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歌謡曲と叙情歌を語る

歌謡曲や叙情歌を中心にいろいろ語ります。

最近、カラオケのDAMの精密採点を何度か90点代出せるようになりました。昔は60点代や70点代前半なんてザラで、ひどい時は50点代のこともありました。あまり点数にこだわりたくないけれど、正直嬉しい。学生時代、友達から歌が下手だとか、高い声が出ないとかバカにされたのが悔しくて、悔しくて。それで、YouTubeでボイトレ動画を見たり、本を読んだり、ボーカルスクールの無料体験講座にお邪魔したり。カラオケの練習の際、自分の声を録音して、こうしたらもっと理想の声に近づけるんじゃないかってイメージしたり。

 

その甲斐があったなあって。5年くらい前は83点が出した時、自分でも恥ずかしいくらい、すげえ、はしゃいでいました。77点とったときも嬉しかった。今では、Aメロからサビまで分かる曲なら83点でも物足りないなって思うくらい。

 

点数もそうですが、僕も自分の歌を録音して聴いていて、前よりはマシになったかなって思うようになりましたもの。2、3年前は、下手くそで、音程も外れているし、声も高い声を出そうとするとガラガラと変な声になる。高い声を出そうと意識しすぎて、体全体が力んだのでしょう。よくこんな歌声をカラオケで人さまに聴かせていたものだと恥ずかしくなりましたよ。自分の声を聴いていて、とても不愉快だった。

 

最近は自分で聴いてみて、うまいとは言えないけれど、まあ自分の歌声を聴いていて不愉快な感じはしなくなりましたし、前みたいに高い声を出してもガラガラと変な声にはならなくなった。90点を取れるようになったのも、その辺にもあるのかなって。

 

歌が上手くなるには、自分の歌声を録音した方がいいというボイストレーナーさんのアドバイスがあったけれど、本当だなって思いましたよ。自分の歌声は自分では中々、客観的にわからないですから。

 

でも、まだ出発点にたったばかりだとおもう。もっとコンスタントに90点代を取りたいし、できれば、先生に習って上手くなりたいくらい。そして馬鹿にした友達をあっと言わせてあげたいなって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1990年2月13日分の「歌謡パレード」のテーマは「ロマンを求めて さすらう歌」。1990年と言えば、僕がまだ中学生だった頃。そう考えると結構昔だなって。ご出演されている、五木ひろしさんも、松原のぶえさんもみんな若い。しかし、五木さんにしても、松原さんにしてもこの回にご出演された皆さんそうなのですが、この頃(1990年)とあんまり歌声が変わっていないところが、やはりプロだなって。この回で圧巻だったのは、高英男さんとパティ・キムさん。

 

高英男さんは、大正7年(1918)生まれ、日本のシャンソン歌手の先駆けの方。シャンソンだけでなく抒情歌などもお歌いになり、紅白にも御出場されました。「歌謡パレード」にご出演されたときは、70代ですが、とても伸びやかな歌声で、また人の心に届くような迫真の歌声でした。お歌いになった曲は「雪の降る街を」。今の時期にぴったりな、しっとりとした哀愁溢れる曲です。この曲は、僕は藤子・F・不二雄先生の「エスパー魔美」という漫画で知りました。

 

パティ・キムさんは韓国の美空ひばりさんと言われ、歌唱力のみならず、表現力、さらに魂を揺さぶるような歌声は本当に素晴らしい。平成元年(1989)に紅白に出場されました。この日は、「1990年」という歌をお歌いになりました。この曲は、パティ・キムさんのご主人だった吉屋潤さんが1969年ごろに作詞・作曲されたものです。吉屋さんとパティさんの間に娘さんが生まれた時に、吉屋潤さんが作られたと。「ちょうど1990年に21歳になる、娘が21歳になったら、どんな男と出会い、恋をするのだろう」という内容の歌詞で、娘の幸せを願う親の思いがひしひしと伝わってくる名曲です。パティさんも流暢な日本語でこの曲を歌い上げました。そして娘を思う母の強さみたいなものも感じられました。また、まさに1990年に、この曲を歌えてもらえる幸せをパティさんの歌唱から感じられました。

 

 

 

 

 

