ゆかっち、久々の発熱です。


 月曜の夕方、何となく疲れている顔なので、遊びに行かないようにと言う私の声を無視して、お友達のおうちに遊びに行ったゆかっち。

 晩ごはんの時には、完全に疲れた顔になり、「眠たい。」と言う。

 お風呂は止めて、午後7時には布団に入って寝ました。


 その後、トムさん、のんすけとテレビを見ていたら、午後11時頃トイレに起きてきて、そのまましばらく一緒にテレビを見ていました。うとうとし出したので、12時頃に再び布団に入ったのですが、体を触るとなんだか熱い。いや~な感じが頭をよぎる。

 熱を測ると、案の定38.4℃。

 日曜日にのんすけと3人でちょっと遠くの大きなショッピングセンターに買い物に出かけたので、そこで何かもらってきたのかも。主治医A先生が、一部地域でインフルエンザが流行っているとおっしゃっていたので、ものすごく嫌な感じ。行かなければよかったと後悔しました。もし、インフルエンザなら、今日遊んだお友達にもうつってるかも。ごめんなさい。


 その30分後には38.7℃に上がったので、眠りも浅いので、ゆかっちを起こして、解熱剤と念のためのタミフルを飲ませました。


 タミフルは、もし高熱が出たらインフルエンザかもしれないので、先にタミフルを飲み、その後受診してインフルエンザかどうか確認するということで、冬に処方されていたのです。免疫抑制剤を飲んでいるときは、ウィルス感染すると、症状が進みやすいので、用心しなければなりません。


 解熱剤を飲んだ後、39.0℃まで上がりましたが、その後は徐々に下がりだしたので、私も安心して寝ることが出来ました。


 翌日は、もう37.0℃台でした。

 全身状態がいいので、たぶんインフルエンザではないと思うと言われたのですが、念のために検査をすることになりました。

 この検査は、鼻の穴から綿棒を入れて粘膜を採取するというもので、結構痛いのです。去年の退院後、発熱したときに一度やりましたが、真剣泣いていました。

 それを思い出し、かなり抵抗するゆかっち。やらないといけないことはわかっているのですが、やはり痛いのは嫌なのですね。一度診察室を出て、やると決心できるまで50分かかりました。

 今回はのどから粘膜を取ることになり、看護師さんに頭を押さえてもらい、なんとか検査終了。

 いつもながら、採血以外の検査にはかなり抵抗するので、説得が大変です。


 で、結果は、マイナスでした。

 あ~、よかった。


 のどが赤かったので、多分ウィルス感染なのでしょうが、疲れがたまっていたんだと思いますね。

 最近体力がついてきたなと思っていたのですが、やはりまだまだなのでしょう。

 ちょっと加減して動いてほしいと言っているのですが、ゆかっちは常に100%の人だし、思うように動けるようになったので、加減できないんですね。しかたないなと思うのですが、それなら、私の言うことを聞いて、休むときは休んでほしいと思います。


 そして、発熱の結果、GVHDである皮膚の状態 が悪くなりました。赤み、かゆみがでて、毛穴もかたくなっています。しかたないですね。またしばらく辛抱が続きます。


 昨日は、休養のためもう一日休みましたが、今日は元気に学校に行きました。

 めでたしめでたし。

 



2003年11月6日(木)⑩


 私は子どもの時、風邪をよくひいたので、毎回の筋肉注射は当たり前、点滴を受けることもたびたびありました。

 昔は、点滴をしてる間はじっと腕も体も動かせず、とてもしんどかったけれど、今頃は点滴用の針があり、入れる場所もよく採血するひじの内側ではなく、関節を避け、手首とひじの間の血管に入れ、はずれないようにテープでしっかり留めるので、動き回っても大丈夫なのです。他に適当な血管がなく、手首の血管に入れるときは、シーネ(副木)をあてて手首が曲がらないようにします。

 針は、金属のものを入れたままにするのではなく、血管に入ったら金属の針は抜き、ビニールみたいなやわらかな管が残る点滴用のものがあるのです。


 ちなみに、この点滴用の針を入れる事を「ルートを入れる」と言います。


 通常、ルートは一度入れたら2週間くらいそのままです。1ヶ月入れたままだったという人の話も聞きました。採血もルートからやります。

 だからいったんルートを入れてしまえば、採血の度に痛い思いをしなくてもいいし、点滴をするときも管をつなぐだけなので、患者にとっては楽チンです。


 そして、点滴バッグと患者の間には、点滴ポンプというものがあり、点滴の流量を自由に設定でき、また管の中に気泡が入ったときや管が折れ曲がったりして流れなくなったとき、点滴が終わったときにアラームが鳴って教えてくれるという便利なものがあるのです。


