夏詩の旅人に登場する3人のヒロインたち | Tanaka-KOZOのブログ

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 小説「夏詩の旅人」では、毎回魅力的なヒロインが登場しています。

よく、キャラが立つとペンがスムーズに進むと云われていますが、僕の小説では実在してる人物(仮名だが)と、実際にあったエピソードとフィクションを織り交ぜながら書かれた物語だったので、そういう意味ではペンが止まるという苦労がまったくない状態で、ここまで一気に書くことが出来ました。

ですが、小説ならではの障害と言いましょうか?
「登場人物が多すぎて、ついて行くのが大変だ」というご意見もありました。

マンガならそうはならないのでしょうが、小説は個々のイマジネーションを膨らませながら読むので、登場キャラが多いと大変な様です。

そこで今回は、「夏詩の旅人」に複数回登場してるヒロイン3人を中心に、彼女らの人物像にスポットを当ててみる事にしました。

読んでいて想像しやすい様に、イメージphotoを(勝手に)添えながらw、彼女たちのヒストリーと、これまでのお話を解説してみたいと思います。

紹介する順番は、主人公のシンガー・ソングライターと出会った年代からにしてみましょう。
では、ど~ぞ!



ジュン(櫻井ジュンコ)
東京都練馬区出身、主人公の親友でギタリストでもあるカズの、高校時代の軽音楽部の後輩女性。

大学でカズとバンドを組んでいた主人公が、ある日カズから、「こいつ歌上手いだろう!?」と聴かされた、1本のカセットテープ。
それはジュンが歌う、ピアノ弾き語りのバラード曲であった。
それがきっかけとなり、ジュンは高校2年生の時に、主人公とカズが組むバンドへ参加する事になるのであった。

抜群の歌唱力を誇るジュンであったが、バンドではキーボード・コーラスでの参加で、決して表には出る事はなかった。

月日が経ち、母校の学園祭ライブに出演する事になった主人公のバンド。
そのライブでバンドメンバーたちは、1曲だけピアノの弾き語り曲を、ジュンにやらせてみようという話になった。

そしてジュンは、そのライブで1曲だけ歌ったバラードが、音楽事務所のスカウトの目に留まり、その後、高校3年生の時に歌手としてデビューする事となるのであった。

バンドを離れデビューしたジュンは、若者の支持を受け、瞬く間にスターダムへとのし上がる。
しかし主人公は、実力派のジュンがシンガーソングライターではなく、アイドル歌手としてデビューした事に不満を抱くのであった。

20代までは、誰でもカラオケで歌われるような国民的歌手として成功していたジュンであったが、30代になると次第にメディアから遠のいて行く事となる。
年齢と共にヒット曲が出なくなったジュンを支えていたのは、妹の様に可愛がっていたマネージャーの、のぞみであった。

のぞみは、ジュンの歌う場所を作る為、がむしゃらに働き、ついに病で倒れてしまう。
そしてジュンは、のぞみの母から彼女の病気を知らされる。

のぞみは、急性白血病にかかってしまい、いつまで生きられるか分からない状態なのだという事を…。
そこでジュンは、のぞみが死ぬまでに彼女を安心させてあげる為に、ヒット曲を作る決心をする。

ジュンは5年振りに主人公の元を訪れ、力になって欲しいと頼むのであった。
のぞみの為に書いた曲は、彼女に聴かせる事は出来たが、のぞみはその2日後に永遠の眠りへとつくのであった。
ジュンがのぞみの為に書いたバラードは、その年、空前の大ヒットとなり、ジュンは見事な復活を果たす。

それから2年後、ジュンの元へ音楽イベント会社、“Unseen Light”の岬不二子から、鎌倉国立大学学園祭のライブ出演の依頼が来た。

ジュンは、バックメンバーを、学生時代のメンツで揃えたいという希望を不二子に出し、主人公やカズと共演をする事にこぎつける。

学園祭ライブ当日に、同じく“Unseen Light”の岬不二子が手掛けるもう1つのイベント、「原発フォーラム2006」の会場となる記念講堂をライブ前に覗くジュンやカズたち。

そこへ反原発を訴えるテログループ「フールス」が拳銃を乱射させながら、いきなり現れるのだった。
テログループは、ネット配信を通じて、政府と警察、そしてマスコミに向けて声明を挙げた。
「日本で現在稼働している原発施設を全て停止せよ!、さもなければ1時間ごとに人質を1人ずつ殺す」という内容であった。
人質となったジュンやカズらは、なんとかしようと画策するが、時間だけが経過して行く。

