夏詩の旅人(かしのたびびと) wiki | Tanaka-KOZOのブログ

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夏詩の旅人(かしのたびびと)は、シンガーソングライターのTanaka-KOZOが、執筆したWEB連載小説である。
2020年4月から2020年8月まで、「Amebaブログ」及び「小説家になろう」サイトで発表された。

9話の短編と、スピンアウト1作を含んだ5話から連なる長編で、全14話から構成される。
作品の内容は、筆者の実体験と、それに大幅なフィクションを織り交ぜたものとなり、およそ1990年代から2020年までの出来事を大河的に書いている。

登場する人物は端役に至るまで、ほぼ実在する人物で固められており、主に筆者の友人、知人らが実名や仮名で登場している。
役柄は、実在人物と同じ者もいれば、年齢、職業を変えて登場させている者もいる。
その為、登場人物達の作中での語り口調や会話内容、また風貌などは、実在者に似せて登場させている。
また作中で主人公の名は明かされていないが、経歴や風貌、身長、特技などから、筆者本人と思わせる設定にしており、筆者を知る人物からは、“本人が喋っている様だ”と云われていた。




作品のコンセプト
ライトノベルとはまた違った、マンガの様に読みやすい小説を、子供から大人まで楽しめるものとして意識して書かれている。
人が大人になっていく過程で、知っておくべき事柄を作者なりに作中で伝えており、それらの問題を乗り越えて自立していって欲しいという願いを込めている為、敢えて子供には重い内容もタブーなく触れられている。


作品の特徴
筆者の得意とする情景描写とテンポ良い文章で、イメージが浮かびやすくて読み易いものに仕上げている。

泣ける内容とギャグが混在し、特にギャグシーンなどは、昭和30年代~50年代生まれにはドストライクなパロディを多数盛り込んでいる。
長編から連なる最終章に入ってからは、作風のスケールをアップし、ワイドスクリーンバロック手法を駆使した表現で、ハリウッド映画さながらの迫力の銃撃シーンやカーチェイスなど、疾走感溢れるシーンがふんだんに取り入れられている。
また最終章では長編になった事で読み疲れが出ない様に、各場面が次々と切り変わり、同時進行的に進んで行く手法も取り入れている。

作品のテーマ
作品全体を通して、2つの言葉をテーマにしたメッセージがある。
その他にも、各話の中で出てくる言葉のメッセージを重要視にしており、その言葉の持つ意味を、読者に考えて貰いたいという思いがある。

作品全体を通した2つの言葉は下記の2つである。
・「やろうと思えばいつからでも始められる…。人生に遅すぎたってもんは無い」
・「人は別れる時、どう相手を見送るかという事が、とても重要なんだ」


他には各話で、この様な言葉も出て来ている。

「たとえ世界中の人間が、君とまったく違う意見だったとしても、君の意見が本当に間違っているかどうかなんってのは分からないんだぜ」
「法律や規則なんてものは、単に今の人間らの価値観で決めたルール過ぎない」
「現に、人間の価値観なんていうものは100年前と今では、まるっきり変わっているんだよ」
「だから、多数決でみんなが決めたからって、その意見をそのまま鵜呑みにしちゃあいけないんだ」
「正しい事や、新しい事を始めるとき、人はいつも反対に合うものさ」
「でも、そういう事に逃げてちゃだめなんだ」
※「ハイビスカスの少女」より抜粋


「そうか…。でもな、パパの事、あんまそんな風に言うもんじゃないぞ」
「パパが君に厳しいのは、君の事を愛してるからさ」
「君に強くなって欲しいから、厳しいんだよ」
「女の人は子を産む事で、自分の生きた証をこの世界に残せるだろ?」
「じゃあ子供を産めない男はどうすれば良い?」
「男は自分の生き様を子に託し、この世界に残すのさ」
「父親ってのは、そういうもんだ」
※「夏の終わりの曼殊沙華」より抜粋


「今度、あなたの作った歌。私にも歌わせて。」
「それはダメだ」
「どうして?」
「俺の歌は、俺の言葉で作った歌だ。他の誰かが歌ったらその意味が変わる」
「だから誰にも渡さない…」
※「川の流れ」より抜粋


「お前さん、学校辞めるってタンカ切ったんだってなぁ…」
「ああ…、でもどうしようか悩んでるよ…」
「いいんじゃね…。辞めちゃえば?」
「えっ!?」
「別に学校が全てじゃないさ…、お前さんが本当にやりたい事をやれば良いんだよ」
「お前がホントにやりたいことは何だ?」
「俺の…、俺のやりたい事は、父さんみたいな料理人だ」
「だったらそれをやれば良い…」
「でも、中卒だと将来就職とか大変だし…」
「大変だろうな…」
「だから迷ってる…」
「Walk on the wild sideだ」
「え?」
「ロックミュージシャン、ルー・リードの言葉だ」
「進学か?、退学か?、人生に別れ道があったら、迷わずワイルドな方の道を選べってことだ」
※「横須賀フェイ・ダナウェイ」より抜粋



「どうだ?今どんな気持ちだ?」
「苦しい…胸が苦しくて死にそうだよ…」
「お前の母親は、お前の事でいつもそういう気持ちで生きて来たんだ!」
「分かったかッ?、親の気持ちがどんなもんかってのがッ!」
「分かったよ…、もう母さんを泣かせないよ…、だから母さんを、母さんを助けて…」
※「横須賀フェイ・ダナウェイ」より抜粋



「ナツ…、お前は泣き虫だなぁ…」
「そんなことじゃ、将来大きくなったとき、大切なものを守ることができないぞ」
「だって女の子だもん…」
「違うんだよナツ…。本当は男よりも、女の方が全然強いんだ」
「え?」
「大切なものを守るとき、女は男よりも強くなるのさ…」
※「次へのバトン」より抜粋



「私ってね、“よく気が付く女だね?”って、言われるんだよ!」
「“よく気が付く女”じゃダメだ」
「“よく気が回る女”にならないと、男からは愛されないぜ…」
「なにそれ?、一緒じゃない!?」
「違う」
「“よく気が付く女”というのは、相手のアラを探してるだけなんだ」
「“あなたって、私が見てあげないとホント全然ダメね!”みたいな事をいう女さ」
「でも、それじゃ自分のポイントは上がっても、相手の顔は潰してしまう」
「“よく気が回る女”というのは、男のミスを周りが気が付かないうちに、男のメンツを潰さずに処理できる女って事だ」
「そういう女は男から感謝される…。つまり愛されるというワケさ…」
※「ア瞳ニモマケズ」より抜粋



「なぁリョウ…、俺だって子供の頃、近所の柿盗んで食ったり、親の財布から金を少し抜いたり、同級生をイジメて泣かした事だってある」
「そんなのじゃ逮捕されないわ」
「でもモラルは犯している」
「君は無実と無罪を混同しているな」
「逮捕されなくても悪行には変わりない」
「世の中、そんな素晴らしい人間ばかりが多い訳じゃない」
「誰だってスネに、1つや2つの傷を持っているという事だ」
「だから、いちいち過去の話などを持ち出して、スキャンダルに取り上げ、政治家を叩く行為は、返って政治活動の妨げになってしまう気がするよ」
「それがイコール、復興を遅らせる事にもつながるんじゃないのか?」
※「あの日から消えた笑顔」より抜粋



