お宝映画・番組私的見聞録 -232ページ目

ドラえもん(日本テレビ版)・その1

今まで映画というブログジャンルということもあり、取り上げたたことはなかったのだが、まあバラエティなども取り上げているわけだし、このブログのタイトルは「お宝番組・映画」なので、アニメについても取り上げてみることにする。その第1弾として「ドラえもん・日本テレビ版」(73年)について語ってみようと思う。現在放映中のものは、テレビ朝日系で79年にスタートしたもので、それ以前にもアニメ化されていたことを若い人はあまり知らないかもしれない。旧作はなんと呼称しようかと思ったが、ファンとかの間では「日本テレビ版」と呼んでいるようである。この旧作だが、リアル子供だった我々世代でも見た人は少ないかもしれない。日曜夜7時というゴールデンな時間に放映されていたのだが、裏番組が「マジンガーZ」だったり、「お笑いオンステージ」だったり、「アップダウンクイズ」だったりして私自身もそんなには見ていなかったと記憶している。それに加え放送期間も普通に半年で終了しており、しかも再放送もほとんどされていないということもあり「幻のアニメ」ともいわれている。実際問題、フィルムの所在は不明らしい。今までアニメのオープニング集というものはビデオやLDなどで結構発売されているが、確かこの日テレ版のドラえもんの映像は収録されたことはないはずである。(CDならOP、EDとも収録されているものが発売されている)。

何故このような事態になっているのかというと、アニメを制作していた日本テレビ動画の渡辺社長が辞めてしまったからである。当時のスタッフによると実は視聴率が上向きになり、放送延長もほぼ決定していたらしいのだが、社長が投げ出してしまったため、番組は終了することになり、日本テレビ動画自体も解散することとなったのである。そしてこの番組の資料など保管する場所もなくなり、荒川の土手で燃やしてしまったということらしい。ただしフィルムはテレビ局に納品したため、燃やしていないとのこと。つまり、どこかの倉庫に眠っている可能性があり、再び陽の目を見ることがあるかもしれない。(藤子不二雄ファンサークルマガジンNeo Utopiaより)。

ちなみに日本・テレビ動画であり、日本テレビの子会社というわけではないらしい。日本放送映画、東京テレビ動画、そして日本テレビ動画と社名が変わっており、他の作品には「ミュンヘンへの道」「モンシェリCoCo」などがあり、かなりマイナーなものが多い。

次項では、その内容について語ってみたい。

爆笑王座征服

新東宝に「爆笑王座征服」(58年)という作品があるのだが、このタイトルからどういう内容を想像するだろうか。今で言うM-1グランプリみたいなものなのかなどと考えてしまうかもしれないが、全く違う。これは新東宝オールスター総出演の顔見せ的映画なのである。ずっと以前の紹介した大映の「スタジオはてんやわんや」みたいなものなのだ。簡単にいえば舞台の上で出し物を見せるというかくし芸大会的な作品である。であるから出演者だけは非常に豪華だ。宇津井健、天知茂、中山昭二、丹波哲郎、高島忠夫、江見俊太郎、御木本伸介、和田桂之助といったお馴染みの男優陣、三ツ矢歌子、久保菜穂子、大空真弓、高倉みゆき、池内淳子、小畑絹子、三原葉子、万里昌代といった女優陣、ちなみに三原と万里はやはりセクシーなダンサーの役である。それに加えて時代劇部門からは戦前の大スター嵐寛寿郎、坂東好太郎、そして明智十三郎、中村竜三郎、天城竜太郎(後の若杉英二)が白浪五人男を披露、女性では宇治みさ子、北沢典子らが登場、そしてこの頃新東宝映画によく出ていた由利徹などがどしょうすくいを披露するといった具合。まあ30分にみたない作品なので誰がどこに出ているかを探すだけでも楽しめるかもしれない。しかしこれを見て爆笑する人はまずいないと思うが、このタイトルはどこから来たのか謎である。 

