「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」その1 | とんとん・にっき

「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」その1

「アイノとアアルト 二人のアアルト」チラシ

 

「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」案内板

 

「世田谷美術館」外観

 

世田谷美術館で「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」を観てきました。観に行ったのはオープン二日目、小雨降る肌寒い日でした。ブログに書こうと思って画像などは用意していたのですが、ブログにログインできなくて、載せるのが遅れてしまいました。

 

最近のアアルト展、神奈川県立近代美術館葉山館の「アルヴァ・アアルト―もうひとつの自然」あたりから、急速に家具に多くを割くようになってきました。アアルトといえば、家具やインテリアももちろんやりますが、基本は建築です。その建築を紹介する割合が少なくなっているのが残念です。注目されることの少なかったアイノの仕事に光を当てるのは必要ですが、どうしても家具寄りになってしまっています。理由があるのはうすうすは分かっているのですが、たぶん資料や画像の出所が決まっているためでしょう。つまりは「アアルト財団」からの情報ということです。武藤さんが、二川さんの写真が素晴らしいのは、アアルト事務所から出る写真ではなく、独自の視点で撮っているからだと言ってます。葉山館も、ステーションギャラリーも、そしてギャラリーエークワッドも、展示も図録もみんな同じようで、独自の展示ポリシーが出し切れていないのが残念です。 

 

敬愛しあう パートナーとして25年の月日をともに歩んだアアルト夫妻。注目されることの少なかったアイノの仕事に光をあてつつ、時代を超えて愛されるアアルト建築とデザインの本質を見つめ直す。

 

CONTENTS(図録による)

序章 二人のアアルト

1章  イタリアから持ち帰ったもの

2章  モダンライフ

3章  木材曲げ加工の技術革新

4章  機能主義の躍進

5章  アルテック物語

6章  モダンホーム

7章  国際舞台でのアアルト夫妻

終章 分かち合ったヴィジョン

 

アルヴァとアイノ,1947年撮影

 

「その1」は、主として家具・インテリアを載せます

「その2」は、主として建築を載せます。

 

「ヴィラ・フローラ」アラヤルヴィ、1926年

湖岸のヴィラ・フローラ、1926年

 

上:平面、立面および断面図、アイノ・アアルト、1926年

下:南西側、北側から眺めたヴィラ・フローラ、アイノ・アアルト、1926年

 

二人のアアルト展、展示風景

 

 

 

 

家具の展示

 

 

 

 

 

 

 

「アルテック物語」(1930年代から1940年代)

カタログ等

 

 

木材曲げ加工の技術革新

チェア・スツール

 

 

レストラン・サヴォイのインテリア

 

上:レストラン・サヴォイの内観、2011年撮影

下:インテリアのデザインスケッチ、1936年

 

上:ゴールデンベル、1937年撮影、デザインスケッチ、1936年

下:レストラン・サヴォイのインテリアのためのデザインスケッチ、1936年

 

サヴォイのアームチェア、チェア、アイノ・アアルト、1936年、原寸図面

 

「アイノとアルヴァ 二人のアアルト
 フィンランド―建築・デザインの神話」

アイノ・マルシオ(1894-1949)が、まだ無名の建築家・アルヴァ・アアルト(1898-1976)の事務所を訪ねたのは1924年のことでした。アイノはそこで働きはじめ、ふたりは半年後に結婚します。アイノがパートナーになったことで、アルヴァに「暮らしを大切にする」という視点が生まれ、使いやすさや心地よさを重視した空間には、優しさと柔らかさが生まれます。
やがて国際的潮流となった合理主義的なモダニズム建築の流れのなかでも、ヒューマニズムと自然主義の共存が特徴として語られるアアルト建築は、独自の立ち位置を築きました。実用性や機能性を重視するモダニズムの理論は、ふたりのヴィジョンとも重なるものでしたが、夫妻は自国フィンランドの環境特性をふまえ、自然から感受した要素をモティーフとしたデザインを通じ、彼らなりの答えを探求していきます。アイノは54歳という若さで他界しますが、ふたりが協働した25年間は、かけがえのない創造の時間となりました。
互いの才能を認めあい、影響しあい、補完しあいながら作品をつくり続けたアアルト夫妻。本展は、これまで注目される機会の少なかったアイノの仕事にも着目することで、アアルト建築とデザインの本質と魅力を見つめ直し、新たな価値と創造性を見出そうとするものです。2020年にギャラリーエークワッド、竹中大工道具館にて開催した先行企画で展示された作品資料も網羅するほか、長年遺族のもとで保管されてきた初公開資料などもご紹介します。