「大丈夫ですかッ!?」
「君は…?」
「私は、この大学の剣道部で主将をやっております、石井幸鷹と申します!」
「先ほど岬さんという女性から、あなたを助太刀する様、頼まれて参りました」
「不二子が…」
「ありがとう…。でも良いのか?、こんなとこで暴力沙汰を起こしたら廃部になっちゃうぜ」
「構いません…。こんな時に使えないで、何が武道ですか!?」
「お前…、男だな…」
※「スローな武器にしてくれ」より抜粋



「お前のイデオロギーの為に、何人犠牲になったと思ってるッ!?」
「革命とはそういうものだ…。チェ・ゲバラしかり、血が流れない革命などありえない!」
「だから国民感情を煽って、そういう反原発の記事をいつも新聞にいっぱい載せた。そしたら国民はまんまと喰いついて来た…」
「新聞を利用して、情報操作したのかッ!?」
「仕方ないじゃないか、俺たちはジャーナリストと言っても、所詮はサラリーマンだ」
「初めに答えありきなんだよ…、日本のジャーナリズムは…」
「一流大学を卒業していようが、中卒の社会人だろうが、こと政治の話になれば、ほとんどの国民は無知だ」
「彼らに複雑な真実を新聞に載せても、興味がないから読みやしない!」
「だったら単純な、“善と悪”という構図で、新聞に分かりやすい嘘を書いてみた。そしたらどうなったと思う…?」
「新聞がバンバン売れるんだよぉ!」
「気分良いぞ~!、考えてもみたまえ、自分が思うイデオロギーを、さも民意の様に書き綴ってみる」
「するとそれが、本当の民意へと変わっていくんだ!、俺が勝手に書いた記事で、国民を躍らせれるんだよ!、思うがままにな…」
※「タイムリミット」より抜粋




執筆の経緯
第1話は元々、筆者の短編集「夏を迎えに行く」に収められていた単独作品であった。
新型コロナウィルスが蔓延する中、世間が外出規制を余技せざる得ない状況の中、ブログ記事に小説を投稿する事で更新する方針を固めた。
当初は、ほとんどフィクションの無い、紀行文や随筆的なものにするつもりであったが、作品が平坦になってしまう事から、2話以降より、徐々にフィクションを多く取り入れた作風に変えて行く。
作品を投稿し出した当初、20代前半からの友人の妻が、重大な病に倒れた事を知る。
筆者は友人と妻共に20代から知り合いだった為、友人の力になろうと見舞いを渡すが、律儀な友人は、それ相応のお返しをして来てしまい、返って友人に負担を掛けてしまう事と気づく。
そこで筆者は、男親の友人が娘の弁当を作りながら、夜遅くまで働いて頑張っている彼へ、何か他の方法で力になれないかと模索する。
ちょうどその頃、友人の娘が小学校から中学校に上がるタイミングであったが、コロナにより学校へ行く事が出来なくなってしまったり、多感期な時に母親が重病で倒れてしまった事で、情緒不安定となってしまった。
そんな娘に対し、男親の友人が娘との接し方に悩んでいた事もあって、筆者はその娘に本を作って贈ってあげようと考えた。
その様な経緯もあった事から、この作品の中では、親が普段子供に言いづらい、「子を思う親の気持ち」、「命の尊さと生きるという事」、を念頭に入れ、また「人に騙されたり、振り回されないで自立した心」を、友人の娘に育んで貰いたいという願いから、作品にその様なメッセージを込める事にした。
凄惨なニュースや、くだらないギャグ、また男女の恋愛観、あとちょっとした下ネタも、入れるべきか悩んだが、子供が成長していく中で、そういったものもいずれは知っていかなければならないと思い、敢えて取り入れてみる事にした。


作品全体を通してのあらすじ

物語前半となる1話完結の全9話からなる短編では、主人公のシンガーソングライターが、旅先で知り合った人たちの力となり、小さな事件を解決していくというものになっている。物語の後半は、前半で登場したキャストが総出演し、1つの物語を数話に分けて書いている。
前半と後半では作風に変化が見られ、前半では、シンガーソングライターが、夏に訪れた旅先での事件簿であり、後半では、本作のもう一人の主人公となる岬不二子が中心となり、女性の目線から、自身の心の旅の終着点に辿り着いた事で完結となった。


作中の矛盾
スマホが無い年代に、スマホを敢えて登場させているのは、ストーリーの展開をスムーズに進める為、わざとやっている。
最終章の冒頭で起こる、東日本大震災の発生年数を前倒ししているのは、主人公の年齢が30代の時に起きた事件にしないと、テロリストと戦う事や、恋愛話を盛り込む時に不自然さが生じてしまう事から、その様にしている。


現在では禁止されている用語の使用について
LGBT問題などから現在は禁句となっている「オカマ野郎」や、「キチガイざただ」と作中の刑事が発する言葉なども、時代背景からあえて使用しているが、それらを使う事の本意は、けして悪意的な差別を意図したものではないとお伝えしておく。


戦闘シーンについて
なるべくリアルを追求する為、主人公だけがめちゃめちゃ強いといという設定は排除した。
もし筆者本人が戦うとしたら、本人が学生時代にかなり打ち込んだ剣道を使った方法であり、それをどう使えば相手を倒せるかという工夫を凝らしている。
なので必ずしも強い敵に主人公が勝っている訳ではなく、時には不意打ちを喰らわせたり、相手の武器がたまたま無かった等で勝利したりする様にしている。




登場人物

メインキャスト

■シンガーソングライター:作中で主人公の名は明かされていないが、経歴や風貌、身長、特技、ファッションなどから、筆者本人と思わせる設定にしている。
弾き語りの歌を通して、人々の勇気や力を与えていく事を人生のやりがいと感じており、あまりメディアに露出して金儲けをしたいとは考えていない。
普段は温厚だが、理不尽な悪党には、特技の剣道技を駆使して叩き伏せる。

■岬不二子:音楽イベント会社“Unseen Light”の若き女社長。まだ見ぬ人材を発掘する能力は、業界内でも噂になる程のヤリ手である。


■ハリー・イマイ:キーボーティスト。他のメンバーと違いそれだけを本業とせず、警備員やバスの運転手などをやりながら生計を立てている模様。どうしょうもないスケベであるが、格闘技マニアでもあり、警備業で培った柔道技で悪い奴らを懲らしめる。掛け声は「チョリソォー!」


■カズ:ギタリスト:シンガーソングライターの大学時代からの友人で、学生時代は一緒にバンドを組んでいた。ギターテクニックが卓越しており、現在は売れっ子スタジオミュージシャンとして活動している。モデルガンマニアであり、サバゲーの能力を活かしテロリストと対峙した。自宅に録音スタジオを所有している。

■櫻井ジュン:ボーカル。カズの高校時代、軽音楽部の後輩。高2の時、大学生だった主人公やカズとバンドを組んでいて、その時、プロとしてスカウトされる。超実力派のボーカルにも関わらずデビュー当時はアイドルとしてデビューさせられた過去がある。


■小田:ドラムス:東大卒ドラマーとして異彩を放つドラムテクニックを持つ人物。
博識であり、音楽以外の事でも大体知っている。
最終回では夢だったライブバーをオープンさせる。




