この記事は5105文字です。(読破予想時間:約12分9秒)
ソロの音楽アーティストの皆見つかさ(Tsukasa Minami)です。
て事で、記事タイトルにある「コード」とは、電気コードなどの事ではなく、音楽の和音の事です。
今回は、そのコードについてなのですが、記事タイトルの「コードは種類も数も少ない方がいい」と言うのは、音楽におけるセオリーの事ではなく、僕個人の好みや感覚の話です。
勘違いさせてしまった方には申し訳ありませんが、せっかくですので、これも縁って事で、是非この続きを楽しんでいって下さい。( ̄ー☆
◇縁の話
それでは始めます。
リコーダーやブラス系の様な単音楽器ではなく、複数の音を同時に出せる楽器を初めて手にした時、僕の中でコードと言う概念が急激に陣地を広げて居座った。
その最初に手にした楽器とはアコースティックギターなのだが、アコギの中でもフォークギターを手にした人間は、大抵、コードを覚える所からスタートする。
◇フォークギターって、他の楽器と何か違う・・・。
◇アコギとフォークギターは同じ意味の言葉?
それに関しては、僕も例に漏れず、最初はコードを覚える事からスタートした。
まずは、マイナー、メジャー、セブンスなどのローコードを一通り覚える所から始まって、その途中で、FやBmなどの人差し指一本で全ての弦を抑えるいわゆる「セーハ」を伴うハイコードの洗礼を食らう事になる。
その辺りを一通り覚えた頃には、もう入門書からは離れ、自分の好きな曲のコードを拾う様になる。
そこで入門書にはなかった、ディミニッシュやadd9やsus4などのコードを徐々に覚えていく事になる。
僕の場合、キャリア3年くらいを経過した頃から、急激に他のミュージシャンとの交流の和が広がる事になって、自分が今までほとんど興味を示さなかったジャンルにも目を向ける様になったのだ。
ラジオやテレビでそう言った曲が流れていても全く反応しなかったのに、目の前で音楽仲間のバンドがそう言った曲を演奏するのを見ると、自然とそう言った曲にも反応を示す様になるものである。
それは、その仲間達の奏でるジャンルが好きになると言う意味ではないが、ついその演奏を真似してみたり、全く興味がなかったジャンルのセオリーや構成が理解出来る様になったりするのだ。
そして、中には今まで使った事もない様なコードばかりを使った高度に感じる様な演奏を見せられると、彼らに比べて何だか自分の楽器レベル・音楽レベルがやたら低い様な気がしてきて、ちょっとしたコンプレックスを感じた事を今でも覚えている。
◇他人のする事が気になって
そして、自分の出したい音が次第に分からなくなり、まるで受験勉強でもしているかの様に、たくさんのコードを覚えたり、コード理論を勉強したりした。
その時必死になって覚えたコードのほとんどは、結局、自分が表現したい曲には不必要なコードで、実際に人前で演奏する曲では使われはしなかったのだ。
後から思えば、その頃の僕は、たくさんのコードを覚えて、せわしなくコードが切り替わる曲を演奏しながら歌うと言う事に心地良さを全く感じてはいなかったのである。
例えば、4分の4拍子の曲ならば、僕は最低でも1小節の間はコードを変えたくはないのだ。
1小節の間に2つもコードが出て来ると正直な所、歌う事に酔えないのだ。
その頃、歌いながら弾くと言う事を実感として「弾きにくい」だとか「歌いにくい」と感じていたと言う自覚はなかったのではあるが、この感覚は先程も言ったが、今にして思えばやはり「歌いにくかった」のだ。
僕は、マルチプレイヤーであると言う事を売りにはしているが、本職はボーカリストでありシンガーであり歌う事がメインだ。
◇マルチプレイヤーの憂い
◇歌い手・歌手・シンガー・ボーカリストと言う言葉
◇マルチプレイヤーやってますが自分のメインは歌う事です
最初に手にしたアコギも、元はと言えば歌う為の伴奏として手にしたのがきっかけだ。
◇歌う為のギターと本職のギター
コードが頻繁に切り替わると、歌う事への集中が削がれると言うと、「練習が足りないからだ」などと言う人間もいそうだが、それは違うと断言させて貰う。
僕は、最初からギターを持って歌っていたし、ベースボーカルやドラムボーカルなど、常に何かしら楽器を手にして歌ってきた人間で、楽器を手にせず、マイクだけでステージに立った事は一度もないので、それが当たり前の様な感覚だったのである。
それが、今現在発売中のアルバム「解放」のレコーディングの時、最後に13曲まとめて連日ボーカルの録りばかりを行った時の事だ。
◇皆見つかさ・アルバム『解放』、発売中!
