

明確なコメントは避けますが

かなり意外な展開になりそうな予感。

それはいい意味での我々の期待と予想を

覆すということで

そうしたサプライズを与えてくれるのが

Jazzanovaだと思うのです。


DJはあいかわらず素晴らしいAlex。

ヨーロッパではこれ一色という感じのテック・ハウスから

ニューウェイヴ調のガラージ・サウンド

ブラジリアンにブギー・ソウルと

あらゆる音源を縦横無尽に繋ぐテクは

いつもながら寸分の乱れを見せません。

そして、今夜はテックなものをかけていても

どこかソウルフルなテイストを感じさせるプレイでした。


今、ヨーロッパでは

テックなサウンド以外は

受け付けてもらえない状況のようで

生音ジャズをかけて盛り上がるのは

日本ぐらいのことだそうです。

でも、Alex始めJazzanovaの面々は

もちろんジャが大好き。


ここ数年のAlexのプレイは

よりテックな方向に向かっていると言われており

それは確かに一部にあるのでしょうが

でも、基本はジャズにあると思います。

だから日本で

特にTHE ROOMでプレイする時は

ひょっとして彼にとっては

逆にホームでプレイしているような感覚なのかも。


Alexは2時頃からDJをスタートし

この朝に帰国の飛行機に乗るということで

6時頃に帰るまで

ずっとプレイをしていました。

最後にお別れの挨拶をして

THE ROOMを去っていったのですが

またこれで暫く会えないなと

家路についてから

何だか寂しさが募ってきました。


同じJazzanovaのJurgenもそうなのですが

Alexには何だか決して異国の人とは思えない親近感というか

デリケートさというか

暖かさを感じます。

彼と出会ってもう10年は経ちますが

そうした感覚は

出会った当初から感じていましたし

こうして世界的なビッグ・アーティストとなった今でも

変わっていません。

これからも大切にしていきたい人です。

クリスマス前の3連休

明日からクリスマス前の3連休ということで

世の中はすっかりお休みモードかと思いますが

僕の場合はなかなかそうはいきません。

DMRは普通に営業してますし

またそれ以外でも年末年始は

何かと原稿の依頼が入ってきたりします。


今夜は代官山AIRで行われる

『Blue Note Street』リリース・パーティーの取材に行きます。

このアルバムは日本のEMI企画で発表された

Blue Noteのカヴァー・アルバムで

Jazztronik

DJ KAORI

Sunaga t experience

Kyoto Jazz Massive

Toshio Matsuura Group

HOME GROWN

中塚武

DJ KAWASAKI

MURO

SOIL & "PIMP" SESSONS

Robert Glasper

が参加しています。


今夜はそこからHOME GROWNとRobert Glasperを除く

クリエイターたちがDJとして総出演

という豪華なパーティーです。

僕はパーティー・レポートを書くということで

行ってきます。


その前にこれから

quasimodeのライヴ・アルバムのライナーを書きます。

これは11/6に恵比寿LIQUID ROOMで行われた

『The Land Of Freedom』リリース公演の模様を収めたもので

ゲストでCarmen Lundy

中村雅人(Sleep Walker)も参加しています。


その他だと

来春リリースされる

2 Banks Of 4のニュー・アルバム

『Junkyard Gods』のライナーや

その2BO4のインタヴュー

Jose Jamesのインタヴューなどなど

年末年始にかけての締め切りの原稿があり

まだまだ忙しい日が続きそうです。


それから12/31ですが

今年は恵比寿ザ・ガーデンホール/ルームで行われる

ニュー・イヤーズ・パーティーに参加することが決まりました。

僕は1Fのザ・ガーデンルームでのラウンジを担当します。

http://yebisusound.com/08/


カウントダウン・パーティーは色々ありますが

クラブ・ジャズ/クロスオーヴァー系では

このパーティーが最大級となります。

年末年始は恵比寿でお祝いしましょう!

idea 6

先週はidea 6週間でした。

idea 6とはイタリアのジャズ・バンドで

Gianni Basso (テナー・サックス)