■「夏詩の旅人シリーズ」ストーリー解説

Surfer Girl(夏詩の旅人シリーズ第1弾)
2020-04-24


文字数4,151文字 読了時間目安5000文字に対して約10分~15分

あらすじ
会社を辞め、音楽の道に進むことを決めた主人公のシンガーソングライター。
旅先の伊豆で知り合ったサーファーガールのハルカに、大切なことを知らされた彼は、歌を歌い続ける事で、人々の力になろうと、1本のギターと共に旅を続ける事を決心する。
ハルカのお別れパーティーの翌日、彼女を見送る為、ハルカが働く店に向かうのだが、彼女は既に東京へと帰郷していたのであった。
Surfer Girl(夏詩の旅人シリーズ第1弾)

ゲスト
■ハルカ(晴夏):プロサーファーを目指し、海が近い伊豆で住み込みをしながら頑張っている明るい女性。
主人公が、自分はプロミュージシャンとしてやっていけるかどうか悩んでいた時に、いろいろと心の支えになってくれた人物。




ハイビスカスの少女(夏詩の旅人シリーズ第2弾)
2020-05-06


文字数6,381文字 ※読了時間目安5000文字に対して約10分~15分


あらすじ
伊豆に来ていた主人公の元へ、以前仕事で世話になったイベントプロデューサーF女史(岬不二子)から連絡が入る。
この夏、伊豆の最南端の地で、新たにFM放送局が開局することになり、そのオープニング企画をF女史の会社が任される事となった。
主人公が依頼されたのは、開局記念の目玉となるであろう、お盆シーズン3日間限定の30分間の音楽番組でのメインパーソナリティーに抜擢したいという事であった。
番組で、あなたの曲を流してもいいわ。悪い話じゃないでしょ?とF女史。
くすぶっていた彼の音楽人生に、少しずつだが小さな波が起き始めていた。
そしてF女史は番組放送の最終日に、主人公と大物音楽プロデューサーを引き合わせる段取りを取ってくれた。
そしてイベント最終日、主人公が放送局へ向かおうとした時、住宅街で大きな火事が起きる。
その住宅街は、旅先で知り合った引っ込み思案の少女しのぶと、腰を痛めて動けないで寝ている祖母が暮らしている住宅街であった。
2人が火災から逃げ出すには、人見知りが激しいしのぶが誰かに助けを呼ぶしか方法がない。
放送時間が迫っていたが、シンガーソングライターは、少女の家へと駆け出した。
果たして彼は番組開始に間に合うのか!?
ハイビスカスの少女(夏詩の旅人シリーズ第2弾)

ゲスト
■しのぶ:内気で引っ込み思案の小学生だったが、主人公と出会う事で積極的な性格になろうと思い始める。
最終回では、外務省でバリバリ働く外交官として活躍するしのぶが分かる事となる。



夏の終わりの曼殊沙華(夏詩の旅人シリーズ第3弾)
2020-05-07


文字数13,165文字 ※読了時間目安5000文字に対して約10分~15分

あらすじ
夏がもうすぐ終わろうとしていた。
主人公のシンガーソングライターは、美しい自然の残る田舎村へ旅に来ていた。
過疎化が進む村には、役場とゼネコンの利権が絡んだ村の自然を破壊する大規模な開発工事が進められ様としていた。
それを阻止する為、村の活性化を図る「音楽イベント」を開催する事を決意する村役場の広報課に勤務している老舗旅館の一人娘のマキ。
主人公はいやがらせの妨害に合うマキに協力する為、共に立ち上がった。
だがライブ当日、主人公がライブ会場へ向かおうとしたところ、いつもいやがらせをしてくるチンピラグループが現れた。
果たして主人公は「音楽イベント」の出演時間に間に合う事ができるのか!?
夏の終わりの曼殊沙華(夏詩の旅人シリーズ第3弾)

ゲスト
■奥村マキ:老舗旅館の一人娘。自分の我がままを散々許してくれていた、死んだ父親の暮らした村を開発工事から守る為、村の活性化を図る音楽イベントを企画する。

■カキザキ:地元で手広く稼いでいるカキザキグループの2代目社長。
風貌とは裏腹に家族の事を第一に考えている。

■マモル:カキザキの一人息子。父親の存在のせいで友達ができなくて悩んでいた。
主人公と出会った事で父親との確執も消えた少年は、その後、会社の専務として頑張っているという事が最終回で分かる。



川の流れ(夏詩の旅人シリーズ第4弾
2020-05-10


文字数8,950文字 ※読了時間目安5000文字に対して約10分~15分

あらすじ
久々に東京へ戻って来た主人公。
川でのんびり釣りを楽しんでいた彼の元へ、学生時代のバンド仲間であるジュンが突然訪ねて来た。
彼女は、アイドル歌手として一世風靡したが、それも今となっては過去の栄光となってしまった。
ジュンはもう一度、あの頃の様なヒット曲を出したいと焦っていた。
その理由は、妹のように可愛がっていたマネージャーの、のぞみが、急性白血病で倒れ余命がわずかだと知ったからだ。
「あのコが死ぬ前に、新曲をヒットさせて安心させてやりたいの!」と泣くジュン。
「分かった力を貸そう。だがヒットするとかそんな事は考えるな」と主人公は言う。
果たしてジュンはのぞみが死ぬまでに、もう一度あの輝いていた表舞台へと復活する事ができるのであろうか!?
川の流れ(夏詩の旅人シリーズ第4弾)

ゲスト
■のぞみ:中学生の頃から大フアンだったアイドル歌手のジュンを好きなあまり、高校卒業と同時にジュンのマネージャーとして就職した女性。
ジュンには妹のように可愛がられ、いつも二人は一緒に行動していた。
歌手として落ち目になったジュンの事も見放さず、彼女の仕事を取るために一生懸命頭を下げて頑張っていた。
そして無理が祟ったのぞみは、急性白血病に倒れてしまう。



横須賀フェイ・ダナウェイ(夏詩の旅人シリーズ第5弾)
2020-05-29


文字数11,604文字 ※読了時間目安5000文字に対して約10分~15分

あらすじ
主人公のシンガーソングライターが、とある縁で横須賀にある「フェイ・ダナウェイ」という喫茶店でアコースティックライブをやる事になった。
その店の経営者はタエという名の女性で、一人息子を抱えている母子家庭であった。
店主の息子は父親が亡くなってから反抗期になっており、その事が原因で悪徳政治家川野幸吉の息子シゲオとのトラブルに巻き込まれてしまう。
悪徳政治家の息子シゲオは、ドラッグ疑惑でマスコミに嗅ぎまわられていた。
そこで川野はシゲオの身代わりに、タエの息子マサトシを利用しようと考える。
川野は裏社会から自分の秘書へ引き抜いた殺し屋の王鷹を引き連れて、タエの店に大金を持って現れる。
「あと100万出しましょう!それでどうです!これ以上はもう出せませんよ!」
川野がイライラしながら、追加の札束をテーブルに置いて言った。
「結構です。お金の問題じゃありません…」
タエはビクビクしながら言う。
「あのねぇ奥さんッ!うちの息子の将来がかかってんですよッ!」
「うちのマサトシだって将来がありますッ!」
「私は代議士だッ!シゲオは私の息子だ!あんたんちみたいな喫茶店の息子とは訳が違うんですよッ!」
「うちの息子をバカにしないで下さいッ!もう帰ってッ!帰ってッ!」
タエが泣きながら川野を追い返そうとすると、王鷹が目の前に立ちふさがりタエを突き飛ばした。
倒れた拍子で花瓶を倒してしまうタエ。
その花瓶に生けられていた花は息子のマサトシが母の日にタエへ送ったものであった。
その花を邪魔だとばかりに蹴る王鷹から、カーネーションを守ろうとする母タエ。
逆らえば横須賀湾に沈めてやると脅す川野幸吉。
その時、「そこまでだ!」と主人公が現れた。
「誰ですかあなたは…?」と言う川野は王鷹へやつを殺せと命令する。
王鷹と対峙する主人公。
「お前ホントにマトリックスに似てるなぁ…」
無表情の王鷹に言う。
王鷹が特殊警棒を振りかざした。
果たして主人公はタエ親子を救い出す事が出来るのかッ!?
横須賀フェイ・ダナウェイ(夏詩の旅人シリーズ第5弾)

