以前「丸」についての複雑な気持ちにちょっと触れたことがあります。相変わらず消化できずこの漢字を見ると微妙な気持ちになっておりますが、このたびの改訂によってまたこの漢字に触れることにしました。ただし、以前記事にした名詞の「丸」はルールが変わっておりませんので、形容詞のほうです。
この表題を見ただけで使い分けが分かった方は超能力の持ち主でしょう。まず分からないと思います。しかし用字用例辞典にはその使い分けについての記載があります。非常にシンプルですが、「丸い」は「球形」、「円い」は「円形」です。超そのままですね!
とはいえ、辞書で「マルい」を調べますと、その意味の一つとして「円または球の形をしている」(デジタル大辞泉より)という記載があります。この大変シンプルで短い意味を、用字用例辞典では二つに分けて表記しないといけないわけです。用字用例辞典には、「円窓」「円テーブル」という用例が示されています。
……今気づきましたが、冒頭で「丸」は表記が変わっていないと書いたけれども、それもちょっと微妙な感じですね……。「円い窓」だけでなく「円窓」もとは。用字用例辞典に「円(マル)」という項目はないのですが、名詞も一部そうであると考えたほうがよいのかもしれません。「丸」の項の用例を見ると「丸印」などはそのままのようですが。
なお、デジタル大辞泉に記載のあるそのほかの意味「物に角 (かど) がない。また、曲線を描いている」「かどかどしくなく、穏やかである。円満である」は、用字用例辞典の用例から見て「丸い」の表記でいいようです。
私は一言言いたいです。どれもこれも「丸」で十分読み手に伝わりますよね……。
本当になぜこれを分けたんですかね……。