戦雲アジアの女王

前項で挙げた宇津井健、中山昭二、丹波哲郎の三人が揃って出ている作品の一つに「戦雲アジアの女王」(57年)がある。主演は前述の三人ではなく、高倉みゆき、高島忠夫である。高倉みゆきは社長の大蔵貢が自らスカウトした元東映の女優で、新東宝移籍第一作目にして主演に抜擢されたのである。東映時代は本名の和田道子名義で「紅孔雀」などに出演していた。このような経緯もあり「大蔵貢の愛人」と言われていた。高島は新東宝スターレットの1期生で(同期に天知茂など)、専らコメディ路線の作品に出ており、あまり前述の三人とは共演していない(と思う)。近年は鬱病になり、テレビからは遠ざかっているようだ。この作品には御木本伸介、細川俊夫、伊達正三郎(当時は舘正三郎)、そして古川ロッパ(当時は禄波)なども登場するオールスターキャスト的な作品であった。さて高倉みゆきだが、大蔵との仲がおかしくなると主演予定だった作品を降板させられ、60年には新東宝を離れていくことになる。大蔵の「女優を妾にしたのではない。妾を女優にしたのだ」という発言は有名だが、実際は愛人というような関係ではなかったという説もある。新東宝は翌61年に倒産するのだが、高倉はその後も女優活動は続けていた。ある意味強い人である。

暴力の王者

ちょっとネタが尽きたので、たまたま見た新東宝映画を取り上げる。宇津井健主演の「暴力の王者」(56年)である。この作品は宇津井の他に中山昭二、丹波哲郎がメイン。この三人が揃っている作品はあまりないのではないだろうか、と思って探してみると意外とあったりする。この半年後に公開された「波止場の王者」などでも三人が揃って出演していた。たまたま自分が見たことなかっただけであった。

さて本作だが、宇津井と中山は元ヤクザという設定だが、とても似合わない。しかもどう見ても年上な中山が宇津井を「兄貴」と呼ぶのは非常に違和感がある(実際は当時宇津井25歳、中山28歳)。やはり我々世代にとっては、宇津井は「ザ・ガードマン」の高倉キャップであり、中山は「ウルトラセブン」のキリヤマ隊長なのだ。この二人と対決するのが丹波哲郎だが、この人も我が世代には土曜9時の正義の人なのだが、悪役でもさほど違和感を感じない。まあ新東宝時代の丹波はこういった役柄がほとんどであった。女優陣は久保菜穂子、江畑絢子、水帆順子といった面々だが、久保以外はよく知らない。久保菜穂子は美人かもしれないが、あまり男ウケするタイプではないように思う。

まあどうしても感じてしまう違和感を大いに楽しむ作品であるといえよう。

二人の刑事

二人組が主役の刑事ドラマといえば「あぶない刑事」(舘ひろし・柴田恭兵)、「二人の事件簿」(篠田三郎・高岡健二)、「俺たちの勲章」(松田優作・中村雅俊)といったように、ほぼ同世代のはみだし刑事といったものが多いが、前項で名前を挙げた「二人の刑事」(70年)は当時53歳の芦田伸介と28歳の中尾彬という年の差25歳というコンビが主役である。見た目どおり、大ベテラン刑事と新米刑事という組み合わせだ。そのタイトルと芦田伸介主演ということからして、「七人の刑事」を意識しているように見えるが、まさにその通りで、「七人の刑事」終了から丁度1年後に脚本早坂暁、演出山田和也という「七人」のスタッフで制作されている。そのキャッチフレーズも「七人の刑事を凌ぐ心理描写」というものであった。しかし、七人から二人というパワーダウンのせいかどうかは知らんが、わずか16回で幕を閉じている。放送期間は半年だったので、水曜8時という時間帯からしてナイター中継などによる休止も多かったようだ。他の出演者は役柄は不明だが加藤武、仲谷昇、田村正和らが出ていたようである。ゲストは第1話が小川真由美、以降江原真二郎、御木本伸介、中山仁、南原宏治、そして最終回は川地民夫といった具合だったようだ。おそらく一度も見たことがないが、子供の頃その番組宣伝は見たような気がする。まあ一度見てみたいドラマの1つである。