ゲスト
■タエ:横須賀にあるフェイ・ダナウェイという喫茶店を経営しながら、母一人で反抗期の息子マサトシを育てている。

■マサトシ:反抗期で親を困らせてばかりいたが、主人公と出会う事で親の愛情を知り、死んだ父親の様な料理人になる決心をする。
最終回では、結婚し子供が出来たマサトシが、TVで紹介される程の料理人に成長した姿が描かれていた。

■シゲオ:悪徳政治家川野の息子でパンク系バンドのボーカル。
親の金の力で好き勝手をやる。何か事件を起こすといつも親に泣きついて、金の力で身代わりを立てて逃げていた。

■川野幸吉:大物政治家でありながら、裏では悪どい事を行っている悪徳議員。
金の力で解決できない邪魔者は、秘書の王鷹に始末させ、横須賀湾に沈めているという噂がある。

■王鷹:川野が裏社会から引き抜いた秘書兼ボディーガード。
ヤバい仕事は、全てこの王鷹に川野は命じている。
風貌が映画マトリックスに出てくるエージェント・スミスに似ている。



次へのバトン(夏詩の旅人シリーズ第6弾)
2020-06-05


文字数14,011文字 ※読了時間目安5000文字に対して約10分~15分

あらすじ
主人公のシンガーソングライターは埼玉県C市で行われている「風鈴まつり」のイベントに呼ばれていた。
その地で思わぬ人物と出会う事となった。
その人物は伝説のロックバンド「ヒステリックス・モガ・バンド」のボーカル「キョウ」であった。
彼女はロンドンから日本に帰国していたが、近所では変わり者と煙たがられていた。
そんなキョウの事を、一人だけ慕っていた少女ナツがいた。
ナツはキョウが、本当は優しいおばあちゃんだと知っていたのであった。
主人公がナツに、キョウが昔はすごい歌手だったと教えると、ナツはキョウに歌を教えて欲しいとお願いする。
「だめだ!お前みたいな泣き虫には無理だ」と突き放すキョウ。
「ねぇおばあちゃん、お願い。もう絶対泣いたりしないからぁ…」と食い下がるナツ。
根負けしたキョウは、ナツに歌を教える約束をする。
そんな中、キョウの肺がんが発覚し、ステージ4まで進行してしまっていたことが分かる。
「どっこいしょ…」
布団から起き上がろうとするキョウ。
「今日は止めとけよ」と主人公。
「だめだ。もうすぐあの子がやって来る。あたしゃぁ、あの子と約束したんだ…歌を教えると…」
「あたしにゃもう時間がないんだ…。それにあたしは、ナツに強くなれと言った。だからこんな事に負けてられん…」
 すると突然、家の外からバイクを激しく吹かす音が聴こえて来た。
バイクを吹かしていたのは、フルフェイスメットをした地主の息子マサトと、その友人ら3人だった。
「おらぁ~!ババア~!くたばりぞ来ないがぁ~!出て来いよ!おらぁ~!」
マサトはキョウの事が気に入らなく、いつもの様にいやがらせにやってきたのだった。
「このままじゃご近所迷惑だ…。なぁに、あたしが頭下げりゃあ済むことだ…
「待て!あんたは悪くない。謝る必要なんかない」
主人公は外へ出ようとするキョウに、手で制してそう言うと、「あんたは寝てろ…」と言って玄関へ向かう。
次へのバトン(夏詩の旅人シリーズ第6弾)

ゲスト
■キョウ:伝説のロックグループ「ヒステリックス・モガ・バンド」の元ボーカル。晩年は実家の埼玉県C市で暮らしていた。
肺がんで余命僅かと知ると、ナツという自分を慕う少女へ自分の歌を託す事にした。

■ナツ:泣き虫の女の子であったが、キョウと触れ合う事でたくましい女の子に成長していく。
その後のナツは、キョウの亡き後、ヒステリックスの新ボーカルオーディションを合格し、キョウの意思を継いでプロとして活躍する事が最終回で分かる。

■三平:タレントの内山君に似た風貌の少年。以前はナツをいじめて泣かしたりしていたが、キョウとの出会いでその様な振る舞いも無くなった。

■マサト:地元の大地主の息子で好き勝手やっている少年。キョウに素行を注意された事に逆恨みし、キョウへ嫌がらせをする。



クロスロード伝説(夏詩の旅人シリーズ第7弾)
2020-06-07


文字数12,923文字 ※読了時間目安5000文字に対して約10分~15分

あらすじ
 ロバート・ジャクソン
1911年生まれ、1938年8月、27歳の若さでこの世を断つ。
伝説的なブルースマンとして知られる彼は、死の2年前の36年8月に、アメリカのミシシッピ州クラークスデイルにある交差点(クロスロード)において悪魔と契約を交わす。
主人公のシンガーソングライターは、ロバート・ジャクソンのクロスロード伝説は現在の日本国内でも続いていたという真実をロックバーで出会ったAFNのDJチャーリーから知らされる事となる。そしてそのバーでは、主人公と犬猿の仲の愛川とも再会する。その愛川は悪魔と契約を交わしたという噂があり、以前とはまるで別人の様な演奏をそのバーで披露した。
その謎を解明する為、ロック雑誌編集者のマイと主人公はチャーリーと一緒に真実を追求する為に動き出した。
調査を進めていくうちに、TVで馴染み深い占い師、ゲッツ坂田が愛川と接触していた事実が分かった。
またマイはアメリカへ帰国しなければならないチャーリーからプロポーズを受ける事となる。
チャーリーは、今夜の最後の放送で、もしプロポーズがOKならば番組にメールとリクエスト曲を送って欲しいとマイに言う。
そしてチャーリーの日本での、最後の放送時間直前にゲッツ坂田の占い事務所を訪れた主人公とマイを待ち受けていたものはッ!?
クロスロード伝説(夏詩の旅人シリーズ第7弾)

ゲスト
■マイ(二階堂マイコ):主人公シンガーソングライターがデビューする前に勤めていた会社の後輩。
主人公が会社を辞めた後は、自身の夢であった音楽雑誌の編集者として活動する。
一度はアメリカに帰ってしまったチャーリーと結ばれる事はなかったが、その後、チャーリーがすぐに退役して日本へ戻りマイへプロポーズしたと最終回で分かる。
ロッキンS誌は退職し、実家の群馬へチャーリーと幸せに暮らしている。

■チャリー・スミス:福生基地に兵役で来ているアメリカ人。AFNの人気DJとして有名。マイにフラれアメリカへ帰るも、その後、退役し再び日本へ戻りマイへプロポーズし結婚した。

■愛川ゼン:主人公シンガーソングライターとデビューが同期のミュージシャン。妬みや嫉妬深い性格から主人公に対して嫌がらせをする。
クロスロード伝説の悪魔から契約を交わし、卓越したギターテクニックを手にしたという噂を持つ男。
悪魔と契約した者は2年後に謎の死を遂げると云われているが、彼がその後どうなったかは作中で知らされていない。