「旅人よ」出演者全員
「夜空」五木ひろし
「哀しみ本線日本海」松原のぶえ
「終着駅は始発駅」小金沢昇司
「京都から博多まで」滝里美
「危険なふたり」沢田研二
「ソーラン渡り鳥」三沢あけみ、松原のぶえ
「涙の渡り鳥」三沢あけみ
「希望」五木ひろし
「雪の降る町を」高英男
「暖簾」五木ひろし
「時の子守唄」イルカ
「DOWN」沢田研二
「色もよう」三沢あけみ
「維新のおんな」松原のぶえ
「1990年」パティ・キム

 

藤井風さんの歌を初めて知ったのは昨年の紅白歌合戦です。と言いましてもお名前は紅白以前から存じ上げておりましたが、どんな歌まで歌われたかは分かりませんでした。何しろ、ここのところ、最近のJ-POPがわからなくなりまして・・・逆にテレビ東京の「年忘れにっぽんの歌」の方が知っている曲が多い有様で。

 

一応、米津玄師さんや菅田将暉さん、Official髭男dismくらいならわかりますし、ちょくちょく彼らの曲も聴いておりますが、昔ほど積極的に新しい音楽を聴かなくなり、昔聴いていた曲ばかり聴いております。歳かなあ・・・

 

僕は昨年は紅白は全編を見なくて、年忘れが終わってから、紅白を見たという感じでしたが、藤井風さんの曲をきく事ができました。藤井さんは終盤に登場し「きらり」を歌われ、大トリのMISIAさんとも共演されました。藤井さんは音楽センスが溢れ素晴らしい方だなと思いましたが、それ以上に驚いたのが、彼が素人時代にYouTubeで動画を上げていたのですね。その動画ではJPOPや洋楽だけでなく昭和歌謡のピアノ演奏をいくつもされていたのです。

 

例えば、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」(1975年発表)。この曲はスピッツや宮本浩次さん等数多くのミュージシャンにもカヴァーされておりますから、若い人でもご存知な方が多いはず。

 

他にも藤山一郎さんの「青い山脈」(1947年発表)や若山彰さんの「喜びも悲しみも幾歳月」(1957年発表)も演奏されていたのです。お若いのにずいぶん渋い選曲だなって思いましたよ。「青い山脈」は知名度が高いからともかく、「喜びー」の方は今や懐メロ番組でもかかることがないのに、よくご存知だなって。

 

それよりもっと驚いたのが西田佐知子さんの「涙のかわくまで」(1967年発表)。西田佐知子さんといえば「アカシアの雨がやむとき」「コーヒー・ルンバ」が有名ですが、「涙のー」はヒットしたといはいえ、それほど世間的な知名度は高くない曲。紅白でも一回歌われたきり。西田さんのファンとか懐メロファンならご存知かもしれませんが。藤井さんはかなり昭和歌謡曲マニアだなって思いましたヨ。

 

藤井風ファンの方は藤井さんの歌詞には時々、古風な言い回しが出てくるとおっしゃっております。もしかしたら、藤井さんは、洋楽やjPOPのみならず、こうした昭和歌謡のエッセンスも取り入れているのかもしれません。素晴らしい歌手だと思いました。また、藤井風さんを通して、若い方々が昭和歌謡に興味を持ってくれたらいいなとも思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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だんだん、寒くなり風も冷たくなり、肌を刺すような感じですね。いよいよ冬モードだなって。今日はこの時期にぴったりな「さらばシベリア鉄道」。大瀧詠一さんが作曲、松本隆さんが作詞されました。スケールの大きいうたで、目を閉じているとロシアの広大な大地が浮かんできます。

 

歌うのは太田裕美さん。太田裕美さんは松本隆さん作詞の曲をいくつも歌ってきましたが、この曲は集大成のようなものを感じます。

 

 

と言いたいところですが、もともとはが大瀧詠一さんが、ジョニー・レイトンの「霧の中のジョニー(英語版)」に刺激され、アルバム『A LONG VACATION』のために作った曲だそうです。大瀧さんはいったんレコーディングを始めたが、慣れない女言葉で歌うのを気持ち悪がり、太田裕美さんへの提供を思い立ったそうです。

 

ちなみに大瀧詠一さんご自身もこの曲をセルフカバーされております。

 

 

 

 