Dino Piana (トロンボーン)という

イタリア・ジャズ界の長老2枚看板を擁する

超重量級セクステットです。


彼らはかの伝説のジャズ・コンボ

Basso=Valdambrini楽団が結成された50年代から活動をしており

今ではGianniが76歳

Dinoが77歳と

普通だったらとっくに引退しててもおかしくないお年なのです。


昨年も来日の話はあったのですが

Gianniの健康状態が優れなかったことで

ドタンバでキャンセルとなってしまいました。

ということで1年越しの夢が実現した来日公演だったのです。


今回は12/5にイタリア文化会館

12/7にクラブ・イクスピアリ

12/8にJZ Bratで公演が行われ

僕は12/5と12/7のステージを見に行きました。


idea 6に加え

最新アルバム『Steppin' Out』で歌っていた

女性シンガーのFrancesca Sortino

さらにプロデューサーのPaolo Scottiと

リミックスで色々と縁が深いGerardo FrisinaがDJで参加と

イタリア・ジャズ界の重要人物が勢揃いという豪華ツアー。


演奏は『Steppin' Out』からのナンバーを中心に

前作『Metropoli』からも「Minor Mood」

「New Born」といった代表作を演奏。

時間的には12/5の方が長く

ソロ・パートも長めでしたが

演奏自体は12/7の方が慣れてきたのか

よりまとまっていた感じがありました。


3管フロントが前面に立って飛ばすその爽快感

Dinoのトロンボーンの淀みない円やかさ

Gianniの老獪にして重量感溢れるテナーと

やはり生で観るのはレコードとは違った迫力があります。


他のメンバーは比較的若手だったのですが

それぞれきちんとソロもあり

メンバーそれぞれの見せ場もしっかり用意されてます。

GianniもDinoも

そんな若手をしっかり育成し

そうして若者と交わることにより

自分たちも絶えずフレッシュな環境に見を置く。

だから76、77歳になってもこうした素晴らしい演奏が出来るのでしょう。


またFrancescaも

「It Ain't Necessarily So」では

妖艶なブルース・ヴォーカルを披露し

公演の中でのハイライトでもありました。

公演の合間に色々とインタヴューもやったのですが

彼女は今後ソロ作も用意されているので

こちらも今から楽しみ。


さて今週も色々と

海外のミュージシャンの来日ラッシュです。

12/14、15にブルーノートでMario Biondi & The High Five Quintet

12/14にクラブ・イクスピアリでZeepがあります。

それぞれライナーを書いたりと思い入れもあるアーティストなので

是非足を運びたいなと思ってます。

年間ベスト

そろそろ11月も終わりに差し掛かり

12月も間近に迫りましたが

この季節は音楽誌にとっては

年間ベストの時期でもあります。

USENでも12月は2007年のベスト

というテーマで選曲してます。


既に幾つかの雑誌で選出したり

打ち合わせをしたりしているのですが

今年は選ぶのにとても苦労しそうです。

と言うのも本年は特にアルバムが豊作で

あれもこれもと選びたいのが目白押しだからなのです。


ところが選出枠は決まってるので

どれかは外さないといけない。

それが知り合いのアーティストの作品だったりすると

その顔が浮かんできたりして

非常にやり辛いところであります。


でも、そこは私情は抜きに

音楽シーン全体を見る者として

またはリスナー代表として

厳正に選んでいきたいと思います。


ただ、選考から漏れたとしても

それは作品の出来が悪かったという理由だけではありません。

泣く泣く次点になってしまったとか

雑誌や媒体のカラーと違ったとか

2007年という年に選ぶ必然性がなかったとか

その他の要素が絡んでくるケースもあるのです。


別の年

別の媒体

別のテーマであれば

ランク・インしてくる作品もあるわけです。

あと数年も経てば

2007年の価値判断とは別の見方も出て来て

後々評価される作品もある

音楽とは得てしてそうしたものです。


まあ、1年のけじめと言うか

振り返りみたいなものなので

こうしたベスト企画は音楽誌からは外せないでしょう。

とは言いつつも

あくまで個人的なベストはまた別に存在するので

それはそれで機会があれば紹介したいなとも思います。


そう言えば

Gilles Petersonの『Worldwide Award』もそろそろかと思うのですが

今年はどんなところがノミネートされるのでしょう?