■ゲッツ坂田:よく当たる占い師としてメディアにひっぱりだこの人物だが、実は裏の顔を持った悪徳占い師であった。



ア瞳ニモマケズ(夏詩の旅人シリーズ第8弾)
2020-06-19


文字数12,327文字 ※読了時間目安5000文字に対して約10分~15分

あらすじ
季節は秋に変わろうとしていた。
東京自宅の窓から、空の雨を眺めてした主人公は、そういえばつい3週間前まで過ごしていた茅ヶ崎でもこんな雨が毎日続いていたと思い出した。
茅ヶ崎で知り合った、瞳衣(メイ)という名の少女との出来事を思い出していた。
茅ヶ崎でライブを終えた主人公が偶然訪れた海鮮居酒屋。
そこでバイトする背の高い少女メイと主人公は出会う。
メイは父子家庭で、今度父親が再婚するのをきっかけに自宅から出て独立しようと考えていた。
背が高い事にコンプレックスを感じているメイに、主人公は「モデルとか目指してみたらどうだ」と提案する。
その言葉が切っ掛けとなり、メイはモデルの面接に行くが、実はそこはファッションモデルではなく、AVモデルの募集をした会社であったのだった。
騙されたメイは無理やり契約書に判子をさせられてしまった。
そこへ主人公が助けに現れた。
インチキモデル会社の社長盛川が、メイを奪い返せない様に、部下をけし掛けた。
果たして主人公は、メイを無事連れて帰る事が出来るのだろうかッ!?
ア瞳ニモマケズ(夏詩の旅人シリーズ第8弾)

ゲスト
■メイ(瞳衣):背の高い事にコンプレックスを持つ20歳の少女。主人公と出会った頃は居酒屋で働く娘であったが、その後、オネキャンのカリスマモデルとしてCMにひっぱりだこの大物タレントへと転身した事実が最終回で分かった。

■盛川:過激なAV作品で問題をしょっちゅう起こしている悪徳AV制作会社「ジェンキン・サン企画」の社長。


まだ見ぬ光(夏詩の旅人シリーズ第9弾)
2020-06-20


文字数5,778文字 ※読了時間目安5000文字に対して約10分~15分

あらすじ
 岬不二子 34歳
彼女は、大手音楽イベント事務所から27歳の若さで独立し、音楽イベント会社“Unseen Light”を立ち上げた。
自ら立ち上げた会社が行き詰っていたさ中、彼女の会社へ大きな仕事が舞い込んで来た。
彼女はこのビジネスをどうにかして成功させたいと、思い悩んでいた。
そんなとき、会社帰りの電車の中でふと聴いたFMラジオ。
そこから聴こえて来た声は、不二子がまだ駆け出しだった頃、彼女の力になってくれたシンガーソングライターの喋っている声であった。
6年前に主人公のシンガーソングライターと、初めて出会った頃の回想シーンを織り交ぜながら、話は二人が「ハイビスカスの少女」の回で再会を果たすまでの前日譚を描いている。
まだ見ぬ光(夏詩の旅人シリーズ第9弾)

ゲスト
■和田:岬不二子の部下。不二子の右腕として“Unseen Light”を支える人物。




■「夏詩の旅人シリーズ最終章」ストーリー解説


あの日から消えた笑顔(夏詩の旅人シリーズ最終章1)
2020-07-04


文字数16,825字 ※読了時間目安5000文字に対して約10分~15分

あらすじ
リョウは東北のM県に訪れていた。
それは専門学校時代の友人、ヒロミの結婚式に呼ばれていたからであった。
結婚式を明日に控えたヒロミは、勤務先の役場の防災課へ最後の挨拶へ向かう。
その頃、リョウは海岸で写真を撮っていた。
ヒロミが職場の同僚へ最後の挨拶を済ますと同時に、今まで経験した事のない様な激しい地震にヒロミは見舞われる。
役場のTVでニュースを確認したヒロミは、まもなく大津波がやって来る事を知る。
ヒロミは上司が止める中、海にいる人たちを避難させる為、海岸にある防災棟へと走り出す。
ヒロミの避難勧告の呼びかけの甲斐もあり、海にいる人たちは無事に避難できたが、ヒロミは親友リョウの見守る中、防災棟ごと大津波に呑み込まれ、婚約者を残して死んでしまう。
そしてその後すぐに、隣のF県で原発事故が起きてしまい、隣接した村に住んでいたヒロミの家族を含んだM県港町の人々は、ちりじりバラバラと移住させられてしまった。
被爆者としていわれのないレッテルを張られたM県の人たちは、移住先で差別に合い、子供たちはいじめにも合う事となってしまう。
「なんでこんな理不尽な思いを、被災者である港町の人たちが、味あわなければならないのッ!?」
悲しみと怒りでいっぱいのリョウは、自身が立ち上げたHPで、3年経っても復興が一向に進まない政府の対応の遅さを懸命に訴える。
そこへ毎朝新聞編集者を名乗る大柴という男から、リョウへ毎朝新聞社に入社して、一緒に反原発を訴えようと誘って来た。
毎朝新聞に入社したリョウは、大柴が主催した勉強会という名の、政治プロパガンダにどんどん洗脳されていく。
同じ頃、警視庁公安部の平松は、先月に東京渋谷の「CLUB KAVE」で深夜に起きた爆破テロ事件の犯人を追っていた。
東京中野区の古いアパートにテログループが潜伏している情報を得た平松は、仲間の刑事たちとアジトへ向かうが、激しい銃撃戦の末、首謀者には逃げられてしまう。
ある日、毎朝新聞へ向かうリョウへ自分を呼び止める声。
そこは、元職場の先輩であった主人公のシンガーソングライターの姿があった。
久々の再会を果たした二人だが、リョウの性格は以前のものとは変わってしまったと感じる主人公。
その後、リョウの在籍する毎朝新聞が、10月に行われる鎌倉国立大学の学園祭で、反原発を訴えるイベントを行う事が決まった。
奇しくもその学園祭には、主人公とその仲間たちが参加する学園祭ライブが行われる大学であった。
一方、公安部の平松は、テロリストが中国籍の陳春光だと突き止める。
平松は公安部総出で陳の行方を追い、ついに逗子で陳が仲間と接触する情報を得る事となった。
陳は次のテロのターゲットとなる場所の為に、武器の受け渡しに逗子のレストランへと現れる。
しかし陳の仲間のメールからレストランにいる人間は、全て警察関係者だと知り、車を奪って海岸線を逃走する。
激しいカーチェイスの末、平松は一色海岸まで犯人を追い詰めるものの、陳は拳銃を咥えて発砲し自害してしまう。
犯人の次のターゲットの手掛かりを失った平松は、一色海岸で怒りに震え絶叫する。
あの日から消えた笑顔(夏詩の旅人シリーズ最終章1)