この間、ものまね王座決定戦を見せてもらいました。年々レベルが上がってすごいなあて。特にミラクルひかるさんがすごい。広瀬香美さんや宇多田ヒカルさんのモノマネが定評ありますが、最近は弘田三枝子さんとか往年の歌手のモノマネをよくされていて面白いです。米津玄師さんとか髭男など最近のJPOPのものまねをするタレントさんが多い中、若者が知らないであろう昭和歌謡ものまねをあえてやるミラクルさんの勇気を讃えたい。

 

それをリアルタイムで知らない若者は、YouTubeで似ているかどうかチェックするのです。それでYouTubeをみて、「ああそっくり」って笑ってしまう。ミラクルさんのモノマネを見て笑い、それでtYouTubeでチェックして、笑ってしまう。そういう意味で彼女は天才だなって。

 

ただ、苦言を一つ言うとしたら、審査員の審査のあり方が時々、「え?」って思いたくなるところ。例えばベテランと新人さんが対決して、明らかに新人の方が似ているのに、ベテランの方が勝ってしまうみたいな。そういうベテランが勝つ傾向は、特に93年ごろからモノマネ王座でも出来レースみたいな審査が度々見られましたが、今回も、90年代ほどではないが、ややその傾向があったのが気になりました。

 

ものまね王座といえば、元々は歌手やタレントさんが余興みたいな感じで披露したのが、そもそもの始まりで、初期は森昌子さんとか、五木ひろしさん、小林幸子さん、西城秀樹さんらがご出演されていました。流石に僕はこの時代を知らないのですが、時々ものまねの特番で過去のモノマネの映像がたびたび流れ、今回のモノマネ王座でもチラチラ過去の映像が出てきます。嬉しかったのは、おぼん・こぼんのお二人のモノマネがチラッと今回出てきたこと。1987年頃の映像で、こぼんさんが和田アキ子さんのモノマネをしていたのです。懐かしかったなあ。

 

それから次第に、ものまね四天王の時代になって、ものまねは全盛期を迎えたのです。

 

ものまね四天王が活躍した時代のプロデューサーの方針は、「常に新ネタを披露」、「最近の曲より懐メロ、それもマイナーな曲ではなくヒットした曲」というのが条件でした。僕が中学〜高校の時のものまね王座を見たのですが、本当に懐メロが多く、僕と同世代(ロスジェネ世代)がリアルタイムで知っている曲はあんまりないのですね。それにも関わらず、学校でも、ものまね王座の話題は必ず出るし、モノマネを通して、ザ・ピーナッツや春日八郎さんを知ったという子も少なくなかったのですね。僕もモノマネのおかげで、本当色々と昔の懐かしい歌手を知りましたね。

 

 

今回の歌謡パレードのテーマは「コートのえりを立てる歌」。放送された時期が12月だったので、冬がテーマの曲が多く取り上げられました。石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」は紅白で散々聴いた曲ですが、改めてきくと良い曲です。情景が浮かんでくるのですよ。ただ、紅白では別の歌を聞きたいところですがw

 

大月みやこさんが歌われた「襟裳岬」は森進一さんの歌ではなく、島倉千代子さんの歌です。昭和36年の曲で森真一さんの「襟裳岬」とは同名異曲です。島倉さんの「襟裳岬」は正統的な演歌です。森さんの「襟裳岬」は吉田拓郎さんが作られただけあって演歌というよりフォークに近いです。

 

懐かしいと思ったのは内藤やす子さん。お病気で長らく歌手生活を休止していたのですが、最近ご主人様の支えもあって復帰できたそうです。ハスキーで素晴らしい歌唱力が売りの内藤さんが歌われたのは、菊池章子さんの「星の流れに」とザ・ピーナッツの「大阪の女」。「星の流れに」は戦後まもない時期に発表された古い曲ですが、一応僕は知っています。「大阪の女」は初めて聴くうた。ザ・ピーナッツの曲は何曲か知っておりましたが、この曲は本当に知らんかった。ザ・ピーナッツの歌にしては珍しい演歌調の歌だなって。

 

朱里エイコさんは2004年に56歳の若さでお亡くなりになられました。1972年にも紅白にご出場されましたが、その時は小柄ながらパワフルでハスキーな歌声が魅力的でした。今回、朱里エイコさんがご出演されたのですが、どこか控えめな感じがしました。この当時(1989)にすでに具合が悪かったのかも。

 