 すご~い!病院も進化してるんやと実感しました。


 それから、先日書いた「病院こわい」発言の真相は…。


 ゆかっちとのんすけのお気に入りの漫画の中に、『地獄先生ぬ~べ~』というのがあります。私も結構好きです。

 霊能力を持った小学校の先生が、悪い霊や妖怪などからこども達を守るというお話です。ほのぼのしたお話もあります。

 全巻持っていて繰り返し読んでいるのですが、その中に病院に幽霊が出るというお話があるのです。

 それを思い出して、「こわい」と言ったのでした。

 なんやそれ…(-_-;)

ジャンプ編集
地獄先生ぬーべー

 

 ゆかっちの学年の役をすることになったので、その初めての役員会に、昨日行ってきました。

 隣に座った方が、「ツキを呼ぶ魔法の手帳」なるものを持っていらっしゃいました。

 「どうですか?ツキ、きてますか?」と尋ねると、

 「まだ、何もやっていないので…。」とお答えになりました。

 きっとその手帳には、ツキを呼び込むために何をすればよいのかが書いてあるのでしょう。気にはなりましたが、話している時間がなかったので、その話はこれで終わりになってしまいました。そこで、家に帰ってから、「ツキ」について、ちょっと考えてみました。どんなことがツイていて、どんなことがツイていないのか。 


 例えば、やりたくないのにPTAの役が当たってしまった、嫌だ嫌だと思ったときは、ツイてない。

 でも、役をやることで今まで知らなかった学校の様子がわかる、知らない人と知り合えて情報交換ができると思ったら、ツイてる。

 と、同じ状況でも考え方で、ツイてるかツイてないかが違ってきます。


 例2) ゆかっちが病気になったことは、ツイてるかツイてないかといわれたら、きっとツイてないんでしょう。

 確かに、病気にはならない方がいいに決まってるけど、病気なってからすてきな出会いがたくさんあったことは、ツイてると思う。

 例3) 病気になって、痛い検査がたくさんあったことは、ツイてない。

 病気になったことで、健康のありがたさを知って、自分の体と相談し、健康状態に気をつけるようになったことは、ツイてる。


 例2と例3は、最初のとちょっと違うかも知れませんが、ツイているのかいないのか、考え方でかなり変わってきますよね。

 本当に何をやってもツイてないと思うときもあるのですが、気の持ちようというのですかね。何事も前向きにといったところでしょうか。私の最も苦手とすることの一つなんですが、こんな結論になってしまいました。

 ツキを呼び込む方法もいろいろとあるのでしょうが、前向きに生きるということも大切なことではないのかなと思いました。


 さて、PTAの役は子ども1人に付き1回はやらないといけないので、そろそろやっておかないとと思って立候補したのですが、役員会で行った厳正なるあみだくじの結果、なんと委員長になってしまいました!

 私って、ツイてる?

 う~ん、これでまた知り合いも増えるし、学校の先生と話す機会も増え、学校の様子もよくわかるだろうし、きっとツイてます。

 前回の診察(4月18日)のときに書き忘れたことがあるので書きます。


 2~3日前から、おなかや背中の結構広い範囲に、ににきび状の赤いぶつぶつが出来ていました。1週間くらい前にも出たので、ステロイドを塗って、治まったのですが、また出たのです。毎日薬や排便のチェックとその日の状態をメモしているノートには、「にきび状の赤いぶつぶつ」と記入していました。


 皮膚科の診察で、「にきびみたいな赤いぶつぶつがたくさん出ているんですけど。」と患部を見せると、皮膚科医M先生はこうおっしゃいました。

 「にきびですね。毛穴がかたくなっているので、どうしても毛穴が詰まって、にきびができやすいんですよ。大丈夫。放っておくと治りますから。ステロイドは塗らないように。」


 にきび状のものは、にきびだったのですね。が~んって感じです。でも、あたってましたね。

 おまけに、ステロイド塗ってました。ごめんね、ゆかっち。


 これまで石けんで体を洗うと、肌が粉をふいたように乾燥してしまっていたので、あまり石けんを使わなかったのですが、それもよくなかったのでしょう。

 それからは泡立てネットで石けんを泡立てて、タオルなどは使わずに、手のひらでなでるように体を洗うようにしました。

 そうしたら、かなり状態がよくなりました。よしよし。


 石けんは、アレッポの石けん を使っています。

 原料はオリーブオイルです。

 顔を洗っても突っ張らないし、肌もしっとりしていて、いい感じです。ゆかっちの肌も粉をふくこともなくなりました。

 1個目は、そのまま使ったら、大きすぎて使いにくかったので、電子レンジで1分くらいチンして柔らかくしてから、3つに切って使っています。

 



