ある在宅ワーカーのつぶやき -36ページ目

ある在宅ワーカーのつぶやき

みそっかす反訳者が、用字用例辞典(日本速記協会)の表記ルールにおける個人的な解釈についての記事を書いています。2020年4月半ばから新訂対応です。たまにテープ起こしについてのそのほかの話も。文中で引用している辞書はこちら→https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

かなり面倒なものを含んだ表記変更になります。

なお、このほかに「1人」と表記する場合もあるのですが、それはこのたびの改訂とは関わりがないため、今日は省略します。

 

基本的には、旧ルールで「単独、孤独、単に」の意味の場合の表記である「ひとり」が「独り」になったというのがこのたびの改訂です。「独りぼっち」や、以前「立ち」の記事でちょっと触れた「独り立ち」なんかですね。

 

「基本的には」と書いたのは、そうでないものがあるためです。

 

まず、「独り」の項に特に記載はないのですが、表記の例外として「ひとりでに」があります。これは単独の項目で記載があるのですが、これだけはなぜか旧ルールと同じ表記になっています。

 

そして次に、これが厄介なんですが、「ひとり」から「一人」あるいは「独り」の書き分けが必要になった複合語が三つあります。

 

これらは用字用例辞典に単独の項目として記載があり、用例が示されているんですが、その一つ目が「一人歩き」or「独り歩き」です。旧ルールでは「ひとり歩き」でしたが、このたびの改訂で書き分けが必要になりました。それぞれの用例は「深夜の一人歩きは危険だ」、「言葉が独り歩きする」と、これはまだ意味が違いますから分かります。

 

問題は、残り二つです。「一人暮らし」or「独り暮らし」、「一人住まい」or「独り住まい」です。しかも用例はそれぞれ、「気ままな一人暮らし」「独り暮らしの老人」「一人住まいの気安さ」「わびしい独り住まい」です。辞書で意味を調べても、「ヒトリグラシ」は「ひとりで生活すること」、「ヒトリズマイ」は「結婚せずに、または家族と離れて、一人で住んでいること」とだけありますので、分けようがありません。(意味は全てデジタル大辞泉より)用例を見ても「結婚せずに」と「家族と離れて」で分けているわけではなさそうですし……。

強いて言えば、「一人」の表記の用例は寂しくなさそう、「独り」の表記の用例は孤独で寂しそうな感じを受けるでしょうか? 「独り」を用いる言葉に「独りぼっち」なんかもありますし。

 

しかしそんな表記の分け方も微妙ですよね……。本当にこれもどう分けているのか具体的に教えてほしいです。

以前「」についての複雑な気持ちにちょっと触れたことがあります。相変わらず消化できずこの漢字を見ると微妙な気持ちになっておりますが、このたびの改訂によってまたこの漢字に触れることにしました。ただし、以前記事にした名詞の「丸」はルールが変わっておりませんので、形容詞のほうです。

 

この表題を見ただけで使い分けが分かった方は超能力の持ち主でしょう。まず分からないと思います。しかし用字用例辞典にはその使い分けについての記載があります。非常にシンプルですが、「丸い」は「球形」、「円い」は「円形」です。超そのままですね!

 

とはいえ、辞書で「マルい」を調べますと、その意味の一つとして「円または球の形をしている」(デジタル大辞泉より)という記載があります。この大変シンプルで短い意味を、用字用例辞典では二つに分けて表記しないといけないわけです。用字用例辞典には、「円窓」「円テーブル」という用例が示されています。

 

……今気づきましたが、冒頭で「丸」は表記が変わっていないと書いたけれども、それもちょっと微妙な感じですね……。「円い窓」だけでなく「円窓」もとは。用字用例辞典に「円(マル)」という項目はないのですが、名詞も一部そうであると考えたほうがよいのかもしれません。「丸」の項の用例を見ると「丸印」などはそのままのようですが。
 

なお、デジタル大辞泉に記載のあるそのほかの意味「物に角 (かど) がない。また、曲線を描いている」「かどかどしくなく、穏やかである。円満である」は、用字用例辞典の用例から見て「丸い」の表記でいいようです。