朱里さんは、1972年に「北国行きで」でヒットを出したころから、実力重視ではなく、ヒット曲重視の日本の芸能界に疑問を抱き始めたそうです。ヒットがなければテレビに出られない、なぜ自分は日本人に受けいれてもらえないのだろうか、ということに葛藤し続けたとか。特にこの頃日本では、アイドル歌手が全盛の時代であり、周りから実力派といわれるようになってからも、人一倍努力を怠ることなく様々な経験を積んできただけあって、このギャップがさらに彼女を苦しめることになったそうです。それで渡米をし成功をしたのですが、1986年に帰国し、日本での活動を再開したものの、長く病に苦しめられたとか。

 

あと香港からいらしたシャーリー・カーンさんも印象的でした。徳永英明さんが作曲された「あなたのために」をお歌いになりました。シャーリーさんの日本語の発音もよく、素晴らしい歌唱でした。また楽曲もいかにも徳永さんらしい曲調だなって。

 

最期を締めたのが石川さゆりさん。曲は「風の盆恋歌」。1989年の楽曲で、この年の紅白でも歌われた名曲です。石川さんといえば「津軽」や「天城」ばかり注目されますが、この曲も石川さんの代表曲。日本の情緒あふれる曲で、エロチックと妖艶な感じがする曲です。曲の伴奏で流れる胡弓の音色も素晴らしい。今年の紅白はそろそろ「風の」を聴きたいな。だめですか?NHKさん?

 

 

 

 

「北帰行」    出演者全員
「津軽海峡・冬景色」石川さゆり
「国境の町」    五木ひろし
「小樽の人よ」            尾鷲義人
「星の流れに」    内藤やす子
「LOVE(抱きしめたい)」 沢田研二
「京都の恋」      伍代夏子
「大阪の女」  内藤やす子
「襟裳岬」                     大月みやこ
「哀愁の街に霧が降る」 五木ひろし
「北国行きで」                朱里エイコ
「暖簾」        五木ひろし
「水なし川」                   伍代夏子
「女の舞」       大月みやこ
「DOWN」                         沢田研二
「あなたのために」   シャーリー・カーン
「風の盆恋歌」     石川さゆり

(以下敬称略)

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今日はシンシアこと南沙織さんの「哀しい妖精」。1976(昭和51)の曲です。この曲はジャニス・イアンが提供した曲で、それに松本隆さんが日本語訳詞をされました。

 

 

この曲を南沙織さんご自身は大変お気に入りだったそうです。南沙織さんが芸能界を引退される際、この曲を松本隆さんが「自分が好きな曲を5曲選んでくれ」と質問されたそうです。その時南沙織さんはこの曲をチョイスされたそうです。それを聞いた松本隆さんはたいそう喜んだとか。その後、南沙織さんは家庭に入って、お子様もできたのですが、たまたま、子供と一緒にいた時、この曲を聴いていたそうです。その時、子供が「この曲誰の歌?」って関心を持たれたそうです。

 

また、この曲がリリースされた1976年に「夜のヒットスタジオ」でこの歌を南沙織さんが歌われましたが、司会者の井上順さんが「シンシアにぴったりな曲」だと絶賛されました。

 

実際、とってもいい曲だと思います。70年代のアメリカのフォークソングって感じの曲調に松本隆さんの切ない女性の心を綴った歌詞が素晴らしい。特に「男の人は旅人ね」という言葉にグッと来ました。

 

 

 

 

今回の歌謡パレートのテーマは「初恋の頃を思い出す歌」です。初恋がテーマということで出演者の初恋の思い出を語られていました。初恋の思い出というのは、本当に甘酸っぱいものですね。僕も学生の頃、先輩が好きになったことがあります。先輩はサークルの人たちから容姿をからかわれていましたが、僕は後輩ながら、先輩がとても可愛らしく思えたのです。今思えば告れば良かったと。

 

まず印象に残ったのが冒頭で出場歌手ほぼ全員で歌った「素敵なランデブー」。美空ひばりさんの曲です。司会の杉浦圭子さんもおっしゃっていたのですが、「ランデブー」という言葉、最近は聞かないですね。僕も言葉自体は知っていたけれど、どういう意味なのかまでは、わからなかったのですね。どういう意味なのかネットで調べたら「待ち合わせ」という意味だそうです。

 

和田アキ子さんと野口五郎さんのお二人が手を繋いで「白いブランコ」をお歌いになったこと。歌い終わってからアッコさんが「口が震えました。歌手なのに歌うと緊張しました」とおっしゃっていたのが、なんとも面白かった。あっこさんが出ると、場が華やぐなって。

 

舟木一夫さんは、名曲「高校三年生」をお歌いになりました。昭和38年の歌ですが、今も色褪せない名曲です。卒業ソングの定番曲でもあります。

 

また、マルシアさんや尾形大作さんといった懐かしい顔ぶれも拝見できました。マルシアさんも尾形大作さんも今どうしているのかな?