ついに約束の1時間となった。政府から一切のコメントが無い事にいら立つ、テログループのリーダー中沢は、幼い男の子を1人目の犠牲者として選ぶのであった。

幼い子供が連れていかれる中、主人公が現れ、テロ組織を制圧した。
実は、犯人グループは、テロ当日に向けた武器の受け渡しに失敗しており、リーダーの中沢以外はモデルガンを所持していたのであった。

だが犯人を制圧したと思いきや、黒幕は人質の中に紛れ込んでおり、ジュンの目の前で主人公が銃弾に倒れてしまった。
カズや警備員のハリーの活躍で、黒幕の大柴を取り押さえる事となったが、主人公は重傷を負い、救急搬送される事となった。

意識不明の重体から1週間後、主人公は回復を果たすのだが、左肩を撃たれた彼は、もう2度とギターが弾けないと医師に宣告されてしまう。

そしてジュンがカズたちと見舞いに訪れた数日後、主人公はみんなの前から突然姿を消すのであった。

家や車を処分し、携帯電話も解約した主人公の行方は誰も分からないまま14年が経過した。

ある日、ドラムの小田が夢であったライブBARをオープンさせる事となった。
ジュンは、カズらとその店のオープン記念イベントに参加する。

そこで、再会した“Unseen Light”の岬不二子に、主人公を探しに旅へ出ると聞かされるとジュンは、「不二子さん、頑張ってね!」「必ず彼を見つけ出して!」
「あなたなら、彼と一緒になっても安心だわ」と、意味深な発言をするのだった。

実はジュンは10年前に結婚しており、歌手を引退していた。
子供も設けており、現在はママさんプロデューサーとして、若手ミュージシャンに楽曲の提供をしていたのであった。

ジュンが若手ミュージシャンに書いた曲は、オリコン1位にもなっており現在成功を収めていた。

ジュンはデビュー前の学生時代、主人公に「私は芸能人だけとは絶対に結婚しない」と宣言していたのだが、彼女の結婚相手は、元ロックミュージシャンで、現在は俳優のキリタニ・ジョーであった。

主人公が行方不明になっている間に結婚したジュンに、何があったのか?、その辺りの物語は「あなたになら渡せる歌」の回で明らかにされる。

ジュン登場話時系列順
許されざる者 前篇
許されざる者 後篇
サドンデス
ジョーカー
決戦のエッグメン! 前篇
決戦のエッグメン! 後篇
風に吹かれて…
渚のカセット
ファインダー越しの君
運命のライブステージ
夏の到来
旅立ち
いるはずの無い君とのカウントダウン
あなたン家、行っても良いですか?
夏が呼んだ蜃気楼
揺れる想い
カローラⅡに乗って、会いに行く
川の流れ
命の期限
バラードは命と引き換える 1話
バラードは命と引き換える 2話
バラードは命と引き換える 最終話
拳銃はデザートイーグル
テロリスト登場!
Never let you down!
永遠の歌は死なず
あなたになら渡せる歌 前篇
あなたになら渡せる歌 後篇
ここから始めよう





岬不二子
高校生まで山梨県北斗市で過ごした不二子は、東京の大学を卒業後、大手音楽イベント事務所に就職した。
それから彼女は27歳の若さで独立し、音楽イベント会社“Unseen Light”を立ち上げた。

不二子の仕事っぷりは社名の通り、“Unseen Light(まだ見ぬ光)”にスポットを当てた、大胆なマッチメイクにあった。
まだ誰も目を付けていない人材を、誰よりも早く発掘する彼女の嗅覚は、音楽業界の中において一目を置かれていた。

26歳の時、不二子は大手音楽イベント事務所で、一緒に働いていた男性と婚約を交わしていた。
彼と付き合い始めて3年。
不二子が事務所を辞めて、独立起業するという話を恋人に話した。
すると、相手の男性は猛反対した。
男性は不二子に、家庭に入ってもらいたかったのだ。
“俺を取るか、仕事を取るか決めてくれ!”恋人の男性は不二子にそう迫った。
不二子は、それがきっかけで恋人と別れる決心をした。
彼女は自分の夢だった、独立起業の道を選んだのであった。

独立起業をしてから1年後、たった1人で赤字続きの会社を続けていた不二子へ、初めて黒字になる仕事が舞い込んで来た。

それはサーフィン系雑誌“F”とタイアップする、夏の鵠沼海岸での音楽イベントであった。
そこで不二子は、プロになる前の主人公と初めて出会う事となる。

イベントが明日に迫った前日の夜。不二子は主人公に誘われて、夜の鵠沼海岸で焚火を囲みながらお酒を飲んだ。
そこで不二子は、自分の会社もいつかは人を雇える様な大きな会社にしたいという夢を話すのであった。

