昨日は最高気温が20度を超える小春日和だったが、また佐賀のいつものクリークに出掛けてみた。

 

七ヶ月ぶりの前回の釣行を含めて、このクリークでは合計46尾のコイを釣っていたが、そのうち野生在来型と言える個体は昨年の3月下旬に釣った一尾のみだった。

 

引き続き二尾目の野生在来型を求めるため、一年八ヶ月ぶりにこの個体が釣れたスポットを再訪してみた。

 

仕掛けとエサは前回と同じで、やはり最初の1尾目が上がるまでは1時間以上寄せ続けないといけなかったが、魚が寄ってからは次々と、しかも何故かコイばかりが上がった。

 

その3尾目、ヘラウキのトップ2目盛がゆっくりと消し込むアタリにアワセると、烈しい引き込み!それをなんとか竿を矯めて凌ぐと、魚は口の他にもう一本のハリが腹びれ付近に掛かっていたせいで、割とすんなりと寄ってきた。

 

スルスルと水面を滑って近づいて来る姿を見ると、やたらと体色が黄金色に輝いており、しかも細身なのが遠目でもわかった。そして無事にネットイン。

 

ビニールシート上に横たわらせて背びれを立てると、やけに長い。しかも分岐軟条同士の間隔が狭い!数えてみると、なんと22本もあった!

 

さらに目についたのが、頭の小ささと、背側の稜線の低さから来るとても流線型なボディで、コイと言うよりも大きな細長系といった感じだった。

 

文句なしの野生在来型(マゴイ)だった。まさか佐賀県でこんな個体に出遭えるとは。一尾目の野生在来型は琵琶湖で真正野生在来型を釣るまでの暫定初物としたが、琵琶湖へ行かずとも佐賀のクリークで琵琶湖の野生在来型のような個体が釣れたので、この個体を公式初物とすることにした。

 

公式初コイ野生在来型。全長約42センチ、体高/体長比31.6%。

 

公式初コイ野生在来型の別影。頭がとても小さく、ボディは流線型で、尾柄部は細くて長く、尾びれは大きくて尖っていた。また、臀びれ前縁の長さも目立っていた。

 

公式初コイ野生在来型の背びれ。分岐軟条数は22もあった。古いデータだが、1953年の論文によると、23本あれば野生在来型確定となるが、それには及ばなかったものの、典型的な野生在来型の期待値20.65よりも多かった。

 

公式初コイ野生在来型の別影その2。まっすぐに伸びた長い背びれが美しい。

 

公式初コイ野生在来型の俯瞰。体幅があり、また、胸びれの大きさが目立っていた。

 

公式初コイ野生在来型の腹側

 

公式初コイ野生在来型の正面。頭部後端から背びれ前端にかけての背側の尾根が丸く、稜線がはっきりしていない。

 

公式初コイ野生在来型の頭部。眼が大きい。鰓蓋開口部の下部が見えているのは下鰓蓋骨が小さいからだが、右側は正常だった。

 

ボディ全体が黄金色に輝いていて野生在来型の特徴に合致していたが、尾柄部は特に強かった

 

斜め前から。確かにボディの断面は丸みを帯びていた。

 

公式初コイ野生在来型の別影その3。本当に無駄のないフォルムだ。

 

リリースまでの動画はこちらから

 

この後、3尾の野生在来型とは言えないコイが釣れたので、結局、今回の計6尾を加えた総計52尾中、野生在来型またはそれに近い個体は2尾だった。したがって、その割合は3.8%、26尾に1尾の確率ということになった。さらに、在来型に限ると、1.9%、52尾に1尾の確率ということになる。

 

これでこのクリークは一段落したので、他の直接はつながっていないクリークにも果たしているのかどうか、機会を見つけて釣査してみようかな。