先週コイフナ(鯉と鮒の交雑種)が釣れた、佐賀県内筑後川水系クリークのスポットから70メートルほど下流で、4日ぶりにまたコイ在来型狙いで夜明け前から竿を出した。

 

このスポットは今年の4月にコイフナが一尾釣れた所だった。

 

夜が明け、ようやくウキがはっきりと見えるようになった頃、コイ交雑型に続いて、よく引く魚が掛かった。

 

取り込む前からすでに違和感があったが、手元で見てそれが確信に変わった。

 

春に続いて、またしても二釣行連続でコイフナを釣ってしまった。

 

春に続いて、二釣行連続で釣れたコイフナ。これも今まで釣った個体とは別個体だった。背びれはやはりコイのそれに似ており、分岐軟条数は19だった。

 

同個体の俯瞰、腹側および正面。ずいぶんと側扁していて平べったかった。体高もあることから、おそらくヘラブナとコイ属の交雑種と思われる。

 

コイと同様に2本のヒゲ(矢印)があった

 

同個体の左ヒゲ。もう一本は奥に仕舞われて確認できないものと思われる。

 

動く姿はこちらから。

 

このクリークのこの辺りには、やはりかなりの割合でコイフナがいるようだ。

佐賀県内の筑後川水系の二つのクリーク水系で、自身公式二尾目のコイ在来型のハントを依然として続けているが、昨日はそのうちの、第一の水系で釣ってみた。

 

残念ながら釣れたコイ属8尾は全て交雑型だったが、合間に、自身8尾目、このクリークでは5尾目となるコイフナ(鯉と鮒の交雑種)が釣れた。

 

人生8尾目のコイフナ。2025年4月下旬にコイフナが釣れたスポットから70メートルほど上流で、同じエサと釣り方で釣れた。これまでに釣れたコイフナとは別個体だった。

 

同個体の背びれ。コイのような背びれで、分岐軟条数は20だった。

 

同個体の尾びれ。両葉とも先の方は色素を欠いていて、半透明から白っぽい色をしていた。

 

同個体の左右のヒゲ。右側は短くて鉤状だったのに対して、左側は細くて小さいがコイのヒゲのようだった。なお、コイに見られる2本目のヒゲは、吻を引っ張り出しても確認できなかったが、上の写真にそれらしきもの(矢印)が写っていた。

 

リリースまでの動画はこちらから。

 

それにしてもフナみたいな顔なのにヒゲがあるって、妙にかわいい

公式初コイ在来型を釣ったのが2024年の12月のことで、佐賀県内のクリークの一角でだった。

 

公式初コイ在来型

 

この初物の他に、同じクリーク水系では計51尾のコイ導入・交雑型を釣ったが、その中の一尾で公式初物の前に釣った個体は、在来型に近い外観的・解剖学的特徴を備えていたので、暫定初物としていた。

 

これら2尾を釣ったのは、この水系の中の同じポイントだったので、在来型と呼べる個体はこのポイントに限られているのか、それとも他のクリーク水系にもいるのかを確かめてみたくなった。

 

そこで、この水系の隣の、直接は繋がっていないクリーク水系にも果たしてコイ在来型はいるのかどうかを、同じエサ(マッシュ25cc+いもグルテン25cc+野釣りグルテンダントツ1包+水50cc)と釣り方(ヘラウキドボン)で釣査してみた。

 

その結果、2025年の7月中旬までに、水系全体をカバーしながら重複なしで100尾を釣ったが、在来型と呼べる個体は一尾も釣れなかった。

 

とは言え、中にはいい線行っている個体もいた。公式初物を釣る前だったら、在来型と判定していたかもしれない。

 

2025年3月初旬に釣った個体。体高はとても低く(体高/体長比26.6%)背びれ分岐軟条数は20だったが、側扁していて頭部も小さくなく、尾びれも大きくなく尖ってもいなかったので、交雑型と判定した。全長は約55センチ。


2025年4月初旬に釣った個体、全長約65.5センチ。背びれ分岐軟条数20、体高/体長比29.8%。頭部がとても小さく、背側の稜線が非常に低くほぼ平らで、ボディは側扁していなかったが、背びれ分岐軟条数が期待値20.65よりも少ないこと、尾びれが尖っていないこと、側線有孔鱗数がアムールゴイ(ニシキゴイ)並みに少ないことから、在来型かどうかの判定は保留とした。

