<思想・良心の自由(19条)>
①「思想・良心」とは?
☆人格核心をなすものに限定(信条説)。
②思想・良心の自由の内容は?
☆沈黙の自由を含む。
※事実の沈黙は、21条で保障される(消極的表現の自由)。
③思想・良心の自由はどの程度保障されるの?
☆対公権力→内心の領域にとどまる限り、絶対的に保障。
※私人間では、保障の程度も相対化(三菱樹脂事件参照)。
④裁判所による謝罪広告の強制(民法723条)は、19条に反し違憲なの?
☆「単に事態の真相を告白し陳謝の意を表するにとどまる程度」→合憲(謝罪広告強制事件)。
⑤国民審査の際、白票を「罷免を可としない」票に数えることは、19条に反するの?
☆積極的に罷免を可とする者と、それ以外を数える制度→反しない(国民審査事件)。
<信教の自由>
1 信教の自由(20条)
①明治憲法時代、信教の自由はどの程度保障されていたの?
☆いい意味の「法律の留保」なし→法律によらなくても制限できる。
②信教の自由(20条)の内容は?
☆信仰、行為、結社。
③信教の自由の保障の程度は?
・内心→絶対的に保障。
・外部→公共の福祉による制約あり(加持祈祷事件参照)。
2 政教分離(20条1項後段、20条3項、89条前段)
①政教分離とは?
☆国家の非宗教性ないし宗教的中立性。
②政教分離は、憲法上、どのように規定されているの?
・特権付与の禁止(20条1項後段)。
・宗教的活動の禁止(20条3項)。
・公金支出の禁止(89条前段)。
③政教分離の趣旨は?
☆少数者の信教の自由を保障。
④政教分離の法的性質は?
☆制度的保障→政教分離を侵害する行為が、ただちに個人の人権侵害につながらない。
⑤国家と宗教とのかかわり合いは一切禁止されるの?
☆相当とされる限度を超える場合に、許されない(相当分離説)。
∵福祉国家。
⑥国家と宗教とのかかわり合いが「相当される限度を超える」かどうかの判断基準は?
☆目的・効果基準。
⑦地方公共団体が、工事現場で神道式の地鎮祭を挙行し、公金を支出する行為は、憲法違反なの?
☆目的→専ら世俗的、効果→特定の宗教に影響を及ぼさない(津地鎮祭事件)。
⑧地方公共団体が、神社の境内で行われる神社主催のお祭りに公金を支出する行為は、憲法違反なの?
☆目的→宗教的意義、効果→特定の宗教団体に対する影響(愛媛玉串料事件)。
<学問の自由>
①学問の自由のどんな行為が保障されるの?
☆研究、発表、教授。
②23条は、人権としての学問の自由のみを保障しているの?
☆大学の自治(制度的保障)。
③大学の自治の内容は?
☆人事の自治・施設管理の自治。
④警察官の大学構内における演劇発表会への立ち入りは、大学の自治を侵害するの?
☆実社会の政治的社会的活動→大学の学問の自由と自治は享有しない(東大ポポロ事件)。
重要判例を一つ一つ丁寧に潰していきましょう。事案→争点→結論→理由の順番でおさえて下さい。
とくに、「結論にいたる過程」は要チェックです。