書いて保存してあった記事をアップしないですっかり忘れてたシリーズ
年齢には勝てませんね
秋のトリッパの煮込み研究
(あくまでも煮込みシリーズです。)
毎年考えるんですがどうも上手くいかない、キノコ入れたり 当たり前な感じにしかならない…
今回は素材は2つ。シンプルに煮込みました。私は基本的にトリッパが苦手なので匂いを消す事ばかりに気が囚われてしまうので、今回は包み込むスタイル
栗とトリッパの煮込み
むかーしむかーし習った フレンチのポワトゥー風テイストで賄いを昨日食べたので その路線で
はい、バターですね
ただバターだと香りが弱いし重くなるので仕上げにバターを焦がして香りを出してからマンテカーレ。コクをつける意味では無く香りをつける目的として焦がしバターを少し入れます。隠し味にシャンピニオンのブロード 見事にトリッパの匂いを閉じ込めます。
まぁそもそも私の作るトリッパは良くあるドブくさい臭みは全くありませんが、どうしてもトリッパのコラーゲンのような香りは残ります。 それすら私は苦手なんです。
トリッパの消化液酵素の臭い匂いを香りとか言う人もいますね。。。まぁ人それぞれ
そこを消せたら合格なんです。トリッパの煮込みだけでも毎年10個は考えるかな?
レシピは1000はあるはず(盛ってます)
その中で11年で採用になったのは
看板料理の
トリッパの煮込みフィレンツェ風
フィレンツェ風の定義はトマトで煮込んで、上からパルミジャーノをたっぷりかける。これさえクリアしたら後はアレンジ可能 ソースの中にパルミジャーノを混ぜ込む(マンテカーレ)のが私は嫌いなのでやりません。 味わいが層になりムラになる方が好きです。簡単に言うとドレッシングかオイルと酢と塩気を別々にかけるか?みたいな? このフィレンツェ風はあくまでもシャープにエッジを効かせて トスカーナ名産のどんなサンジョヴェーゼにも合う様に仕立ててます。
鮮度の良い香草を3分間だけグラグラに煮た中に入れて取り出します。香草の枝から葉っぱが剥がれたりしたらOUT。剥がれる前に引き上げる。初めてトリッパを食べる人も想定もしているのでイタリアらしい香りを出して、濃厚でありながらシャープに、そしてパルミジャーノでは無く優しい味わいのパルミジャーノの祖先とも言われている、1日に数個しか作れないと言う、24ヶ月熟成のデデロディジャーノをたっぷりかけて調和。仕上げにトスカーナの最高級のエクストラバージンオイルと黒キャベツか、ビエトラの季節のクルトンを作り、トリッパの柔らかさとカリッとした感じの2つの食感を出します。最後にバスクのびっくりするくらい高い高級唐辛子で香りが抜群でありながら辛味はほんのりのエスプレット唐辛子で香りよく、ほんのり辛味を
毎年マイナーチェンジを加えていますが、エスプレット唐辛子は欠かせなくなりました。たしかにイタリアの素材ではありませんが最高のアクセントになります
トリッパ ビアンコ
トマトも入らないので割とトリッパの匂いは出やすいので仕上げに半年発酵させた塩漬けレモンのエキスを入れてます。この香りはなんだろ なんとも言えない香りです。レモンの香りはしません。イタリアだとトリッパの下処理にレモンなど入れて煮込むのでそこからインスピレーション
トリッパの夏風
今年はやりませんでしたが、茶豆のブロードで炊いてミントや昆布水を隠し味にして仕上げにからすみでマンテカーレ 茶豆の香りが全面に出てコラーゲンの香りを抑えてくれます。旨味はカラスミに任せ フィニッシュにレモンオイルやオレンジオイル まぁちょっと日本の暑い夏のイメージ
和風なのかな?