真昼の誘拐

前項で取り上げた高橋英樹だが、デビュー作では端役だったが、2作目で早くも主役格に起用されたのが「真昼の誘拐」(61年)である。これは不良な若者たちが子供を誘拐、といっても直ぐに子供を送ってきたふりをして礼金をせしめよう程度の計画だったのが、子供は警視総監の娘で思わぬ大事態に発展してしまうというような話。その若者たちに扮するのが高橋英樹、川地民夫、杉山元、石崎克己、中尾彬といった面々である。この中で既に活躍していたのは川地だけで、後はほぼ無名の新人であった。杉山元は最近取り上げた「ミラーマン」の安田役が有名。石崎克己は詳細不明だが、60年代前半のみ活動していた人のようである。そして、これがデビュー作になる中尾彬。当時はまだ俳優というわけではなく単に大学生だったようだ。中尾はこれがきっかけで、この翌年日活に入社するのである。他の出演者は警視総監に芦田伸介、誘拐に絡んでくる悪人に垂水悟郎、刑事役には後に刑事ドラマで活躍することになる佐野浅夫、庄司永建などである。芦田と中尾も後に「二人の刑事」というドラマで共演することになる。毎度のことながら未見だが、デビューまもない高橋英樹と中尾彬が見られるという点で、見てみたい作品である。

上を向いて歩こう

前項までと話題は全く変わるのだが、CSで日活映画「上を向いて歩こう」(62年)が放映された。その内容とか出演者については全く知らなかったのだが、坂本九が主演だということは予想がつく。それは正解だったのだが、ちょっとほろ苦い感じの歌謡恋愛映画かなあと思っていたのだが、かなり違っていた。他の出演者は浜田光夫と吉永小百合のゴールデンコンビ、それに高橋英樹という珍しい取り合わせである。高橋英樹はこの前年にデビューしたばかりで、当初は青春映画に出演していたが、翌63年に「男の紋章」への主演で日活任侠路線へ進んでいったので、浜田や吉永との共演は珍しく感じる(私が知らないだけかもしれんが)。ちなみに本作で吉永と絡むのは浜田ではなく高橋である。

さて内容だが、冒頭少年鑑別所からの集団脱走で幕を開ける。その中の二人が坂本と浜田だが、それを軽トラで拾うのが、例の黒縁メガネを掛けていなかったので一瞬誰かわからないが、「七人の刑事」の芦田伸介である。芦田は脱走した少年を鑑別所には返さずにそのまま引き取って更生させるという保護司という役柄だが、非常に無茶な設定である。その娘が吉永と後にジェリー藤尾と結婚する渡辺トモコだ。年頃の娘にある意味危険な若者たちの世話をさせているというのも無謀な話である。とまあ坂本九が主演とはいえコメディでも歌謡映画でみなく、普通に青春映画なのである。ところでどう見ても坂本九は善人にしか見えないが(映画の中でもやっぱりいい奴である)なんで鑑別所に入っていたのかは謎である。

夕日と拳銃(映画版)

前項の「夕日と拳銃」には映画版が存在しており、56年に制作されている。主演は東千代之介で、当時はデビューして3年目だが既に30歳、中村(萬屋)錦之介と並ぶ東映のエース的存在であった。東の活躍はデビューから10年くらいに集中しており、その後はたまにテレビに出ているという感じで00年に亡くなっている。元々日本舞踊界の人なのでその世界に戻ろうと思えば戻れたということもあり、それほど役者への固執はなかったようだ。個人的には東千代之介をテレビで見た記憶がほとんどないが、「バトルフィーバーJ」に司令官役で出演していたのには驚いた。