楽器を手にせず、何日も何日も歌だけ歌い続けた事などなかった僕は、ボーカルの録りを終えて、久しぶりにギターを持って歌の練習をした時に、案外、ギターにも神経を持っていかれてるもので、楽器を持たずに歌うとそれだけ歌う事に集中出来るのだと、初めて気付いたのだ。
長年、音楽をやってきて、ようやく気付いた事だ。
なので、練習の量など関係なく、結局、2つの事を同時にすると無意識にその力の配分を自分自身で振り分けている訳で、歌う事に特化した場合、その力は100%歌う事に注がれると言う事なのだ。
時系列が急にここ数年の最近の話に飛んだので、また、たくさんのコードを覚えた頃に話を戻させて貰おう。
元々、ニューミュージック系フォークの弾き語りがきっかけでフォークギターを手にした僕の好みは、その後も、それ程複雑なコード進行も難解なコードも必要はなく、初心者の頃に覚えたシンプルで基本的なコードプラスαで十分だったのだ。
◇ニューミュージック世代が当時を語るぞー!
そこから、音楽性があちこちに派生していった訳だが、根本的な自分の趣味と言うのか、自分の琴線に触れる楽曲と言うのは、どこまでもシンプルなものだった様だ。
僕は、10代の頃から、3コードのロカビリー系のロックンロールや、ブルースが好きで、二十歳前後の頃から急激にロカビリー系の演奏がより好きになり、そのすぐ後には、ブルースによりディープにハマっていく事になったのである。
その頃からは、より一層シンプル嗜好が強まって、コードは3つあれば十分と言う感覚で、実際にライブで演奏する曲も3コードの曲が増え始め、一人でギターを何気なく弾く時は、3コードでメジャー、セブンス、ナインスくらいしか弾かない様になり、その期間は何年にも及んだ。
その期間に大半の複雑なコードは忘れてしまった様で、今はとっさに出ない事がほとんどだ。
かと言って、特に不便は感じていない。
その結論として、記事タイトルの様な言葉になるのだが、僕個人の感覚や好みでは、コードの種類はそれ程多岐に渡る必要はないし、必要とあらば普段使わないコードを引っ張ってくればいいだけだし、それ程、たくさんコードを使うつもりもなく、複雑なコードワークも必要としていないと言う事だ。
初心者から中級手前くらいのアマチュアミュージシャンの中には、使えるコードとは1択しかないと思っている人が案外多いものだが、実は、そうではなく、コードもコード進行も何パターンも置き換えは可能だ。
それによって、当然、雰囲気は変わるものだが、それこそ好みに合わせてコードを置き換えたり付けてやったりすればいいと言う訳だ。
詳しく知りたい人がいれば、取り敢えず、代理コードと言う言葉を調べる所から始めてみるといいかもしれない。
またもや近々の数年前の話に戻るが、ソロで活動を再開すると決めた時(プロフィール参照)、流石に3コードばかりのマニアックなアルバムは売れる筈がないと言うのは分かっていたので、自分の通ってきた道や自分らしさを意識した、自分自身の歴史を込める様な気持ちで曲作りを進めたのだ。
◇自分の経歴の全ては語れないけど、ちょっとだけよぉ〜。
◇皆見つかさ(Tsukasa Minami)のプロフィールページ
その結果がアルバム『解放』の曲達であり、だからこそ、いろんなジャンルが入り交じってる訳で、ああ言ったコードワークになっている訳なのである。
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ほとんど、自分語りの自己紹介の様な記事でしたが、少しは楽しんで頂けましたでしょうか?
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