 今日は通院の日でした。

 前回からもう3週間たったのですね。早~い。


 昨日のゆかっちは、6時に起きて、放課後も友達の所に遊びに行ったので、疲れているのでしょう。いつもより早く寝たのに、今朝はなかなか起きられず、病院に着いたのはなんと10時30分でした。学校行く日なら、遅刻です。

 受付をすませて、中央採血室に向かう途中で皮膚科から呼出が!皮膚科は11時の予約だったので、油断していました。採血せずに皮膚科へ直行。


 その後、小児科で採血してもらいました。


 白血球  6,200

 ヘモグロビン  13.3

 血小板  251,000


 採血が遅かったので、好中球とリンパ球は出ていませんでした。

  

 データ的には良好ですが、皮膚状態は、かゆみと赤みが出ているのでいまいちって感じです。

 ネオーラルの減量と、風邪をひいたこと、そして、疲れのせいでしょう。

 ま、ぼちぼちやっていくしかありませんね。


 病院を出る前に、ネオーラルの細いシリンジ(注射器みたいなので、ネオーラルの量をはかっています)をもらいに、薬剤部に行きました。私の行く院外薬局では、細いシリンジがもらえないのです。

 久しぶりに入院していたときにお世話になっていた薬剤師さんに会い、話が出来てよかったです。

 テルミン、聴きに行ってきましたよ~音譜

 ゆかっちと二人で行きました。

 「and more…」という男女二人組に東京からのゲストを迎えて、3人での演奏です。ちなみにこのゲストの方は、東京都公認のヘブンアーティスト(大道芸をする人)で、唯一のテルミン奏者だそうです。


 テルミンの音色は、バイオリンとオーボエを足して、オブラートに包んで、エフェクターを通したような音だと思います。う~ん、あたってるかな?言葉で表すのはとても難しいですね。紛れもない電子楽器の音なのですが、とても暖かみを感じます。


 バッハの「G線上のアリア」に始まり、ホルストの「ジュピター」まで、約45分のステージでした。


 3人ともテルミンを演奏されましたが、それぞれ微妙にポジションの取り方や腕や指の動かし方が違います。特に女性の方は、指の動きがとてもしなやかで、魔法をかけているような感じでした。


 直立したアンテナに手を近づけると高い音が出るのですが、限りなく手を近づけると小鳥のさえずりのような音がするのを初めて知しました。効果的に使われていましたね。

 聴きに行ってよかったと思います。


 ゆったりとした曲ばかりだったので、途中からゆかっちはうとうとして、しまいには、私の膝の上に頭を置いて、二つ折れになって堂々と寝てしまいました。

 一番前で聞いていたので、余計に申し訳なかったです。後で「あ~、気持ちよかった」と言っていました。すみません。

 でも、それほど心地よかったということでしょうね。

 

 




 自宅近くにあるショッピングセンターの地下には、イベント広場があり、土日や祝日には、いろいろなイベントあります。JAZZの山口武さんのライブは毎月あるし、キャラクターショーやマジック、アクロバット、学生プロレス、物産展などなど。無料というのが嬉しいですね。

 最近では、お笑いのレギュラーが来ました。のんすけは友達と見に行きましたが、そのショッピングセンター始まって以来の人出だったそうです。


 今までで行こうと意気込んで見に行ったのは、アンパンマンのショーと元NHK歌のおにいさんの速水けんたろうさんが来たとき。

 そして、このたび3回目が訪れたのです。

 私の気持ちをつかんだのは、そう、テルミンです音譜


 テルミンは1920年にロシアで発明された、世界最古の電子楽器です。発明したのは、物理学者のテルミン博士。

 機械から出ているアンテナに手を近づけて、音を出すのですが、その音色は、何とも不思議です。

 

