世田谷美術館で「倉俣史郎の記憶のなかの小宇宙」を観た!
世田谷美術館で「倉俣史郎の記憶のなかの小宇宙」を観てきました。
造花の薔薇を透明アクリル樹脂に封じ込めた「椅子」、板ガラスを組み合わせただけの「椅子」、大きさを少しずつ変えつつ格子状に49個並ぶ「引出し」、七本の針を持つ「時計」。一見見た時に驚きがあり、そして笑みがこぼれ、しばらくして、その機能がきちんと保持されていることに気づきます。
倉俣史郎(1934-1991)は、このような一風変わった家具と数多くの特色あるインテリアデザインを手がけました。1965年に独立し自身の事務所を構え、同時代の美術家たちとも交流をしつつ、機能性や見た目の形状に主題を置いたデザインとは異なった考え方をした作品を発表し続けます。1980年代にはイタリアのデザイン運動「メンフィス」に参加し、その名は一躍世界中に浸透していきました。倉俣の作品は各国の美術館の収蔵されており、今なお国内外で高い評価を受けています。
没後30年を過ぎて開催する本展覧会では、家具やインテリアの仕事に加えて、創作の源泉を垣間見せるかのようなイメージスケッチや夢日記も紹介し、そのキャリアの最初期からあまりにも早すぎる死までを振り返ります。倉俣史郎の作品とその人物像に新たな視線を向けることは、デザインの可能性を再認識する機会ともなるでしょう。
以下、大展示室の撮影可能な作品
展覧会の構成は、以下の通りです。
プロローグ 浮遊への手がかり
第1章 視覚より少し奥へ 1965-1968
第2章 引出しのなか 1969-1975
第3章 引力と無重力 1976-1987
第4章 かろやかな音色 1988-1991
エピローグ 未現像の風景
プロローグ 浮遊への手がかり
第1章 視覚より少し奥へ 1965-1968
第2章 引出しのなか 1969-1975
第3章 引力と無重力 1976-1987
第4章 かろやかな音色 1988-1991
エピローグ 未現像の風景
「倉俣史郎のデザイン――記憶のなかの小宇宙小宇宙」
執筆・編集:稲塚展子(富山県美術館)、加藤絢(世田谷美術館)
野田尚稔(世田谷美術館)、宮川智美(京都国立近代美術館)
発行:朝日新聞社
「世田谷美術館」ホームページ
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