スローな武器にしてくれ!(夏詩の旅人シリーズ最終章2)
2020-07-10


文字数20,378字 ※読了時間目安5000文字に対して約10分~15分

あらすじ
学園祭ライブ当日となった。
主人公らは鎌倉国立大学へ到着するが、そこでは毎朝新聞の大柴によって集められた、反原発を訴えるデモ隊があちこちに集まる異様な風景であった。
警視庁公安部の平松は、数あるテロ候補地の中から、この大学の担当をたまたまする事となり、覆面警護にあたっていた。主人公は、仲間と校舎内を歩いているうちに、毎朝新聞のリョウと原発フォーラム会場となる大学の記念講堂で再会する。
そこでイベントを主催する不二子とも再会した主人公は、不二子と二人、仲間を残してライブ会場を観に行く事となった。
ライブ会場を観終えた主人公は、大学構内にあるレストランで不二子と打ち合わせをする。
そこで不二子は、何故彼が夏の海に旅をする理由を知る事となる。
そして二人がレストランで話している最中に、突然大学の旧校舎で爆破が起きる。
その爆音は、原発フォーラム会場にいた主人公の仲間たちにも聞えた。
その時、会場内に拳銃を発砲するテロリストグループが現れた。
彼らは日本で現在稼働している全ての原発施設を停止せよと政府に声明を上げた。
そしてその要求を呑まない場合は、記念講堂にいる人質を1時間ごとに一人ずつ殺すというものであった。
テロリスト中沢の呼びかけで、大学構内に散らばっていた反原発を唱えるデモ隊、約100名がテロを支援する為、講堂の周りを取り囲み警察の介入を阻止する行動を取り始める。
主人公は、爆破で怪我を負った平松の代わりに講堂で人質となっている仲間を救いに行くと不二子へ伝える。
「不二子、これを預かってくないか…?」
「これは…?」
「これは、俺の今までの旅の記録が書いてある手帳だ…。俺に何かあった時…」
「いやよッ!、そんな事言わないでッ!」
「頼む…、聞いてくれ不二子…。俺にもし万が一の事があったら、この手帳に書いてある人たちの所へ、君が尋ねて行ってくれないか…?」
「彼らが元気で幸せにやっているかどうか、見届けてくれないか…?」
「そんな大事なもの…私には預かれないわ…」
「君を信頼してる…。君だから預けるんだ」
「お願いやめて…。相手は銃や爆弾を持っているのよ…」
「それに講堂の周りには、今みたいな連中が100人もいるのよ…」
「殺されるわ…。やめて…、行かないで…」
「俺は仲間を見殺しにして生きる人生なんて、無意味だと思ってる」
「さぁ、君はこの人と早くここから逃げるんだ」
「待ってッ!、行かないでッ!」
「頼んだぞ…」
そう言い残すと、主人公は木刀を手に講堂の方へ走り出した。
スローな武器にしてくれ!(夏詩の旅人シリーズ最終章2)


タイムリミット(夏詩の旅人シリーズ最終章3)
2020-07-17


文字数10,414字 ※読了時間目安5000文字に対して約10分~15分

あらすじ
人質が殺される1時間が経つまで、あと僅かとなっていた。
一人で乗り込んだ主人公は、講堂前に立ちふさがるデモ隊に危うく殺されそうになるも、不二子の計らいで、援軍に駆け付けた鎌倉国大の運動部に助けられ、人質のいる講堂内へ入る事が出来た。
政府に動きがない事にいら立つテロリストの中沢は、小さな子供を殺せば国が動くと考えていた。
まさに犠牲者が出ようとしていたその瞬間に、主人公は間に合ったのであった。
銃で武装したテロリストは、何故か撃ってこず主人公の木刀に倒される。
実は武器調達に失敗したテログループは、首謀者の中沢以外、全てモデルガンで偽装していたのであった。
仲間たちと協力してテログループを制圧した主人公。
だが残っていた1発の弾丸で黒幕の大柴に左肩を撃たれてしまった。
主人公は意識不明の重体で救急車に運ばれるも、数日後には意識が回復する。
主人公が入院する病院へ見舞いに来た不二子だったが、そこで彼の左指がもう動かないという事実を知らされ涙する。
弾き語りを諦めた主人公は、無意味なリハビリを受ける事無く、ある日突然、何も言わずに仲間たちの前から姿を消してしまうのであった。
タイムリミット(夏詩の旅人シリーズ最終章3)


爆走!ダーティー・ハリー(夏詩の旅人シリーズ最終章スピンオフ)
2020-08-02


文字数22,961字 ※読了時間目安5000文字に対して約10分~15分

あらすじ
鎌倉国大のテロ事件から一年が経った。
シンガーソングライターの行方は、未だ分からないままであった。
そんな中、岬不二子の元へ母親からお見合いの話が持ち上がる。
不承ながらも不二子は実家の山梨県へ帰り、お見合いを受ける事となった。
お見合い相手は、山梨県警期待のホープである椎名という感じの良い男性であった。
不二子は椎名と話しているうちに、椎名へどんどん惹かれていく。
見合いの返事をする期日まであと2日となった。
不二子は地元のシオンで買い物を済ますとバスに乗り込んだ。
そこへ郵便局の強盗に失敗した犯人の的場がバスに乗り込んできた。
そしてバスの運転手のヨシロウも犯人の仲間である事が分かる。
だがヨシロウは気の優しい青年で、借金苦で的場に協力していた男だった。
ヨシロウとハリーの協力で、不二子は強盗犯の的場を取り押さえる事に成功した。
その後、ヨシロウの妻が今朝激しい陣痛で、丘の上病院へ搬送された事を知った不二子は、県警の椎名にヨシロウを奥さんと子供に一目会わせるまで逮捕するのを待って欲しいと頼むのであった。
しかし椎名はそれを拒否し、強引にバスへ乗り込みヨシロウを逮捕する行動に出る。
不二子はバスに乗り込もうとした椎名を蹴り飛ばし、バスの降車口を閉めて丘の上病院へ向かって逃走する。
県警のメンツを潰された椎名は何としてもバスを停めようと試みるが、不二子とハリーの作戦でことごとく回避されてしまう。
そしていよいよ病院が目の前に見えた時、目の前にバリケードを張り巡らした機動隊員と椎名刑事らが立ち塞がった。
果たして不二子は、ヨシロウを妻と生まれた子供の待つ病院まで送り届ける事が出来るのであろうかッ!?
爆走!ダーティー・ハリー(夏詩の旅人シリーズ最終章スピンオフ)


ここから始めよう(夏詩の旅人シリーズ最終章4)完結
2020-08-08


文字数19,568字 ※読了時間目安5000文字に対して約10分~15分

あらすじ
2020年5月。
あの鎌倉国大のテロ事件から14年が経過した。
不二子は、行方不明になる前に彼から預かった旅の記録が記されてある手帳を手に取った。
岬不二子は50歳になっていた。
あれからまだシンガーソングライターの彼は行方不明のままであった。
そして、彼の行方の手掛かりを探す為、彼が旅先で知り合った人たちへ会いに行く事を決めた。
行方不明のシンガーソングライターが気にかけていた手帳の人たちは、彼と出会ってからは、みんな幸せな人生を送っている事実を知る不二子。
手帳に記された全ての人たちに会った不二子だったが、結局何の手掛かりも得ることは出来なかった。
放心状態の不二子の元へ、シンガーソングライターの親友のカズから電話が突然入る。
「どうしたの?、電話なんか掛けてきて…?」
「あいつが見つかった…」
「えッ!」
「今住んでる場所も分かっている…」
「どこなのッ?」
「鎌倉の由比ヶ浜だ」
「由比ヶ浜…!?」
「会うのか?」
「もちろん会うわッ!」
「今更やつに会ってどうする?」
「会いたいのッ!」
「君が思ってる、あいつじゃないかも知れないぞ」
「それでも会いたいのッ…」
「そうだな…。君にはやつと会う資格があるよな…」
「分かった…。住所を教えよう…。あいつには俺から連絡しておく」
「君は当日、やつの住んでる家に直接行ってくれ。変に電話で事前に話すよりも、直接会って話した方が良い…」
こうして不二子は行方不明の彼とついに再会を果たす。
果たしてどんな結末が待っているのだろうかッ!?
ここから始めよう(夏詩の旅人シリーズ最終章4)完結