 

尾形大作さんといえば、今で言えば氷川きよしさんやポジションで、紅白にも2回出場されたし、ものまね王座にもご出演されたことがあります。で、この日緒方さんがお歌いになったのは「新雪」。灰田勝彦さんの歌で、昭和17年の歌です。昭和17年といえば日本はアメリカと戦争をやっている最中。そんな暗い時代に生まれとは思えない、明るく、ほがらかな曲調の歌です。尾形さんも朗らかな歌声なので、とてもマッチしていました。

 

 

マルシアさんはブラジルのご出身で日系3世。マルシアさんのお母様は吉幾三さんの大ファンらしく、吉幾三さんがとても嬉しそうでした。さらにブラジルでは吉幾三さんの「雪国」が人気があるという話も出てきて、これには吉幾三さんも「俺も国際的になった」と大喜び。ブラジルは雪が降らないのに、「雪国」が流行るというのはすごい。

 

マルシアさんがお歌いになったのは「ふりむけばヨコハマ」。僕、何気にこのうた好きなんですよね。演歌なんだけど、ド演歌って感じじゃなくて。どこか都会的な雰囲気があるのが好き。マルシアさんのイメージに合っています。

 

 

 

野口五郎さんは「スマイルアゲイン」という曲をお歌いになりました。この曲は映画の主題歌なのですが野口さんが大変お気に召され、自分のコンサートでも歌うようになったとか。聴かせていただいたのですが、ドラマチックな曲で素晴らしいです。また野口五郎さんの並外れた歌唱力がマッチしているのです。

 

トリは和田アキ子さんの「だってしょうがないじゃない」。紅白でも二度歌われた名曲です。軽快な曲調ですが、どこかもの悲しいうたです。アッコさんは「あの鐘を鳴らすのはあなた」のようなスケールの大きい曲が多いけれど、寂しい女の悲しみを歌った曲の方が本来は合っているような気がする。普段は三枚目みたいにコミカルな感じだけれど、歌はガラッと雰囲気が変わって、悲しげで切ない感じの歌を歌い上げるギャップいいのです。その点では研ナオコさんと共通するものがあるなって。

 

最後に今回の出演者と歌唱曲は以下の通り。

素敵なランデブー      出演者 ほぼ全員

ミヨちゃん         吉幾三

月がとっても青いから    川中美幸

あの娘たずねて       尾形大作

見上げてごらん夜の星を   和田アキ子

わたしの彼は左きき     マルシア

白いブランコ        野口五郎&和田アキ子

新雪            尾形大作

丘は花ざかり        出演者 ほぼ全員

高校三年生         舟木一夫

ふりむけばヨコハマ     マルシア

酒よ            吉幾三

女 泣き砂 日本海     川中美幸

失われた三十年       ソル・ウンド

スマイル アゲイン     野口五郎

だってしょうがないじゃない 和田アキ子   

 

(以下敬称略)

 

今回の歌謡パレードは「熱唱 日韓八代歌手」というテーマで、韓国と日本の代表的な歌手がずらっとご出演されました。韓国出身の歌手が四人も出ていたので、これが令和だったら、◯トウ○たちがSNSで炎上させていたかもしれないw?1989年ごろはまだ大らかな時代だったのでしょうね。しかし、その四人の顔ブレが、チョー・ヨンピルさん、キム・ヨンジャさん、パンミさん、ナフナさん。いづれも実力者揃いで素晴らしかったです。また、4人から日本の歌手へのリスペクトを感じられたし、客席からの温かい拍手が本当に嬉しいとおっしゃってました。

 

4人の中ではチョー・ヨンピルさんが知名度が高く、韓国でも若い歌手からも尊敬されております。日本で言えば中島みゆきさんや、サザンの桑田佳祐さんのような存在でしょう。まさに韓国の国民的歌手と言ってもいいでしょう。紅白にも4回ご出演されました。代表曲は「想い出迷子」や「釜山港へ帰れ」です。歌唱力もさることながら、オーラもすごい。

