シャローム! 

 一時期の寒波を乗り越えて、春の訪れを感じる今日この頃です。 

シクラメン 

 

あたりにはアーモンドの花、シクラメン、アネモネ、バラ、ラベンダー…。たくさんのお花が綺麗に咲き誇っています。でも春が近づくとワクワクするのはそれだけが理由ではないのです。それはそう、「プリムの祭り」があるから。 

 

今回はプリムの祭りについてお話したいと思います。 

旧約聖書のエステル記に因んだプリムの祭りは、ユダヤ人がペルシャの高官ハマンによるユダヤ民族滅亡の策略から救われ、絶滅の危機を逃れたことを記念する祭です。 

 

この祭の特徴はまず、思い思いの仮装をすることです。 

今年は3月13日と14日にありましたが、プリムの祭が大好きなイスラエルの子どもたちは本番の1週間も前から毎日のように幼稚園で仮装をします。 

 

 

みんなカワイイですね!

何に仮装しているか想像つきますか?

イスラエルでもアニメのキャラクターや子ども番組のヒーローものなどは、毎年の定番の仮装です。

こちらは見ただけでわかりますね。
白雪姫と7人の小人です。
一人だけ、小人ではないような・・・
一人小人が足りないようですが、カメラで撮っているのかな?
こちらは私はわかりませんでしたが、アニメに詳しい知人に聞くと左側の男性が扮するのは、日本の呪術廻戦というアニメの「五条悟」というキャラクター。
右の女性は地縛少年花子というアニメの「八尋寧々」というキャラクターだそうです。

 

今年の仮装の特徴としては、10月7日(2023年)にイスラエルが攻撃された際に、自分の命を顧みずに負傷者を手当てして亡くなった女性や、長い間拉致されたにも関わらず勇敢な姿で帰ってきた女性の仮装をする子どもたちもいたことは、心に残りました。きっと彼女たちは今の時代の「エステル」(機転によってユダヤ民族を救った人物)なんだな、と。 

 

シナゴーグ(ユダヤ教会堂)ではエステル記が朗読されるのですが、ユダヤ民族を滅ぼそうとしたペルシャ帝国の権力者「ハマン」という言葉が出た時に、その名が聞こえないように音を立てる「ラアシャン」という大きな音の出るおもちゃもプリムならでは、です。 

 

この日シナゴーグに行くと聖書朗読の時、あちこちでラアシャンのすごい音が響き、いつもと全く違う雰囲気になります。

 

ちなみにこのシナゴーグでのエステル記の朗読は、子どもたちも最後まで残って夜の12時過ぎまで続くこともあったり、シナゴーグではなくある家庭に女性だけ集まって朗読することもあるそうです。

 

左のラアシャンは3才男の子の手づくり! 

 

また、「ハマンの耳」という意味のクッキー、オズネイ・ハマンもみんな大好きです。 

クッキーの中にはデーツ、チョコレート、ドライフルーツなどが入っていて、どれも美味しいので何個でも食べたくなります。 

プリム初日は断食をしますが、その後は特別なご馳走を食べながら、お酒もたくさん飲みます。「いまわしいハマンと、幸いなモルデカイ(エステルのおじ)の区別がつかないくらいにお酒に酔って愉快になる必要がある」とイスラエルの賢者も言っているほど。子どもだけではなく、大人にとっても楽しい祭ですね。 

この日は街のあちこちで仮装する人、お酒を飲む人をたくさん見かけました。 

皆さんもぜひイスラエルでプリムを体験してみてください。 

 

プリム・サメアフ(ハッピー・プリム)!!