さて他の出演者だが、父親役で小沢栄太郎(当時は小沢栄)、弟役に高倉健、加藤嘉、村瀬幸子、宇佐美淳(当時は諄)らに加え、今やベテラン声優の藤田淑子や南原宏治(当時は伸二)、そして新人だった今井健二(当時は俊一)らが出ている。今井健二は今井俊二名義でデビューしたと思っていたが、デビュー作と本作の二作のみ本名である俊一名義で出ているようだ。その他にも神田隆、波島進、南川直、佐原広二、岩上瑛という「特別機動捜査隊」の初期メンバーが揃って出ている。注目すべきは波島進でなんと金日成の役。この金日成があの将軍様の父を指しているのかたまたま同じ名前なのかよくわからないのだが、満州解放の闘士と解説にはあるので、あの金日成だろうと思われる。ちなみにこの映画では主人公側の人間のようだ。

夕日と拳銃

工藤堅太郎という人は、自分がかなり子供の頃には認識していた俳優だが、彼を一躍有名にしたのは「夕日と拳銃」(64年)というドラマのようだ。わずか1クールということもあるのか全く初耳であった。テレビドラマデータベースには「大陸の広大な荒野を舞台に描く」とあり、なんのことやら一瞬わからなかったが、ようするに馬賊を描いた話のようだ。原作は壇一雄の小説で実在の人物である伊達順之助をモデルにした伊達麟之介が主人公となっているので、テレビドラマデータベースや日本映画俳優全集には工藤堅太郎が演じたのは伊達順之助となっているが、正確には麟之介が正しいと思われる。共演は嘉手納清美、扇千景、小松方正などで、工藤と嘉手納はこの共演がきっかけで結婚している(後に離婚)。当然聞いたことはないのだが、この番組の主題歌はとても「巨人の星」に似ているそうである。作曲は同じ渡辺岳夫なので似ていても不思議ではないのだが、一度聞いてみたいものである。

五番目の刑事

最近このブログに登場した工藤堅太郎、そして原田芳雄から連想されるのが「五番目の刑事」(69年)である。とはいっても毎度のことながら見たことがあるのは、そのOPとEDだけで、おそらく番組自体は一度も見たことがない。再放送などもおそらくうちの地域ではされていないのではないだろうか。資料もなくあまり語られることもないレアな番組の一つといえるだろう。というわけで、そのOPと少ない情報のみで書いていくことにする。

タイトルどおり五人の刑事が活躍する話で、五番目というのは当然主演の原田芳雄演ずる原田刑事のことである。同じ東映制作の「特別機動捜査隊」のようなお堅い刑事ドラマとは打って変わって原田はジープに乗って走り回る。「太陽にほえろ」の第1話で萩原健一はジープに乗って現れるが、同じことを原田は3年早くやっていたのである。原田のデビューはテレビも映画も68年だったので、まだ新人同然であった。しかし既に28歳ということもあり初々しさは感じられない。他の四人だが、まずは工藤堅太郎(立花刑事)。ドラマ上ではどうだったかわからないが、実年齢は原田と同い年である。「Gメン75」の若林豪(立花警部補→警部→警視)、「特捜最前線」の本郷功次郎(橘警部)、「非情のライセンス」の渡辺文雄(橘警部)、「特別機動捜査隊」の南川直(橘部長刑事)など東映のタチバナ好きは有名だが、ここにも立花がいたのである。ただ若手刑事は工藤だけだ。話を戻し後は常田富士男(庄田刑事)、桑山正一(牛山刑事)、中村竹弥(山田部長刑事)という渋いメンバーである。中村竹弥は歌舞伎界では下積みの人だったが、テレビ開局まもなくからテレビに進出し「半七捕物帳」「右門捕物帳」「旗本退屈男」と次々に主演し、初のテレビ時代劇スターといわれた人でなので、こういった現代劇に出演するのは珍しかったと思われる。まあ我々世代にはやはり「大江戸捜査網」の内藤勘下由役が一番馴染みがあるのではないだろうか。

まあいずれにしろCSあたりでの放送を望む次第である。