前回の記事に引き続き、今日もドイツ音楽です。『白銀は招くよ!』は、1959年の西ドイツの映画。主演はトニー・ザイラー。副題は、原題でもある『ザイラーと12人の娘』。日本では初公開時、1959年の洋画配給収入ランキングにて第10位(9848万円)を記録しました。主題歌(原題「Ich bin der glücklichste Mensch auf der Welt」。邦題は同じく「白銀は招くよ」)もヒットし、多くの歌手にも歌われました。日本語訳もされ、1971年の紅白ではダークダックスが以前に紹介した「白い恋人たち」と共に、この「白銀は招くよ!」をメドレーで歌われました。翌年の1972年が札幌オリンピックということで、それにちなんで歌ったのですね。
この曲は、1968年に『白い恋人たち』というフランス映画の主題歌です。原題は「13 Jours en France」と言います。意味は「フランスにおける13日間」。映画は1968年にフランスのグルノーブルで行われた第10回冬季オリンピックの記録映画です。ナレーションもストーリー展開もなく、聖火リレーの様子から始まり、競技はもちろん、選手の練習風景や日常風景やらを淡々と流したのです。日本でも同年に公開されました。この映画の監督を務めたクロード・ルルーシュ監督は市川崑監督作品『東京オリンピック』の描写に影響を受けて、この映画を作ったとか。