イセヒカリと官僚支配~少しロマンのあるお米の話
幻の米として週刊誌記事にもなっているイセヒカリという米があります。イセヒカリは、1989年、台風で伊勢神宮の御神田のコシヒカリがほぼ完全に倒れた際、そのコシヒカリの田に残った2株から栽培された突然変異(突然変異で2株同時というのはありえないのでこの話にはいろいろと疑問符が付けられています)の「新品種」です。1996年、イセヒカリと命名されました。
(コシヒカリ系晩生種のため、元々は「コシヒカリ晩」と称された。)
さて、この米ですが、新品種という言葉にわざわざカギ括弧をつけたのには理由があります。
実はこのイセヒカリ、役所の管理下で品種固定されたわけではないので、正式な品種ではないのです。日本では役所のお墨付きがないと品種として登録できず、そのためイセヒカリは品種であって品種ではないのです。よって、正式な米の流通ルートではこの米は名前を付けて売ることができません。
新聞報道でも言い回しには苦労しているようで、読売の記事では「神米であって登録品種でも奨励品種でもないため流通していない」という記述を発見しました。
このように米の品種登録においては典型的な官僚支配の影を感じることができます。
また、さまざまな情報を総合すると伊勢神宮の神田で発見されたイセヒカリを縁故のある山口県の技術者に鑑定してもらった経緯から、そちらで先に広がってしまい、結局、地元三重ではひがんだ役所サイドが相手にしないという声もあります。
なお、日本の米には温帯ジャポニカ系の遺伝子を持つものと熱帯ジャポニカ系の遺伝子を持つものがあるのですが、その点で歴史にまつわるいろいろ議論があり、ロマンを感じるのです。とにかく、この米には興味を持ったので、一度取り寄せてみようかと思っています。美味でしたら報告します。
なお、より詳しい情報はこちら 。
『大阪破産』(吉冨有治)を読む
話題の本をようやく読みました。
本書は大阪の財政について、そして、市政の現状について、大阪在住の金融ジャーナリストが分析するものです。
第一章は未来シミュレーション。
大阪市が再建団体になったらどうなるのか、破綻の原因はこうこう、破綻後はこうなる、と脚色はあるものの、かなりいい感じでシミュレートしています。この通りになるかどうかはわかりませんが、この程度のことはあるだろうという内容に仕上がっています。近未来小説ばりの読ませるプロローグです。
第二章では土地信託に失敗した典型例である、間抜け遊園地「フェスティバルゲート」、数々の第三セクターなどの大阪の失敗を列挙しています。
大阪府のりんくうタワーと関西一の高層建築争いの結果、無駄に背が高くなったATCビルなんて、本当に無駄そのもの。読んでいると眩暈がしてきます。国際流通センターの主役がダイソーというのは滑稽を通り越して、妙に感心してしまいます。
間抜けの一言です。
第三章は大阪市役所の職員厚遇問題のおさらい。
どのようにしてヤミ給与が作り出されたかという過程の解説は特によくできています。結局は組合交渉が非公開だからこういう抜け道を設計する輩が出てくるわけです。このしくみを考えた人は詐欺師です。詐欺師。
とにかく、きれいに総括されています。
関西のメディアはこの問題についてしっかりと続報したのですが、関東ではフォローできないため、この本でまとめて読んでおくのは意義があります。
第四章は大阪市の財務分析。自治体の財務分析手法をわかりやすく解説しながら駆使して、ざっくり解説しています。何より、要するに・・・という書き方なので、役所言葉の解説書より格段に読みやすいです。
大阪の財政赤字について、起源から辿ってあるため、他の自治体の人間が他山の石とすることもできます。
第五章は破綻自治体の先駆者(?)である赤池町の事例をもとに、つぶれたらこうなる、という内容を解説しています。
そして、付録は大阪市の外郭団体一覧。ものすごい数です。
さて、私は自治体の財政の将来に悲観的な展望を持っています。
なぜなら、市民に対して財政の抱える構造的な問題を論理的に語る政治家がほとんどいないからです。
財政危機を語る議員にはヒステリックに危機をあおるだけの人も多く、何が危機でどの程度のリストラが必要かを市民が知る方法は限られています。