 

2025年5月初旬に釣った個体、全長約42センチ。背びれ分岐軟条数20。頭部が小じんまりしていて尾柄部も細長かったが、背側の稜線の盛り上がりがあることなどから交雑型と判定した。

 

2025年5月下旬に釣った個体。全長約34.5センチ。背びれ分岐軟条数は21で期待値を越え、頭が小さくて眼が大きく、体高はあるもののボディは流線型で、尾びれは尖っていたが、側扁していて尾びれも大きくはなかったので交雑型と判定した。

 

2025年7月初旬に釣った個体。全長約44センチ。背びれ分岐軟条数は21で期待値を越え、頭が小ぢんまりとしていて眼が大きく、体高は低く、尾びれは大きめで尖っていたが、側扁気味なので在来型かどうかの判定は保留とした。

 

2025年7月初旬に釣った個体。全長約47センチ。頭が小さく、体高は低く、側扁はしておらず、尾びれは大きくて尖っていたが、背びれ分岐軟条数が19と期待値よりも少なく、眼も若干小さめでやや上方に位置しているので交雑型と判定した。

 

2025年7月中旬に釣った個体。全長約49センチ。背びれ分岐軟条数が21と期待値を越え、体高は低く流線型なボディで尾びれは尖っていたが、頭がそれほど小さくはなく、尾びれがさほど大きくはなく、側扁気味なので交雑型と判定した。

 

[参考]

明らかな交雑個体の側扁例。第一のクリーク水系で釣った全長約30センチの交雑型個体で、背びれ分岐軟条数は18。頭部は小さいものの体高があり、明らかに側扁している。

 

結論として、この二本目のクリーク水系でも在来型に近い個体は釣れたことから、在来型の存在は一本目のクリーク水系に限られたものではなく、二本目でもいつかは釣れる可能性があるだろう。

 

もし在来型が一本目の水系の一定区間に限られていたなら、近くにある某止水に所有者が琵琶湖産の在来型を放流し、それらがクリークに逃げた、というストーリーを考えていたが、その可能性はほぼ消えた。

 

筑後川で釣られたコイの写真をネット上で検索していると、在来型の可能性の高い個体がヒットしてくることもある(例1例2)。純系とまでは言わないものの、交雑度が有意に低い筑後川系統の在来系のコイがまだ一定数いて、おそらく筑後川とクリークの間を行き来していると思われるので、第一のクリーク水系も含めて、公式二尾目の在来型のハントを続けるつもりだ。

 

今回の100尾の中には色々なタイプの個体がいたが、そのうちの3尾は、側線有孔鱗数が32以下だった。初アムールゴイとして錦鯉を関西某所で釣った際には、いつかは側線有孔鱗数が31以下の野生型のアムールゴイを釣ってみたいと思ったものだが、それが佐賀のクリークで実現するとは全く予想していなかった。側線鱗数だけでアムールゴイだとはとても言えないものの、ひょっとしたら放流された錦鯉を起源とする個体群なのかもしれない。

 

上:2025年4月下旬に釣った、側線有孔鱗数が30か31のコイ属。全長約48センチ、背びれ分岐軟条数17。

下:2025年7月初旬に釣った、側線有孔鱗数が31のコイ属。全長約58センチ、背びれ分岐軟条数19。

似たような体型や顔をしているのがとても興味深い。

 

また、100尾を揃える間には外道もたくさん釣れた。フナ類がほとんどだったが、ある日の外道はなんと70センチクラスのカムルチーと40センチ弱のナマズで、どちらもちゃんとグルテンマッシュエサを喰っていた。ダントツの効果だろうか?

 

外道として釣れたカムルチーナマズ。いずれもこの釣査では初めてとなる外道だったが、それらが同じ日に釣れて驚いた。この日は他にミシシッピアカミミガメとクサガメも釣れた。カメ類といえば、スッポンも時々釣れたが、裏返してもじっとせずハリをなかなか外させてくれず閉口した。他にはヘラブナタモロコニゴイ、テナガエビが外道として釣れた。