 

私は一言言いたいです。どれもこれも「丸」で十分読み手に伝わりますよね……。

本当になぜこれを分けたんですかね……。

コロナウイルスの影響で、いつもとは違うお盆になった方も多いでしょうが、皆様はどのように過ごされたでしょうか。

私は、県外にある実家の墓参りにも行けず、パソコンは壊れて仕事もできす、旦那は仕事で、家でダラダラぐだぐだ怠惰の限りを尽くしました。

 

そう、先日の記事の終わりにちょっと書きましたが、パソコンが壊れてしまったのです。

(人さし指でNキーをたたいた瞬間飛びました…。これでキーボード全交換です)

 

前記事で触れたときは動揺のあまり10か月ぶりと間違って書いてしまいましたが、1年1か月ぶりです。9月の繁忙期でなくてよかったとの思いが強過ぎて、いつの間にか前回は9月に壊れたに脳内変換されていたようです…。

 

今まで8年余りこの仕事をしてきて、途中二度パソコンを買い替えていますが、壊れたのは今のパソコンが初めて、かつ二度目なので、よほど今のパソコンとの相性が悪いのかもしれません。

あるいは私の打ち方が前より悪くなったのか分かりませんが、キーボードが壊れてパソコンを修理するのでしばらく仕事ができない旨伝えるために会社に電話をし、電器店に修理に持っていって、私は衝撃の事実を幾つか知りました。

 

(1)会社の人「(私)さんぐらい打てばそれは壊れますよ!(笑)」

全然知らなかったんですが、自分はどうも人より多く仕事をしていたみたいです…。

先日触れたときに私は1日最大漢字変換した日本語を6万文字打つと書きましたが、私は現在、一月当たり少ない月で10時間程度、多い月で30時間弱分のデータを文字にしています。1時間の音声で大体1万5,000字から2万字ですから、最大一月50万字程度打っているということです。それは1年で現在のキーボードの耐久性を超えてしまうぐらいだったのかもしれません。

 

(2)会社の人「えっ、ノートパソコンのキーボードそのままであんなに打っていたんですか??」

ノーパソのキーボードは打ちづらいので外づけで別にキーボードを設置するのがデフォのようです…。

確かに、私も最初はデスクトップを使っていたので買い替えてノートになったとき使いづらいなとは思っていましたが、ノートに外づけにするという発想がなく、今ではすっかり慣れてしまっていました。

 

(3)キーボードの修理は2万円&3週間かかる見込み

それで先日購入した電器店に修理で持ち込んだんですけど、そこで店員さんに言われたのが上記の内容です。

前回はメーカー保証期間内だったため無料だったのが、今回は有料みたいで、しかも破損のため電器店の保証対象外のようなのです。

しかも、タイミング悪くメーカーは盆休みのため、修理は3週間かかると…。

 

上記の事実のほか友人のアドバイスもあり、次同じことがないよう、即キーボードを購入しました…。

友人から、Bluetoothは接続が切れたり入力のタイムラグが大きかったりすると聞きましたので、USB接続のものにしました。私の中ではキーボードは1年で壊れる消耗品ですから、店頭サンプルでキータッチの感触だけ確かめて、いい感じのものの中で最も安いものを。打鍵の音やキーボードの大きさは全く考慮に入れる必要がありませんから、本当に安いものにしました。販売価格は1,000円でしたが、それが箱の破損で値下げされて600円、ポイントバックを考えたら500円弱になっていたものなのでまさに消耗品です。

(こういうのにしました。予算、決算時は数字入力が多いためテンキーは絶対必要です。

机が小さいのでサンワサプライのキーボードスライダーを買いました)

それでも、家でパソコンなしで設置してキータッチを再度確認してみたら、どう考えてもノートのキーボードより断然打ちやすいです。何で私は今まであんなキーボードで打っていたのか疑問に思うレベルです。

しかも、壊して2万円も修理にかかるものが実質500円…。3週間仕事ができないことによる損失を考えると、その差額はもはや考えたくありません。

 

現在ノートで文字起こしのお仕事されている方には、外づけキーボード購入を激しくお勧めいたします…。

 