イベント当日になった。順調に進んでいた音楽イベントであったが、トリを務めるバンドが交通事故に合い、ステージに間に合わなくなってしまった。

実はその事故は、地元のヤクザが、ショバ代を払わなかった事への嫌がらせであったのだ。

イベントは止まってしまい、カンカンに怒るスポンサーが不二子を攻める。
それを見た主人公は、ギターを手にステージへと上がろうとする。

だがアマチュアのミュージシャンがステージに上がるのを止めようと、スポンサーが邪魔をするが、それを振り切ってステージへと上がった主人公。

「ああ…、もうお終いだ…」と顔を覆い隠すスポンサーであったが、ステージは拍手喝さいとなり、事なきを得るのであった。

演奏が終わり、ステージを降りて来た主人公に、「どうして自分はミュージシャンだって教えてくれなかったの?」と聞く不二子。

「俺はプロじゃないから言う必要もない。だがいつかはプロとしてやっていくつもりだ」と語る主人公。

「私も頑張るッ!、だからあなたも歌を続けてッ!」
不二子がそう言うと、主人公は笑顔で、「そしたら、いつか一緒に仕事が出来たらいいな…」というのであった。

6年後、会社を大きくする事に成功した不二子は、新宿にオフィスを構えていた。

ある日、大物音楽プロデューサー、秋山康二と絡む仕事が、突如不二子の会社へと舞い込んで来た。それは伊豆の下田に新しく出来るFM局の開局イベントの仕事であった。

なんとかしてそのイベントを成功させたい不二子であったが、部下から渡される企画は全てパッとしないものであった。

会社帰り、不二子が電車の中で、ふと聴いたFMラジオから流れる曲。
その曲は、あのとき鵠沼海岸で不二子を救ってくれた彼の曲であった。

彼がまだ音楽を続けていた事を知った不二子は、開局イベントの仕事に主人公を抜擢しようと連絡を試みるのであった。

伊豆の下田で再会を果たす2人。不二子が主人公にオファーした内容は、彼をパーソナリティーにした音楽番組であった。

3日間限定で行われるその特番は2日目まで順調に進む。
番組で自分の歌を披露した彼の元へ反響のメールも届き出す。
そこで不二子は、彼にチャンスを与えるべく、3日目の番組終了後に、主人公を秋山プロデューサーに会わせる約束を取り付けるのであった。

ところが番組最終日に彼は現れる事はなかった。
何度電話をしても出ない彼。

忙しい合間を縫って会ってくれる事になった秋山プロデューサーはカンカンになり、彼と会う事もなく下田から東京へと帰ってしまうのであった。

夕暮れどき、FM局がある下田港に彼が不二子へ謝罪をしに現れた。
理由を語らない主人公に不二子は少し怒っていたが、最後は握手をして2人は別れるのであった。

そして更に2年後、不二子の会社が鎌倉国立大学学園祭のイベントを一部を請け負う事となった。

不二子は野外ステージのライブを、昨年、奇跡的なカムバックを果たした歌手の櫻井ジュンにオファーを出す。

オフィスで打ち合わせをするうちに、櫻井ジュンと、同席していたギタリストのカズらが主人公と学生時代バンド仲間であった事実を知る。

そのときに、学生時代のバンドメンバーでライブをしたいというジュンの提案を、不二子は快く受け入れた。

彼との再会を楽しみにする不二子。
10月になり学園祭当日となった。

主人公と不二子は、ジュンとカズを記念講堂に残し、設営が済んだ野外のライブステージを確認しに出て行く。

その記念講堂では当日、反原発フォーラムが行われる予定であった。
会場の確認が済んだ不二子と主人公は、大学構内にあるレストランで話をしていた。

そこで不二子は、彼が何故、メディアに出る事を優先することより、旅をする事の理由を聞いた。

そこでハルカの存在を彼から聞かされる不二子。
自分が今、元気に歌を続けていられるのはハルカのおかげだと話す彼。

主人公は、伊豆の今井浜から東京へ帰省したハルカにもう1度会って、お礼を言いたいのだと言う。

その時であった大学の構内で爆破が起きた。
何が起きているのか分からない2人は、スマホでTVのニュースを確認する。
そこには、テログループが、ジュンやカズがいる記念講堂に立てこもり、人質を盾に犯行声明を挙げている姿であった。