そして、情報不足のまま、市民は自治体にこれまで通りの要求をします。自治体は、ない袖を今のところは振り続けています。
本書は皆さんの地元の近未来像です。
大阪市はスケールが大きいだけに絶望的な状況がはっきり見えますが、皆さんの地元も条件は同じです。
本書は自治体の将来を展望するのに妥当なツールと判断基準を読者に与えると思います。
一部の議員や職員は著者の地方自治法などに関する知識不足の揚げ足を取る反応をするでしょうし、あるいは危機感が過剰だと揶揄するでしょう。
しかし、私は著者の危機感に非常に共感するものを感じました。ご一読いただく価値があると思います。
追記:夕張市が破綻宣言をしました。そして、その後、粉飾決算とさまざまな問題が明らかになりました。自治体はトカゲのしっぽです。地元が切られないように、しっかりと自治体の財政を監視しましょう。(7/12)
あーあ、また市民が騙されている ~私の日記から
旧聞に属する話であり、過去にも少しここで取り上げたのですが、あまりにふざけた話なので、日記から転記します。
光市議会の12月定例会で、議員定数を4名削減するという陳情がなぜか一通の署名も添えずに議会に提出され、1人の議員を除いて全員が反対した。
委員会の数の関係など、和光市議会における定数削減4という数字の合理性に疑問があるということ、そして、陳情者の説明が委員会の議員を納得させるものではなかったことが原因だが、これが、なぜかその議員以外は全議員が定数削減自体に反対だというように意図的に歪められて伝わっている。なぜそういう噂になっているかはここでは伏せる。ちなみに、私は数字はおかしいが、とにかく定数削減はすべきなんだから、趣旨採択(趣旨はわかりました、という姿勢を議会が示すこと)として、今後の具体的な課題にするという手もあるという動議を出したい、と提案をした。事前の根回しをしなかったので、賛同者はいなかったが、私はそれによって、態度を表明した。なにしろ、削減することで市役所にリストラ圧力をかけなければならない立場なのだ。
実際、今朝駅頭活動中にある市民に言われた。あなたは定数削減反対なんだね、と。私はそれは「あなたはうそあるいは詐欺の類の被害者である」と説明し、事実の一端を言って多分納得してもらったと思う。
定数削減はやるべき、あるいはかまわないという議員が共産党以外は大多数なので、数字や説明などうまく陳情者が提出していれば採択されただろう(積極的な人と嫌々の人がいるのは確か。だから議案の提出はうまく行う必要があるのだ。)。 」
花見酒の結果は何もなくなるのではない~イマイチすっきりしなかった方のために
花の季節なので花見のネタを。
花見酒という落語があります。
花見酒は2人で互いに酒を買いつつお金が行ったり来たりして・・・という話でおもしろいのですが、オチがわかったようなわからないようなもやもやした気分になる人が多いようです。そこを一緒に考えてみましょう。
私なりの言葉でストーリーからご紹介します。
「春4月のある日、向島の桜が満開と聞いた幼馴染のAとBが花見に出かけようとしたが、2人ともカネがない。
そこで2人は酒屋で三升の酒を借り、それを花見の現場で売って花見の軍資金にしようとした。
一杯が十銭。
酒飲みの心は酒飲みが知る。
行けば売れると考えた2人だが、商売を始めようと考えた矢先、さんざん酒樽を担いで酒の香りをかいだBはもうダメ。
どうしても飲みたい、と「Aよ、一杯売ってくれ」と言い出す。
そして、十銭払って飲む。それを見ていたAも飲みたくなり、また十銭払うと一気飲み。
こうして交互に飲んでいるうちに酒は空っぽ。
そうこうするうちに客が来て「酒を売ってくれ」。
AとBが樽を見てみると、空っぽ。
A「売り切れだよ」。
客は帰っていく。
よし、儲かったかな、と財布を空にしてみると、出てきたのは十銭銀貨一枚。
品物は確かに三升売ったのに、なぜ売り上げがたった十銭?
それは、お互いの間を十銭が行ったり来たりしているうちに酒がなくなってしまったから。」
売り上げが立って、酒が消え、でも現金は十銭。これはどういうことなのか?
