2か月ぶりになりますが、聖書に見るトルコをご案内します。
今回は今まで書いてきた黙示録7つの教会の最後として、スミルナとエフェソスです。
スミルナは現在のイズミール、エーゲ海に面した港町で人口は400万人を数える大都市です。
紀元前1000年ころから栄えた町で、イーリアスやオデュッセイオスを書いたギリシャの吟遊詩人・ホメロスの出身地と言われています。
紀元前1世紀にはローマ帝国の支配下に入り、聖書には、ヨハネの黙示録(2:8~11)の七つの教会の一つとして登場します。
使徒言行録(使徒行伝、使徒の働き)には出てきませんが、パウロは第3回の伝道の時、エフェソスに3年滞在した後、マケドニアに向かいます。
その途上にスミルナはありますので、立ち寄ったと思うのですが、記述はありません。
後に初代教会ができ、スミルナ教会の人たちの暮らしは貧しく、しかも「サタンの集いに属するものたち」から追害されていた。しかしイエスの福音を信じることにおいては心豊かでした。
スミルナの教会は、ヒラデルヒヤの教会とともに、非難されることなく信仰の篤さを賞讃されています。
2章10~11節に「死に至るまで忠実であれ。そうすれば、あなたに命の冠を授けよう。 耳ある者は、“霊”が諸教会に告げることを聞くがよい。勝利を得る者は、決して第二の死から害を受けることはない。」とありますが、迫害が激しくなったスミルナでは、ヨハネの弟子ポリカープがスミルナ教会の司教でしたが、155年頃、この地で火あぶりの刑を受け殉教しました。
よく泊まるホテルの近くに、ポリカープ教会があります。
中に入りたくて、何度か足を運んだのですが、いつも閉まっていて入れません。
ガイドさんも調べてくれて、電話番号もGETしたのですが、かけても出ないのでまだ入れたことがありません。
今度こそは!
市内にローマ時代の道やアゴラが残っています。
墓石がいくつも残っていますが、その中にヘブライ語の刻まれたものもありローマ時代にユダヤ人がいたことがわかります。
イズミールから南に80kmほど行ったところにエフェソスがあります。
現在はエフェスと呼ばれています。
エフェソスには、遺跡以外にも聖ヨハネ教会、考古学博物館、マリアの家、アルテミス神殿跡などたくさん見どころがあり、膨大な記事になりますので、今回は黙示録(2:1~7)の世界に絞ってご案内します。
ヨハネの書き送った七つの教会の最初に登場するエフェソスは、パウロとテモテの伝道によりできた初代教会で、放縦な生活を正当化するニコライ派を憎む、その堅固な信仰は誉められました。
しかし「初めの愛」から離れてしまったことを責められています。
ヨハネの手紙には、「右の手に七つの星を持つ方、七つの金の燭台の間を歩く方が、次のように言われる。」と書き出されています。「金の燭台」は、ヘブライ語で「メノラー」と言い、もともとユダヤ教のシンボルで、エルサレムの神殿内に置かれていた燭台です。
エフェソスの遺跡には、古代世界三大図書館の一つで、エジプトのアレクサンドリア、トルコのペルガモンに次ぐ有名な「ケルソスの図書館」があります。
この図書館の正面に8本の大きな柱があり、柱の下は大理石の階段になっていますが、右から3本目の下の階段に七枝の燭台が彫られています。
もちろん、最初から彫られていたものではないでしょうけど、黙示録に登場する最初の初代教会エフェソスで、七枝の燭台が彫られていることに不思議な一致をみますね。
これを彫った人は、エフェソの住人? 図書館建設にお金を出した人? はたまた巡礼者が旅の記念に彫った? などと考えていると想像は尽きませんが、ユダヤ人であることは間違いなさそうです。
もしかしたら、このような落書き? が、遺跡のどこかにまだあるかもしれませんね。
一緒に探してみませんか?