足関節捻挫のリハビリに有効なストレッチで、
前脛骨筋ストレッチがあります。
ストレッチを紹介しようと書き始めましたが、
調べていくと前脛骨筋の重要性が分かってきました。
そこで今回は、解剖学の話だけを書いてみたいと思います。
前脛骨筋は、脛骨から第1中足骨(足の親指)に
向かって走行する筋肉です。
位置としては、「弁慶の泣き所」(スネの真ん中)から
少し外にある大きな筋肉です。
内果(内くるぶし)を挟んで前側を走行するのが前脛骨筋、
後側を走行するのが後脛骨筋です。
足のコンパートメント(区画)でいうと、
前方コンパートメントに相当します。
日常生活を送る上で、前脛骨筋の役割はとても重要です。
特に歩行の局面では、
①踵接地時の遠心性収縮
②遊脚相における足首背屈
③足底の内側縦アーチの維持
に大きく関与しています。
〜①の役割〜
踵骨に体重が加わると、
他動的に足関節は底屈運動を強制されます。
その局面で、
ファストラップ(前足部で地面を叩くような歩行)を
起こさないように作用するのが、
前脛骨筋をはじめとした足関節背屈筋群です。
具体的には、
足関節の底屈を減速させようと背屈する役割を果たします。
〜②の役割〜
遊脚相で求められるのは、スムーズな足の動きです。
前脛骨筋が作用することで、遊脚相で足趾が地面から
解放され、スムーズなスイングができます。
〜③の役割〜
前脛骨筋と後脛骨筋の作用によって舟状骨が
上に引き上げられ、体重を支えようとアーチを形成します。
この機能がうまく働かないと、
様々な足のトラブルに繋がります。
スポーツ時にも前脛骨筋は活躍しています。
イメージとして、足首の底背屈をするスポーツでは
前脛骨筋が役立っています。
スキーやアイススケートなどの前傾姿勢を
取るスポーツでは、重心を安定させようと
前脛骨筋に力を入れて低い姿勢を保ちます。
他にも、サッカーやラグビーなどで
ボールを蹴るときにも前脛骨筋は活躍します。
主な作用は、足関節の背屈です。
特に足関節の中でも距腿関節の動きに関与しています。
同じ作用:長・短腓骨筋
また、内反運動にも大きく関与しており、
後脛骨筋と協力して行っています。
(メインは後脛骨筋で、補助をするのが前脛骨筋です)
〜前脛骨筋が原因のトラブル〜
・足首の動きが悪くなる
足首の動きに大きく関与する前脛骨筋。
前脛骨筋が硬くなることで底背屈制限がかかり、
日常生活ではつまづきやすくなり、
スポーツでは足関節捻挫を起こしやすくなります。
些細なことですが、
ここから大きなケガに繋がることも少なくはありません。
関連記事:足関節捻挫の定義・原因
・トゥーアウトの原因になる
前脛骨筋が硬くなることで、
足首が外に向きやすくなります。
いわゆる、トゥーアウトと呼ばれる状態です。
トゥーアウトが原因で、
シンスプリントや外側半月板損傷、足底筋膜炎などを
誘発するケースも非常に多いです。
また、ニーインを誘発しX脚となり
(ニーイン・トゥーアウト)、
姿勢にも大きな影響を及ぼします。
・冷え症やむくみの原因になる
腓腹筋の血液循環作用にも影響を及ぼします。
足首の底背屈運動が障害されることで、
足先の血液循環が悪くなることが考えられます。
それ以外にも、
足のつりやだるさを訴えるケースもあります。
※前脛骨筋だけが原因ではないため、
詳しい検査が必要です。
ここまで書いてみましたが、
書き足りないくらいの情報量でした。
また少しずつページを増やしたいと思います。
次回は、皆さんお待ちかねのストレッチのブログです(^_^)
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