 

「世田谷美術館」ホームページ

世田谷美術館 SETAGAYA ART MUSEUM

 

過去の関連記事:

東京ステーションギャラリーで「アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」を観た!

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武藤章の「アルヴァ・アアルト」を再読した!

小泉隆「アルヴァ・アールトの建築 エレメント&ディテール」を読んだ!

アールトといえば、やっぱりこれでしょ!

ギャラリーエークワッド「アイノ・アールト アルヴァ・アールトと歩んだ25年」を観た!

 

 

「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」

展覧会図録(カバー付き)

2021年3月15日初版第1刷発行

編:アルヴァ・アアルト財団

ギャラリーエークワッド

発行所:株式会社図書刊行会

 

「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」

展覧会図録(カバーなし)

 

AINO AALT Actrchitect and Designer

―Alvar Aaltoと共に歩んだ25年―

2016年8月12日(金)-2016年10月31日(月)

主催:公益財団法人竹中育英会

共催:公益財団法人ギャラリーエークワッド

 

「アルヴァ・アアルト会うヴァ・アアルト―もうひとつの自然」

神奈川県立近代美術館展覧会図録

2018年10月25日初版第1刷発行

編集:和田菜穂子

    (建築史家、国際巡回展日本展担当コーディネーター)

発行所:株式会社図書刊行会

 

以下、手持ちのアアルトの本(順不同)

 

SD選書34

「アルヴァ・アアルト」

発行:昭和44年3月5日第1版

著者:武藤章

発行所:鹿島研究所出版会

 

「ALVAR AALTO」

Band Ⅱ 1963-1970

Les Editions d’Architecture Artemis Zurich

 

「ALVAR AALTO作品集」

第1巻 第2巻 第3巻

発行者:二川幸夫

発行:A.D.A.EDITA Tokyo Co.Ltd.

 

「アルヴァー・アールト 1898-1976」

―20世紀モダニズムの人間主義

展覧会カタログ

編集:セゾン美術館/デルファイ研究所

発行・発売:デルファイ研究所

発行日:1998年12月15日

 

「アルヴァ・アールトの建築」

エレメント&ディテール

2018年3月10日初版第1刷発行

著者:小泉隆

発行所:株式会社学芸出版社

 

建築巡礼18

「アールトとフィンランド」

―北の風土と近代建築―

平成2年9月30日発行

著作者:伊藤大介

発行所:丸善株式会社

 

GAグローバル・アーキテクチュアNo16

「アルヴァ・アアルト」

イマトラの教会

セイナヨキ・シティ・センター

1972年6月15日発行

企画・撮影:二川幸夫

文・訳編:武藤章

発行:A.D.A.EDITA Tokyo Co.Ltd.

 

GAグローバル・アーキテクチュアNo10

「アルヴァ・アアルト」

ルイ・カレ邸 1956-59

1971年11月1日発行

企画・撮影:二川幸夫

文・訳編:武藤章

発行:A.D.A.EDITA Tokyo Co.Ltd.

 

GAグローバル・アーキテクチュアNo24

「アルヴァ・アアルト」

セイナッツアロの役場 1950-1952

カンサネラケライトス  1952-1956

1973年8月10日発行

企画・編集:二川幸夫

文:武藤章

発行:A.D.A.EDITA Tokyo Co.Ltd.

 

現代建築家シリーズ

「アルヴァ・アアルト」

1969年8月10再版

写真:二川幸夫

文:芦原義信・武藤章

発行所:株式会社美術出版社

 

朝日新聞:2021年4月20日