次々と爆破が起こる大学構内を逃げ惑う人々。
そんな中、主人公は人質になっている仲間を救いに行くと言い出す。
それはテロ組織が、日本中の原発施設を全て停止させないと、人質を1時間おきに1人ずつ殺すという事だからであった。

しかし犯人が立てこもる講堂内の周りには、反原発に同調したデモ隊100名が誰も近づけない様に守っている。
度重なる爆破の為、警察の機動隊も大学構内に入れない状態だ。

「やめて!、行ったら殺されるわ!」と、不二子が止める中、主人公は不二子に「旅の記録が書かれた手帳」を託すと、彼女を置いて人質がいる講堂へと走り出す。

講堂前に到着した主人公。
襲い掛かるデモ隊に絶体絶命となるが、不二子の計らいで大学の運動部員たちの援軍が入り、講堂内へ入る事に成功する。

一方、不二子は大学の正門前で、主人公の無事を祈りながら待っていた。
やがてTVレポーターが正門前から、テログループが制圧されたというニュースが伝えられた。

安堵する不二子であったが、1人重傷者が出ているという追加メッセージに、不二子は嫌な予感がした。

そしてやがてその重傷者が彼である事を知った不二子は、彼を乗せた救急車に同乗して病院へと向かう。

1週間後、意識が戻った彼の見舞いに病院へ訪れた不二子であったが、そこで彼がもう2度とギターが弾けない身体になってしまった事実を聞かされ涙する。

数日後、再び病院へ訪れる不二子であったが、病室はもぬけの殻となっていた。
彼は携帯電話を解約し、家も車も処分して行方をくらました。

その1年後、不二子は親から強引に見合いをさせられる。
見合い相手は素敵な男性であったが、最後はその男性からのプロポーズを断ってしまう不二子。

彼女はその時、彼(主人公)に対する自分の気持ちに気づき、彼の行方を捜す決心をするのであった。

そしてあのテロ事件から14年が過ぎた。
ある日不二子の元へ、主人公の親友カズから連絡が入る。
それはあの事件当日、一緒に人質になっていたドラムの小田が、ライブBARをオープンさせたので、そのオープン記念イベントに来ないか?という事であった。

小田のBARでカズやジュンらと14年ぶりに再会した不二子。
そこで彼女は、主人公から預かっている「旅の記録が書かれた手帳」の存在を話すのであった。

そしてその手帳に書かれた場所を全て訪ねる旅に出て、主人公を探すという決心をみんなに言う不二子。

翌日、仕事を部下に任せて不二子は旅に出る。
そして彼が訪れて出会った人たちと話をする度に、不二子が知らなかった事実が少しずつ判明して行く。

手帳に書かれた彼が出会った人たちは、みんな幸せに暮らしていた。
だが彼の手掛かりは結局、何も分からないままであった。

不二子は仕事に復帰したが憔悴していた。
そこへカズから主人公が見つかったと電話が入る。

「会うのか?」(カズ)
「もちろん会うわッ!」(不二子)
「今更やつに会ってどうする?」(カズ)
「会いたいのッ!」(不二子)
「君が思ってる、あいつじゃないかも知れないぞ」(カズ)
「それでも会いたいのッ…」(不二子)
「そうだな…。君にはやつと会う資格があるよな…」(カズ)

こうして不二子はついに彼とに再会を果たす。
だが再会した彼は、ハルカと既に結婚をしていた事実を知る。

だがそれでも不二子は、彼に会えた事を良かったと思うのであった。
何故ならば、彼にもう1度会えなければ、自分は前に進むことが出来なかったからだ。

2度とギターが弾けないと医師に宣告された彼が、最近ようやくギターが弾けるようになって来たと不二子へ伝える。

「また始めるのね?弾き語り…」
「ねぇ?、いつから始めるの弾き語り…?」不二子が彼に聞く。

「では、今ここから始めよう…」彼が不二子へ静かに言った。
「観客は1人…。君のために歌おう…」

そう言って彼が目の前で歌い始めた曲は、不二子が彼の曲を初めて聴いたあの曲。
あの鵠沼海岸のイベントで、飛び入りで歌ってくれたあの曲だった。

不二子は、彼と初めて出会ったあの時の情景が甦り、涙が溢れ出て来るのであった。
そして長かった不二子の旅が、ようやく終わりを告げるのであった。

不二子登場話時系列順
もう決して一人じゃない!
まだ見ぬ光
ANOTHER SUMMER DAY
ハイビスカスの少女
拳銃はデザートイーグル
テロリスト登場!
Never let you down!
永遠の歌は死なず
爆走!ダーティー・ハリー
山怪
山怪 弐
ここから始めよう