最終章ゲスト
■リョウ(野中涼子):主人公シンガーソングライターがデビュー前に勤めていた会社の後輩。震災で友人を亡くした心の痛みを付け込まれ、知らず知らずのうちにテロ活動へと巻き込まれて行く。

■ヒロミ:リョウの専門学校時代の友人で、地元M県の防災課で働いている。東日本大震災の日、海岸に残っていた住民を救う為、防災棟から避難勧告を続けるが、婚約者を残して防災棟もろとも津波に呑み込まれ命を落としてしまう。

■大柴リュウジ:毎朝新聞編集者でリョウのHPから彼女に接触を図り、リョウをテロ活動へ巻き込んで利用した。

■中沢:反原発を訴えるRAPグループ「フールズ」のリーダーで、鎌倉国大テロ事件の首謀者。

■平松:警視庁公安部の刑事。渋谷で起きた無差別テロ事件の犯人を追っている。

■陳春光:中国籍のテロリスト。フールズが鎌倉国大で実行するテロの武器を渡そうとしたが失敗し自害する。

■石井幸鷹:鎌倉国大剣道部主将。主人公がデモ隊に殺されそうになった時に、助けてくれた男。他の運動部員たちと共にテログループへ立ち向かった。

■鳥川ケンイチ:テロの黒幕だった大柴のアシスタントを務めていた男。大柴が逮捕された後、新たな仲間を勧誘している姿が描かれていた。

■渋川トメ:東日本大震災当日、海岸でリョウを救ってくれた老人。防災課で働くヒロミの事もよく知っていた人物。震災後は息子夫婦のいる山梨県へ移住し、丘の上病院へ逃亡した不二子の乗るバスに偶然乗車していた。

■中出ヨシノブ:主人公シンガーソングライターの元職場の後輩。マイが登場した「クロスロード伝説」と、リョウが登場した最終章にその怪しい人物像の存在は知られていたが、本人が登場したのは「爆走!ダーティー・ハリー」の回が初めてである。その回でハリーと出会い、その後、ハリーと共にAV批評のYOUTUBEチャンネルを立ち上げて荒稼ぎしている事が最終話で分かった。

■高橋ヨシロウ:借金を抱え妻に会わせてもらえない心優しき青年。借金返済の為、仕方なく強盗犯の的場に協力する。

■椎名一平:山梨県警のエリート刑事。不二子と見合いをしイイ線まで行ったが最後はフラれてしまう。

■飛松:椎名の上司の刑事。県警の女はブスばっかと言うのが口癖。

■的場:ヨシロウの高校時代の先輩。ギャンブルが元で借金を抱えており、ヨシロウに郵便局強盗の仲間へと引き込んだ。

■玉川:ワイドショー番組のコメンテーター。政府や警察に過激なコメントを連発する為、彼のコメント中は、しょっちゅうCMに切り替わっていた。

■寺田ケイコ:ヨシロウの高校時代の同級生で、ヨシロウの妻マリとも親交がある。マリが出産で入院した丘の上病院でナースの仕事に付いていた。

■高橋マリ:ヨシロウの妻。元気な女の子を出産した。



夏詩の旅人:時系列

1985年
4月

・ギタリストのカズが高3の時、軽音楽部に入部してきた櫻井ジュンと初めて出会う。

1986年
4月

・シンガーソングライターが大学へ入学し、ギタリストのカズと出会いバンドを組む。

1987年
1月
・シンガーソングライターが、当時高2だった櫻井ジュンと初めて出会う。

5月
・シンガーソングライターが、カズとジュンとで組んだバンドで学園祭ライブに出る。
・その学園祭で、ジュンが音楽プロダクションにスカウトされる。

8月
・ジュンが高3の時、アイドルとして歌手デビューし、ヒット曲を連発する。

1990年
10月以降?
・カズがスタジオミュージシャンとして、プロミュージシャンとなる。

1993年
5月
・シンガーソングライターが、大手レコード会社のオーディションを腕試しに受けてみる。

1996年
・伝説のロックグループ「ヒステリックス・モガ・バンド」の元ボーカルだったキョウが、ロンドンから帰国し、埼玉県C市にある実家へ戻って来た

1997年
・岬不二子が大手音楽イベント会社で同僚だった男性との婚約を解消する
・岬不二子が大手音楽イベント会社から独立し、“Unseen Light”を立ち上げる

1998年
8月

・岬不二子が企画した神奈川県鵠沼海岸で行う音楽イベントにて、サーフィン誌“F”のシンガーソングライターと不二子が初めて出会う
・シンガーソングライターが、鵠沼海岸で行われている音楽イベントに飛び入り参加し、不二子の前で初めて歌を披露する

2003年
3月

・サーフィン誌“F”で働く野中涼子(リョウ)が、友人ヒロミの結婚式に出席する為、東北のM県を訪れる
・リョウの友人ヒロミの結婚式前日に、東日本大震災が起こる
・渋川トメが海岸にいたリョウを津波から助ける
・リョウの見守る中、ヒロミは防災棟ごと津波に呑み込まれ婚約者を残して亡くなる
・M県港町からほど近いF県で原発事故が起きる
・渋川トメが放射能汚染から避難する為、M県から息子夫婦の暮らす山梨県へと移住する

4月以降?
・リョウがサーフィン誌“F”を退職する
・リョウが被災地の現状を訴えるHPを立ち上げる
・毎朝新聞社の大柴リュウジが、リョウに接触をはかる
・リョウが毎朝新聞社へジャーナリストとして入社する

2004年
6月

・シンガーソングライターが、サーフィン誌“F”を退社
・シンガーソングライターが、伊豆今井浜で晴夏(ハルカ)と出会う

7月
・シンガーソングライターが、ハルカのお別れパーティーに出席し、その後、旅を続ける事を決める
・“Unseen Light”の岬不二子の元へ、大物音楽プロデューサー秋山康二から下田FM開局イベントの仕事が舞い込む
・シンガーソングライターが、伊豆の稲取海岸から東京のFM番組に電話出演をする
・岬不二子が会社帰りの中央線の中で、シンガーソングライターが、稲取から出演しているラジオ番組を偶然聴く

8月
・シンガーソングライターが、“Unseen Light”の岬不二子と伊豆下田FMの開局イベントで再会する
・シンガーソングライターが、伊豆の弓ヶ浜でしのぶと出会う
・シンガーソングライターが、H村でカキザキ親子と出会う
・シンガーソングライターが、K屋旅館の孫娘、奥村マキと出会い、音楽イベントの参加をする


2005年
4月

・歌手の櫻井ジュンのマネージャーの、のぞみが急性白血病で入院する

5月
・シンガーソングライターが、東京都清瀬市にある柳瀬川で、学生時代のバンド仲間だった櫻井ジュンと再会する

・サーファーのハルカが母の死を機に、東京の品川から神奈川の由比ヶ浜へ移り住む

6月
・櫻井ジュンの新曲が完成し、のぞみに曲を聴かせるも、その2日後にのぞみは息を引き取った

7月以降
・ジュンの新曲がその年の大ヒットとなる

8月
・川野幸吉議員の息子シゲオが、神奈川県葉山町で海水浴帰りの学生団体にひき逃げ事故を起こす


2006年
5月

・シンガーソングライターが、横須賀のフェイ・ダナウェイでドラムの小田とライブを行う
・シンガーソングライターが、川野幸吉議員の悪事からフェイ・ダナウェイのタエ親子を救う
・川野幸吉議員と息子のシゲオが逮捕される