トリッパの騎士団 ピエモンテ風煮込み
ピエモンテにトリッパ騎士団と言う、要するにトリッパのマニアの会が昔ありまして、(今はレシピも見当たりません。)そこのレシピからのイメージの煮込み
北イタリアと言えば仔牛ですね 仔牛の白いスーゴにキャベツやキクイモや野菜を入れてバレないくらいの少しの生クリームにセージにバターで小さな角切りトマトもバレないくらい3つくらい?でパルミジャーノでマンテカート 入れても解らないくらいのトマトがいい酸味を引き出してます
まぁ正直言って少し重いですが美味しいです。
トリッパの春風
これは完全に日本の春をイメージした人気作
トリッパと筍や春野菜を250℃まで耐えれる特殊フィルムに包み込み、オーブンに蒸気も完全に閉じこめるフィルムなのでお客さんの前で開くと蒸気が逃げる様に溢れて香りを楽しんで頂きます。まぁ正直言ってトリッパ入れないでも美味しいですが…
トリッパの美食家風
フィナンツェーラと言うピエモンテ料理からの発想 フィナンツェーラは財務家風 ようするお金持ち風と言う意味合い?財務で仕事が忙しいから栄養が沢山取れる料理と言う意味合いも
元の料理は仔牛のヒレ肉にポルチーニやトリュフ レバーペーストに鶏のトサカ(コラーゲンたっぷり)の濃厚な煮込み?料理です。まぁ高級食材ですね
これをコラーゲンたっぷりの鶏のトサカを同じくコラーゲンたっぷりのトリッパに変えて、ポルチーニとトリッパを仔牛の骨を焼いたスーゴで煮込み フォワグラをバターのように溶かしてレバーペーストも一緒に溶かし、仕上げにマルサラリゼルヴァとトマトペースト、上等なバローロヴィネガーで引き締めて フィニッシュ 中々複雑な味わいに仕上がっています。冬料理ですね
ただ今年はフォアグラが手に入らないので悩みます。。
ワインはネッビオーロ一択 一緒に召し上がれば更に上等な料理に
トリッパと栗 猪のスーゴ煮込み
トリッパを猪のスーゴとイノシシのサルシッチャでとカカオニブやカカオと煮込みシンプルジビエトリッパ アグロドルチェ風にまぁちょっと重いからあまり作った事はありませんが美味しいです。ブルネッロにも合います
トリッパとポルチーニ 鳩のサルシッチャの煮込み
まぁこちらもジビエ煮込みですね コンセプトは一緒ですが、ポルチーニが入る事で上等な味に仕上がります。発酵ポルチーニの酸味が決めて
トリッパとムール貝のピリ辛煮込み
30年くらい前のイタリアのリストランテのレシピからアレンジ
肉と魚介を合わせるのはイタリアではタブーですが昔から挑戦してる方はいましたね
トリッパとイカの煮込み
トスカーナの特に内陸のフィレンツェなどではトリッパとイカは同じ様な食材の感覚で使います 海が無いからかな? トリッパを森のイカとか名付けたり イカを使う料理のレシピを代わりにトリッパを使ってみたり、だったら一緒にして見ようと。。まぁちょっとダジャレ感。フランス料理のセート風イカの煮込みが好きなので、そのスタイルに仕上げ更に、トスカーナのイカと青菜の煮込み料理 インズミーノ風をイメージして、最後にニンニクマヨネーズソースの中にパルミジャーノを入れて 煮込むスープも魚のスープ
トリッパの煮込み イカ墨煮込み
まぁちょっとやり過ぎた感は否めないですが…
ダジャレ感の続きでやってみるも意外に好評でしたが、ワンオペ調理ではイカ墨は洗うにも味見みもしにくいし、扱いにくいからボツに
トリッパの煮込みローマ風