ハルカ(大島晴夏)
東京都品川区出身、プロサーファーを目指す彼女は高校卒業後、23歳のとき伊豆の今井浜へ住込みバイトをしながらプロを目指す。

ハルカが今井浜に暮らし始めて3年が経ったある日。
朝のビーチクリーン活動中に、旅に訪れていた主人公のシンガーソングライターと初めて出会う事となる。

その日の昼。
ハルカのバイト先のレストランへ偶然訪れた主人公。
以来、彼はランチタイムになるとハルカの店にやって来る様になる。

彼と話しているうちに、彼の職業がプロミュージシャンであると知るハルカ。
だが先行きの見えない音楽活動に不安を抱いている事情も同時に分かるのであった。

そんな彼を笑顔で応援していたハルカであったが、ある日東京の兄から母親が病で倒れた事を電話で知らされる。
東京へ一時戻る事となったハルカは、母の余命が残り少ない事を病院の医師から知らされる。

「サーフィンなどさっさと止めて、今すぐ東京に戻ってケンイチくんと結婚しろ!」
ハルカの兄が、そう彼女に言ったケンイチとは、東京に残して来たハルカの高校時代からの彼氏である。

伊豆の今井浜に戻ったハルカは、店を辞めて東京へ戻る話を店長にする。
そして東京へ戻る前日の夜、ハルカのお別れパーティーが店で行われた。

そのパーティーには主人公も呼ばれており、そこで彼は、初めてハルカの事情を知る事となった。

「僕も君みたいな、人に力を与えられるような歌を作るよ」
彼がハルカにそう言うと、彼女は彼が立ち直ったという事を知り、目が潤むのであった。

翌日、ひっそりと始発で東京へと帰って行ったハルカ。
最後の挨拶をハルカにしようと、主人公は店へ会いに来たのだが、既に彼女は東京へと帰って行ってしまったのであった。

東京へ戻ったハルカは、ケンイチの裏切り行為を知り、別れてしまう。
だが別れた理由をハルカは、母や兄に話す事が出来なかった。
それは、ケンイチをとても可愛がっていたハルカの母が、その事実を知ればショックで容態が悪化すると思ったからである。

その理由を知らないハルカの兄は激怒する。
「お前何考えてんだ!?、最後の最後ぐらい親孝行しろ!」
兄は激しくハルカを攻め立てた。

母子家庭で苦労をかけてきた母に対し、最後まで安心させてあげられなかったハルカは、母の死後、品川の自宅を処分して、そのお金で鎌倉の由比ヶ浜に移り住むのであった。
長かった髪をバッサリと切ったハルカは、新たな人生をこの由比ヶ浜で送る決心をする。

それから9年後、ある事件で悲しみに暮れていたハルカは、由比ヶ浜であのシンガーソングライターと偶然再会をする。

そこでハルカは、彼から自分の事をずっと探していたのだという事実を聞かされた。

「君の傍に居たい…。今度は僕が君を守りたい…。いいかな…?」
彼の胸の中に顔をうずめるハルカは、その言葉にコクリとうなづいた。

こうして2人は一緒に暮らす事となり、2年後には入籍をする事となった。
それから更に5年後、2人が暮らす家に“Unseen Light”の不二子が、ある日尋ねに来る事になった。

笑顔で快く、不二子を自宅に招き入れるハルカ。
不二子を彼と2人きりで話をさせようと気を利かせるハルカは、「買い物に出かけて来る」と言ってその場を外すのだった。

ハルカは、主人公と同棲を始めてから間もない頃、彼から不二子の話を聞かされた事があった。
今回、彼が不二子と再会する事になるまで、2人の間で、どういった話し合いがされていたのか、その時のハルカの心情はどうなっていたのか、これまでの物語では、その事について触れられてはいない。

ハルカ登場話時系列順
Surfer Girl
はるかなる波の呼び声
由比ヶ浜で逢いましょう 前篇
由比ヶ浜で逢いましょう 後篇
CHU CHU TRAIN
いつだって… H・A・G・S! 1話
いつだって… H・A・G・S! 2話
いつだって… H・A・G・S! 最終話
君が見えない
ハロウィンの夜 前篇
ハロウィンの夜 後篇
贈り物は春と共に
X'masの奇跡 前篇
X'masの奇跡 後篇
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