 レッド・ツェッペリンのライブ映像で見たことがあり、最近ではわりとテレビでも見かけるようになりました。

 そのショッピングセンター内にある楽器屋さんで売られているのを1度だけ見たことがあります。

 マトリョーシカの形をしたテルミンで、「マトリョミン」というのもありますね。

 そして、ついに生演奏を聴く機会ができたとは!!これは行かねばなりません。


 それでは、これから行ってきま~す音譜

2003年11月6日(木)⑨


 病院の消灯は21時。

 消灯ギリギリに病院に帰ってきたあと、ゆかっちは赤血球をつながれ、輸血しながら寝ることになりました。


 先生や看護師さんが病室を出て行き、部屋の電気も消えました。

 ベッドのまわりのカーテンを引くと暗くなりすぎたので、枕元灯の明かりをつけました。

 同じベッドに寝てもいいと言われたので、私はゆかっちと一緒に横になりました。

 おやすみといっても、ゆかっちは、なかなか寝ません。

 「こわい。病院こわい。」としくしく泣くのです。


 私もこわいよ。これからどうなるんやろう。


 「大丈夫。おかあさんもに病院にいるから、一緒にがんばろうな。」と言うのが精一杯で、私も泣けてきました。


 体もしんどい、初めて来た病院でもっとしんどくなり、入院することになり、腕には針を刺され、点滴につながれて、まわりには白衣を着た知らない人がいっぱい。

 いきなりこんな状況になって、こわく思うのもしかたないと思いました。

 私は、かなり長い間、ゆかっちの「病院こわい」といった理由を、こう思っていたのです。

 

 しかし、本当は全然違う理由だったということを本人の口から聞いたのは、それから約1年半後、骨髄移植後しばらくたってからのことでした。本当の理由は、また後日に…。

2003年11月6日(木)⑧


 治療で輸血をするには、同意書に署名しなければなりません。サインだけでもよかったようなのですが、○で囲った印のマークがあったので、はんこを押さないといけないと思いこみ悩んでいたら、ちょうどトムさんとおばあちゃんがやってきました。

 私の入院準備が全くできていないので、おばあちゃんにいてもらって、一度家に私の着替えなどを取りに帰ることにしたので、はんこも家で押せるしよかったと思いました。

 はんこがないならないで、「ないけれど、どうしたらいいか。」と先生に聞けばよかったのですが、余裕がないときは頭も働かなくなりますね。


 私がいない間に、心臓のエコーをとりに行ったそうです。

 貧血がひどいために、心臓ががんばって酸素不足の血液を体中に送ろうと必死になって動いているので、肥大気味だけれど問題はなしと言われたそうです。


 家に帰って、同意書にはんこをした後、大急ぎで化粧を落とし、着替え、日記、筆記用具など、思いつくものをカバンに詰め込みました。

 その間、のんすけは、私がお昼に食べなかったおにぎりやプリンを食べ、「おいしかった~♪」とごきげんでした。


 消灯の21時ぎりぎりに病院着。

 病院では、同意書がないと輸血が始められないので、私の帰りを待っていたそうです。 

 

 そして初めて見ました。輸血用の赤血球。ホントに赤いです。当たり前か…。

2003年11月6日(木)⑦


 晩ごはんは午後6時から。お腹が減ったと言うので、半分くらい出された食事を食べました。


 そのあと、主治医のM先生、I先生が、病棟に来てから採血した結果 が出たと病室に来られました。

 その時の数値が、

    白血球    2,400

    ヘモグロビン 3.6

    血小板    9,000

    リンパ球   2,000

    好中球    400

 今見ても、とんでもない数値です。

 後日、ヘモグロビン5.0、血小板5,000を下回ったら輸血をすることになったのですが、ヘモグロビンは完全に下回っていますね。これでは嘔吐もするだろうという数字です。血小板も、大変危険な数値です。好中球も、ガウンギリギリですね。

 

 M先生の「ヘモグロビンの値が低く、心臓にかなりの負担がかかっているので、輸血が必要です。」との説明にびびってしまい、またまた涙が…。

 輸血なんて、したことないよ。そんなに悪かったんや。なんで、こんなことになったんやろう。なんで、なんで…。

 もう、検査用紙の数字は涙で見えませんでした。

 

 そこへK先生登場。

 「ヘモグロビン3.6だったんだって?よかったね、入院して。7だと思っていたから、まだ大丈夫かなと思ってたんだけど、3.6とはねぇ。」

 「…。」(先生、明日でもいいって言うたやんか!どうなってんの??私が言ったから入院したのに。)


 そうなのです。私が持って行った血液検査のヘモグロビン値は、7.0。この検査の採血日は11月4日、初診日が11月6日なので、2日間で7.0から3.6まで下がったということ。ここまで急激に下がるとは考えにくかったそうで、3.6だとわかっていたら、即入院だったとのこと。なんってこったい!!

   

 結局この3.6という数値が、現在までのヘモグロビンの最低値となりました。