大事な料理を忘れてましたね…すいません。トリッパの煮込みと言うと二代巨頭 フィレンツェ風とローマ風です。勿論イタリア人からしたら自分が生まれた地域の煮込みが正解なんですが。。 一般的にですね ローマ風はミントに似たような香草で香りを誤魔化すと言うかトリッパは傷んでくるとミントの様な臭みを出すので、当時は当然新鮮なトリッパなど手に入らないので、腐敗を誤魔化すためにミントを入れていたのかな?と脳内回想 臭みに似た香りをぶつけるとマイナスとマイナスがぶつかりプラスになる理論ですかね? 私の場合はフィレンツェ風はシャープに 短時間で煮込み玉ねぎや甘い野菜は入れずに、名産のサンジョヴェーゼに合わせてシャープに仕上げ、ローマ風は玉ねぎやニンジンを入れて甘くまろやかに ミントは少し入れて取り出して、ゆっくり煮込み 仕上げのペコリーノロマーノが塩辛いので 甘めに仕上げます。フィニッシュにミント 基本的にローマと言えばフラスカティのようなシンプルな白ワインのイメージが強いので、白の酸味にも合うようにマイルドに作ります。
トリッパの煮込みモンタルチーノ風
トスカーナの南側ですね ワインのブルネッロディモンタルチーノが有名です。イタリアワインの女王と呼ばれ バローロに次ぐ名声を得たイタリアワインの産地です。モンタルチーノではなんと言ってもサフランです。サフランと言うとバターはセット バターと言うとセージ しかし、ん〜トリッパのコラーゲン臭が消えない…サフランとトリッパは合わないかなぁ?と悩み 必殺少しトマトの角切りで奥に薄っすら酸味を入れて地中海のスター食材ケッパーを加えて
ただブルネッロには合わないよね… そこが悩ましい まだまだ研究中
トリッパの煮込み ミラノ風
ミラノの本来のトリッパはトリッパは使わず 牛の4つの胃のセンマイを入れたスープの様なミネストラタイプですが私はトリッパを使います。トリッパを軽く焼いて最後に加えて、仔牛のスーゴに野菜と軽いバターとフレッシュ角切りトマトの煮込み ミラノだからサフランを使いたい気持ちもありますが我慢 遊びで金箔で包んだりしましたがまぁ。。
トリッパの煮込み ジェノヴァ風
ジェノヴァは皆さん解りますね?ジェノヴェーゼでご存知のバジルのペーストを使います。ジャガイモや野菜を神経質なくらい小さく揃えて切り軽く煮込みます。ただバジルの葉は、香りが熱を加えると一気に爆発的に発生して一気に消えてしまいます。ですからなるべく直前にペストを加えて香りを出します。少しラルドなどで旨味を足します。仕上げは松の実
トリッパの煮込み ナポリ風
正式なナポリ風はトマトで煮込んでますが、やっぱり私のイメージはレモンですね。玉ねぎニンジンセロリとバジルにズッキーニペーストで仕上げます。まぁ完全にソレント風ですが…
トリッパの煮込み カラブリア風
カラブリアは南イタリアですが、とにかく唐辛子を沢山使う料理が多く徹底しています。ワインはやはり辛味が強い料理が多いので少し甘いです。
名産の唐辛子のサラミ ンドゥイヤを使い辛く辛く仕上げます。隠し味にハリッサを入れたり発酵パプリカペーストなど入れます。チーズは甘い香りのペコリーノ
トリッパの煮込み シチリア風
トリッパと言えばだいたい何処の地方でもトマトで煮込みますが、私のシチリアのイメージはマフィアと他民族の文化が入って来た地域 1番シチリアで強烈な味わいはイワシとウイキョウのパスタ ああいった味わいのパスタには中々出会わないのでエキゾチックな感じ なのでイワシやアンチョビとハチノス ウイキョウ 松の実 で煮込んだりして 仕上げはパン粉
トリッパの煮込み プッタネスカ風
スパゲティのプッタネスカ風からの煮込みです。アンチョビ ケッパー オリーブ トマトソース ちょっと強引さは否めない… ブラックオリーブは使わずにグリーンオリーブを使います まぁまんまですね…