 

驚いたのがナフナさんの歌声。歌もそうですが、日本語もお上手でした。ネットで調べてわかったのですが、韓国ではかなり知名度の高い方です。最近ナフナさんのライブを韓国で放送したそうですが、なんと瞬間最高視聴率62%、平均視聴率29%を記録したと言います。

 

パンミさんは、あまり詳しい情報はわからないのですが、コメディアンから歌手に転向されたとか。

 

キム・ヨンジャさんは日本でも長く活躍され、演歌の大御所の雰囲気です。紅白にも三度出演されましたが、その歌唱力はすごいものがあります。特に2001年に紅白にご出演された時に歌われた「イムジン河」は感動ものでした。また、キム・ヨンジャさんが最近出された「アモール・ファティ」が韓国でも大ヒットしました。

 

 

この回の歌唱曲は以下の通り。

 

北国の春     出演歌手全員

ふたりの大阪   細川たかし&パンミ

矢切の渡し    細川たかし

別離(イビョル) パンミ

天城越え     石川さゆり

青春よ帰れ    ナフナ

ソウル讃歌    チョー・ヨンピル キム・ヨンジャ ナフナ パンミ

釜山港へ帰れ   チョー・ヨンピル

哀愁のからまつ林 島倉千代子

愛の迷路     キム・ヨンジャ

北の蛍      森進一

艶花恋      坂本冬美  (以下敬称略)  

 

 

 

パンミさんが歌われた「別離(イピョル)」は日本でも割と知られた曲で、「うたコン」でもキム・ヨンジャさんがこの曲を歌われました。この曲は元々はパティ・キムさんという歌手が歌われたのですが、パンミさんも見事に歌われました。

 

前年にソウルオリンピック(1988)が行われたこともあり、「ソウル賛歌」という歌が韓国出身の歌手全員で歌われました。この曲は、ソウルオリンピックを記念して作られた曲です。四人とも声量があってすごく迫力がありました。

 

そしてチョー・ヨンピルさんの「釜山港へ帰れ」が良かった。日本でも人気の高い曲で、本当に心に沁みます。(最近はカラオケであんまり歌われなくなったかな?)。この曲はたくさんの方がカヴァーされておりますが、やはりチョー・ヨンピルさんの「釜山港に帰れ」は絶品です。チョー・ヨンピルさんは一番は日本語で、二番は韓国語で歌われました。この歌は日本語訳の歌詞だと遠いところにいる恋人との歌になっていますが、原語つまり韓国だと、離れ離れの兄弟をしのぶ歌詞になってます。間奏の時に、客席から「チョーさん」という黄色い声も。日本でも人気が高かったことが窺えます。

 

石川さゆりさんの「天城越え」は何回聴いても良い曲だなって。紅白で散々聴いた曲なのに、やはりすごいなって。女の情念がひしひしと伝わってきます。

  

森進一さんは「北の蛍」もよかった。迫力のある歌声で紅白のトリって感じでした。歌唱中に(紙でできた)雪が舞って、年末気分が味わえました。

 

平成元年(1989年)9月26日のNHK歌謡パレードのテーマは「おしゃれな人のカラオケヒット」です。

 

カラオケといえば、「みんなの知っている曲を歌え」と上司に言われることがあります。最近は、この手の上司は減っていますが、みんなが知っている歌って言われても困りますよね。それこそ「ゾウさん」とか「さっちゃん」のような童謡や、「赤とんぼ」や「里の秋」のような唱歌を歌うしかない。年が10歳くらいしか違わない人が集まっているなら、そんなに問題ないのですが、20代から60代まで集まっているとなると大変です。ましてや、20代から60代まで、どの世代も知っている曲って少ないですからね。それが悪いとか言っているのではなく、現実そうですから。

 

昭和の頃は誰でも知っている曲がたくさん溢れていました。最近CSで「ザ・ベストテン」や「夜のヒットスタジオ」を見て驚いたのですが、昔の音楽番組は、今の「うたコン」のようにアイドルや演歌・歌謡曲、JPOPの歌手がごっちゃに出ていたのですね。だから、昭和は、おじいちゃん、おばあちゃんでも山口百恵さんや松田聖子さんを知っていたのだなって。(あくまで当時の)若者でも、都はるみさんの「北の宿から」や八代亜紀さんの「雨の慕情」などの演歌もテレビや街中でよく流れていたから知っていました。

