父の兄弟は4人でA(姉)、B(父)、C(妹)、D(弟)。
このブログによく出てくる叔母は父の妹のC。
叔母がグループホーム入所後1年ほどで、徐々に私のことも 懇意にしていた教会の人のことも分からなくなる事が増えていくのを目の当たりにして、C叔母とD叔父とを会わせておいたほうが良いと思い立った。
A姉夫婦は亡くなっており、父を連れて行くと面倒くさくなるので父は無し。
叔父も認知症なので早いほうが良い。
みんなの都合をつけ、叔母のグループホームで 叔母、D叔父夫婦、A2さん、私の姉、私の6人が顔を合わせた。
D叔父の奥さんの頭はしっかりしているので、部屋を見て感想を言ったり、施設のことを聞いたりしていたが、叔父はポカ~ンと立ったまま。
C叔母もすました顔でただ座っているだけ。
さすがに姉弟なのだから、会えば何かは思い出すだろうと思っていた私達は妙な雰囲気に戸惑う
場を和ませようと、叔母と叔父それぞれに
「じゃ、ご紹介しますね。こちら弟のD雄さん、こちらお姉さんのC子さんで~す」と冗談ぽく声を掛けると
叔母はかしこまって「今日は ようこそ おいで下さいました」と言い
叔父も硬い表情で「あ、どうも」とだけ答える。
本当に全く分からないらしい
半年ほど前まではお互いの事を心配してたのに...
昔から仲良しで、家も近くなので一緒に御飯を食べたりお喋りしたりしていた姉と弟だった。どちらも歳を取っただけで顔色もよく、見た目は元気そうなだけに、認知症という病気の悲しさを思い知らされる。
その後二人は「いい部屋ですね」「そうなんですよ」などと、お茶を飲みながら他人行儀な世間話を上手にこなし、不思議な空気感のまま面会は終わった。
この翌年、叔父もこのグループホームに入所。
叔父は1階、叔母は2階なので、施設の人が時々どちらかの部屋に連れて行って会わせてくれていたけど、結局お互いに思い出すことは無かった。
もっとも、一方が忘れて 一方が覚えていたらショックが大きかっただろうし、両方とも完全に忘れちゃっているので考えようによっては良かったのかも知れない。