実は、簿記の考え方をすればなぜこの現状なのかがすっきり分かります。
出発点は、商売の財布とプライベートの財布は別ということです。
お互い買った酒は、実は売り物なんですよ。これをプライベートで飲んでしまうことを自家消費といいます。自家消費してしまうと、商品はなくなります。また、自家消費の対価を商売の財布に払わなかった場合、プライベートの財布に対し商売の財布は売掛金を計上します(貸しがある状態)。なぜなら、本当は売れるものを飲んでしまったからです。プライベートの自分に対して売った。プライベートの自分は買った、と考えます。
さて、自家消費のための資金はどうしたかというと、実は商売の財布から自分の財布に借りてきて払ったというように考えます。
つまり、AとBは自分の商売の財布からプライベートの財布にお金を貸しつつ酒を買いまくったわけです。
その結果どうなったかというと、AとBの商売の財布には売掛債権(貸し)が残ります。
また、プライベートの財布には酒代分について買掛債務(借り)が残ることになります。
要するに、2人のところには酒も金も残らないというように見えますが、実はそれだけではなく、商売の財布には債権が残り、プライベートの財布には債務が残るのです。
もともと商売の財布には酒があったのですが、酒の在庫はゼロに変化したんです。そして、酒の代わりに商売の財布には売上が立って債権が入ってきたということです。そして、商売の財布の財産の総額は変化していません。
(プライベートの財布は酒を飲んだ分、マイナス。食事をして金を支払ったケースと同じ。そして、マイナス分が債務。)
花見酒の結果は何もなくなるのではないということがお分かりいただけましたか?
2人は花見酒をやってその分、債務を背負ったのです。なぜかオチではそこには触れませんが。
最初に2人は酒屋で酒を借りましたね。商売の財布で借りた酒ですが、彼らは飲むことでそれをプライベートの財布で背負ったわけです。
(商売の財布の債務の当然残っている。)
*念のため補足しますと、売上が十銭というのは嘘ですね。現金残高が十銭であり売上は別です。
経済学の先生の授業は感覚ではわかるのですが、ここは説明がありましたか?
追記:当初、商売の財布を2つに分けて説明したのですが、よく見ると落語の話では共同経営のようなので、そのように説明を修正しました。
青年地方議員の会の仲間と伊奈町、菖蒲町、久喜消防事務組合の視察に
定例会の会期が終わったので、今日は視察の日。
青年地方議員の会という、埼玉の地方議員の勉強会で伊奈町、菖蒲町(役場、給食センター)、久喜消防事務組合に行ってきました。
伊奈、菖蒲両町では改革プランを中心とした意見交換を行い、いろいろと参考になりました。やはり、首長さんと直接意見交換をするというのは勉強になります。
特に菖蒲町のプランはさまざまな市民サービスの見直しを具体的に示しています。町長さんの改革への強い意志と、勇気を感じました。
(どうやら、定員を平成22年までに5パーセント減らすというのは世間相場のようですね。そして、和光市もその水準のプランとなっています。それでいいんですかね。私は少なくとも納得していません。)
県内一の繁盛直売センターであるJA菖蒲では、美味しい手打ちそばを食べました。その繁盛振りには驚きました。ちなみに、もちろん自腹です。
(名物菖蒲苺のイチゴ狩りができなかったのが心残りです。)
また、菖蒲の給食について、地産地消への取り組みが興味深かったです(この点は実は和光も先進地)。
米どころであり、県が推薦している「彩のかがやき」という銘柄米も大量に産している菖蒲町では、米はすべて町内産を使う条件で見積り合わせが行われているそうです。しかも、新給食センターから炊きたてが届くため、子どもが国の基準よりも多く食べてしまう傾向にあり、嬉しい悲鳴だそうです。
さらに、キュウリ、梨、苺も地域のものを使っているます。しかし、果樹が得意な地域の農家の不慣れとする葉物野菜については、一度は栽培してもらったものの、品質管理がうまくいかず結局やめてしまうことになったという話もありました。
最後の消防組合では、GPSを使った新しいシステム等について説明を受けました。
なお、新しいシステムでは携帯電話の着信も地元で受けることができる仕組みに変えたものの、かなりの確率で隣の消防に繋がってしまうそうです。やはり、通報は固定電話が一番です、とのことでした。
一日がかりで県内の東部をうろうろした一日でした。
車に同乗させていただいた鈴木健一東松山市議と今日のコーディネートをしてくれた久喜の石川忠義市議にお礼申し上げます。
今日はまともらない記事ですが、ご報告ということで。