なお、この間やるつもりでありましたブログの記事の追加ストックもできない見込みです…。9月の繁忙期中にまた更新が途切れる可能性が非常に高いです。

この記事はスマホで更新しておりますが、通常の記事の更新はやはり厳しいです…。

申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

…と、ここまで書いて予約投稿していたところ、盆の間に電器店から電話があり、さらなる衝撃の事実が明らかになりました。

 

(4)メーカー見積りの修理代5万円

 

安いパソコンが買えるお値段です。

ただ、私の作業は何百メガの音声同時再生&何十メガのPDF資料複数閲覧&マクロを動かしながらエクセル辞書で表記検索しつつブラウザで調べ物してワードに高速入力であり、そういうパソコンだと処理速度的に問題があるため、作業に耐え得るパソコンを買う必要があるんですが、それより大分安いです。(現在15万円ぐらいのを使っています)

そのため、あまりの衝撃に呆然としつつも修理をお願いしてしまいましたが、帰宅した旦那に「それもう直さずUSBキーボードだけで良かったんじゃあ?」と言われて、自分のアホさに頭を抱えました。

 

メーカー盆休みなしで修理していただけそうなのはありがたいですが、リアルで私の中の何かが壊れました…。パソコン戻ってきたらキリキリ働きます…。

昨日と同じ、逆ギレ案件です。旧ルールでは「聞く」一択だったんですが、新ルールでは書き分けが必要となりました。

 

同じ音の動詞で似たような感じの変更にも見えますが、その書き分け自体は「効く」or「利く」より大分難しいように思います。

新訂の用字用例辞典には、「聞く」は「情報として受け取る」「尋ねる」「受け入れる」とあり、用例は「声・話・意見・道順・物音・要求・考え・うわさ・言うこと-を聞く」「聞き取る」「聞き古す」「聞き入れる」「聞きつける」、「聴く」は「鑑賞、聴取」とあり、用例は「音楽・事情・趣旨説明・国民の声・審議会の意見-を聴く」とあります。

「意見」と「声」は「聞く」で、「審議会の意見」「国民の声」は「聴く」なんですよ。書き分けのレベルが高過ぎるのではないですかね……。

 

ちょっと分からないので辞書を頼ってみますと、いろいろある意味の中で、冒頭に「(聴く)」と記載のあるものは、「注意して耳にとめる。耳を傾ける」(デジタル大辞泉より)とありました。用例も「名曲を―・く」「有権者の声を―・く」とありましたので、用字用例辞典の「聴く」もこれでよいでしょう。

 

と、一瞬解決したかのように書きましたが、「事情を聴く」なんかは何度用字用例辞典を見ても間違いそうな気がします。もちろんこれも納品前のチェックリストに追加です。本当にこれを何で書き分けすることにしたんですかね……。

 

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明日から盆なので更新をお休みします。

再開は8月17日を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。

「何でこういう変更したんですか!!」(私の心の叫び。既に逆ギレ)案件です。

 

一見平仮名表記の「きく」が全て漢字表記になったかのようにも見えますが、それは違います。

旧ルールでは、「効く」は「限定して使う」とあり、用例は「薬・宣伝・肥料-が効く」、「きく」の用例は「気・目・応用・左手・修繕・暖房・賄賂・ブレーキ-がきく」「口をきく」とありましたが、新ルールでは、「効く」は「効果、効能」とあり、用例は「薬・宣伝・暖房・肥料・賄賂・景気対策-が効く」とあります。旧ルールで「効く」の項に記載のあった「限定して使う」がなくなり、用例では「賄賂」や「暖房」が「きく」から「効く」に移っていることから分かりますように、「効く」の範囲が大幅に広がっているのです。

 

デジタル大辞泉の「キく」の項を見ると、新ルールのほうが通常用いられる表記である旨補説に記載がありますが、7年半なれ親しんだ感覚はそうそう変えられるものではありません。納品前チェックリストに登録は不可避です。

このようにして、どんどんチェックリストの項目が増えていっています……。(そして冒頭の逆ギレへ続く)