 

ところが、平成以降は多様化が進み、JPOPと演歌・歌謡曲がはっきりジャンル分けされてから、みんなが知っている歌が平成以降はガクッと減ったのですね。だから「みんなが知っている歌を歌え」なんて昭和なら通用したけれど、今は通用しないと思うし、下手すりゃカラハラになってしまう。

 

以前にも言いましたが、カラオケは各々が好きな歌を気持ちよく歌うのが一番だと思います。

 

 

前置きが長くなったので、本題に入りますw「歌謡パレード」で、「カラオケでおしゃれな人ってどんな人」という質問に、沢田研二さんは「人とレパートリーが重ならないように」それから「隠れた名曲を用意する」と答えられました。なるほどなって。特に「隠れた名曲を用意する」は我が意を得たり。「隠れた名曲を歌え」と強制するのはよくないけれど、カラオケは自分の知らない名曲を知る良い機会だと思うんですよ。それに毎回カラオケの定番曲ばかりではつまらないし。

 

この日に歌われた歌は以下の通り。

 

「星降る街角」     ほぼ出演者 全員

「あなたのすべてを」  細川たかし

「つぐない」      大月みやこ

「どうぞこのまま」   マルシア

「ふたりの大阪」    マルシア&細川たかし

「ダーリング」     沢田研二

「ろくでなし」     小林幸子

「人生いろいろ」    島倉千代子

「霧子のタンゴ」    菅原洋一

「恋の曼珠沙華」    大月みやこ

「グッドナイト・ベイビー」 ザ・キング・トーンズ

「メランコリック・ママ」  木の実ナナ&小林幸子

「DAYS」         沢田研二

「風の盆」        菅原洋一

「いちばんきれいな星」  島倉千代子

「北国へ」        細川たかし

               (以下敬称略)

 

 

聴かせてもらいましたが、スナックで流れそうな曲がずらっと並びました。今回の歌謡パレードは平成元年に放映されたのですが、いかにも昭和って感じがしてよかったです。冒頭で歌われた「星降る街角」は、一昔前カラオケで盛り上がった曲でした。この曲は合いの手が入りました。「♪星の降る夜は あなたと二人で お・お・おおお踊ろうよ(ちゅるる・ちゅるる・ちゅるっる~)流れるボサノバ 触れ合う指先 ああ 恋の夜(夜夜夜夜長い夜)」って具合。

 

沢田研二さんはかっこいい。二曲歌われましたが、オーラがすごい。

 

ザ・キング・トーンズがご出演され「グッドナイト・ベイビー」を歌ったのもよかった。結構古い歌なのですが、渋くてかっこいい歌。接待で60歳以上の人の前で、この曲を歌うと「よく知っているね。君、何者❓」って驚かれるかもしれない。ボーカルの内田正人さんの歌声がすごい。ファルセットを織り交ぜながらの素晴らしい歌唱です。ものまねでビジーフォーがよく真似をしていました。内田さんは最近お亡くなりになられました。もっと彼の歌を聴きたかったなあって。

 

「恋の曼珠沙華」は二葉あき子さんが歌われた曲で、戦後間もない頃のかなーり古い歌。だから現在60歳くらいの人でも知っている人はそう多くないでしょう。1989年ごろと言ったら明治・大正うまれの方も結構ご健在でしたから、こうした戦後まもない頃の曲も番組で取り上げているのですね。この日は大月みやこさんが歌われました。

 

番組の前半はカラオケで歌ったらかっこいい曲を取り上げ、後半は新しい曲(1989年当時)を取り上げました。印象に残ったのが、島倉千代子さんが歌われた「いちばんきれいな星」。この曲はNHKの「みんなの歌」で取り上げられた曲です。JPOP調の歌です。作詞が森浩美さん。森浩美さんといえばSMAPの曲をたくさん作詞され、JPOP界では大物です。演歌の大御所とJPOPの超大物作詞家の組み合わせってすごいなって。さわやかな曲調のいい歌だと思いました。

 

トリで細川たかしさんが歌われた「北国へ」は秋元康さんの作詞です。秋元さんは東京の生まれで、だからこそ故郷を懐かしむ歌を作りたかったと。この曲はこの年(1989年)の紅白でも歌われました。アイドルソングから演歌まで幅広く曲が作れる秋元康さんは、やはり天才だなって。