前回の後脛骨筋ストレッチに続き、
今回は長趾屈筋・長母趾屈筋のストレッチでです。
あまり知られていない筋肉ですが、
シンスプリントなどに大きく絡んでいる筋肉です。
2つの筋肉は似ているため、
細かな違いなどに触れながら話を進めていきます。
長趾屈筋は脛骨の後面から始まり、
第2〜5趾の末節骨に付着します。
長趾屈筋は幅が広いため、
内在筋である虫様筋や足底方形筋が付着し、
足底の様々な方向に運動しています。
一方、長母趾屈筋は腓骨の後面から始まり、
母趾の末節骨に付着します。
起始部が脛骨と腓骨で異なりますが、
踵付近で腱がクロスして反対方向に走行しています。
両方の筋肉は走行が似ているため、
役割も似ているものが多いです。
・ヒラメ筋の下にあるため、深層筋の一つに分類されます。
・コンパートメント(区画)では、
深後方コンパートメントに相当します。
・足底まで走行するため、
内側縦アーチの維持に役立っています。
長趾屈筋は横に広いため、
横アーチの維持にも役立っています。
両方の筋肉は、
日常生活からスポーツまで幅広く活躍しています。
日常で活躍するのは、
立ち姿勢でのバランス維持やつま先立ちです。
具体的には、足が前に倒れるのを制御しています。
スポーツでは、
ランニングやジャンプ動作での蹴り出しで活躍します。
足趾から踵までのアーチでバネのように足を動かし、
歩行・走行の推進力を生み出したり、
衝撃吸収をする役割を担っています。
下腿後面の筋肉は、
歩くときに足が前に倒れるのを制御しています。
制御した足で地面を蹴り出すときに、
瞬時に力を発揮しています。
長趾屈筋は、倒れ込み制御時に伸ばされる力を溜めて、
踵が離れる時に推進力を発揮します。
他にも、サーフィン・スノーボードなどのボード競技でも
作用し、ボード上で姿勢維持するために活躍します。
主な作用は、足趾の屈曲です。
長趾屈筋は第2〜5趾、
長母趾屈筋は母趾の屈曲に作用します。
それ以外にも、足関節の底屈と内反に作用しています。
反対の作用:腓骨筋
〜長趾屈筋・長母趾屈筋が原因のトラブル〜
・内側縦アーチの低下
筋力低下などが原因で、
主に内側縦アーチに影響が出てきます。
アーチのバランスが崩れることで、
スピードの低下やジャンプ力の低下が起こります。
・スポーツ障害
長趾屈筋・長母趾屈筋は、
シンスプリントやアキレス腱炎などの発症に
関係しています。
上記の様に、アーチのバランスが崩れることで、
正しい足の動きが阻害されます。
それ以外にも、
衝撃吸収機能がしっかり働かなくなるため、
足以外のケガに繋がる可能性も十分に考えられます。
※長趾屈筋・長母趾屈筋だけが原因では無いため、
詳しい検査が必要です。
いざ、ストレッチ!!
長趾屈筋ストレッチ
①.膝を立てて踵を床に着ける
〜Point〜
踵が離れるとストレッチ効果が薄くなるため注意する
②.第2趾(人差し指)から第5趾(小指)を両手で持つ
③.体を後方に倒すように足首と足趾を背屈する
〜Point〜
踵を軸にして大きく背屈する
★一連の動き
長母趾屈筋ストレッチ
①.膝を立てて床に座る
②.足と反対の手で踵を掴み足首を外反させる
〜Point〜
外反させることでよりストレッチしやすくなる
③.もう片方の手を母趾球付近に添えて
母趾から足首を背屈する
〜Point〜
反動を使わないように注意する
外反母趾のある人は注意してストレッチする
★一連の動き
★ストレッチはどれくらい伸ばすのか?
筋肉の伸ばし方を知っていても、
「どの程度伸ばして良いのか?」が
分かっていないと勿体ないです。
ストレッチ全体に共通する事なので、
ポイントを載せておきます。
・ウォーミングアップの場合
→軽く反動をつけて20回×3セット
・クールダウンの場合→息を吐きながら20秒×3セット
・痛みが出るまで伸ばしきらない
急性期の肉離れなどではストレッチをしない
お気づきの方もいると思いますが、
長趾屈筋・長母趾屈筋ストレッチは
後脛骨筋のストレッチと似ています。
言い換えると、下腿の深層筋は位置が近いという訳です。
それぞれのストレッチを別個で取り入れることは
大切ですが、コツを掴むには少し時間が必要です。
何事も地道に取り組み、違いが分かる頃には、
コンディションが整っているのではないでしょうか?
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