はい 前回から続いています、料理の化学のコーナー
今回はバターを作っていきます。
まずは基本から、日本では発酵バターと普通のバターが存在しますが、ヨーロッパでは発酵バターが普通のバターです。 昔は手作業で乳を絞りバターを作る作業をしていたので、時間が進み発酵していので、自然とバターは発酵させるものなんです。
発酵バター=生クリーム+乳酸菌
牛乳から乳脂肪分だけを取り除いた物が生クリームで、2割ほどしか取れません。
そして生クリームから更に乳脂肪分を取り出した物がバターになります。
では作って行きます。今回は生クリームから作って行きます。
まずは生クリーム700gに少量の乳酸菌もしくはヨーグルト15gを入れます。40度で8時間くらい放置、ヨーグルトメーカーなんかあると簡単です。無い場合は常温でカビに気をつけて一日くらい。
牛乳でやると普通にヨーグルトが出来ますね。
これを10度くらいの冷蔵庫で香りを良くするために2日ほど熟成させます
電動がオススメ
とまぁどこのサイトでもここで終わりますが、このままだと乳酸菌の酸味が残りますので、一手間入れます。プロですから、この先に行きます
この後はオーブンペーパーなんかで巻いて保存。
1日置いた方が美味しいです。 賞味期限はご自身でご判断を ご自宅だと1週間程度だと思ってますが、しっかり熱を入れて調味料として食べるならカビが生えるまで問題無しです
自家製発酵バターの作り方でした
しかし、ご家族で作るには楽しくて問題無いですがプロが作るには自己満足になってしまうのでやはりバターは買った方が良いです
理由はまず原料が高すぎる
1リットルの生クリームから出来るのがせいぜい2割〜3割。業務用でも生クリームが1リットル1000円くらいしますので
バター200gで1000円近くして、かつ手間もかかります。
かつ、フランスのバターやイタリアのオッチェリのバターと食べ比べると劣りすぎる…
日本の業務用の発酵バターはバターを作ってから乳酸菌を添加するだけなのでヨーロッパバターには到底及びません
だいたいフランスやイタリアの有名なバターは125gで業務入れで1000円程度 まぁ…高いですが、日本ではあのミルキー感が強いバターは真似が出来ないんです。
理由は… 牛乳です。有名どころのバターはほぼ全て生乳を使っています。日本で生乳と表示してあるものば全て生乳ではありません。ただの広告と言うか、脂肪分を足したり引いたりしてないよと言うだけです。成分無調整にも騙されないで下さい。言葉は間違いではありませんが、生の牛乳ではありません。
生の牛乳は日本ではただ一つの牧場でしか出荷されていません。思いやり牧場さんのみです。 無殺菌のまま出荷を許されてる牛乳は日本でオンリーワンなんです。価格もかなり高額なので生クリーム作ったらいくらするんだろ…
ヨーロッパのバター作りやチーズ作りは当たり前のように無殺菌の生乳を使います。乳酸菌を添加する必要もなく元々 牛乳にいる乳酸菌を使いそのまま発酵させるか、風味豊かなバターやチーズが生まれるんですね。日本でも牧場を保有していたり近くにある人は生乳を手に入れることも可能だから作ると美味しいでしょうね
余談ですが、日本の牛はみんな苦しみに耐えてるような顔をしていますが、ヨーロッパの牛や思いやり牧場の牛や岩手短角牛の牛はみんな笑ってるように見えます… 私だけかな? ( 犬が笑ってるのも解るけど… )牛乳は牛のストレスで大腸菌や細菌の量が決まるそうです。日本の牛乳は99%アウトなので、完全殺菌して出荷されるわけです。低温殺菌はどうなのかな? 岩手短角牛も放牧の際はみんな踊ってるように見えますよ
結論から言うと
『餅は餅屋』
何でも自分で作るが美味しいってことでは無いんですね。私は自分で作った方が美味しいと思った食材しか作っていません
チーズはちょっと挑戦したいですが、やはり生乳問題があるので難しいかな… 作ることは、出来ても果たして世界中から選ばれた逸品の素材に勝てるかどうかなんて考えなくても解りますよね…
なんでも作ればいいってものじゃないってことですが、今回みたいにどうやって作られているのか自分で実践してみることは料理人には、とても貴重なことだと思います。
チャオ