トリッパの軽い煮込み カルボナーラ風
ちょっと強引なシリーズ 普通に煮込むと重い料理になるのでグアンチャーレとトリッパをカリカリにしてからソースに軽く和える感じでフィニッシュ。トリュフ削ってみたり 提供価格を考えるなら白トリュフ塩とかで風味を付けても
トリッパのパンツァネッラ風
パンツァネッラは硬くなったパンのサラダですが、パンを煮込みスープにし パッパアルポモドーロのイメージに近づけて、トマトとマイクロバジルやハーブを浮かべカリッと役はトリッパにセモリナ粉を付けてカリッと揚げて浮き身として入れます もはや煮込んで無い…
トリッパのリッボリータ風
リボリータはトスカーナの代表的な郷土料理 豆と野菜 黒キャベツの煮込み けんちん汁みたいなイメージですかね?お肉は入りませんが、トリッパを入れて、オーブンに入れて上に若いペコリーノトスカーノを乗せて焼いてフィニッシュ
見えないトリッパの煮込み
トリッパをミキサーにかけて5時間煮込み トリッパから全コラーゲンを取り出して裏漉しして、透明な液体を冷やして固めると煮凝りのようなコラーゲンが出来るのでフレッシュトマトソースとバジルであえる… もはや… 煮込んでるけど煮込んで無い。前衛過ぎるトリッパ
トリッパのミルフィーユ
トリッパを天板で挟んで300度で焼くとぺったんこの ミルフィーユ生地みたいになります。そこに野菜やチーズを挟んで提供するも、重いなコレ…と感じ2人くらいにしか提供してないかな?
トリッパのサルティンボッカ
サルティンボッカはローマ料理で仔牛の薄切りにセージと生ハムを巻いて食べる料理ですが、仔牛をトリッパに変えて… 仔牛の白いスーゴとフレッシュトマトでバターで
トリッパのカツレツ
フレンチでは良く見かけるトリッパのカツレツ イタリアンだとトスカーナだと細切りにしたトリッパをイカに食感が似ているから、森のイカフリットとかユニークな感じの料理を出したり 私はトリッパとバジルのソースにラルドを挟んで揚げた物をよくご提供していました。今は重い料理になるのでご提供してません
トリッパの煮込み キアンテ風
と、まぁトスカーナだけでもまだまだ地方ごとにあと4つくらい作った事がありますが
うんそろそろ疲れましたので
こんな感じです。
勿論まだ無数にありますが…
シチリアとか南のトリッパは知識と興味不足でまだ勉強中
全州の伝統的なトリッパの煮込みを制覇したいですね まぁトマトで煮込むのはあんまり変わらないんだろうけど…
trippa博士の道は遠い
(そもそもトリッパや内臓料理食べるのは苦手なんですが…)
じゃあどうしてトリッペリア始めた?
ん?日本に無かったし(現在はトリッペリアは引退しました。看板には残ってますが…以前は内臓料理だらけでした)
たまたま当時、古本屋で200円で売っていた紫の牛を売れ!って言う本見てたから
なんとなく…?
フリウリ ヴェネツィア ヴァッレダオスタ トレンティーノアルトアディジェ エミリアロマーニャ マルケ ウンブリア 北中部だけでもまだこれだけありますね うーん勉強あるのみ
ヴェネツィアはあさりとかバッカラ絡めたり? イメージしやすいですね エミリアロマーニャは簡単そうで地域ごとな特性が分かれていて中々難しい ヴァッレダオスタやトレンティーノは山の民だから ヤギのチーズとか使って 寒いから パンをスープに溶かして、スープ仕立てが良いかなぁ? マルケ ウンブリアは… ???
トリュフは高価だし、うーむ悩ましい
チャオ