6月
・東京渋谷にある「CLUB KAVE」で爆破テロ事件が起きる
・警視庁公安部の平松が、渋谷で起きた爆破テロ事件の捜査担当となる


7月
・シンガーソングライターが、埼玉県C市の風鈴まつりイベントに出演し、そこでハリー・イマイと再会する
・シンガーソングライターが、元ヒステリックス・モガ・バンドのボーカルだったキョウと知り合う
・キョウの肺癌が発覚する
・ナツがキョウから歌のレッスンを受ける事になる
・公安部の平松が、東京中野に潜伏する爆破テログループのアジトへガサ入りするが逃げられてしまう


8月
・シンガーソングライターが、サーフィン誌“F”で後輩だった二階堂マイコと、渋谷のロッキンS誌社で再会する
・シンガーソングライターが、マイと一緒にロッキンS誌のグルメ企画の取材で東京都福生市を訪れる
・シンガーソングライターが、仇敵の愛川ゼンと再会する
・シンガーソングライターが、福生のロックバーで、AFNの人気DJチャーリー・スミスと出会い、日本のクロスロード伝説を知らされる
・マイがチャーリーからのプロポーズを断る
・シンガーソングライターが、神奈川県茅ケ崎のライブバーで、ブッキングイベントに出演する
・シンガーソングライターが、茅ヶ崎駅前の海鮮居酒屋で瞳衣(メイ)と出会う
・シンガーソングライターが、サザンビーチの近くでハリーと再会する
・シンガーソングライターが、ハリーと共にジェンキン・サン企画の盛川からメイを救い出す
・アメリカに帰国したチャーリーが退役し、すぐ日本へ舞い戻りマイへプロポーズし、二人は結婚する


9月
・シンガーソングライターが、MBSラジオに出演する為、赤坂の一ツ木通りを歩いていたところ、サーフィン誌“F”で後輩だったリョウと再会する
・警視庁公安部の平松が、中野で逃がしたテロ犯を中国籍の陳春光だと警視庁顔認証データベースから割り出す
・岬不二子の“Unseen Light”が、鎌倉国立大学学園祭でのイベントの一部(※ジュンの野外ライブと大柴の原発フォーラム)を、取り仕切る事となる
・毎朝新聞社の大柴が主催する「原発フォーラム2006」が、鎌倉国大の学園祭で行われる事が決定したのをリョウが知る。
・毎朝新聞社主催の原発フォーラムに、RAPグループ「フールス」のゲスト参加が決まる
・歌手の櫻井ジュンが鎌倉国大の野外ステージで歌う事が決定する。
・櫻井ジュンが鎌大学祭ライブのバックメンバーに、カズと小田、そしてシンガーソングライターを呼ぶ事に決める
・逗子渚橋近くのレストランで陳春光が仲間と接触する情報を、公安部の平松が突き止める
・葉山町の一色海岸で、逃げきれなくなった陳春光が拳銃で自害する


10月
・鎌倉国立大学学園祭の当日となる。
・シンガーソングライターと、ジュン、カズ、小田が大学に到着し、ハリーと再会する
・シンガーソングライターが、原発フォーラム会場でリョウと大柴、そして不二子と再会する
・公安部の平松が念の為、鎌大の学祭へ覆面警護に入る
・不二子がシンガーソングライターに旅を続けている理由を聞き、その時、彼がハルカという女性の事を好きだと知らされる
・鎌大の旧校舎が突然爆破したのを皮切りに、原発フォーラム会場へ銃で武装したテログループ「フールス」が現れる
・シンガーソングライターが、原発フォーラム会場に立てこもるテログループを制圧するも、黒幕だった毎朝新聞社の大柴に左肩を撃たれ重傷を負う
・シンガーソングライターが、入院する大船の病院へ不二子が見舞いに訪れる。その時、彼が二度と弾き語りが出来ない身体になる事を知る
・シンガーソングライターが、リハビリを拒否し、誰にも行き先を告げずに失踪してしまう
・毎朝新聞社に不信感を抱いたリョウは、会社を退職し、その後、世界中を飛び回るフリーのジャーナリストとして活躍する


2007年
10月

・不二子が父親の紹介で、山梨県警の椎名とお見合いをする
・不二子が実家の山梨に戻るバスで、ハリーと再会する
・不二子が郵便局の強盗犯の共犯者だったヨシロウを妻と赤ん坊に会わせる為、バスで逃亡する
・不二子が逃亡するバスに、東日本の大震災でリョウを救った老人、渋川トメが偶然乗車していた
・シンガーソングライターが、サーフィン誌“F”で働いていた時の後輩、中出ヨシノブも不二子の乗るバスに同乗していた
・不二子が椎名との見合いを破談にする
・バスの逃亡劇では、ハリーだけが逮捕された


2009年
4月

・刑期を終えたハリーが、中出氏と再会し、2人で「8の字無限大」という法人を立ち上げる
4月以降
・横須賀フェイ・ダナウェイを経営するタエの息子マサトシが料理専門学校を卒業。それに伴い、喫茶店だった店を無国籍料理店へ改装し、店名も変えた


2010年
・歌手の櫻井ジュンが引退し結婚する。以後、ママさん音楽プロデューサーとして若手に楽曲を提供している


2015年
・行方不明だったシンガーソングライターが、ハルカと入籍する


2018年
・岬不二子の“Unseen Light”が、伝説のロックグループ「ヒステリックス・モガ・バンド」復活に辺り、新ボーカル募集オーディションの企画に携わる事となる
・今は亡き、初代ボーカルのキョウから直接手解きを受けていたナツが、新ボーカリストへと合格する


2020年
5月

・岬不二子の“Unseen Light”が、GWに「ヒステリックス・モガ・バンド」復活ライブを行う
・不二子が鎌倉国大テロ事件当日に、シンガーソングライターから預かった旅の記録の手帳を元に、彼を探しに行く決心をする

6月
・ドラマーの小田が逗子の自宅を改装し、以前、横須賀にあった「フェイ・ダナウェイ」の名を引き継いだライブ・バーを開業させる
・不二子が、小田のライブバーで再会したジュンが歌手を引退し、現在は音楽プロデューサーとして成功を収めている事を知る
・不二子が、弓ヶ浜に住むしのぶの祖母から、しのぶは現在、外務省で外交官をして海外にいると知らされる
・不二子が、K屋旅館のマキが、次回の村会議員に立候補する旨を知らされる
・不二子が、H市のカキザキの息子マモルが、父親の会社の専務となって頑張っている事を知らされる
・不二子が“Unseen Light”が関わった、ヒステリックスのボーカルオーディションに合格したナツが、シンガーソングライターと絡んでいた事実を知った
・不二子が、以前茅ケ崎の海鮮居酒屋で働いていた少女が、現在、オネキャンのカリスマモデルとして活躍しているMayだと知らされる
・ハリーが警備現場で、ずっと行方不明だったシンガーソングライターと会う
・不二子が、シンガーソングライターの親友のカズから、行方不明だった彼の消息が分かったと電話で知らされる

7月
・不二子が行方不明だったシンガーソングライターと会うが、既にハルカと結婚していたという事実を知らされた