あと、今週末のDJの告知を。

12/1(土)に渋谷のWOMBでDJをします。

DJ Akiさん主催の『06S』で

これは東京を代表するドラムンベース・パーティーです。

とは言っても、僕は1FのCOMFORTABLE LOUNGEで

テック・ハウス系のセットで回す予定ですが。


先週のTCJF2007は完全生音モダン・ジャズ

今週はディープ&クールなテック・ハウスと

最近はDJも色々と使い分けてやってます(笑)。

TCJF2007無事終了

昨夜、TCJF2007が無事終了しました。

僕はquasimodeがライヴをやってる頃に

ageHaに到着したのですが

既にお客さんは満杯状態。

楽屋も出演者が勢ぞろいして

皆思い思いに話に花を咲かせたり

出演前の最終チェックをしたりと

否が応でも盛り上がっていきます。


そしてChristian Prommer率いるDrumlessonのライヴ。

ピアノ・トリオ+パーカッション

そしてChristianはラップトップによるエレクトロニクスと

パーカッション&MCで参加。

CDで聴くよりラテン度がアップしたアレンジで

特にドラム教室とネーミングがあるくらい

ドラムとパーカッションによるダイナミックなリズム・セクションは圧倒的。

そして通常のアコースティックなジャズ・バンドのライヴとは違い

ChristianがPCでSE処理したり

打ち込みのビートに徐々に生ドラムが入っていったり

「Beau Mot Plage」では

オリジナルのIsoleeのコーラス・パートをシンクロさせたりと

ジャズ・ライヴの新たな可能性を見せるものでもありました。


こうしたジャズのライヴではありえないくらい

お客さんも熱狂して踊る、踊る、踊る。

そして「Strings Of Life」でフロアは爆発し

アンコールではアルバムにも入ってなかった

「Hi-Tech Jazz」カヴァーもと

充分に堪能させてもらいました。


その後はDJ KAWASAKI + Gordon Chambers。

こちらもいきなり1曲目からヒートアップでフロアをロック。

そして他のエリアも見に行ったのですが

テントではKarizmaからRainer Trubyにバトンタッチするところ。

テック・ハウスというこのテントでしたが

いざ蓋をあけてみると思いのほかソウルフルな感じで

KarizmaにしてもRainerにしても

根本にはソウルがあるんだなと再確認。

Rainerの1曲目は

12/5発売のReel Peopleのニュー・アルバム

『Seven Ways To Wonder』に収録された

「Alibi」のRasmus Faber Remix。

これはヤバいです。


そして再びアリーナに戻り

Shuya Okino's United Legends Live Set。

まずClara Hillが登場し

Sleep Walkerをバックに「If It Is Love」。

Sleep Walkerもライヴ用にパワフルで躍動感のある演奏となってました。

CDでは可憐なイメージのClaraの歌ですが

ライヴでは全身を使ってエネルギッシュに歌い

まるでロック・シンガーのライヴを観ているかのよう。

実はこの夜の最後

出演者全員によるスペシャル・ジャム・セッションがあったのですが

そこでClaraはドラムも叩いてました。

恐るべし。


そしてDivinitiが「Shine」で登場。

Claraと違って堂々たる歌いぶり。

でもとてもきれいな歌声。

フロアのヴォルテージもますますヒートアップしていきます。

次はFertile GroundのNavasha Daya。

「Thank You」を歌うのですが

まさにアフリカの女王とでもいうべき出で立ちで

その存在自体で既にフロアを圧倒。

伸びのある声でスキャットを繰り出し

彼女は以前Fertile Groundで来日した時に観ているのですが

やはりその人間離れした驚異のパフォーマンスは鳥肌が立ちます。


そしてSleep Walkerからバトン・タッチして

Root Soulが演奏を引き継ぎ

再びClara Hill

Diviniti

Navashaが登場。

同じ曲を別のアレンジで再度聴かせるという試みだったわけですが

Root Soulはラテン色の濃い

よりクロスオーヴァー度アップの演奏。

しかもPirahnaheadがギター演奏という贅沢きわまりない編成。

2バンドと3シンガーによる共演は

まさにLegendsに相応しい一夜限りのスペシャル・セットでした。


さて、僕はと言うと

United Legends Live Set終了後

Island Bar LoungeでDJ。

予告通りに全てアナログ盤でモダン・ジャズ・セット。

プレイ・リストは以下の通りです。


1. Gustav Brom / Nostalgy (Supraphon) 1968

2. Karin Krog / Karin's Kicks (Philips) 1964

3. Piero Umiliani / Notte In Algeria (Cam) 1963

4. Agrupacion Nuevo Jazz / Menorama (?) 1960

5. The Harry South Big Band / Newtyme Waltz (Philips) 1968

6. The Jazz Five / Still Life (Riverside) 1960

7. Dick Grove Orchestra / Little Bird (Pacific Jazz) 1963

8. Chris Woods / Modus Operandi (Delmark) 1978

9. Dieter Reith Trio / A Happy Afternoon (Saba) 1966

10. Bossa Tres / Imprevisto (Forma) 1965

11. Mike Westbrook Concert Band / Waltz (Deram) 1968

12. The Interpreters / Time Is Of The Essence (Cadet) 1965

13. Andy And The Bey Sisters / A Taste Of Honey (Prestige) 1964


僕自身も今年『Hard Bop & Mode』とか

『Essential Blue』を出したのですが

そうしたハード・バップやモードを

クラブ・ジャズを通して振り返る

そんな選曲であり一夜であったと思います。